木村東介「宮島詠士」(8) 今こそ詠士の心に思いを致すべきときではないか [宮島詠士]
いよいよこの文章の白眉の部分。ここを読んでこの長文をここに留め置きたいと思い、これまで作業を続けてきた。
「(四)詠士とのただ一度の出会い」の中、東介が差し出した中野正剛の名刺を詠士が粉々に引きちぎって投げ捨てる場面、その時そこに込められた詠士の怒り、思いの深さを理解せねばならない。この時の東介の驚き、しかしおそらくその心の最も奥深いところで感じ取った戦(おのの)くばかりの共感、それが東介をして民族美術発掘への道へと導くことになったのではないか。
中野正剛(1886-1943)は東介の報告に対し「気狂いじじいめ、せっかくの武運赫々たる皇威宣揚の前のいらざるブレーキ」と評した。詠士と中野、それぞれの世界の隔たり、やがて東介に起こる中野の世界から詠士の世界への転回。そうして見えてくるのが平櫛田中ではない佐藤玄々であり、棟方志功ではない長谷川利行であった。(参照:『池の端界隈』青英社1982)
一方中野の世界の先にあったのは否応なき戦争の泥沼だった。気づいた時にはもう遅い。気づかされた中野は常に、東介から聞かされた「気狂いじじい」の中野に対する昂ぶりの様を、頭に胸に思い起こしていたのではなかったか。それが「反東条」という決死的行動へと駆り立てることになったとしても、結局は自刃の道しかなかったのだ。
そして現在日本、今こそ詠士の心に思いを致すべきときではないか。
東介は言う。
《遺憾でたまらないのは、門下三千と称せられた君子の群れの中に、だれか詠士の志を受け継いで、「目隠しをされた狂人が、刃物をかざして地獄の穴へかけ込む」がごとき当時の日本の姿を、身を挺してさえぎる勇者がいなかったものだろうかと思うことである。》
「当時の日本」がまさに今なのではないか。
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宮島詠士
—詠士書道とわが審美異説—
(八)
今こそ詠士の心に思いを致すべきときではないか
蘆溝橋に発した一発の銃声は、日中親善を足掛りにして、東洋ユートピア建設の礎を築こうとした詠士の巨夢を、はかなく破り去ってしまった。詠士の痛恨、想像するにあまりあるものがある。
浅薄な考えかも知れないが、遺憾でたまらないのは、門下三千と称せられた君子の群れの中に、だれか詠士の志を受け継いで、「目隠しをされた狂人が、刃物をかざして地獄の穴へかけ込む」がごとき当時の日本の姿を、身を挺してさえぎる勇者がいなかったものだろうかと思うことである。いずれも心ひそかに危惧の念を抱きながら、この日本の狂態をただお見送り申し上げていただけなのだろうか。
善隣書院で詠士に養成された精鋭も詠士と同じく埋葬者の行列のごとく静かに暗闇の街を歩いていたに過ぎない。ここにはひとりのはったり屋もいない。人徳ある君子の集まりは、不発の爆弾の集積である。人畜無害の花火でもよいから、たまには一発打ち上げたほうが世間の耳目を揺り動かすのである。わたくしは馬鹿か狂人にはなり得ない仁徳ある君子の弱さを歯がゆく思わずにはいられない。
鈴木虎雄、藤田豊八、小柳司気太、笠信太郎、谷口藍田、根木通明、田辺安之劫、狩野直禧、浅井新太郎、池田良栄、宇佐見右之、長瀬鳳輔、神谷衡平、何盛三、関菊麿、遠藤文夫、高森強太郎、湯原桃雄、亘理三郎、武田寧信、責本晋、松本菊松、工藤忠、松浦珪三、堀口九万一、小幡酉吉、本田熊太郎、大作理三郎、江口定条、水町袈裟六、山成喬六、柳田国男、山本五十六、柳川平肋、緒方竹虎、上泉徳弥、八角三郎、河相達夫、本告辰二、寺岡謹平、中山優、安岡正篤、平貞蔵、笠木良明、斎藤原内、張延彦、金国撲、小越十平、李長香、包象寅、王□(王偏に辰)玉深垣、劉雨田—。
といった門下たちはいずれも日本の容易ならざる人材なのに、その力量に至っては到底東条の独断に抗し得なかったということに、救い難き日本の悲割がはらんでいたと思わずにはいられない。
いまこうしてペンを走らせながら、四十年前の二十代のころを顧みると、わたくし自身、慚愧の念に堪え難きものがある。ただわけもなくプライド意識過剰で同じ東洋民族を軽侮のまなざしで眺めていた、あの思い上がった時代……。野犬に等しきわたくしに向かって、詠士が「支那の無辜の民を殺し」云々と大声で叱咤してくれたあのとき、わたくしに今日の成長と理解力があったら、わたくしのその後の四十年はもう少し気のきいた生き方ができたものをと悔まれるのである。
当時あの不滅の神言に接しながら、「猫に小判」にひとしい見当違いの聞き方をし、中野正剛の言葉のごとく、「気狂いじじいめ、せっかくの武運赫々たる皇威宣揚の前のいらざるブレーキ」と思い込んでいた軽薄な解釈は、いまさらどうにもならない。せめて、この目で見、この耳で確かに聞いた千古不滅の至言を、たとえいささかなりともこの世に生かしてゆくことが、わたくしに残された使命だと思っている。
詠士の死後百四十目ほどして、詠士を「気狂い親父」と評した中野正剛が割腹自殺した。昭和十八年十一月、すでに敗色は濃厚で、わたくしは中野傘下から足を洗って美術商に転じてまもないころだった。「正剛割腹」の号外に愕然としたわたくしは、戦争末期の物資困難な折りにもかかわらず、極めて豪華な花輪を携えて、代々木の中野邸にかけつけた。
恐ろしかったことは、正剛の棺の前の花輪は、わたくしのがたったひとつだった。「木村東介」と書いた花輪の下の字が、棺の前で緊迫した空気の中に蒼ざめて、いつまでもわたくしをにらんでいた。わたくしの総身はまるで寒波に襲われたかのごとくガタガタ震えた。飾られたものをもう引っ込ますわけにはいかない。手おくれだ、あすは憲兵か特高がくるかも知れぬ。
正剛傘下の重だった人材はことごとく特高や憲兵に連れ去られ、緒方竹虎と広田弘毅があたかも虎と獅子の傘下に兎とモルモットを擁していたわるがごとく通夜に集まる青年たちに対していた。どこから探し求めてきたのか、たった一升の酒が湯呑み茶碗に御神酒のように一滴ずつ配られた。人々はまなじりを上げ歯をくいしばって、正剛の血を飲むように黙々とノドヘ流し込んだ。
電話のベルが鳴った。電話を受け取った人が、緒方のそばに寄ってささやいた。電話は東条英樹からである。
「霊前に花輪を贈りたいが受けてくれますか、と言っておりますが……。」
緒方は静かにそして凛として答えた。
「お断りしますといいなさい。」
固唾をのんできいていた人々の心は胸奥で引きしまった。
東条に対しては極めて冷厳に、正剛の霊に対しては弟をいたわるがごとく静かに言い放ったこの言葉は、いまでも恐ろしく、強く、そして温かくわたくしの心の中に二十五年も生きている。「支那の無辜の民を殺し……日本青年の骨を中国の山河に哨して」といった詠士不朽の言が敗戦を目の前にしてついに割腹を決意するに至った正剛の脳裏を去来したことは、想像に難くない。宮島詠士の感化を受けて日中交戦に強く反対していた緒方は、正剛の主戦論にも激しく抵抗していたが、正剛割腹の真意の中には親友緒方への申し訳も含まれていたものと思う。(つづく)
《安倍晋三など好戦派が導入を目論んでいる「国家緊急権」とは「クーデター権」にほかならない》ことを指摘した記事ですが、アルカイダがアメリカによって養成されたことを指摘して間もなく急死したロビン・クック、「軍隊は支配層のために押し込み強盗を働き、用心棒として利権を守る存在」と主張するスメドレー・バトラー、「中国侵略を正当化するため、日本が仕組んだ偽旗作戦」だった柳条湖事件等、知っていていい情報満載です。
桜井ジャーナルhttp://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201601160000/
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2016.01.16
クーデター権を言い換えただけの国家緊急権で独裁者になることを夢見るエリートは日本を破滅へ
安倍晋三など好戦派が導入を目論んでいる「国家緊急権」とは「クーデター権」にほかならない。アメリカ支配層の傀儡である一部の「エリート」が全権を握るための仕組みで、アメリカで行われていることを真似したのだろう。
アメリカでは似た仕組みを使って憲法を麻痺させ、世界制覇を目指して侵略戦争を始めた。その準備は1980年代の前半から始まっているが、始動する引き金になったのは2001年9月11日の出来事。ニューヨークの世界貿易センターとワシントンDCの国防総省(ペンタゴン)が攻撃されたのだが、そのショックを利用し、攻撃と無関係なアフガニスタンとイラクを先制攻撃したのが始まりだ。
アメリカは1970年代の後半、ソ連と戦わせる目的でワッハーブ派で構成される戦闘集団を編成した。軍事訓練と武器/兵器の供給はアメリカが担当、戦闘員や司令官の人選はパキスタンの情報機関、資金はサウジアラビアが提供、イスラエルも協力していた。そのプランを考えたのがズビグネフ・ブレジンスキーだ。1979年12月、ソ連軍はブレジンスキーの思惑通り、アフガニスタンへ侵攻してくる。
こうして養成された戦闘員のリストを「アル・カイダ(データベース)」と呼ぶのだと2005年7月に指摘したのは1997年から2001年までイギリスの外相を務めたロビン・クック。なお、この事実を書いた翌月、クックは保養先のスコットランドで心臓発作に襲われて死亡してしまった。享年59歳。
2001年9月11日以降、アル・カイダは「テロ」の象徴となり、国内のファシズム化と国外での軍事侵略を正当化する口実に使われることになった。そのアル・カイダ系武装集団LIFGとNATOが連携していることが発覚したのは2011年、リビアでムアンマル・アル・カダフィ体制が倒された際。LIFGのリーダーがその事実を認め、カダフィが惨殺された直後にはベンガジの裁判所にアル・カイダの旗が掲げられ、その様子を撮影した映像がすぐにYouTubeにアップロードされた。イギリスのデイリー・メール紙などもその事実を伝えている。その後、新しい「タグ」としてIS(ISIS、ISIL、ダーイッシュなどとも表記)が登場してくる。
日米の支配層が国家緊急権を発動させたいと考えた場合、アル・カイダの仕組みを利用することも考えられる。傭兵を集め、「国家緊急事態」を演出できる。「9/11」のように都合良くクーデターの引き金になる出来事が起こるとは限らないが、そうした出来事を演出することは可能。柳条湖事件のように、偽旗作戦を実行するということだ。
柳条湖事件とは、中国侵略を正当化するため、日本が仕組んだ偽旗作戦。1931年9月、独立守備歩兵第2大隊第3中隊付きの河本末守中尉が部下6名を連れて柳条湖へ向かい、今田新太郎大尉が用意した爆弾を南満州鉄道の線路に仕掛けて爆破(音だけだったとの説もある)、その爆破音を合図にして第3中隊長の川島正大尉は部下を率いて中国軍を攻撃して「満州事変」を始めたのだ。その後、約4カ月で中国東北部を占領している。
日本のエリートが服従しているアメリカの支配層は他国を侵略し、自分たちに都合の良い体制へ作り替え、私腹を肥やしてきた。名誉勲章を2度授与された伝説的なアメリカ海兵隊の軍人、スメドリー・バトラーは1931年に退役した後、35年に『戦争は犯罪稼業』という本を出した。軍隊は支配層のために押し込み強盗を働き、用心棒として利権を守る存在だと主張しているが、全くその通りである。
バトラーは1898年に16歳で軍隊へ入るが、その半年後、同年7月にはキューバで任務に就いている。その年の2月にアメリカ海軍のメーン号がハバナ港で爆沈するのだが、それをスペインによる破壊活動だとアメリカ側は主張、4月に戦争を始め、キューバだけでなくプエルトリコ、グアム、フィリピンを手に入れた。今では自作自演説が有力だ。つまり侵略を正当化するための偽旗作戦だった可能性が高い。
バトラーが退役した翌年にはアメリカで大統領選挙があったのだが、大学を卒業してから鉱山技師としてアリゾナにあるロスチャイルドの鉱山で働き、ウォール街を後ろ盾にしていたハーバート・フーバー大統領は再選されなかった。ニューディール派のフランクリン・ルーズベルトに敗れたのだ。ルーズベルトは支配層の出身だが、巨大企業の活動を規制して労働者の権利を認めようとする一方、ファシズムや植民地に反対する姿勢を見せていた。
この選挙結果に衝撃を受けたウォール街の大物たちはクーデターを企てる。この事実はバトラー少将と彼ら過剰を得て取材していたジャーナリストのポール・フレンチが議会で証言している。当然、その内容は公的な記録として残され、日本でも確認が可能だ。ルーズベルトは病気だと新聞を使って宣伝、在郷軍人会を動員して大統領の座から引きずり下ろしてファシズム政権を樹立させようとしていたという。
軍隊で人望の厚いバトラーを抱き込まなければクーデターは成功しないと巨大資本は判断、彼に接近するのだが、拒絶される。「ファシズムの臭いがする何かを支持する兵士を50万人集めるなら、私は50万人以上を集めて打ち負かす」とカウンター・クーデターを宣言、内戦を覚悟するように伝えた。1934年の議会証言でバトラーはこの事実を証言している。
このクーデターで中心的な役割を果たしたと言われているのがJPモルガン。その総帥、ジョン・ピアポント・モルガン・ジュニアの妻の従兄弟であるジョセフ・グルーは1932年に駐日大使として日本へ赴任している。グルーの妻、アリスは幕末に「黒船」で日本にやって来たマシュー・ペリー提督の末裔で、少女時代に日本で過ごし、華族女学校(女子学習院)で大正(嘉仁)天皇の妻、貞明皇后(九条節子)と親しい関係を築いたという。
グルーを駐日大使に任命したのはフーバーだったが、1933年にアメリカの大統領は政策が大きく違うルーズベルトへ交代する。状況がそのように変化したにもかかわらず、日本は中国侵略を進め、泥沼にはまり込んでいった。
しかし、この侵略戦争で日本の支配層が負けたとは言い難い。略奪した財宝は行方不明のままで、最高責任者だけでなく、特高警察や思想検察の人脈は戦後も生き残って要職につき、新聞の責任も問われなかった。少なからぬ軍人や特務機関員がアメリカの下で働き始めている。
日本が略奪した財宝は第2次世界大戦後、アメリカの一部支配層が回収したと見られている。「ナチ・ゴールド」と同じ構図だ。それに対し、侵略を受けたソ連や中国は疲弊、惨勝とも表現された。アメリカの支配層が戦争で甘い汁を吸ったことは間違いないが、おそらく、戦争に懲りていない日本の「エリート」も少なくない。その子ども、孫の世代になると、欲望だけが残っているようだ。そして「国家緊急権」が出て来た。
by めい (2016-01-17 05:56)
スメドリー・バトラー『戦争は犯罪稼業』
・http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/24197883.html
・http://peacephilosophy.blogspot.jp/2013/02/smedley-butler-war-is-racket-japanese.html
by めい (2016-01-17 06:07)
《世界の金融、経済の状況が、1月15日をもって、大きく変動したようだ。》
《これで、「7月の衆参の同時選挙で、安倍の長期政権化」という夢みたいな馬鹿話は、もう消えたでしょう。》
《国民の年金資金を、30兆円も吹き飛ばして、それでタダで済むとは私は思わない。》
《彼ら国家犯罪者どもの、国民裏切者どもの大失策、アメリカへの資金貢ぎ係たちの 地獄の断末魔が、始まりました。》
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[1851]世界の金融、経済の動きに大きな変化が見られる。流れは急激に変わった。
投稿者:副島隆彦
投稿日:2016-01-17 11:58:00
副島隆彦です。 世界の金融、経済の状況が、1月15日をもって、大きく変動したようだ。 このトレンドの大きな変貌をいち早く知って、みなさん、自分の財産を守る、態勢に入って下さい。
(転載貼り付け始め)
****編集長へ
2016年1月17日
副島隆彦から
急激に事態が変わりました。年初の 1月6、7日から 株式の暴落開始を受けて、少しは持ち直すように見えましたが、12日(戻し)、13日(下げ)、14(700円暴落)、15日(90円安) を受けて、安倍政権は急激に、体調を崩して、どうやら5月には安倍退陣の話が急に出ています。
NYダウは、1月15日(金)は、16,000ドルを割って、15,988 ドル で引けました。 日経平均も、17200円ぐらいの引け、ですが15日に、17,000円を割って、16000円台が出現しました。 私が、祥伝社本で書いた、「17000円の攻防戦が続く」の通りとなりました。 私の本の予言(予言)から、2か月が経(た)ってそのとおりになりました。
これで、「7月の衆参の同時選挙で、安倍の長期政権化」という夢みたいな馬鹿話は、もう消えたでしょう。
私は、ロシアの冬将軍のさなかに、モスクワ略奪から敗走するナポレオン軍を追撃した、ロシアの民族の英雄、百姓兵士から出世した クトゥーゾフ 将軍 の ような気になって来ました。 大作映画「戦争と平和」の中でも、タイガの森の中から、じっと敗走するナポレオン軍を見つめているクトゥーゾフ軍の姿が描かれていました。
あるいは、1953年に、スターリンの死の3月5日 のあと、7月27日に、NKDV(エヌ・カー・デー・ヴェー 、ソビエト国家保安省本部)に、モスクワ郊外の2個戦車師団を引き連れて、突入して、長官のベリヤ を逮捕、拘束、
した(このあと、べリアは裁判に掛けられ処刑)歴史事件のことを思い出します。そして、そのあと9月12日に、フルシチョフが第一書記になった。
あの感じが、日本にも出現しつつある、と 判断します。
いくら、安倍晋三が、日本国内の政治家たちで自分への反対派や、メディアへの恫喝、圧殺を加えても、 GPIF(年金運用資金)を株に突っ込んで、、国民の年金に手を掛けて博奕で摺(す)ってしまって、損失の残高が、30兆円とかが出ている、と それで安倍政権が平穏では済まない。
今、閣僚たちは、雁首(がんくび)をそろえて、安倍晋三以下陰鬱(いんうつ)な感じで頭がおかしくなっているのではないか。国民の年金資金を、30兆円も吹き飛ばして、それでタダで済むとは私は思わない。
その一部は、アメリカに貢いで、ゴールドマンサックスの社員たちがアメリカ株に突っ込んだ資金だ。
今、安倍政権の内部 は、急激に相当に深刻な破局の局面に来ている。
だから、「7月に向けて、日本株は23000円にまで上がる」(1月5日の財界人がそろっての賀詞=がし=交歓会で)のシナリオは、吹き飛んだ、と 考えるべきでしょう。
私、副島隆彦は、「連鎖暴落は副島隆彦のブランドである」を旗印に、ここで反撃、反攻に出ます。 そうしないと私の名折れだ。 私の言論を信頼して、、投げ銭(一冊ずつ買ってくれること)をしてきた人たちへの失望 となる。
私は、自分が遭った大きな苦境に耐えて、 耐えて耐え抜いて、地獄から這い上がる気持ちで、苦悩から歓喜へ(「第九」 ヴァーグナーのバイロイト祝祭劇場でも、1872年のオープニングで これを演奏している。全ドイツの音楽家たちの一斉の無料奉仕で ) の気分です。
朗報の第一報は、昨夜の よしなお君からの、以下の宋文州(そうぶんしゅう。この人は、中国安全部のスパイだろう)のツウイッターでした。 そうしたら、さっさと 日刊ゲンダイが1月15日付で、「(GPIFの) 損失額は21兆円に倍増」 の 記事が出ていました。あー、あー、あー です。
彼ら国家犯罪者どもの、国民裏切者どもの大失策、アメリカへの資金貢ぎ係たちの 地獄の断末魔が、始まりました。
なあに、30兆円ぐらいは、また、マーケットを操作して(いいように、制度改変して。法律も変えて)取り戻してみせるさ、と、大きいことを言える人がいたら、言ってください。 ばくち打ちは、そういう試練に耐えるのだ、と言えるものならいってごらんなさい。
中国から始まった 世界的な株崩れ であろうとも、「そんなものは、自分たちのサイエンス(近代学問)の予想の範囲に入ってなかった」、「想定外の事態だ」 と、アメリカのFRBイエレンたちも考えているようだ。だが、そんなことは、言い訳(弁解、エクスキューズ excuse )にはならない。
アメリカは、このあとも、無理やりでも、金利上げ を続けて「景気は回復しつつある。雇用統計は、大きく改善。デフレからインフレ基調になりつつある」と 大嘘(おおうそ)を付き続けるだろう。が、もう対策は立たない。
アメリカがドルの一極支配を続けよう、として 世界中の資金をアメリカに吸い上げよう、とすればするだけ、その打撃がアメリカにも跳ね返る。 資金を奪い取られた、インドや、ブラジルなどの新興国の一方的な衰退だけでは済まない。世界不況の元凶であるヨーロッパとアメリカがいくら、居直っても、世界経済のこれからの変調は、避けられない。
「世界中の投資家が、リスク資産である株式から、安全資産である国債に
資金を移動させている」、「だから、国債の価格(=利回り)が、日本国債の利回り(イールド)が 年率0.2%と、ゼロ金利になっている」と、新聞は書くが、次は、その国債(ナショナル・ボンド)が、危なくなりつつある。
安全資産である、とさんざん喧伝(けんでん)された先進国の国債の暴落が、近づいている。 (後半、略)
(転載貼り付け終わり)
From: 喜直
Sent: Saturday, January 16, 2016 7:43 PM
To: 副島隆彦
Subject: GPIFとビル・ゲイツの記事
副島先生
よしなおから
記事数本を送信します。
宋 文洲@sohbunshu
ダウ、また暴落。週明け以降の日経平均は大変。
国民年金GPIFの損失は天文数字になる。株価が一番高い昨年に株に年金を投げた安倍政権。30兆円の損失を返さないまま逃げるだろう。
2016/01/16 9:22
https://twitter.com/sohbunshu/status/688154380630011911
・ニューズサイト「カレイドスコープ」
http://kaleido11.blog.fc2.com/blog-entry-4046.html
「現時点で、判明しているだけでも、11兆円近くの損失が出ている。いずれ隠し通せなくなって暴露されるだろうが、実際の損失額は30兆円以上にも及ぶ、という見立ても出ている」
・日刊ゲンダイ「損失額は21兆円に倍増…年金資産の運用見直しは大失敗2015年1月15日」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156399
〇 「 損失額は21兆円に倍増…年金資産の運用見直しは大失敗 」
2015年1月15日 日刊ゲンダイ
年明けから低迷しっ放しの東京株式市場。巷に流れる「株価2万円台回復」どころか、14日の日経平均株価は前日比291安の1万6795円と、1万7000円を割り込んだ。こうなると、不安になるのが、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が運用比率の見直しを決めた年金資産だ。
約130兆円の年金資産を運用するGPIFは昨年10月、「国内株式」の投資比率を12%から25%に引き上げることを決めた。そこで民主党の長妻昭衆院議員が、運用見直しで想定される今後の損失額を質問主意書で問いただし、9日付で政府答弁書が閣議決定した。
のだが、その中身にビックリ仰天だ。経済「中位」のケースで、「確率95%で予想される最大損失額」は約21・5兆円となり、見直し前の損失額(約10・4兆円)と比べて2倍に膨らんだからだ。
答弁書によると、仮に「リーマン・ショック」が起きた2008年度に当てはめた場合、損失(想定)額は約26・2兆円で、当時の損失額(約9・3兆円)の3倍近くになる。
今の国内相場は日銀が上場投資信託(ETF)を通じて株式を買い支えている「官製相場」だ。日銀が金融緩和策のブレーキを少しでも踏めば、あっと言う間に下落する。原油安や米国、欧州景気の先行き懸念など海外の不安材料もワンサカだから、リーマン・ショック以上の衝撃が市場を襲っても不思議じゃない。
株式評論家の杉村富生氏がこう言う。
「今の市場の大きな懸念材料は2つです。1つはギリシャのユーロ離脱。仮に離脱となれば、IMF(国際通貨基金)やEUなどの財政支援は打ち切られ、ギリシャは約40兆円の借金を抱えてデフォルト(債務不履行)になる。リーマン・ショックどころの騒ぎじゃ済みません。2つ目のリスクはロシアです。
今の状況は、79年に旧ソ連がアフガニスタンに侵攻し、その後、原油安で旧ソ連が崩壊した当時の状況と似ています。つまり、昨年のクリミア侵攻が引き金となり、原油安が起きている。仮にプーチン政権が崩壊となれば、世界経済に与える影響は計り知れないでしょう」
リーマン・ショックでもみられたが、日本市場は「海外発ショック」に脆弱だ。失う年金資産は20兆円や30兆円じゃ済まないだろう。年金資産の“ギャンブル運用”はホント、やめてほしい。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝
by めい (2016-01-17 14:55)