SSブログ

「もうすぐ食えなくなる仕事」(スプートニク) [現状把握]

4).jpg前回の記事宮内小の授業で「製糸業」について説明したことを書いたが、実は6月3日山形新聞で「ポリ着物人気、西陣織窮地」の記事を読んでいた。かつてその中に居たことのある正絹業界の苦境が実感としてよくわかる。

絹、綿、麻といった天然繊維がどんどん化学繊維に追いやられつつある。染物業界内部にあって私自身が体験してきたことは「3Dプリンター革命」と題して5回にわたって書いた。かつてを知るわれわれには天然繊維へのこだわりがあるが、若い世代には関係ない。安いし扱いやすければそれに越したことはない。たとえ多くの先人によって積み重ねられたすぐれた技術であっても容赦なく消えてゆかざるを得ない。しかし私にはそれを「進歩」ということにはまだためらいがある。その変化に対応した「心の変化」への評価が定まらない。とはいえやはり、おそらくそれは「進歩」なのだろう。かようにして若い世代は、われわれには思い及ばない感覚によって世界を広げてゆく・・・と思っていた方がいい。

と、ここまで書いたところで昨日(9日)米沢に行き米沢市立図書館に寄ったら、「藁科松伯展」開催中。鷹山公、平洲先生をはじめとする書をみせてもらうと、当時の文化教養のレベルの高さに圧倒される。当時のそれと今の何を比較したらいいのかもわからなくなる。その「心の在りよう」のちがいに思いを致すとき、どうしても「進化した」とは言い難い、それが正直なところだ。

そんな折のスプートニク8日の記事「もうすぐ、食えなくなる仕事」人工知能の進化がもたらすロボット化が人間の労働をどう変えるか。ロボットが限りなく人間に近づき、さらにそれを超えてゆく。人間はそのときどうなるか。そのことを考えさせられる興味深い記事なので↓ 貼付けておきます。

*   *   *   *   * 


30年後にどんな職業がなくなるか?

30年後にどんな職業がなくなるか?

[コピーライト] Fotolia/ Viacheslav Iakobchuk
オピニオン

人工知能と経済のロボット化は、大部分の人々の生活を脇に追いやってしまう可能性があ

る。未来学者によれば、バーチャルな世界、つまりコンピューターゲームが、人々の「生

活」の場になるとの事だ。世界経済フォーラムの報告書によれば、今後3年間に、先進15か

国における労働市場で、500万人分の仕事をロボットがするようになるとの事だ。一方デジ

タル時代における古き良き職業は、絶滅してしまう。例えば、文字通りこの20年間で、馭者

という職業は、完全に忘れ去られてしまった。

スプートニク日本

今後20年から30年の間に、そうした急激なスピードで、今日経済の根幹を支えているような職業が、
地球上から姿を消すだろう。
 
経済のロボット化は、まず第一に、タクシー運転手や長距離トラック運転手、事務員や荷役作業員、
建設労働者といった勤労者を一掃してしまう。すでに今日、中くらいまたは低い熟練度しか持たな
い労働者の数は、急激に減っている。そして調査によれば、そうした層の何百万という人達のうち、
人工知能との競争の中で、新しい知識や技術を身に着け、新しい職を見つけることができる人はほ
んの一部に過ぎない。
  
未来学者で、エルサレムにあるヨーロッパ大学の歴史学教授、ユヴァリ・ノア・ハラリ氏は、地球上
では2050年までに「役に立たない人達」ともいうべき新たな人々の層が形成されると主張している。
教授は「そうした人々の人生の意味となるのは、コンピューターゲームで、彼らは、自由な時間はす
べて、仮想世界で過ごすことになるだろう」と予想している。

シカゴ大学のエコノミスト、エリック・ハースト氏の調査によれば、高等教育を受けていない若い米

国人男性の22%が、この1年間、1日も働いていなかった。その際、700万もの失業者は、仕事を見つ
けようとの努力もしていなかった。
 
しかし社会における犯罪状況は、悪化していない。そうした若者達は一体何をしているのだろうか?
彼らにとって大きな娯楽は、ビデオゲームで遊ぶことだ。しかし所謂「役に立たない人達」の層の代
表者らは、どうやって生活しているのだろうか? ハースト氏のデータによれば、そうした言ってみ
れば「余計者」の若者達の大部分は、親のおかげで生活できている。2014年の調査では、そうした若
者の70%が、親族の世話になっていた。2000年には、その数字は僅か35%だった。

将来、生活の中で自分を見失ってしまった人達にとって死活的に重要な要求は、無条件で与えられる
基本的収入によって満足させられるだろう。それは、すべての市民に支払われる。昨年スイスでは、
そうした支払いを導入するかどうかについて国民投票が行われたが、成立しなかった。スイス人達は、
導入することで移民が増えることを恐れたのだ。

しかし6つの国ではすでに、このシステムを一部地域で実験的に導入する決定を下した。2017年には、
カナダやフィンランド、オランダで、市民に毎月700から1400ドルの支給が始まる。
 
しかし、自分自身の存在の無意味さを受け入れることの方が、はるかに難しい。失業者のために、仮
想現実の3次元世界が作られるだろう。ユヴァリ・ノア・ハラリ教授は「そうした世界で、人々は、現
実生活が与えうるよりも遥かに多くの経験をし、豊かな感情や情熱を味わうだろう。なぜならそこで
は、仕事のないことは、存在意義の喪失を意味するものではないからだ」と考えている。
 
興味深いことに、人類はかつて、そうした状況にすでに直面している。例えば、古代ローマ時代だ。
あの時代、GDPの基本的な部分は「生きたロボット」つまり奴隷達が生産していた。一方、自由な
時間を持て余した市民は主に「食べる事と観る事」のみを求めた。古代ローマの娯楽も申し分なかっ
た。コロシアムのオープンを記念して皇帝タイタスは、100日間続けて剣闘士達の戦いを催したと言
われている。剣闘士達に対し1日に、5千頭もの野獣が用意されたという。このように古代の「余計
者達」の楽しみは始められたのだ。しかしその後、皆さんもよく御存知の通り、いわゆる「野蛮人」
がやってきて、すべてを台無しにしてしまった…

 


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。