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mespesadoさんによる1億人のための経済談義(35)オカネはモノじゃない。単なる数字 [mespesadoさんによる1億人のための経済講]

お金の秘密.jpg「オカネを大事にしなさい」と叩き込まれ、さらに「時は金なり」、「時間を大切にしなさい」。その結果としての「今」の喪失。《「今」 の喪失は、自己の拠って立つ場が見えなくなることだ。今ある場所はいつも「不十分」でしかない。ほんとうの場所は別なところに在る。いつもいつもせき立てられるようにして毎日が過ぎてゆく。一方、お金は本来、暮らすに間に合えばいいはずだった。「暮らす」とは人と人とがつながって生きてゆくことだ。人と人とがつながっていれば、お金はなくてもそこそこ生きてゆける。人はずうっとそうやって生きてきた。それが狂うようになったのは、お金が利息を生みだすようになってからだ。それからお金は、貯め込むことで利益を生みだすようになった。そうして人が本来生きるには何の関わりもなかった金融業が生れ、それに支配されるようになったのが今の世の中だ。》(安西正鷹『お金の秘密』を読む(まとめ)) 安西氏は言う、「時間の脅迫」の観念とその裏に潜む利子蓄積の圧力その正体が分かっていない親に急かされる子供は、効率的かつ合理的に生きることが正しいと思い込み、自覚のないままに貧しい一生を送るのである。 クワバラ、クワバラ。

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995 名前:mespesado
2018/10/10 (Wed) 22:38:49
>990
> ただ、より根本的な問題点というのは、日本という社会は、国債を原資
> にして政府が財政出動しないと経済・社会保障が立ち行かなくなる、つ
> まり、「政府経由」のお金の流れでないと経済が回らない点だと思いま
> す。

 これには2つの理由があって、一つは日本が世界で「供給力が需要を上回ってしまった」最初の国であること。もう一つは「日本には極貧な階層に属する人がほとんど存在しないこと」の2つです。
 まず最初の理由により、供給力が需要を上回ってしまうと、消費者の消費欲は激減し、収益は伸びず、経済成長は止まります。
 すると、中流家庭も企業も将来が不安になるためオカネを溜め込もうとしますから、それらの家計の消費も、企業の従業員への還元も縮小していきます。ところで日本は「一億総中流」ですから、第2の理由により、あらゆる階層において、オカネを溜め込むので市場のオカネが減っていき、デフレスパイラルの完成となるわ けです。これに対し、日本以外の国では極貧階層が国民の相当程度の割合で存在するので、彼らはオカネを溜め込む余裕などなく、収入があればすぐ使います。 また、企業も教科書どおりに株主が会社の所有者なので、企業が利益を溜め込んで配当しないと「何で配当で還元しないんだ」と怒られ、経営層は株主総会で首 を挿げ替えられるので、極力配当で富を流出させます。だからその分オカネが澱むことなく流れていくのでデフレスパイラルに陥ることがありません。
 なので、日本では、デフレスパイラルを防ぐためには、国民のかわりに国がオカネを使うしか方法がないわけです。
 私は、西洋のように「極貧層が一定割合存在する社会」が良いとも思わないし、「会社は利益をすべからく株主に配当しきってしまう」のがいいとも思えません。むしろ日本式の経営の方が「人にやさしい」と思います。
 ですから、デフレスパイラルを防ぐために国が積極的にオカネを使うという社会はむしろ望ましい社会だと思うのです。ですが、これを阻止しようとしているのが「緊縮財政主義」です。この不必要に(というか、国の会計を家計の会計と同一視するという勘違いに端を発する)「道徳的」なことが、日本の経済を停滞させている最大の原因だと思います。いいかげん、財務省の洗脳でもある「オカネはモノである」という考えの致命的な誤りに国民が早く気付いてほしいと思うばかりです。

994 名前:mespesado
2018/10/10 (Wed) 21:31:20
>>990
 人間の固定観念って本当におそろしいもんで、経済を正常化するのを妨害する最後の抵抗勢力は、人々の固定観念なんじゃないですかね。

「保有する金の裏付けなしに、ドルを刷ってもよいのか」
 これ、逆に「保有する金の裏付けがあっ」てもドルを刷ってはいけないケースもあるん ですよね。例えば、あるとき世界中でとんでもない埋蔵量の金鉱脈が次々に発見されたとします。すると、世界中の金の保有量が急に激増するので、金の価値が 暴落し、従って、「金の裏付けがあるから」といってそれに見合っただけのドルを刷れば、ドルの価値も金の価値に連動して暴落してしまいます。
 ただ、現実には金鉱脈が発見されるなんてケースは稀だし、それが世界的規模で大量に発見されることは実際には無いからこういうケースを考えなくてもいいだけなんですよね。
 これと同様に、

「歳入の裏付けなしに、国債を発行してよいのか」
と いうのも、逆に、例え国債の発行を歳入の範囲内に収めたとしても、戦争などで生産拠点が壊滅的な打撃を受ければ需要に見合った生産が不可能になるのでハイ パーインフレになっちゃいます。で、実際に日本の敗戦直後、一時的にそうなりかけたのですが、日本の場合はすぐに復興したのでそんな期間は一時的な「例 外」とみなされてしまった。
 三橋さんも言っていましたが、人々は、どうしてもオカネを何か「モノ」のように考えてしまう。現実には単なる「数字」に過ぎないのに…。 で、どっちが原因でどっちが結果なのかわからないですが、日本で未だに買い物で現金決済が主流なのは、この「オカネはモノである」という意識と明らかに連 動していますよね。私なんて、スーパーのレジで並んでいるとき、前の客がみんながみんな現金で支払ってるのを見るとイライラしますw。

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