直江公の実母が捻じ曲げられてしまった理由―米沢藩における「義」の屈折 [直江兼続]
昨年の暮れ、米沢日報の成澤社長から「元旦号に載せたいので『直江兼続と南陽』について書いてくれ」との依頼があった。何とかしなければと書きかけたもののなんともならず年を越してしまった。年が明けてちょっと本気になって取り組んだら思いがけないところにたどり着いてしまった。成澤社長に見せたら文化欄に2回に分けて載せてくれるという。題して「米沢藩における『義』の屈折」。置賜の人にどれだけわかってもらえるだろうか。
* * * * *
直江兼続公の実母について [直江兼続]
10月25日、息子が山形での「天地人」シンポジウムに行って加来耕三氏の講演を聴いてきた。加来氏曰く「NHKに は教養部門とドラマ部門は全く別のセクションで、歴史を題材にする際、教養部門は事実かどうかのウラをとるが、ドラマ部門では事実かどうかは問題にならな い。山形はまじめな人が多いので、直江兼続について歴史的事実と異なるということが問題にならないかと心配だ」とのこと。実は、兼続公の実母問題はまさに 加来氏が心配するところのそれなのだ。実母の実家である泉氏尾崎家に連なる尾崎哲雄氏(85歳)は「これまで何度もNHKに 史料や手紙を送ったが無しのつぶて。その挙句、兼続公の母は直江景綱の妹としてお藤という名前で登場させるという。われわれ尾崎に関わりあるものにとって は人権蹂躙、できれば一冊の本にまとめるなどしてなんとか世の中に真実を訴えたい。是非協力して欲しい」ということで、問題はこちらにふりかかってきた。 そんなわけで、「私にできることはインターネットに乗せることことぐらい」とその場を辞してきたので、どれだけの足しになるかはわからないけれども、私の わかる範囲での事実を紹介しておきます。
○ ○ ○