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北野達著『古事記神話研究—天皇家の由来と神話—』(1) 序 [『古事記神話研究』]


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われわれにとっては「宮内熊野大社北野達(さとし)宮司」であるが、山形県立米沢女子短期大学国文学科北野達教授による大著『古事記神話研究—天皇家の由来と神話—』(おうふう 平28.10)を毎日少しずつ読み進めている。『神社新報』に掲載された「『古事記』成立論に一石を投じる一冊」と題する書評にこうある。(クリック拡大) 

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《『古事記』研究の停滞が危惧されるこの頃、心配を吹き飛ばすやうな大著が刊行された。山形県立米沢女子短期大学教授で南陽市の熊野神社宮司・北野達氏の著書である。

 この書の構成は、第一部を「『古事記』の成立」、第二部を「『古事記』神話論」として全十七章。・・・・・その説かれるところ、博引傍証、随処に新見を呈しながら穏やかなものである。・・・・・

 『古事記』成立論に一石を投じた、堂々たる六百七十頁の大冊である。》

 書評者は古事記研究の大御所という菅野雅雄氏。


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700頁に近い大著を前に、たとえ身近な北野宮司の著とはいえ、最初は読み通せるものかどうか心もとなかった。それが昨日時点で第一部(〜162p)を読み終えた。詳細な議論がどこまで理解できているかはともかく、行きつ戻りつしながらなんとかたどりついたというのが正直なところ。第二部はいよいよ神話に入るので楽しみなのだが、著者の薦める『新版古事記 現代語訳付き」(中村啓信 角川ソフィア文庫)を注文したところで小休止。現時点で思うところを書いておくことにした。


「本気で読んでみよう」という気が起きたのは、2回目に「はじめに」を読んだ時だった。昨年暮れに手に入ったその時も「はじめに」はおおいに関心をひいたものの、あとでじっくりと閉じたまま一ヶ月以上すぎていた。あらためて開いて読んだ「はじめに」が本気をよび覚した。そこにはいつも接する北野宮司とは別人の北野達がいた。深いところから見えた「北野達」だった。


実は昨日、書評をいただきながら北野宮司と語った。宮司は「なにものかに書かされた」という意味を話した。そのとき「なにものか」とは神様だったかもしれない。それはあるいは「時代」と言い換えてもいいか、と今ふと思った。宮司は私の5級下だが同じ時代を生きてきた。ここに、私がいま読んで書くことの手がかりがあるかもしれない。


まず「はじめに」について私なりの理解を書くことから始めたいと思って書き始めたのだが、時間がかかりそうなので今日はとりあえずここまでにしておきます。(つづく)


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