東北最大級 前方後円墳「長岡南森遺跡」 [地元のこと]
毎日新聞2017年11月17日 地方版
同市教委によると、南森古墳と仮称。4世紀後半の築造とみられる。2016年度に上空からのレーザーによる三次元測量調査を実施。前部の方形と後部の円形の長さの比率が6対4・5だった。県内の主要な前方後円墳に共通した比率で、人工の構築物と認定したという。円形の一部が左右対称ではないが、後世の城館築造時などに崩れたためとみられる。
長岡南森遺跡からはこれまでに土器、石器などの遺物が出土しており、縄文~中世にわたる複合遺跡として登録されている。同市教委は特に底部に穴があいた儀式用の土器(底部穿孔(せんこう)土器)に着目。この土器は一般的に古墳周辺でしか見つかっていない。周辺では宅地開発が進んでいることから、測量に踏み切った。
約130メートル北西にある稲荷森古墳も前方後円墳で、吉野川右岸の丘陵を利用している。東北地方では7番目の規模となり、被埋葬者は大和政権とつながりがあったとも推定されている。周辺にはほかに130以上の古墳群が確認されている。
南森古墳について、同市教委は2018年以降に本格的な発掘調査を実施。副葬品などの発見を目指す。猪野忠教育長は「非常に重要な発見。遺跡は地域の歴史を明らかにし、人々の誇りとなる。今回の結果を第一歩として、調査を進めていきたい」としている。
■ことば
前方後円墳
古代の権力者の墓とみられる墳墓の一類型。前部が方形、後部が円形の形状にちなみ、命名された。権力者の権勢を示す埋葬品は貴重な史料となる。大規模な土木工事を要するため、地域権力の成立過程を知るうえでも重要。3~7世紀に築造されたとみられ、列島全域に広く分布している。最大は堺市の大山(だいせん)古墳(仁徳陵古墳、墳丘長486メートル)。
東北で確認されている古墳の規模別の順位◇
名称 全長(メートル) 場所 推定年代
(1)雷神山 168 宮城県名取市 4世紀末
(2)亀ケ森 127 福島県会津坂下町 4世紀後半
(3)塚前 120 福島県いわき市 6世紀
(4)会津大塚山 114 福島県会津若松市 4世紀末
(5)遠見塚 110 仙台市 4世紀末
(6)青塚 100 宮城県大崎市 同~5世紀初め
※南陽市教委まとめ
これまでいろんなところで書いてきたことだが、尾崎の歴史が表舞台から消えてしまったことも、私なりにこれまでいろいろ考えてきたが、まだまだ得心したとは言えない。というのも、キリシタンとの関わりはどうだったのかが気になってならない。キリシタンと言えば、「東北キリシタン史」にある「ホウヨウ」が「北条」を指すのではないかと言われる。
《ホウヨウは有名な集落で、代官がこれを司り、そのホウョウから半里ばかりの集落に、キリシタンの頭目たるジュアン美濃が住んでいた。彼は、その地方の富豪で、大邸宅をかまえていたが、その家の管理をアシュケという息子にたくし、妻のアンナと信仰の日々を送っていた。しかし、その信仰も知られるところになり、尋問を受け、信仰を捨てるように求められたが屈しなかった。ジュアン美濃は、傑になることを望みゆるされ、彼の一族も処刑された。》
「上杉御年譜」万治元年(1659)3月19日にキリシタンとして捕われたものの中に「池黒村美濃」の名がある。(南陽市史)
南陽市では釜渡戸(かまのはた)が隠れキリシタンの里ではなかったかと言われます。マリヤ観音(と思われる)写真が『南陽市史 中巻』にあります。
土器破片200個出土 人工的地形も 「古墳の可能性大」 /山形
東北最大級の前方後円墳と推定される南陽市長岡の長岡南森遺跡で5月上旬に始まった市教育委員会の調査で、古墳との関連性が高いとされる土器が出土し、人工的に造成した地形跡も見つかった。
市教委は2016年度に上空からのレーザー照射による三次元測量調査を実施し、全長161~168メートルで、前方の方形と後方の円形の比率が4・5対6の前方後円墳と推定。東北最大級の古墳とされる宮城県名取市の雷神山古墳(全長168メートル)に匹敵する規模で、4世紀後半の築造とみている。
今回の調査では、「前方」と「後方」の境付近を掘り進めたところ、「二重口縁壺」とみられる土器の破片が約200個、出土した。復元すると2個体分に相当するという。昨年、遺跡周辺では儀式用の「底部穿孔土器」が見つかっており、関連性が注目される。また、遺跡の斜面を人工的に造ったとみられる地形も確認された。
発掘調査は5月末まで。同市教委社会教育課の角田朋行課長補佐は「多くの遺物と、山が人工的に作られた形跡をさらに見つけたい」と、今後、本格調査を進める考え。
県立うきたむ風土記の丘考古資料館(高畠町)の佐藤鎮雄・前館長は「集落でない山から二重口縁壺が出た。さらに墳丘の下に人工的な平たん面が確認できたので、古墳の可能性が高まった」と語った。【佐藤良一】
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