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mespesadoさんの経済談義(12)「無税国家」諸論批判 [mespesadoさんによる1億人のための経済講]

『万引き家族』をめぐって、サヨク、ネトウヨ、それぞれ喧しい感想が飛び交っているのを阿修羅板で知った。http://www.asyura2.com/18/senkyo245/msg/704.html 元記事はリテラ。http://lite-ra.com/2018/06/post-4050.html
どこかで是枝監督が「映画はメッセージじゃあない。」と言っていた。「映画として表現された世界を体験していただくことで、そこからどんな感想を引き出そうが私の知ったことではない」そんな意味と受けとめた。私は「アンチ・レイシオ」を読み取った。そこから「サヨクvsウヨク」止揚→「共通意思」の道筋が見えてくると思う。mespesado理論も「共通意思」への道筋を指し示す。
*   *   *   *   *

777:猿都瑠 : 2018/06/15 (Fri) 20:52:52 host:*.au-net.ne.jp
cmk2wl
日本政府が円借款や無償資金協力で外国にお金をばら撒く。その金で外国は日本企業からモノを購入したりゼネコンに橋をかけさせたり…。そうやってカネを回している。税金で納めた金で忙しく働かされる日本人。そして、これらの国から10年間で 2兆3千億円が回収できないまま債権放棄。 https://t.co/sJunopQjX6

2兆3千億円の納めた税金が消えて、 2兆3千億円の労働を日本人がさせられたということ。

なぜ生活保護や児童手当や奨学金等々にお金を回さないか?国策企業としてのメーカーやゼネコンがそのカネで潤うことはないから。「貧富の差」という階層社会もこの国にとって都合がいいから。
国情が不安定になればなるほど、国は貧富の差を作り出そうとする。それこそが支配の要諦なのだから。
「カネを払う者が命ずる」そういうヒエラルキーのシステムにされてしまっている。生活に汲々となればデモにも参加できない。身を粉にして働いて疲労困憊では社会問題に抗議するような余裕もなくなる。


あいたたたた(笑)
                         ・
farpost
政府が国会決議もなくこういうことが出来る法的根拠って何なんですかね。

cmk2wl
この国は法治国家じゃありません。私物国家です。
                         ・
あいたたたた(笑)
自分もメッさんの理論を知るまでそう思ってましたが(苦笑) 
 
778:mespesado : 2018/06/15 (Fri) 22:03:28 host:*.itscom.jp
>>777
 猿都瑠さん、トリプルセブン、ゲットおめでとうございますw
 それはそうと…、cmk2wlさんと言えば、手製の“水式”空気清浄機を開発して普及しようとしているエンジニアで、最近まで安易な政治批判は控えていたように思うのですが、とうとう現政権批判を始めちゃいましたか…。
 考えてみれば、供給過多社会における経済学って、常識や直感に反することばかりですよね。例えば
① 家計や企業は赤字を続けること破綻する。
  → 現在の日本の国家財政では反対に赤字を続けないと破綻する。
② 家計の場合は、経済成長するために必死になり過ぎると過労死する。
  → 資本主義体制では、国家の経済は成長を続けないと死ぬ。
③ 個人でお金を刷ったら重罪。
  → 通貨は国家が発行しているのだから、国家はいくら刷るのも自由。

 こんな中で、世の常識に反した「正論」を主張しても受け入れられる人は少ない。クソマジメだけれど深く考えないサヨクは、だから全滅。
 一方、ウヨク、特にマッチョ主義な人たちは、「富める者は努力したんだから金持ちなんだ。儲けて何が悪い」という考え方を基本的に持っているので、オカネを刷って大企業をまず儲けさせるという緩和政策には心情的にも賛同しやすく、だから緩和政策であるアベノミクスに賛成なのはウヨクが圧倒的に多い。だけど、彼らも本質的なことはわかってないので、国家財政の「バランスシート」が健全だから今の緩和政策は良い、という理解でしかない。事実、彼らの中で「税金は国家の収入ではない」と明言している人を私は一人も知りません。
 まあ、科学の世界でも、ガリレオの「地動説」やウェゲナーの「大陸移動説」という一見直感や常識に反する説が受け入れられるのには長い年月を要したのだから、仕方がない面もありますが、何か歯痒いですね。
779:mespesado : 2018/06/15 (Fri) 22:49:54 host:*.itscom.jp
>>778
 さて、「無税国家」について述べたものがないか、ググってみました。まず最初は、

「無税国家」はできるの? – アゴラ(池田信夫)
http://agora-web.jp/archives/1665537.html
> いま日本の税収は国の一般会計100兆円の半分しかなく、毎年50兆円ぐ
>らい国債を発行しています。これを増やして100兆円の予算をすべて国債
> でまかない、それをすべて日銀が買えば、税金はゼロにできます。夢み
> たいな話ですね。驚いたことに原田泰さんという日銀の政策委員もそう
> 言っています。

> 会社の借金は毎年の利益で返すので、利益で返せなくなったら会社はつ
> ぶれます。国の場合は税金で返すので、借金を返す税金をとれなくなっ
> たら、財政は破綻します。しかし国の場合は税金の足りない分をお札を
> 印刷して返すことができるので大丈夫、というのが原田さんなどの理屈
> です。

 ふむふむ。ここまでは良い。ところが…

> おまけに国債を日銀がすべて引き受けてお札をどんどん発行するとイン
> フレになるので、国の実質的な借金がへります。たとえば1000兆円の借
> 金は、2倍のインフレになったら500兆円にへるわけです。日本も終戦直
> 後、100倍以上のハイパーインフレで戦時国債を踏み倒しました。

と来て、最後は

> 会社も国も、返すあてのない借金を永遠に続けることはできません。会
> 社は利益の限度までしか借りられないし、国は税金の限度までしか借り
> られません。そして国の借金は――どんな形にせよ――みなさんの世代
> の重い負担になるのです。

などと結んでいます。何だ、結局池田さんも何もわかってないじゃないか。
それとも知ってて財務省の片棒を担いでるだけ?

 次は
『無税国家論』の理念に基づく、地域経営(塾生レポート) | 松下政経塾
https://www.mskj.or.jp/report/3057.html
>  「政治の面でな、今のこのままいったら破綻してしまうと。ぜんぜん
> 足らんから、金が。増税、増税と。増税してもこれ以上できないと。だ
> から無税国家やれと。」

 有名な松下幸之助の無税国家論です。そして「税とは何か」という節で

> そもそも税金とは、民主主義の過程で始まったものだろう。物納であっ
> た時代は自給自足の生活が主であった。道も田んぼの整備も周辺住民で
> 整備した。地域で老いた人々を支えあい、学校は寺や教会など地域の有
> 識層でまかなわれた。主従関係で土地を治めて頂く代わりに年貢として
> 物納していた時代である。日本では明治期に入りお金を出してもの(商
> 品やサービス)を買う生活になった。物々交換では商品の流通に限界が
> あり、貨幣という代替ツールが必要となる。農をはじめとする一次産業
> を離れ、貨幣を求めて市場に参加するようになる。同時に土地は一般の
> 所有となり、個々の調整も含め自らの生活圏内だけではなく、広い地域
> を共同で発展させていく必要ができた。日々の生活を賄うためにもそれ
> ぞれの稼業を行う必要があるため直接「共同」の運営に参加できない。
> だから「税金」を納め、その代表者がそれらを代わって執行する。それ
> が民主主義の原型だともいえる。

と書いています。まあ、税というものの起源は確かにそうですが、それが無税国家とどう結びつくのかな?と思って最後まで読んで行くと、再び松下翁の言葉で結ばれています:

>  「国事多難なときでも、国民の心情を無視した重税は、国家社会に対
> する義務観念を弱め、ひいては一般の道義も衰えさせる結果となります。」

>  「為政者は国費の合理化に意を用い、低率の税金でも国庫の収入が増
> 大する道を工夫しなければなりません。そこに国家繁栄の基があります。」

 何のことはない、「為政者の戒め」として「重税を課すな」ということを主張するための「無税国家」という言葉遣いだったのですね。な~んだ。今の供給過多の時代にはそぐわない、供給不足時代の旧態依然とした単なる道徳論でした。残念。

 次は
森永卓郎氏「日本はアイデアとやり方次第で無税国家になれる」
NEWSポストセブン
https://www.news-postseven.com/archives/20170424_508514.html
>  借金1300兆円を超えた日本は破綻寸前財務省が喧伝するお馴染みの“財
> 政危機”。だが経済アナリストの森永卓郎氏は、日本は借金を気にする必
> 要がないどころか“超健全財政”だと指摘する。むしろ森永氏は消費税も
> 所得税もない「無税国家」を実現すべきだと主張する。

 お、これは本物かな?

>  負債から資産を引いた純債務は約440兆円で他の先進国と遜色ない。日
> 本が破綻寸前というのは、消費税率を上げたい財務省のプロパガンダに
> 過ぎない。無税国家のポイントは930兆円の政府資産だ。これを有効に活
> 用すれば、“夢の国”の実現に近づく。

 財務省のウソまで暴いて、いい調子。で、…

>  実際、世界には政府保有資産を統合し、独立した専門家がそのファン
> ドを運用する国や都市がある。中でもシンガポール政府傘下のファンド
> 「テマセク」は1974年の設立以来、平均18%もの利益を生み続けている。

>  仮に日本の資産930兆円をシンガポール並みの利回りで運用し、その半
> 分を国民に還元すれば、年間の還元額は現在の税収を上回る84兆円にな
> り、即座に無税国家が実現する。

 おっとっと、「日本の資産930兆円をシンガポール並みの利回りで運用しとか実現不可能なことを!
 結局森永氏も、通常の経済ルールのもとで、机上の空論で「税収分と同額を国家が運用収益で賄えるから無税にできる」という論法を提示しただけのことです。これもまた「税金は国家の収入」という先入観のもとでの議論に過ぎません。

 で、最後はコレ↓
松下幸之助氏が提唱した「無税国家論」は今も有効 増税路線に歯止めを
https://the-liberty.com/article.php?item_id=13652
 な~んだ、幸福の科学かいなw
 で、中身は支出を減らして無税国家に近づけるという話かよ。もろ緊縮財政そのものじゃないかw

 結局現存する「無税国家」論のどれを見ても、現代の「税金」の位置づけについて正しい見識を持った論は一つもない、ということですね。

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