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読書→トキメキ→健康 [こども園]

 こども園の卒園文集に書いた文章です。

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    読書→トキメキ→健康                

 ちょうちょう組のみなさん、そして保護者のみなさん、ご卒園おめでとうございます。明るい日差しの中、気持ちのいい空気をいっぱい吸い込んで、胸を張って新しい環境に向かって進んでいって下さい。

 NHKスペシャルでいい情報を知りました。AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン」の第3回、健康寿命がテーマでした。61歳以上のお年寄り、のべ41万人の生活習慣や行動のデータ(質問数600以上、10年以上の追跡調査)から、「本や雑誌を読む人」は多くの健康要素とつながっている一方、「読まない人」は不健康要素(「人生に嫌気がさすことがある」「社会に関心がなくなってきた」など)と数多くつながっていることが判明したのです。そしてその健康要素とのつながりの度合いは、「運動」や「食べ物」よりも高かったのです。このことを裏付けるデータも紹介されました。山梨県は健康寿命が全国トップクラス(男性一位・女性三位)です。その山梨県、運動やスポーツの実施率では全国最下位ですが、人口10万人あたりの図書館数が全国平均2.61館のところ、山梨は6.59館というものでした。

 私自身子どもの頃、あまり読書の習慣はありませんでした。それが学生時代に、朝10分ぐらいの密室読書を始めて50年以上になります。どんなに忙しい時期もこれだけは続けることができました。10×365×50年を計算すると約3000時間、125日 間ぶっつづけで読書したことになります。ちょっとオドロキです。密室に持ち込む本は、必要に迫られてというより、心躍らせて読むことのできる本です。わが ままな読み方で、今読んでいるのよりおもしろい本が手に入るとそれをつい優先してしまいます。読みさしの本が何冊も密室前に積まってしまいますが、また手 にとるようにもなります。借りた本は持ち込みません。自分の本でもそれなりに峻別しています。密室の時間だけでは待ちきれなくて、持ち出して読む本もたく さんありました。私には、日々楽しみな、かけがえのない密室の時間なのです。

  今はネットの発達で、読書以外からの情報もどんどん入ってきます。昔なら何日も図書館に通って調べねばならなかったことが、たちどころに手に入ります。そ ういうネットとのつきあいで身についたのが「書く」習慣です。読書やネットでのその都度の発見を、自分の備忘録ブログに書き込むようになって十年以上にな ります。朝4時ぐらいに起き出して6時半までの日課です。書き貯めた発見を一本にまとめて、活字での発表の機会が得られるのもうれしいです。そこから思いがけない交流も生まれます。

 昨年発刊の『宮内よもやま歴史絵巻』も、 地元の歴史「発見」の集大成でした。いろんな反響をいただいていますが、いちばんうれしかったのが、隣のばあちゃん、「半分まで読んだげっとも、読み終え んながいだましぇくて」ということを伝えたくて、わざわざ畑の野菜を持ってきてくれたことです。足元の身近なところでのいろんな発見に心躍らして読んでく れていたみたいです。そういえば、作る方も発見を重ねながら心躍らしつつ作ったものでした。

  われわれ年代にも人気なのが「チコちゃんに叱られる!」です。「大人になるとあっという間に時間が過ぎるのはなぜ?」の答えは「人生にトキメキがなくなっ たから」でした。トキメキは「発見」と切り離せません。日常のくらしの中では見つけにくいトキメキ、そのトキメキを生み出す格好の手段が読書の習慣です。 読書と健康の関係の深さにはトキメキがおおいに関係しているにちがいありません。

 世界がどんどん明るい方向に向かっています。「何とか毎日過ごせればいい」ではなく、「自分がほんとうにやりたいこと」を日々発見しながら未来に向かっていきたいものです。

 


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