ケネディ大使からお礼状が届きました! [上杉鷹山]
キャロライン・ケネディ駐日米大使に次の手紙を添えて「伝国の辞」碑の写真額を送ったのは、5月10日のことだった。
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キャロライン・ケネディ駐日米大使 様
謹啓
若葉輝く躍動の季節になりました。大使におかれましてはますますご清祥のこととおよろこび申し上げます。熊本御視察やLGBTへの御参加等の報道に接し、日米親善友好、世界の平和と自由実現のための御尽力に対し深く敬意と感謝を表します。
さて、白鷹山(Shiratakayama/大相撲幕下一枚目の白鷹山はHakuyohzanです。白鷹町Shiratakamachiの出身です。地元の期待を担っています。今後の活躍に御注目頂けましたらうれしいです。)山頂の、大使からのメッセージが添えられた上杉鷹山公の「伝国の辞」碑は、建立以来ちょうど2年になります。大使の御蔭をもちましてほんとうに多くの方からの注目を集めることになり、さらに時間が経つほどにその輝きを増しているように思われます。鷹山公もきっと喜んでおられるにちがいありません。冥界にあってケネディ大統領と鷹山公が語らっておられる様子が心に浮かびます。
もっと早くお送りすべきだったのですが、建立後ちょうど2年経った記念として碑の写真をお送り致します。大使の御目の触れるところに飾っていただけましたらうれしいです。また「白鷹山に『伝国の辞』碑をつくる会」事務局の高岡亮一が「鷹山公とケネディ大統領、魂の響きあい」と題して米沢の年刊誌「懐風」に文章を寄せました。ケネディ大統領が鷹山公のどこに心を動かされたかについて、「伝国の辞」碑と大使との関わりの経緯をふりかえりつつ考えてみたエッセイです。お目通しいただければと思い同送させていただきます。
ケネディ大統領の就任演説の中に次の一節がありました。
《今、われわれを召集するラッパが再び鳴っている。それは、武器は必要ではあるが、武器を取れとの合図ではない。われわれは闘争の中にあるが、戦闘に参加せよとの呼びかけでもない。それは、年々歳々、「希望に胸躍らせ、苦難に耐えて」長いたそがれの闘いの重荷を引き受けよ、との呼びかけである。その闘争は、人類の共通の敵である圧政、貧困、疾病、そして戦争そのものに対する闘いである。
Now the trumpet summons us again -- not as a call to bear arms, though arms we need -- not as a call to battle, though embattled we are --but a call to bear the burden of a long twilight struggle, year in and year out, "rejoicing in hope, patient in tribulation" -- a struggle against the common enemies of man: tyranny, poverty, disease, and war itself.》
鷹山公は、われわれの小さな地域の中のことではありますが、まさにこの「闘い」に挑み、勝利した名君であったことを誇りに思っています。鷹山公のその実績とそれをなさしめた精神への評価が、キャロライン大使のお力添えを得て、広く世界の平和と自由の実現のために広がることを切に願っているところです。今後ともさらなる御理解と御支援、何卒よろしくお願い申し上げます。
大使におかれましては、くれぐれも健康に留意され、日米両国はもとより、世界中の人々の幸福のためにご尽力されることを衷心よりお願いお祈り申し上げます。
敬具
平成28(2016)年5月10日
白鷹山に上杉鷹山公「伝国の辞」碑をつくる会
会長 斎藤喜一
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バタバタの毎日で送ったことも忘れかけていたのだが、昨日川井事務局長が「大使からの手紙が来た」と届けてくれた。全く思いがけないことだった。
実は昨秋の会の芋煮会で、ケネディ大統領の命日に合わせて送るようにと決まって写真額を用意はしたものの、なかなか手紙が書けなくてそのままになっていたのを、碑建立2周年を期して「この時を逃してはダメだ」との思いでがんばって書いたのだった。
《Thank you for sending me the framed picture of the monument for lord Uesugi Yozan in Mount Shiratake. I congratulate you on celebrating his legacy and I appreciate your thoughtfulness.(白鷹山の上杉鷹山公記念碑の写真額をお送りいただきありがとうございます。鷹山公が遺された業績を顕彰する皆様方を祝福するとともに、皆様方の御配慮をありがたく感謝申し上げます。)》
短いが、大使の心のこもったお礼状として読ませていただいた。
図らずも今日、齊藤喜一会長の娘さんの結婚式。この手紙のことはまだ知らせていない。会場で知らせることにする。大使からの手紙が花を添えてくれることになる。
鷹山碑の会に手紙
毎日新聞2016年6月12日 13時48分(最終更新 6月12日 14時43分)
米沢藩九代藩主、上杉鷹山(1751〜1822年)の石碑を山形県・白鷹山に建立した「白鷹山に『伝国の辞』碑をつくる会」(斉藤喜一会長)に、キャロライン・ケネディ駐日米大使から改めて手紙が届いた。鷹山を尊敬したケネディ大使の父、ジョン・F・ケネディ元大統領の演説を石碑に刻んだ縁などから交流が続いていた。
斉藤会長が先月、石碑の写真を額に入れ、石碑の反響などを書き添えて送ったことに対し、4日に手紙が届いた。「鷹山公が遺された業績を顕彰する皆様方を祝福するとともに、ご配慮をありがたく感謝申し上げます」というメッセージが書かれている。
同会は2014年5月、周辺自治体や有志から約380万円を集め、白鷹山山頂の神社脇に二つの石碑を建てた。鷹山が残した藩主の心得「伝国の辞」を鷹山の似顔絵と共に刻んだ黒御影(みかげ)石の主碑(高さ約180センチ)と、ケネディ元大統領の就任演説の一節「国家があなたに何をしてくれるかではなく、あなたが国家に何ができるかを問おうではないか」を刻んだ副碑(同約90センチ)。事前にケネディ大使から父の演説の刻字を希望する電子メールがあったという。
白鷹山は鷹山が25歳の時に参拝したと記録があり、社殿には鷹山が揮毫(きごう)したと伝わる「白鷹山」の扁額(へんがく)が掲示されている。「鷹山」は「白鷹山」から取ったとの説があるが定かではない。【佐藤良一】
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