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青苧フェスティバル&創作紬展(3)青苧の可能性 [青苧]

世の中は、なんでもタダになる方向に向かっている、そう思っています。(『限界費用ゼロ社会』(1)「希望」が「確信」に変わる30年後の置賜(「光の子」原稿)プラチナ構想ネットワークinおきたま シンポジウム(承前)等で書いた通りです)マドモアゼル・愛さんの文章を読んで、青苧(=イラクサ)はそのことのシンボル的存在なのかもしれないと思うようになっています。青苧はどこにでも生えています。10年位前宮内公民館での青苧フェスティバルのとき、近所の古老が青苧の写真を見て「それなら菖蒲沢にいっぱいある」と言って、取ってきてくれたことがありました。9月22日の市民大学講座現地研修で池黒の皇大神社に行ったら石段の下に生えていました。元来わざわざ栽培しなくてもタダで手に入るのです。それに手をかけることで、値段をつけると一反何百万円もの布になる。宮古上布shopping.jpg(マドモアゼル・愛さんが「何千万円」という根拠は不明)特殊な人しか手に入れることの出来ない高嶺の花です。金に換算されたとたん、青苧も特別なものになってしまいます。 そこで「金換算」というわれわれに身についた習い性を取っ払ってみるのです。青苧は「刈って、剥いで、削いで、裂いて、績んで、染めて、織る」その一連の工程、手間ひま惜しまずやる気になれば全部ひとりでできてしまいます。金換算をやめて、何をしたらいいかわからない人が取組むには最高の仕事になるはずです。そのことに気づいて、ポスターとチラシを持って社会教育課長に行ってきたところでした。商工観光課、農林課主導で始まった南陽市行政の青苧への取組みは挫折しましたが、社会教育の観点から青苧を考えるとすごい可能性が開けてくる、そう思います。以下、チラシの裏面に書いた文です。

*   *   *   *   *

 ラジオの人生相談でおなじみのマドモアゼル愛さんは麻製品の礼賛者です。愛さんは、同じ麻でも大麻と青苧(苧麻・イラクサ)を比較して、管理生産される大麻よりも、どこにでも生えている青苧の方が、はるかに質的に優れていると言います。そして青苧の価値について 《その製法の過程において、膨大な人の手と思いが入って価値が出てくるのです。物が重要なのではなく、思いと手間がかかることで高価になっていく構造を見 ると、それが本当に価値あるものだと私は感じます。》  と言っています。
 水や空気のようにありふれてあるものが、手をかけられて価値を高めてゆく、それが青苧です。
 越後において上杉家が力をつけたのは、何よりも青苧によってでした。青苧とその製品である越後縮布(ちぢみ)、それを藩外に流通させる際の課税によって財を蓄えたのです。若い頃から青苧生産に深く関わっていた直江兼続公は、上杉藩の越後からの国替えにともない、そのノウハウをそっくり置賜に移しました。そ の成果が鷹山公の時代、窮乏する上杉藩の財政を救うことになったのです。置賜産の青苧は最高の品質でした。鷹山公に始まる米沢織、明治になって、世界に誇る優良生糸「羽前エキストラ」、その源流は青苧です。
 平成元年(1989)。南陽市はその青苧を中山間地域ムラおこしの切り札にしようとして、 青苧への取組みが始まりました。以来30年、副産物として南陽市を代表する文化施設「夕鶴の里」が生まれましたが、当初の目論見は達成されないままです。 その理由は、青苧の栽培から製品化に至るまで、その手間ひまをコストとして積み上げてゆくと、その価格は一般に流通するには到底なじまなかったのです。
  行政からの支援が打ち切られたのを機に、平成14年に誕生したのが「南陽市古代織の伝統を守る会」でした。成果の見えぬまま行政が見放した青苧伝承の命脈を、民間で引き継いでゆこうとしたのです。今回で6回目の青苧フェスティバルの開催や地元小中校での講習などによって、世の中に青苧について知っていただく役割を果たしてきました。食文化への活用案も出て、さまざまな青苧食品も生まれました。しかし、繊維としての青苧製品復興という本来目的の達成にはほど遠く、あくまで青苧の命脈を保つための「守る会」でした。発会当初は50人を超えていた会員も今や10数人、高齢化も進んでこの先どうなるかというのが実情です。
 しかし希望がないわけではありません。青苧を育てて刈り取り、剥(は)ぎ削(そ)ぎを経て繊維をとり、績(う)み紡(つむ)いで糸にして 機(はた)を織る。そこには、カネに換算される以前の人の営みがあり、喜びがあります。人間社会がゼニカネに振り回されることから卒業したとき、きっと青苧は再び輝き始めるにちがいありません。まさに「青苧ルネッサンス(復興)」です。それはもうすぐ目の前です。そんな希望を込めて開催する、「青苧フェス ティバル&創作紬展」です。
 多くの方のお出でをお待ち申し上げます。
 

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めい

中村篤史クリニック
https://note.com/nakamuraclinic/n/n0d19d00ae117
2023年6月25日名古屋でCBDオイルのセミナーがあります。医療関係者だけではなく、一般の人もご参加いただけます。
僕も演者として話しますので、興味のある方はお越しください。
画像
https://www.fnn.jp/articles/-/526076

ちなみに、CBDオイルは今後数年、かなり熱いテーマになると予想しています。というのは、大麻取締法が75年ぶりに改正される動きがあるからです。
これによって、医療用大麻が合法化されます。すでに聖マリで大麻成分の抗てんかん薬(エピディオレックス)の治験が進行中で、恐らく認可されます。認可されれば、ろくに効かない既存薬を一気に駆逐する可能性さえあると期待しています。
大麻の利用について、日本はこれまで部位規制だった。大麻の種は、麻の実として七味唐辛子を構成する七つの味のうちの一つとして欠かせないし、大麻の茎の線維は伝統工芸品とか神事に欠かせない。だから、「種と茎はオッケー。でも花、葉、根はダメ」というバカげたルールだった。しかし、この部位規制から成分規制に変えていこうというのが、今回の法改正の目玉のひとつ。
成分規制として、THCという酩酊成分がけしからんということだけれども、これをどうするか。今厚労省でまさにこの点が議論されています。
世界的な潮流から見て、THCゼロは現実的じゃない。アメリカは0.3%まで認可されている。タイやEUは0.2%。日本はどうなるか。アメリカに準じて0.3%か、あるいは0.2%以下か。
この秋には法案を出して、来年1月の施行を目指しているというから、もうすぐ大きな動きがあると思う。CBDなどの大麻製剤が市民権を得る時代が来そうだ。

by めい (2023-06-11 04:08) 

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