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千川原公彦氏講演会「家庭や地域で備える大規模災害」 [地元のこと]


千川原講演会チラシ.jpg

昨晩(13日)、共育ネットワーク教育講演会。講師は千川原公彦氏(ウェザーハート災害福祉事務所代表)。演題は「家庭や地域で備える大規模災害〜いざというときのために 日頃から行う災害対策〜」。私は初めてお会いしたが、平成25年、26年の南陽水害に際し、災害ボランティア活動支援プロジェクト会議設立から具体的支援まで中心的役割を果された。講演の中で氏が撮影編集された南陽市における災害ボランティア活動の10分ほどの記録ビデオが紹介されたが、まったく知らないことばかりで南陽市民として必見ビデオに思えた。YOUTUBEでの公開をお願いしたところ、バックミュージックの著作権問題が解決したら可能とのことだった。総合防災課と社会福祉協議会にあるとのことだった。共育ネットワークを通じて子ども達にも見せられたらと思う。身近な教育教材としても活用できる。

講師紹介を兼ねた代表あいさつの機会を与えられていた。あれこれ話したが、まとめてみる。

《5年半前の東日本大震災以降、箍(たが)が外れたように災害がごくあたりまえになったように思う。南陽市では2年前と3年前に水害に襲われた。私の家でも裏の川が溢れ、朝起きたら水は引いていたが泥がいっぱいだった。先日の国会論戦の中で、福島県における甲状腺ガン多発が問題になった。通常100万人にひとりあるかないかの甲状腺ガンが、福島では38万人(当時18歳以下)の対象者中174人にその徴候が見られるという。チェルノブイリでは5年を過ぎた頃から事故の影響が顕著になりだしたという。私たちはまさにそういう状況下におかれている。こういう中での今日の講演会は非常に意義がある。ちょうど三日後は南陽市としては初めての総合防災訓練。全国の災害復旧現場で実際に活動されている千川原先生のお話を、ぜひ今後の地域防災の活動に活かしていただきたい。》

言いたかったこと、言ったことをきれいにまとめればこんなところ。


90分、現場体験に裏付けられた貴重な話が聴けた。いくつかメモしておきます。

 

2-DSCF5363.JPG・災害発生の後の人との関わりの問題が大きい。警察が手の回らない状況の中ですぐ泥棒が発生する。それから悪徳業者。特に老人家庭が狙われる。熊本では屋根にブルーシートを張る作業に90万円払わされたという人に会った。こういうこともあるので、お金を要求されるような場合は必ず回りに相談して下さいということを普段から周知しておくことが重要。

・十中八九そんなことはないが、夜酒盛りを始めて地域の顰蹙を買うボランティアもたしかにいるし、不要なものを送りつけられて迷惑する場合もある。お互い支え合うのも人だけれども、足を引っ張り合うのも人という現実にも直面させられる。

・南陽市直下に活断層はないが周囲を活断層に囲まれている。万一この地域に地震が起きた場合の最大推定震度は6強。かつて経験したことのない揺れ(淡路神戸大震災のビデオ紹介)。家具が倒れないような対策は日頃から重要。

1-DSCF5370.JPG・長井断層帯で30年間に起きる地震発生確率は、東日本大震災前は1%だったのが、以後は33%に大きく修正されている。

・山形断層帯の地震発生確率は日本に180ある断層帯中第9位。

・長井断層帯が動いた場合、南陽市10,500世帯中全半壊5700世帯。負傷者1,200人、死者100人が最大見込まれる。

・熊本県益城町が南陽市と同規模(32,000人、12,000戸)なので参考になるはず。ぜひ益城町の人から話を聞く機会をつくられたらいいと思う。

・家庭の備えとして今はいろんなものが用意されている。「こうしなければならない」というのではなく、自分でいちばん興味のあるものからそろえるといい。

・非常食も非常にバラエティに富んでいる。35年持つ乾パンもけっこうおいしい。山形ならではの保存食としてはミルクケーキが保存食として貴重。

・最低「ひとり3日分」の食糧・水の備蓄を。

・地域の防災訓練に楽しく参加できるためには食をテーマにすること。たとえば空き缶炊飯。360mlの空き缶に米1/31cmぐらい上まで水を入れてアルミホイルで蓋をしてガスコンロで30分。キャンプ感覚で盛り上がることうけあい。日赤奉仕団ではビニール袋炊飯もすすめている。

・ビニール袋に生卵、生玉ねぎ、生鶏肉を入れて沸騰したお湯に15分。おいしい親子丼ができる。同じ要領でカレーも。「ビニール料理」で検索するといろいろ出てくる。

・防災上最優先しなければならないのが「安否確認」。一軒一軒訪問しての確認は非常に大変。各家庭に黄色い旗を配布しておき、家族全員大丈夫であれば家の前に黄色い旗を立ててもらう。数分でできる。

・少子高齢化、高齢化25%は3人でひとりが支える、現在の30%は二人でひとりを支える日本。行政に頼るのではなく地域としての取組みを。

・緊急時にだれが支えるのか、だれに支えてもらうのかをしっかり知っておくこと。「頼り上手」であることも大事なこと。

・普段できないことは災害時にはできない。災害が起ったときは、訓練時以上のことは決してできない。

・「災害」というと暗いイメージになるが、「楽しく明るく真面目に工夫」ということで「防災」という切り口からお互いのネットワークづくり、ひいては地域の活性化ということに結び付けていっていただけたらと思います。


地域の備え.jpg安否確認が最優先課題。その対策についてのシートです。

それぞれ□には、「旗」「30分」「6時間」「無線(携帯電話)」「13分」が順に入ります。




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