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「明るい時代」への処方箋 [日本の独立]

2016年の7月に「『経済第一』の行き着くところ」という記事を書いています。内田樹氏の文章に共感して書いた記事です。内田氏の文章というのは、《もう現代の経済活動は人間の生理的要求 を充たすためではなくて、お金の自己運動になっている。ただ、ぐるぐる回っているだけです。もう人間は関係ない。・・・(しかし)今のビジネスマンたちは 無限に右肩上がりし続ける経済モデルでしか思考できない。だから、どうやって人口を増やすのか、ということしか考えない。でも、増えるわけないんで す。・・・経済成長なんかするはずがない。この人口推移でなお経済成長しようとしたらできることはいくつもありません。一つは戦争をすること。戦争という のは極めて活発な経済活動を導きます。・・・もう一つもこれに関連しますが兵器産業に産業構造をシフトすること。兵器産業というのは資本主義にとっては理 想の商品です。・・・兵器には「飽和」ということがない。・・・「永久機関」という夢のテクノロジーがありますけれど、兵器は「永久商品」なんで す。・・・》

この頃は「経済成長なんて考えない方がいい」と思っていました。しかしその後、トランプ大統領登場→安倍批判から安倍評価へ→南北朝鮮融和、並行して「日本独立」への道筋が見えてくるようになり、世の中が明るく見え出しました。mespesadoさんのおかげで「財政再建」の呪縛からもすっかり解放されました。どうやって節約するかなんてことは考えなくていいから、これからどんな世の中になってほしいのか、夢を語ることの方がずっと大事、そう思うようになってきました。「希望の時代」の到来です。そうなると「経済成長」の如何が大事です。

「労働生産性」から発して「全要素生産性」をテーマに、放知技板の議論が活気づいています。その中で登場のConganasさんの議論がすごいです。バブル以降デフレ下日本の経済動向分析から「明るい時代」への処方箋が提示されます。

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543名前:Conganas      2018/12/23 (Sun) 21:20:22
わが国が相対的労働生産性が低いという事実の前に思考を止めてしまっている人が多い。そもそも国際比較で日本の労働生産性がなぜ下位にあるのか、その謎を解明するのが元来ジャーナリストのやるべきことだ。それをせずにわが国を後進国あつかいし政権批判の材料にして飽きることがないという、わが国のジャーナ リズムの構造的な薄っぺらさには絶句する。

わが国「労働生産性」が長きに渡り低迷してきているのはデフレゆえである。

デフレというのは恐ろしいことだ。

バブル後の債務返済に苦しんだ企業は、銀行からの新規設備資金融資を回避する経営を選択。銀行も不動産担保融資バブルの後始末の不良債権処理で金融危機に陥り、政府の資本注入後は貸し剥がししながらしのいだが、亀井金融相時の金融安定化法で貸しはがしを禁じられ、不動産担保に代わる企業向け融資に必須の事業 評価ルールも確立できないまま「貸出リスク」の前に萎縮の道をたどった。銀行は「市中貸出という本業の信用創造=マネー創出」を金融危機以来やめてしまったのだ。

わが国のデフレ長期低迷の本質的な原因は、この銀行の信用創造停止という社会的使命放棄が核にある。今年の問題発覚まで金融庁からは「果敢にリスクをとる経営手法」と称賛されたスルガ銀行にして不動産担保融資による市中貸出以外の実績は乏しい。

バブル時は円高のため輸出振興から内需振興へと転舵しようとしていたわが国も、バブル崩壊で痛手を負った内需の穴を輸出で取り戻そうと、円高にもかかわらず輸出振興に舵を戻した。しかし技術革新と設備投資による生産性向上は上記理由でかなわず、低賃金のソリューション確保によるコストカットで乗り切ろうとしたのである。

企業は非正規労働者の人海戦術に頼ったので国民の所得は増えなかった。

貿易収支は3兆ドル(340兆円)も黒字が続いたが、稼いだドルは国内消費に使えず、ドル建て投資に振り向けられるため国内消費も増えず、バブル崩壊後の GDP維持のために政府は毎年40兆円の国債発行で財政出動をするしかなかった。2000年台からは小泉竹中の悪政で財政出動をコストととらえ、コストカットの名目で財政出動を切り捨てて、国債40兆円を増大する年金支給・医療費に充当したわけだ。民主党はこの小泉悪政路線で事業仕分けのコストカットで 国民受けを狙い、わが国にデフレ地獄が続く。

経済成長のために政府がやるべきことはGDPの算式の右側を増やし続けることだ。

GDP=EX(貿易黒字)+G(政府支出)+I(投資)+C(消費)

政権をポンコツ保守の民主党から奪還した安倍さんはリベラル政策を次々に繰り出した。かれが偉かったのは、外交もさることながら連結政府である日銀に異次元緩和の財政ファイナンスの手法で政府支出を増大させたことである。さらに日銀・年金運用基金にETF株買い出動させ、福島アンダーコントロール宣言による東京オリンピック誘致で不動産投資を促進し、国内投資総額を高めた知恵である。安倍さんは上記算式の一番右の消費を拡大するために当然に消費減税の腹案をもっている。しかしそれを邪魔する存在が財務省

財務省の執拗な「消費税率上げないと財政破綻」という国民脅しの洗脳。財務省の犬は、マスコミ、与野党問わず政治家の多数におよんでおり、経済成長どころかGDPが下がろうと省益さえかなえば屁の河童という策謀。これに加担する担板漢だらけのなか安倍さんの戦いは来年の消費増税の施行の瞬間まで続く。

今年成立した安倍リベラル改革の目玉「日本からパートをなくす!」と叫んで成立した「働き方改革法」であるが、正規・非正規間の同一労働同一賃金の法制化が大きな伏線。

同一賃金同一労働が施行されると日本経済には激甚な景気悪化を惹き起こすからだ。

たとえば小売業では77%の労働時間はパート就労である。数年がかりの目標で今のパートの1.5倍の時給に近づけていくマイルドな移行措置を盛り込んだところで賃金総額は115%に増えることになる。これまでのわが国の全要素生産性(TFP)の伸び率はマイナス圏にしずんでおり、決して高くない労働生産性を イノベーションや機械化で補いきれていない実情から、この賃金コストの上昇は企業にとって経営危機を呼ぶ水準である。

26年間の日本の小売業売上の横ばいは正規を非正規に転換する努力だけで維持できたものだ。

もしパート(非正規)就労というものがなかったとしたら日本の小売業は完全に崩壊していただろう。これは裏返せば、バブル崩壊から26年放置されてきた日本のきわめて低い労働生産性の問題なのだ。

安倍さんはこの部分をじゅうぶん理解した上でこの課題解決に動いたのだと考えられる。それが「日本からパートをなくす」というスローガンから読み取れる。なみなみならぬ意欲で今回の「働き方改革」関連法に取り組んだのだ。

そしてこれに今国会で成立した入管法改正による外国人労働者の雇用促進政策がからんでくる。当然この入管法改正は大きな変数だ。外国人も含むのか、除外するのかが問題で、この後、同一労働同一賃金の施行によって日本の各セクターがいかに大きなコスト上のダメージを被るかの試算が出てくることになるだろう。

出てくる試算次第では激甚な衝撃が走る。試算次第では大きく株も売られる。

いずれのタイミングか適切であればよいが、安倍さんが沈鬱な空気を打ち破るように国民に語りかければいい。
「リーマンショックよりも激甚な景気の落ち込みが予測されるなか、これを未然にふせぐには骨太の方針にうたった10%への消費増税を政治決断で中止。予定していた教育無償化は変更なし。それだけでなく段階的な消費税撤廃へと政治生命を賭けて不退転の決意で取り組む」
と宣言して衆院を解散するのだ(笑)。

財務省さえ白旗を上げれば消費は爆発し、内需が沸騰。経済成長への解けなかった課題がすべて解決する。

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めい

堺のおっさんの預言。
《グローバル経済に変わる新しい国民経済の枠組みが見えてくる。》

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567:堺のおっさん:
2018/12/26 (Wed) 00:20:27 host:*.enabler.ne.jp
本日のNY市場はクリスマス休暇であるが
いよいよ動乱の幕が切って落とされた。
動乱の舞台は経済である。
おおかたの予想では、来年の秋ごろから株価が暴落する…であった。
しかし、現実は半年以上早く暴落が実現した。
原油価格も暴落し、為替では独り円高がさらに進行しそうである。

巨大な経済的消耗戦に突入したとみる。
この暴落で最も痛手を負うのは誰だろうか。
ほかならぬグローバル企業とそれに連なる企業である。
最も注意しなければならないのは戦争であるが
静かに見守るしかない。

今年がそうであったように、年明けから、
金正恩の動きが世界の行方を切り開くだろう。
2回目の米朝首脳会談が来年の最初の目玉となるに違いない。
今年後半の政治的停滞期は終わり、
経済動乱に対処する外交戦は今年以上に活性化する。
グローバル経済に変わる新しい国民経済の枠組みが見えてくる。

やはり、カギはアメリカが変われるかどうかに尽きるだろう。
トランプの孤独はこれまでのどの大統領も経験したことのない
深く、暗いものだ。我々の想像の範囲を超えている。
しかし、あえて言いたい。
メリークリスマス。プレジデント・トランプ。

by めい (2018-12-26 05:06) 

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