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『宗教消滅』? [現状把握]

宗教消滅.jpg

昨年5月発行の『寺院消滅』が話題になっていたようで、その便乗企画と見た。いま見つけたのだが、SB Creative Onlineというのがあって、そこにちゃんと資本主義は宗教と心中する―迫り来る『宗教消滅』の時代―」として取り上げられていた。ここを読めば十分ことは済む。ただ一通り目を通したので、一言いっておきたくて、アマゾンにレビューしてきた。まだだれも書いてなかった。二つ星にした。


*   *   *  


《(資本主義の進展に伴って)村落共同体の解体は進行し、それが日本における宗教の消滅という事態に結びついていくのである。》153p)「宗教とは何か」の問いかけのない著者には、「宗教」についての展望は一切ないごとくである。


然して結論はこうである。

《資本主義は行き着くところまで行き着いた。さらなる市場の拡大は、現実的には不可能なところまで来ている。そのなかで、伝統的な社会システムは解体され、個人が共同体とは無縁な生活を送る状況が生まれている。/資本主義はそこまで貪欲に資本の蓄積を行ってきたとも言える。ロボットが労働を担い、社会のあらゆる側面が自動化された時代において、人間という存在は本当に必要なものなのだろうか。人間を必要としない社会のなかには、人が生きる余地などないのだ。/そうなれば、人類社会の存立も難しくなる。高度資本主義こそが、人類社会にとっての脅威なのかもしれない。宗教が消滅する世界は、あるいは人類が消滅する世界なのかもしれないのである。》239-240p


そうだろうか。資本主義の浸透とともに、何もかもお金に換算されてしまう世の中になってしまった感があるが、日々の暮らしの現実をみれば決してそんなことはない。お金に代えることのできないひとりひとりの思い、お互いの思いやり、そこから生まれる助け合い、そういうものがわれわれのくらし、そして世の中を支えているのではないか。そこにはおのずと人智を超えた世界への感謝が在り、畏敬が在る。それこそが本来宗教の立脚地である。「死んだら終わり」は戦後思潮の一時的世迷い言。資本主義の進展とともにあった現世利益的宗教は衰退しても、本来宗教の芽は若い世代に確実に育っていると見る。


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