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mespesadoさんによる経済談義(154)「供給力」が第一義 [mespesadoさんによる1億人のための経済講]

わけのわからぬ「経済プロ」の世界から抜け出て、「あたりまえの感覚でだれでも納得の経済理解」へと回帰させる、mespesado理論のいちばんだいじなところです。
《たとえ貨幣が本位通貨性の時代であっても、貨幣の価値を決めていたのは国が持つ金の量などではなく、国家の供給能力だったはずで、松下さんも、「企業は儲けるべし。そして利益の大半を税金として納めるから国の財源ができるわけです」などと言わないで「企業は作るべし。そして作った製品を国民が消費できるから国民が豊かになるわけです」と言うべきだった。》
《グローバル企業の強欲さ》とは、《自らが供給したモノやサービスに見合う対価以上に貨幣を得ようとする強欲性》であり、その結果としての自分たちだけがカネの亡者になることに熱中する社会性のない企業》なのです。
*   *   *   *   *
942:mespesado :2019/11/13 (Wed) 07:24:13
https://twitter.com/ssomurice_round/status/1193724019972788225

弓月恵太@ssomurice_round
> 『まずは税金払えよソフトバンク』
> 孫正義氏をヨイショする記事が多いこと。
> その一方で「ダブルアイリッシュ・ウィズ・ア・ダッチサンドイッチ方
> 式」を使った税金逃れを誰も指摘しない。
> 国民に利益を還元しない社会性さえない企業のブランドは、今後地に落
> ちるだろう。
https://toyokeizai.net/articles/-/313148
> 赤字のソフトバンクが宿す「WeWork」3つの懸念

> 株式市場は正直である。
> 日米企業の堅調な業績を受けて平均株価は上昇を続けている。
> しかし、その中にあって、デリバティブ経営や租税回避を行なってきた
> グローバル企業、及びその金融仲介を手掛けてきたウォール街の投資銀
> 行の業績は振るわない。
> 国家を愚弄してきたバカ共が顕在化している。

> 今後注目すべきは、この米中に跨るグローバル企業の衰退と、その租税
> 回避を支援してきた金融街や、ルクセンブルク、アイルランド、香港な
> どの没落だろう。
> マスコミはやたら香港の民主主義を正当化するが、あの地は単にドルペ
> ッグ制を採用し、租税回避や資金洗浄を繰り返してきた金融都市である。

> 反国家主義とは、反日だけではない。
> グローバル企業優先、国家弾圧、緊縮財政圧力を強いてきた勢力は国際
> 的に談合している。
> 金融街、軍事産業を中心に、米国民主党、ネオコン、EUの欧州中央銀行
> 閥、中国江沢民派、ロシアガスプロム利権。
> そして、世界のマスコミ90%である。
> まさに戦後体制だ。

 ↑根本的なところでツッコミどころがあり、かつそれ以外は本質を突いている、という何とも言えない記事。ちなみに「ダブルアイリッシュ・ウィズ・ア・ダッチサンドイッチ方式」については、このツイートのリプの中に説明がある↓
> ダブルアイリッシュ・ウィズ・ア・ダッチサンドイッチ方式
> 二重課税回避という言葉を使って経団連が推奨しちゃってるようなフシ
> があるような(´・ω・`)
https://pbs.twimg.com/media/EJE1iQoUEAA8W3R.jpg

 そのツッコミどころに関係するのだが、この弓月さんの記事を巡るやりとり↓

いつかのきみたちへ@2525JOKER8888
> 適法な範囲内だったら節税はなんとも思わない。むしろ、国に渡して無
> 意味に使われるより、孫さんの方がまだ社会の発展に使ってくれると思
> うから、私はこれでいい。weのことがあったとしても。
 ↓ ↓ ↓
弓月恵太@ssomurice_round
> 国に渡して無意味に使われるとか言いながら、その国に住んでる謎の人
> 物ww
> 国際的なOECD租税委員会の動向も、国税のソフトバンクに対する調査も
> 知らないんだろうな。
> 社会の発展ww
> その社会とはどこにあるんだろう?
> お花畑につける薬はない。

 そして、先ほどの記事へのリプの中にある松下幸之助の言葉とやら↓
Poko@poko_borninfeb
> 松下幸之助氏の言葉「企業は儲けるべし。そして利益の大半を税金とし
> て納めるから国の財源ができるわけです」パナソニックが発展してきた
> のは幸之助氏の理念あってこそ。

 もうね、弓月さんや、Pokoさんや、その中で参照された松下幸之助さんなどが、グローバル企業の持つ本質的な「強欲性」を非難しているのはものすごく理解できるし、そのとおりなんだけれども、現代の不換貨幣について根本的に誤解があるところがすごく悲しい。
 まず松下さんだけど、確かに松下さんが活躍した時代は貨幣が「本位通貨性」の真っただ中だったから、貨幣は「勝手に作れない」から、企業の儲けを国に還元する、という意味が国税にはあったかもしれないが、結局松下経営塾を通じて民主党の野田総理のような人を生んじゃったのは悲劇としか言いようがなく、その根本思想について考え直す必要がある。
 たとえ貨幣が本位通貨性の時代であっても、貨幣の価値を決めていたのは国が持つ金の量などではなく、国家の供給能力だったはずで、松下さんも、「企業は儲けるべし。そして利益の大半を税金として納めるから国の財源ができるわけです」などと言わないで「企業は作るべし。そして作った製品を国民が消費できるから国民が豊かになるわけです」と言うべきだった。
 弓月さんも、あれだけ反緊縮派から指摘されて少しはわかったかな、と思ったんだけど、根本のところで理解していないとしか言いようがない。グローバル企業の強欲さを批判するなら、自らが供給したモノやサービスに見合う対価以上に貨幣を得ようとする強欲性こそが非難の対象となるべきで、税金を払わないことで「国民に利益を還元しない社会性さえない企業」などという言い方で批判するのではなく、「国家の不換貨幣の性質に対する誤解を悪用して緊縮財政を強い、貨幣価値を釣り上げながら、自分達は方の抜け穴を探しては節税に努めて必要以上に貨幣を溜め込み、自分たちだけがカネの亡者になることに熱中する社会性のない企業」と批判すべきなんですよね。そういう批判であれば、「いつかのきみたちへ」さんのようなトンチンカンな反論も受けなくて済んだのに、と大変残念に思います。

945:mespesado :2019/11/13 (Wed) 21:53:56
【東洋経済】MMTをめぐる議論で欠けている「供給力」の視点
https://toyokeizai.net/articles/-/311863
 中身は対談形式。この中で、6ページ目での次の中野剛志さんの次の発言が光っている↓

> 中野:供給の分析が不十分というのはケインズの理論の欠陥でもあった
> んです。僕はMMTをめぐる議論に欠けているのはこの視点だと思っていま
> す。MMTを批判する人たちは供給力の議論を欠いたまま、目先の需要の増
> 減だけ考えて、「財政支出増でインフレが起きる」という議論をしてい
> る。

 まさに表題にもなっている「MMTの議論では供給力の視点が欠けている」とのことですが、中野さんたちも、なぜ欠けているのかという理由は解明してません。そんなの、私が前から言っているとおり、MMTが米国で力説され始めたからに決まってるじゃないですか!彼らは自分達のドルが価値を維持している理由が米国の供給力ではなくて基軸通貨であることにある、ということを知っていて、それを堂々と主張するのは恥だから黙っているのであり、供給力の方向に話を持ってきたくないわけで。
 でも、こうしてやっと日本人の間で、単なる米国の経済学者の受け売りの段階を脱して「供給力がいかに大事なファクターか」ということに目が向いてきたのは大変良いことだと思います。


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