「大麻以上!」と言われて、どうする!? 青苧 [青苧]
思いがけない形で青苧が注目され出した。青苧フェスティバル報告(1)青苧の将来のコメント欄にメモっていたのだが、あらためて記事として整理する。
2月17日、マドモアゼル愛さんが「愛の日記」に「大麻(おおあさ)に秘められたバイアス」を書いた。
マリファナ原料ということで大麻のみが注目される。しかし、管理栽培される大麻より、刈っても苅っても生えてくるイラクサ(青苧)には、大麻に比べて同等あるいはそれ以上の価値がある。にもかかわらず、大麻が最高と思わされることで、青苧等麻一般の価値から人々は遠ざかる。愛さんの議論を追ってみる。
《 なぜ大麻だけが種を扱い、畑を作り、人間に管理された形で作られたのでしょう。》
《草刈機で何度刈ってもすぐに生えてくるのが、イラクサです。》
《 大麻の特性は本当に素晴らしいのですが、では、他の麻、、例えば、もっとも一般的な苧麻にはそれはないのでしょうか。あるのです。ほとんど変わらないのです。》
《一般の人間と麻との関係に戻して見た場合、実は大麻に苧麻は劣るどころか、匹敵し、それ以上の良質な面を見せることになります。》
《それだけが特別な麻、、という考えにバイアスが入っている》
《水、空気、塩、、、、、そして次に麻が来たとしてもおかしくないほど、麻は重要です。》
《本当の麻が大麻というよりも、麻であり、植物であったのでしょうが、それをあえて大麻という形にしたら、それは麻の可能性を閉じ込めることに為政者が成功することを意味していたのです。》
《大麻は常に管理されて存在した麻です。本当の麻、亜麻やとくにイラクサはほったらかしで、管理などできない強い生命力があるのです。 大麻を取り締まれば、大麻こそ最高の麻、、、と思えば、本当は可能性のある、ほうっておいても勝手に伸びてしまう苧麻を無視することが可能になります。 人々を麻から遠ざけるには、大麻が最高という信仰があると便利なのです。》
《麻の歴史はイラクサから始まるのが、日本の麻の歴史です。》
《その製法の過程において、膨大な人の手と思いが入って価値が出てくるのです。物が重要なのではなく、イラクサに思いと手間がかかることで高価になっていく構造を見ると、それが本当に価値あるものだと私は感じます。》
《あと、数年もしたら、イラクサはきっと水素エネルギーのホープになっていることでしょう。》
《人の偏見の怖さをイラクサは私に教えてくれました。》
《水、空気、草、、、、私たちは身近にあるものを大切に利用すれば、きっと素晴らしい時代が到来する、、、その入り口に立っている》
《物にはどんな物にも、本当は何の力もないのですから。あくまで意識からしかエネルギーも創造もありません。 ただ、その意識に進むお膳立ての条件付けが、特別なものではなく、ありふれた、自然の中にあるものであるとき、時代は自由で楽しく、発展していくのだと思います。》
それから1ヶ月以上たった3月22日、『お金の秘密』の安西正鷹氏がこの議論に注目していたことを、「人生は冥土までの暇潰し」で知った。以下、安西正鷹さんによる【ポイント・私見】から。
青苧フェスティバル報告(2)創作民話「青い糸」 [青苧]
前回の集客は鈴木由紀子さんに負うところが大きかったが、今回はなんといっても多勢久美子さんのおかげだ。
多勢さんに創作民話を語ってもらおうということにはなったものの、その民話はどうするのかまったくあてがない。当初は平成16年第一回青苧フェスティバルの創作民話劇「あおそのさと」(齋藤健太氏作)を民話化しようかと楽な方法を考えていたが、その脚本がみつからない。そうこうしているうちに時間が過ぎる。多勢さんには6月中には出して欲しいと言われている。他にもいろいろ考えねばならないこと、しなければならないことが山ほどあるのに、なかなか先が見えてこない。きっかけとなったのは、6月23日、大麻博物館で高安さんから聞いた生玉依姫と大物主神の赤い麻の糸の話だった。青苧の青い糸につながっていったのだった。なんとか熊野大社末社の青麻神社をクローズアップさせたいというかねてからの思いも盛り込めた。
「いよいよ午後の部に入ります。
まず、いまや語り部界の人間国宝、多勢久美子さんです。
多勢さんはいま、『民話会ゆうづる』の会長さんを務めておられますが、その活動範囲は全国に及び、つい先日は北海道でワンマンショーをやって帰られたばかりです。
今回青苧フェスティバルを開催するにあたり、多勢さんに青苧にかかわる新作民話をやっていただけないかとお願いしたところ、快く引き受けていただきました。
実行委員会で頭をひねって大筋を考え、あとは多勢さんがどう料理してくださるか、
今日ほんとうに初公開のお話です。題は『青い糸』。それでは多勢さん、よろしくお願い申し上げます。」
以下は多勢さんにお渡しした原稿。多勢さん、うまく料理してくださいました。
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青苧フェスティバル報告(1)青苧の将来 [青苧]
14日の青苧フェスティバル、準備期間が短く、宣伝活動も不完全燃焼でどれだけの方に来ていただけるかほんとうに心配だったが、一応参加者総数250名と主催者発表できるほどの盛況。内容的にも当初考えていたイメージ通りで、ほぼ大成功といえる形で格好がついた。
今回は漆山英隆さんの「よみがえる南陽の青苧」刊行から出発したのだが、私としては高安淳一さんの文章との出会いがなければ乗れなかった。「大麻取締法というのは本来、栽培全面禁止という占領支配に抗して日本文化の中の大麻をなんとか守らなければならないというのが法の趣旨である。『大麻=悪』なのではなく。『大麻=善』なのだ」という、高安さんに講演していただいた意図は十分伝えることができたと思う。「目からウロコだった」という声を何人かから聞くことができた。
午前中の「本気討論会」。全く打合せなしで始めたパネルディスカッションだったが、短時間にそれなりの内容を引き出すことができた。各自自己紹介のあと、いきなりコストの問題に入った。それで浮かび上がった解決法は、
第4回青苧フェスティバル、高安淳一大麻博物館長講演!多勢久美子さん新作民話! [青苧]
「よみがえる南陽の青苧」発刊 [青苧]
上杉謙信公の力の背景は、青苧及び越後縮布(ちぢみ)の生産及びその対外流通に対する課税であることが広く知られるようになってきた。上杉藩の越後からの国替えにともない、若い頃から青苧生産に深く関わっていた直江兼続公はそのノウハウをそっくり置賜に移し、さらに専売制へとつないでゆく土台をつくった。青苧専売制は後に、窮乏する上杉藩の財政を救うことになる。
置賜産の青苧は最高の品質だった。鷹山公に始まる米沢織、置賜で生まれた世界に誇る優良生糸「羽前エキストラ」、それらの源流をたどると青苧に行き着く。平成元年、その青苧に着眼し、中山間地域ムラおこしの切り札にしようとしたことは実に慧眼であったといっていい。
青苧フェスティバルと鈴木由紀子さん [青苧]
昨日、大掛かりなものとしては2回目の青苧フェスティバルを終えた。スタート当初当てにしていた助成金が入らないことになったのに加え、本業の繁忙期が重なり、開けるまで本当に心配したのだが、概ね盛況だったといっていい。今朝の山形新聞がカラーの写真入で大きく取上げてくれている。以下山新記事。
(転載はじめ)
青苧文化を復興へ
南陽 講演会や意見交換
江戸時代に置賜、西村山地方で高級織物の素材として栽培され、紅花と並ぶ本県の特産物だった青苧(あおそ)文化の復興を目指す「青苧フェスティバル」が20日、南陽市交流プラザ「蔵楽」で開かれ、関係者が地域の伝承活動などについて意見交換した。
約百人が参加。菊地和博東北芸術工科大学准教授が「最上川舟運と今に生きる青苧」と題して基調講演、「青苧は江戸時代に最上川を使って奈良などの織物産地に運ばれていたが、越後街道も重要な輸送路で、北陸との経済交流に大きく寄与した」と解説した。
続いて、大江町歴史民俗資料館サポーターの村上弘子さん、朝日町のエコミュージアム協会の長岡信悦理事長と宮森有香理事、南陽市古代織の伝統を守る会の川合ひさ子副会長(青苧工房主宰)と漆山英隆事務局長の5人が「青苧の可能性を探る」をテーマに意見交換。「南陽、朝日、大江の三市町の関係者が連携し、一定期間に共同のまつりを開催してはどうか」「全国の衣料文化を支えた青苧を地域の素材として生かし、全国に発信していこう」などの意見が出された。
米沢市在住の作家鈴木由紀子さんは、「直江兼続とその妻おせん―青苧との関わりの中で」と題して講演。「農業を深く理解していた兼続は『四季農戒書』という農業指導書を残しており、これには青苧のことがたくさん出てくる。米沢でもより大きな収入につながる青苧の織物に取り組もうとしたはずだが、産地だった越後からの妨害があって実現しなかったのでは」との見解を示した。
南陽市古代織の伝統を守る会(小野田信吉会長)が中心となって実行委員会を組織し開催した。
(転載おわり)
板子一枚下は地獄? [青苧]
知足さんのコメントhttp://blog.so-net.ne.jp/oshosina/2006-04-27#comments、
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> 電気が使えなくなったら私の仕事もたちまちお手あげになってしまうわけで、
めいさんのお仕事だけでなく、殆どの仕事はできなくなります。残るのは、未開地の生活のみでしょう。
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「文明生活」と思いながら、なんともあっけない不安定な基盤の上のわれわれの生活なわけです。
一昨年山形新聞の「提言」欄に書かせていただいた文章を思い出しましたので載せておきます。