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mespesadoさんのによる1億人のための経済談義(82)番外編「希望を取り戻せ!」 [mespesadoさんによる1億人のための経済講]

mespesadoさんのひとことじーさんと猿都留さんとのやりとりです。以下、結論3つ。(本文では文字を大きくしています。)

①《「増税」よりも、「減税」を省益にした方が、絶対天下り先の確保は楽になるはずですから財務省にとっても文句は無い》⇨《国益に添った理想的な体制》

②《「財政赤字を解消したらトンデモく酷いことになるんだよ」》

③《MMTに沿って国会質疑が行われたというのは画期的》

とりわけ①は、財務省にとって「目からウロコ」かもしれません。自然に世の中はこの方向に向かうと思えました。

③、ひとことじーさん紹介の西田昌司参院議員レポートも必読です。「バブル崩壊→不良債権処理⇨企業リストラ⇨徹底的なコストカット」、このときのビジネスモデルが一過性に終わらずに日本に定着してしまい、さらに声高な「財政赤字」と相俟って日本の未来を暗くしている。《今、日本に欠けているのは将来に対する希望なのです。》

*   *   *   *   *

622:ひとことじーさん : 2019/06/06 (Thu) 12:35:18
 
    巷で、よく言われる「財政破綻が~」というフレーズを思い出していました。
    「中央銀行制度」とは、「政治家」の思惑を「金融・財政」から隔離する制度ですよね。
    小生の理解では、「中央銀行制度」とは「金融・財政」で国家を支配する仕組みに見えるんです。
    そこで、mespesadoさんの教えを元にして考えてみました。

>>611:mespesado: 2019/06/05  さんの解説↓
    リフレ派とMMT派の違いを簡単に言うと、
● リフレ派 = 中央銀行を作り、政府から紙幣発行権を奪ったのは、インフレを防ぐためなんだから、この制度を尊重しよう
● MMT派 = 供給力の向上でインフレよりデフレを心配しなきゃならなくなったんだから、財政ファイナンスで事実上政府が通貨発行権を持つことをジャンジャン利用しよう

    財務官僚はリフレ派を嫌いますが「金融支配体制」は安泰なので、泳がせておける。
    しかし、MMT(現代貨幣理論)派が世論の理解を得て、支持を拡大するとどうなるか。
    「財務省」の位置づけが「予算編成局」辺りに格下げになるのは明白です。ww
    「財政破綻が~」から「財務省破綻が~」となる・・・悪寒。
    「財務省破綻」は、政治(国民の代表)が権力を取り戻すこと
    そうなれば、真っ当な議員がスキャンダルに襲われることも減り、選挙に行く楽しみが増えますね。ww
    :最後になって申し訳ありませんが、
     間違いがあればいけないので、mespesadoさんの添削を頂けるとありがたいです。m(_ _)m

623:mespesado: 2019/06/06 (Thu) 21:52:05

>>622
    財政について、財務省と日銀の役割分担というのは、昔から、財務省が国のオカネの入りと出を管理し、日銀が通貨「円」の貨幣価値を管理する、という棲み分けができていると思うのです。
    だから、日銀は金利を操作したり、売りオペ、買いオペと呼ばれる銀行の保有する「国債」と「現金」の交換によってオカネの量を調整して「円」の価値をコントロールしようとするわけですね。これに対して財務省は紙幣発行権を持たないから、通常の家計や企業と同じで国が「儲ける」ために、収入(つまり税金)を増やし、支出(つまり一般会計予算)を減らす、ということに専念する、ということになります。
    それでも昔は財務省も戦時は戦費の確保に協力して支出を増やしたり、平成不況に突入する前は、不景気な時に財政出動して収支を一時的に「悪化」させてでも景気対策に協力したりしていました。
    それが、多分例のノーパンシャブシャブの頃からでしょうか、財務省の威厳は地に落ち、金融庁の分離などで財務省の権力が削がれてからは、財務省は自分の権威を守ることに固執するようになり、国の景気対策は二の次になってきたように感じられます。
    これに加えて、何度も名前を出して恐縮ですが、1960年頃登場したマンデル=フレミングにより、その後変動相場制に移ってからは、景気対策には日銀管轄の金融政策だけが効果があり、財務省管轄の財政政策は効果が無い、というのですから、日銀と財務省の役割分担はこれで更に強化されてきたのだと思います。つまり、財務省は景気の動向に関係なく“安心して”国の「カネ儲け」に専念する、という名目で、実は徴税権と予算編成権にまつわる利権の拡大に勤しんできたわけです。そして、これはアベノミクスが依拠する「リフレ政策」でもこの構図に変わりはありませんでした。だからこそ、財務省出身の黒田日銀総裁は、自分の出身母体である財務省の管轄に直接利害が及ばない金融緩和で政権に安心して協力してきたのです。
   ところがMMTの登場は、この「麗しき役割分担」を完全に破壊してしまったのです。なぜなら、国の収入支出の差には実は何の意味もないんだ、税金は国の収入なんかじゃなくて単なる通貨の回収に過ぎないんだ、というだけでも今までの仕事の目的の喪失感はハンパ無いし、おまけにマンデル=フレミングとは逆に、日銀管轄の金融緩和は景気対策には実は効果が無く、財務省管轄の財政政策こそが景気対策として効果がある、というのですから、財務省は今までやってきた「国のカネ儲け」たる、収入の拡大、支出の縮小とは真逆の行動を取らなければならなくなったわけですから、そんな急な転向などすぐにできるわけがありません。
    財務省がMMTに対して必死で抵抗しているのは、もちろん自分たちの利権が脅かされるというのはあると思いますが、それ以前に自分たちの仕事の目的が喪失するどころか真逆になる、ということによる「今までの仕事はいったい何だったの?」というパニックによるものが一番大きいのではないでしょうか?
   しかし、冷静に考えれば、財務省は要するに今までとは逆をやればいいので、徴税権を利用して「減税」利権を漁り、予算編成権を利用して「予算拡大」利権を漁ればよいだけなんですから、向きが逆になるだけで、別に財務省の権限が縮小するわけではないのです!
    その点、財務省OBの高橋洋一さんのようなリフレ派の主張だと、財務省の役割は今までとは変わらないにもかかわらず、その目的に反する「消費税の減税」をやらなきゃいけないと言われているわけで、こっちの方がよほど財務省にとっては迷惑千万で到底受け入れられないはずです。
   なので、MMTの主張の方が、財務省を最初にパニックに陥れる度合いではリフレ派の比ではないけれど、ひとたびパニックから抜け出して冷静になれば、実は堂々と自信を持って自分たちの職務に励むことができる、という意味では財務省にとっても望ましいことだと思うのです。そういう意味では財務省にはMMTの正しさをきちんと吹き込む方が、別段財務省を廃止しなくても済むし(藁)、やたら財務省を敵認定して意固地にさせなくて済む良い方法だと思うんですね。
624:mespesado: 2019/06/06 (Thu) 22:03:28

>>623
 すいません。言わずもがなのことではありますが、財務省の名前を出したところの一部は、まだ名称が大蔵省だった頃を含んでいます。

626:ひとことじーさん : 2019/06/07 (Fri) 07:28:19
 
    >>623 >>624
    mespesadoさん 丁寧な回答を頂き感謝です。m(_ _)m
    一つだけ、気になることがあるんです。
    小生の知人(某官庁の局長経験者で、今も自分で作った天下り先の理事長在職中)が言っていたこと。
    「結局、官僚というのは、天下り先を作らないと出世出来ないんだよね」
    この原則(?)が財務省にもあるとすれば、
    今までの論理で天下りしている「財務省OB」を説得するのは、かなり難しいような気がするのです。
    ただ、mespesadoのおっしゃるとおり、「財務省の改心」がベストだと思います。
    「MMT(現代貨幣理論)」の浸透に頑張りましょう。
    昨日は「知り合いの市議会議員さん」に「MMT(現代貨幣理論)」を吹き込んでいました。
632:mespesado: 2019/06/07 (Fri) 22:14:41
 
>>626
ひとことじーさん様

 > 今までの論理で天下りしている「財務省OB」を説得するのは、かなり難
 > しいような気がするのです。

  実は >>623 における私の提案は、そこもちゃんと考えています。
    というのは、財務省は「増税」したいんですよね。ところが天下り先は民間企業ですが、民間企業にとっては、普通なら増税されると困るはずですよね 。もちろん法人税増税は民間企業の収益を直接圧迫しますし、所得税や消
費税を増税すれば消費が減り、その結果民間企業の売り上げが落ちるので、民間企業にとってはやはり損です。
    こういう原理的な難点がある中で、財務省は天下り先をどうやって確保したか。
    それが、経産省の利害である法人税の減税方針で経産省とニギり、法人税は減税を進めることにしたことによって民間企業に恩を売った②輸出戻し税により、消費税を上げると大企業が得をするようにした、といった「よくもまあ、こんな巧妙な仕組みを考えついたものだなぁ」と感心するようなアクロバット的な制度を作って大企業に恩を売って天下り先を確保したのです。
    ところが、もし「減税」が財務省の省益に合うように、財務省の設立目的を変更したなら、なにもこんなアクロバットのような制度をわざわざ作らなくても、特定の企業の特定の分野に対する「特別減税制度」を作って、こ
れをエサにいくらでもその特定企業に天下ることができますし、もし他の業種が「ズルい!オレのところも特別減税しろ!」と言われたら、「よし!あんたのとこも特別減税したる」と恩を着せることで、更に天下り先を増やすことができるんですから、こっちの方が絶対オトクなはずなんですね。
   つまり、切り替えた当初は混乱するかもしれませんが、「増税」よりも、「減税」を省益にした方が、絶対天下り先の確保は楽になるはずですから財務省にとっても文句は無いはずです。
640:mespesado: 2019/06/08 (Sat) 06:35:42 host:*.itscom.jp

>>632
 ついでに言えば…。
 今の財務省が省益を追求すると、インフレ防止には良いが、デフレの時はデフレを促進するから良くない。ところが財務省設置要綱を「減税・予算拡大推進」方針に改定すると、財務省が省益を追求すると、インフレ促進になるからデフレ脱却に都合がよい。
 一方の日銀は、自身の利益を追求しても、インフととデフレについてニュートラルですが、例の「紐を引っ張ると手繰り寄せることはできるが、紐を緩めても遠ざけることはできない」の例えどおり、金融引き締めでインフレを抑えることはできるが、逆に金融緩和でデフレを脱却させることはできません(理論でも現実でも実証済み)。ならばインフレの懸念が生じたときだけインフレ抑制の金融政策を取ればよい。
 これ、相互牽制として丁度良くありませんか?
 かつて、それから今でも一部の人が主張する「日銀の独立性」は、このように財務省が「減税・予算拡大推進」組織になってこそ真に機能します!
 財務省が「減税・予算拡大推進省」になった後ならば、このような日銀の「良い意味での独立性」をキープした上でなら、日銀総裁は財務省OBを受け入れないで、日銀プロパーの総裁の方がいいですね。

641:ひとことじーさん : 2019/06/08 (Sat) 09:12:53 host:*.plala.or.jp

>>640
Mespesadoさん

>今の財務省が省益を追求すると、インフレ防止には良いが、
>デフレの時はデフレを促進するから良くない。
>ところが【財務省設置要綱】を「減税・予算拡大推進」方針に改定すると、
>財務省が省益を追求すると、インフレ促進になるからデフレ脱却に都合がよい。
>一方の日銀は、自身の利益を追求しても、インフレとデフレについてニュートラルですが、
>例の「紐を引っ張ると手繰り寄せることはできるが、
>紐を緩めても遠ざけることはできない」の例えどおり、
>金融引き締めでインフレを抑えることはできるが、
>逆に金融緩和でデフレを脱却させることはできません(理論でも現実でも実証済み)。
>ならばインフレの懸念が生じたときだけインフレ抑制の金融政策を取ればよい。
> これ、相互牽制として丁度良くありませんか?
> かつて、それから今でも一部の人が主張する「日銀の独立性」は、
>このように財務省が「減税・予算拡大推進」組織になってこそ真に機能します!

まさに、国益に添った理想的な体制がイメージ出来ますね。禿同です!
 遅くなりましたが、的確で丁寧なご回答に深謝です。m(_ _)m
*   *   *   *   *

629:猿都瑠 : 2019/06/07 (Fri) 13:33:54
 
    色々な飲食店の店長やスタッフと話す機会があるのですが、比較的に議題?として上がってくる事が多い国家財政の話があります。
    ほぼ全員と言って良いほど、国家財政を家計と一緒に考えてるんですね。
    お金がないのに赤字ばかり増やしてる。
    返済出来なくなったら破産しかない。
    九分九厘こう考えてるんですね。
    国家にはお金を刷る力があって…って話をすると、水増ししたら円の価値が下がって…と言う話になれば良い方。
    お金が無いなら刷れば良いって言うと、勤勉な方々は悪い感情しか抱かないんですよね。
    労働で得た分しか資産を増やせない、お金が無いなら使わないしか無いじゃない、と。
    これを解きほぐす労力たるやって感じですね。
    国会議員ですら、この感覚を抱いている人は多いんじゃ無いでしょうか。
    草の根運動を展開しても限度があるので、何かしらの政治的ブレイクスルーが無ければ、前途は厳しいかなと言う実感です。

    猿都瑠@股関節ストレッチと湯治が欠かせない日々
633:mespesado: 2019/06/07 (Fri) 22:47:09
 >>629
     猿都瑠さま

> 国家にはお金を刷る力があって…って話をすると、水増ししたら円の価
> 値が下がって…と言う話になれば良い方。

> お金が無いなら刷れば良いって言うと、勤勉な方々は悪い感情しか抱か
> ないんですよね。

 実際にお話をされたんですね…。やはり想定通りの反応でしたね。
 実は私が >>594 >>595 >>598 >>599 で解説した「説得方法」では、そこを突破することが一番大事だと思って作戦を練ったところなんです。
  一般に、人は「~してはいけない」と信じているところに「いや、~してもいいんだよ」と言われても、「そんなウマい話があるものか!騙されないぞ」という意識で臨むので、なかなか話を素直に聞いてくれません。
    「国債が償還を迎えたらオカネを刷ればよい」というのもその典型的な例で、「オカネを刷ってはいけない」というのは個人レベルの話では「常識」ですから、国の会計も当然のように同じだと思っていますから、「そんなウマイ話には騙されないぞ」と思っている相手には、まともに取り合ってもらえません。
    そこで、逆に、「~すべきだ」と一般には信じられている事柄に対して、「いや、~してしまうと実はトンデモなく酷いことが起きるんだよ」という話をする方が、話を聞いてくれます。なぜなら、この場合は結論が相手の想定外なはずなので、絶対「え??何で???」と訊いて来るはずだからです。そうなればしめたもの、その理由をトクトクと説明すればよい。
    だから私も >>594 で「財政赤字は解消すべきだ」と当然のように思っている相手に対して、「財政赤字を解消しなくてもよい」という話に先立って、「いや、財政赤字を解消したらトンデモく酷いことになるんだよ」という話から入るのがよい、と書いたのです(このトンデモなく酷いこと、とは日本で流通しているオカネの大半が消滅してしまう、という話)。
    猿都瑠さんだけでなく、もし他の人も財政赤字の雑談に出くわしたら、こういう手法で説明してみてもらえないでしょうか?是非その反応をお伺いしたいと思っていますので。
*   *   *   *   *

630:ひとことじーさん : 2019/06/07 (Fri) 20:05:08
 
    (最終章の【信用創造の大本は希望である】に禿同です。長文ですがご参考まで。)

    西田議員さんが、自民党国会議員全員に配布されたという資料↓

    参議院議員 西田昌司のホームページ
   http://showyou.jp/showyou/

    第98号 (2019/05/01)

    財政再建至上主義は間違い! 
    MMTを活用せよ!参議院議員 西田昌司

     MMT(modern monetary theory 現代金融論)が今、世界で注目されています。
    元々は、トランプ大統領と大統領選を競った民主党の大統領候補サンダース氏が、
    自らの経済政策の柱として訴えたことが端緒です。

    MMTの最大の特徴は、貨幣の本質を金貨のようなモノではなく、
    銀行による信用創造だとすることです。
    (管理人注:国債の信用創造は別記されてます)

     確かに、貨幣には金貨などが使われており、紙幣が流通するようになっても、
    金と交換できる兌換紙幣として使われていました。

    しかし、ドルが金との交換を止めてから、もはや世界中に兌換紙幣はありません。
    金の保有量とは無関係に、中央銀行の管理の下、紙幣は発行されています。

    紙幣自体には何の値打ちもありませんが、国家がこれを税金の支払い等の手段として認め、
    強制的に流通させることによって、支払い手段としての価値を持つようになっているのです。

    【銀行預金は借金する程増える】

     ところで、現実の取引で支払い手段として使われるものは、紙幣などの現金ではなくて、
    圧倒的多数が銀行預金による口座振替です。
    つまり、銀行預金が使われている貨幣の大部分を占めているのです。

     では、銀行預金はどのようにして増えるのでしょうか。
    普通に考えれば、皆さんが銀行に現金を預けることによって、銀行預金が増えると思うでしょう。

    もちろんそのようにしても銀行預金は増えますが、預金が増える理由のほとんどは、
    銀行の融資によるものです。

     銀行が融資することを信用創造といいます。銀行が借り手に信用を与える(与信)ことにより、
    借り手の口座の預金残高が増えるのです。
    したがって、銀行は皆さんから預かった現金を元手にして貸付をしているのではないのです。
    従って、理論の上では、銀行は借り手への与信により無限に銀行預金残高を増やせるのです。

     現実には、その預金残高に合わせて中央銀行に準備金として預金を預け入れることが必要ですし、
    BIS規制(国際決済銀行は自己資本率が8%以上)も有ります。

    また、借り手が返済不能になることもありますから、信用創造にも一定の限界は有ります。
    しかし、銀行預金の量は信用創造によって決まると言う事実は動きません。

    このことは、4月4日の参議院決算委員会で、私の質問に対して黒田日銀総裁が明言しています。

    【借り手不足が信用創造を阻む】

     銀行預金が銀行による信用創造、つまり銀行からの借金であるという事実は、
    今日の日本経済の問題が何であるかを示しています。

    しかし、残念ながら日銀がいくら異次元緩和をして、銀行に資金提供をしても民間企業が借りないのです。

    民間企業はいくら金利が安くても先行きが見えない状況下では、不要の資金は借りません。
    返済できるという確信が無ければ借入というリスクはとらないのです。
    信用創造の要は、最後は借り手の意思によるのです。

    【国債の発行は国家による信用創造】

     銀行預金は銀行が貸し付ければ事実上無限に増えるという事実は、
    国債の発行が多過ぎて国家が破綻するから財政再建をしなければならないという論法が、
    完全に間違っていることを証明しています。

    国家が国債を発行することは確かに国の借金ですが、
    それは同時に国民に同額の預金を提供したことになります。
    これは、銀行預金と借入金の関係と同じです。

     民間の預金がある内は良くても、後々高齢化により取り崩されて行けば、
    その内、国債の消化はできなくなる、などということは無いのです。

    政府は安心してデフレを救うために長期計画を立て、それを予算化すれば良いのです。

    【政府による国家の長期計画が必要】

     民間企業が銀行から借り入れをしないのは、バブル期の後遺症も原因の一つです。
    銀行の不良債権処理の際の貸し剥がしがトラウマになっているのです。

    その上、政府自身が日本の将来を、少子高齢化と債務超過で財政が行き詰っていると不安を煽っているのです。

    政府は財政再建のためにと財政出動を控えておきながら、
    民間企業にはアニマルスピリッツを発揮して投資をしろとは、虫のいい話です。

     民間企業に投資を勧めるのなら先ずは隗より始めよ、
    政府が長期計画を示し、それに従って予算計上をする必要があります。

    【預金超過が金融政策を無効化】

     また、もう一つの事実は上場企業は殆ど無借金、
    中小企業も半数は預金残高の方が借入金残高より多い、事実上の無借金であるということです。

    この要因は、先に述べたように、バブル期のトラウマや先行き不安の外に、
    労働分配率(企業の儲けに締める人件費の割合)が20年以上に渡って低下していることに要因があります。

     預金超過ですから、日銀がいくら金融緩和しようが、銀行から借り入れをする必要がないのです。

    このことは金融政策が無効になっていることを意味します。

    【銀行は経営悪化】

     一方で、銀行は事実上のゼロ金利にも拘らず、貸し出し額が増えません。
    そのため、利鞘(ざや)が稼げず、経営基盤は急速に悪化しています。

    最近、地方の銀行の経営統合の報道が相次いでいるのはこのことと関係しています。

     この状況下で、もしも大災害などの不慮の事態が発生すれば、
    間違いなく日本経済は大打撃を受けます。

    会社の倒産などが多発すれば、銀行は大量の不良債権を抱え込むことになります。
    銀行の倒産を防ぐため、日銀も政府も金融機関の支援をするでしょう。

    金融機関を助けるために融資も必要となります。

    しかし、本質的には金利の上昇を認める以外ありません。
    ところが、金融不況を救うためとは言え、不況時に金利を上げることは
    国民経済そのものを毀損することになります。

    日本は正にどちらにも進めない現状に陥ってしまうのです。このように、アベノミクスは最大の危機に直面しているのです。

    【銀行の与信機能の正常化が急務】

     こうした事態を避けるためにも、金融政策に余力を残しておく必要があります。
    平時に銀行に体力を蓄えさせ、金融危機の際には金利を引き下げる余力を残しておくことが大切です。

    つまり、ゼロ金利政策から早く脱却する必要があるのです。

    そのためには、借り手の需要を増やして一日も早く金融システムを正常に戻す必要があります。

    【労働分配率の低下が最大の問題】

     こうした状況に陥った最大の原因は、
    労働分配率低下による個人所得の減少とそれに伴い個人消費が減少したことです。

    これはバブル期の不良債権処理から始まっています。

    この時期、企業は次々とリストラを行いました。
    職員の人員整理は勿論のこと、正社員の非正規社員への置き換えや自社生産の外注化など、
    徹底的なコストカットが行われました。
    会社の生き残りのためには仕方なかったことかもしれません。

    しかし、それを一過性のものではなく、ビジネスモデルとしたことが、
    後に少子化という大きな社会問題を作ったのだと私は考えています。

     アベノミクス効果で、企業の業績は確実に改善し、
    景気は戦後最長の拡大期間を更新していると言われていますが、国民にはその実感がありません。

    その原因は、企業の業績拡大に比して勤労者の所得が増加していないという、
    まさに労働分配率の低下にあるのです。

    【法人税を増税し、子育て世代に分配すべし】

     安倍総理が、毎年春闘の時期になると率先して経済界にベースアップを要求しているのは、
    このためなのです。
    その結果、ベースアップは着実に行われるようになりましたが、企業の業績に比べればまだまだです。

    コストカットのビジネスモデルを修正させるには、法人税を増税し、それを子ども手当として
    国民に給付すれば良いのです。これは実質的に給与アップと同じことになります。

    そうすれば、安心して子どもを生み育てることができるため、少子化に歯止めをかけられるはずです。

     また、上場企業に滞留している銀行預金を国民に分配することにより、個人消費は必ず伸びます。
    それが経済活動を拡大させるため、結果的に企業の利益も増えるのです。

    【信用創造の大本は希望である】

     貨幣の大部分は銀行預金であり、その根源は銀行の貸付である。

    これは事実です。
    問題は借り手に借りようとする意思がなければ銀行は貸し出せないということです。

    借りようとする意思は未来に対する希望です。
    将来に対して希望があるからこそ、銀行からお金を借りてでも事業をしよう、
    投資をしようとするのです。

     今、日本にかけているのは将来に対する希望なのです。

    政治の使命は国民に日本の将来に対する希望を明確に示すことです。
    日本は財政破綻などしないのですから、政府が積極的に自信を持って将来に対する投資を行えば、
    それは必ず国民の希望につながります。

     戦争や貧困や災害などあらゆる危機から国民を救うのが国家の使命です。
    国債発行をしても財政破綻はありませんから、十分に予算をつけるべきなのです。

    それが国民に将来の希望と安心を与え、消費や投資が増え、日本全体が豊かになるのです。
    財政再建を理由に国民の危機を救わないという論法は、モラルとしてもありえないのです。

634:mespesado: 2019/06/07 (Fri) 23:24:49 host:*.itscom.jp

>>630
 ひとことじーさん様

 西田さんといえば、「国民に主権があるというのがおかしい」という発言
をした、という、例によって発言の一部を切り取る印象操作でサヨク系の人からはトンデモ極右の烙印を押されている人ですが、なかなかどうして、この人はものごとの本質がわかっていて鋭い人だなあ、と思っていたところ、経済問題についても事の本質をきちんと理解して国会でも自著『財務省からアベノミクスを救う』の宣伝をしながらMMTの説明をしていて感心しました(12分あたりから)↓

https://www.youtube.com/watch?v=U5heLVClVXE

 この国会質問も素晴らしいが、その内容とほぼ同じことを主張している>>630 の内容も素晴らしいと思います。
 ただ、部分的には?と思うところもあります。例えば

> 紙幣自体には何の値打ちもありませんが、国家がこれを税金の支払い等
> の手段として認め、強制的に流通させることによって、支払い手段とし
> ての価値を持つようになっているのです。

 いわゆる「租税貨幣論」ですが、ここだけは「事実」ではなくて「仮説」である、しかもあまり筋の良くない仮説であるところが残念です。
 それから最後の締めの方で

>  貨幣の大部分は銀行預金であり、その根源は銀行の貸付である。

> これは事実です。
> 問題は借り手に借りようとする意思がなければ銀行は貸し出せないとい
> うことです。

> 借りようとする意思は未来に対する希望です。
> 将来に対して希望があるからこそ、銀行からお金を借りてでも事業をし
> よう、投資をしようとするのです。

>  今、日本にかけているのは将来に対する希望なのです。

 と述べていますが、その前に

>  また、もう一つの事実は上場企業は殆ど無借金、
> 中小企業も半数は預金残高の方が借入金残高より多い、事実上の無借金
> であるということです。

> この要因は、先に述べたように、バブル期のトラウマや先行き不安の外
> に、労働分配率(企業の儲けに締める人件費の割合)が20年以上に渡って
> 低下していることに要因があります。

>  預金超過ですから、日銀がいくら金融緩和しようが、銀行から借り入
> れをする必要がないのです。

とも述べていて、「企業はオカネを貯めているから設備投資でも銀行から借金する必要が無くなってきた」というのですから、今後は民間企業による借金が増えることはあまり期待できず、国が借金を続ける他ないと思います。
 とは言うものの、MMTに沿って国会質疑が行われたというのは画期的なことであり、この手の国会議員が今後増えて来れば、流れも変わるのかな~と少し期待しているところです。


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