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「スマート・テロワール」(番外) オランド仏大統領演説に寄せて [日本の独立]

フランスのオランド大統領の勝利演説を読んで、「スマート・テロワール」の次の文章を思い起こしました。


《プラットフォームとは、地域の産業に横串を通すような仕組みです。スマート・テロワールの住民が困ったときに、その問題を地域の研究所や大学に持ち込んで解決してもらえるような仕組みづくりが必要なのです。社会は常に変化しています。その変化は関係者に不利益をもたらしますので、それぞれの立場を超えて最良の解決策を研究するところがプラットフォームになります。そのようなブラットフォームがないことが、日本の農業を弱体化させ、自給率を下げることになった大きな要因の一つだと私は思います。》155p


ここを読んだ時、「地域の産業」「農業」という言葉を「日本という国」に置き換えてもいえることなのではないかと思っていたのです。とすると、日本の「プラットフォーム」はどこにあるか、これがいつも頭にありました。そして出会ったオランド大統領の演説の次の言葉です。


《今晩あるのは対決する二つのフランスではありません。ただ一つのフランスしかありません。ただ一つの国家、同じ運命の中に集結したただ一つの国家です。
フランスの女性、男性の一人一人は、共和国の中で、権利と義務において平等に扱われます。共和国の子どもの誰も、放っておかれたり見捨てられたり追いやられたり差別されたりすることはありません。そして、成功の約束を、一人一人の、その人生の、その個人的運命の達成のために守ります。あまりにも多くの断絶、あまりにも多くの傷、あまりにも多くの分裂、あまりにも多くの切断が私たちフランス市民を引き裂いてしまいました。しかし、それももう終わりです。》

 

私から見える安倍政権は、自分に合わないと思うものは「切り捨てる」という考えが根底にあります。この判断については、安倍晋三という人が代議士に当選してまもなくからの指南役である、日本政策研究センターの伊藤哲夫所長に対して抱いた危惧に発しています。安倍首相の突っ走りを見るにつけ、この「危惧」はいよいよ大きくなっています。根底にあるのが「善意にもとづく思い込み」であるのがわかるだけに恐ろしいのです。

 

ただ、日本には天皇という存在があります。そこから発するところの「プラットフォーム」の可能性を考えると、決してオランド大統領に率いられるフランスに遅れをとっているとは思えない、とも思えます。「落合秘史」はそのことを証しつつあると、私は考えています。


オランド大統領勝利演説をコピーしておきます。一部削って重要ポイントを太字にしました。なお、この演説は飯山一郎さんに教えられましたので、その文章もコピーしておきます。


   *   *   *   *   *


親愛なるフランス市民のみなさん。

この56日、フランスのみなさんは私に共和国大統領職を託すことで変化を選びました。私は私に与えられた名誉と私を待ち受ける課題の重さを思います。

みなさんの前で、私はこの職が求める献身的態度と模範的な振る舞いによって私の国に奉仕する約束をいたします。

・・・・・・

多くの方々がこの瞬間をこんなにも長い年月の間待っていました。一方、もっと若い方々はこの瞬間を今まで一度も経験したことがありません。多大な失望を味わった方々もいます。同じ方々は残酷なまでの思い出を多く持っています。そんなとき、私は再び希望を与えることができたことを誇りに思います。今晩、私はそんな方々の感情を想像し、その感情を分かち合います。私はその感情を感じ取ります。そして、この感情は誇りの感情、尊厳の感情、責任の感情でもあるはずです。

 

私がみなさんに訴える変化は、フランスという高みに相当するものでなければなりません。その変化は今始まります。私に票を投じなかった方々、そのような大勢の方々の信念を私は尊重しており、私はすべてのフランス人の大統領となるということを知っていただきたいと思います。

今晩あるのは対決する二つのフランスではありません。ただ一つのフランスしかありません。ただ一つの国家、同じ運命の中に集結したただ一つの国家です。
フランスの女性、男性の一人一人は、共和国の中で、権利と義務において平等に扱われます。共和国の子どもの誰も、放っておかれたり見捨てられたり追いやられたり差別されたりすることはありません。そして、成功の約束を、一人一人の、その人生の、その個人的運命の達成のために守ります。あまりにも多くの断絶、あまりにも多くの傷、あまりにも多くの分裂、あまりにも多くの切断が私たちフランス市民を引き裂いてしまいました。しかし、それももう終わりです。

共和国大統領の最初の務めは、私たちを待ち受ける挑戦に応じるために、市民一人一人を共通のアクションに連帯させて集結させることです。これから申し上げる通り、挑戦すべきことはたくさんあるだけではなく、重いのですから。


まず、私たちの国が危機から脱するために、私たちの生産を立て直します。負債を抑制するために赤字削減に取り組みます。公的サービスをすべての人が等しく利用できるようにするために私たちの社会保障モデルを守ります。私たちの領土、特に都市部と農村部のさまざまな地域の間の平等を確保します。教育は優先課題で、共和国の学校は私の約束でもあります。環境問題の要求があり、エコロジーへの移行を達成しなければなりません。雇用と経済成長と未来のためのヨーロッパの政策方針見直しも必要です。

フランス市民のみなさんが私を共和国大統領に選んでくれた今日さっそく、私は二つの主要な約束によって私の仕事を判断していただきたいと申し上げます。それは、正義若者政策です。私の選択の一つ一つ、私の決定の一つ一つは、これらの基準だけにもとづくのです。「これは正当なことか?」「これは本当に若者のためになるのか?」と。
そして、私の任期が終わる時、私は自分の国のために何を成し遂げたかを私自身でも見るでしょう。私自身も、これらの問いだけを私に投げかけるでしょう。「私は平等の大義を前進させただろうか?」「未来の世代が共和国の中に居場所を作れるようにする政治を私はしただろうか?」と。


私はフランスを信頼しておりますし、フランスをよく知っております。私は、私自身このフランスを訪れ、めぐり、人々に出会いながら、たいへん大勢の市民のみなさんの苦しみや困難な状況の重さを見ました。それと同時に、私は私たちの国フランスのあらゆる切り札、あらゆる力、あらゆる幸運も見つけることができました。私たちフランス人民は試練を乗り越え、自分たちを立て直すことができるということを私は知っております。歴史の中で私たちは常にそうしてきましたし、試練を乗り越え、来たる五年間で成功できると思います。


共和国の価値とは、自由、平等、友愛、人間の尊厳、男女平等、政教分離(非宗教性)です。これらすべてが、私の使命を達成させてくれるこれほどたくさんのテコとなります。私はここ数か月、フランスの夢を語ってきました。それは私たちの歴史であり、私たちの未来であり、それはシンプルに「進歩」と呼ばれます。各世代で私たちの暮らしがだんだん良くなっていくための長い歩みなのです。このフランスの夢は、私たちの子どもたちに私たち自身よりも良い生活を与えるという、私たちがみな共有している夢です。このフランスの夢を、私に与えられたばかりの大統領任期で達成する努力をするつもりです。


しかし、まさに今日、私たちの国の未来の責任を持つ者として、私はヨーロッパが私たちを見ていることにも思いをはせます。大統領選の結果が発表されたこの瞬間、ヨーロッパのたいへん多くの国では、この選挙結果が安堵や希望となったことも確信しています。

緊縮財政政策をもう運命とはいえないようにできたという考えは、成長と雇用と繁栄、要するに未来の広がりをヨーロッパの構築のために与えるという職務となってこれから私に与えられます。そして、私はそのことをできるだけ早くにヨーロッパのパートナー諸国に伝えたいと思います。まずはドイツに対して、独仏を結びつける友情と独仏に共通する責任の名においてそのことを伝えます。



みなさん、親愛なるフランス市民のみなさん。私たちのいるのはこの地球上のどうでもいいような国でも国家でもありません。私たちはフランスなのです。そして、共和国大統領として、常にフランス人民のものであった希求、つまり、平和、自由、尊重、そして、独裁から自らを解放したり正当性に欠けた腐敗というお決まりのことから脱したりする権利を人民に与える能力をかかげるのは私の役割です。
そうです。私が行なうすべてのことは、世界のあらゆる場所で、共和国の価値の名においても行われるのです。56日は私たちの国にとって大きな日になるはずです。ヨーロッパにとっての新たな出発、世界のための新たな希望なのです。
これがみなさんが私に与えた任務です。この任務は重く、大きく、美しさを持っています。私は自分の国を愛しています。私はフランスの市民を愛しています。私たちの間でこの相互関係があるというのが私の望みです。この相互関係こそがあらゆることを実現可能にします。それは信頼と呼ばれるものなのです。
・・・・・私はフランスに奉仕する身で、変革を成功させるために今からすぐに動かなければなりません。これが私の使命です。奉仕すること、共和国に奉仕すること、フランスに奉仕すること、私たち自身を超えて、この選挙で私がかかげ、ここフランスにだけでなくヨーロッパの隅々にも世界にも伝えなければならない大義や価値に奉仕すること、それが私の務めです。


共和国万歳!そして、フランス万歳!

   *   *   *   *   * 

オランド仏大統領は、支持率低迷などもあって注目されなかったが…、この政治家は途方もない政治哲学と実践力を秘めた人物だ。そのオランドに絶大な敬意を払うメルケルとプーチンが組んだ。政治史が変わる!(飯山一郎)


本物の政治家の至誠の演説が聴ける国民の仕合わせ

 

いま…、

戦争屋のゴロツキども(この中には安倍晋三も入る)が無理やり勃発させようとしているダーティな戦争。


これが、もし、制止できるとしたら、プーチン一人の力では無理だが…、しかし、ドイツのメルケル首相と、あと、フランスのオランド大統領が、動く!ということになると、国際政治状況は一変する。


そのオランド・フランス大統領だが…、

目立たないことや支持率の低迷などもあってほとんど注目されなかったが…、この国家指導者は、途方もない政治哲学と実践力を秘めた人物だ。

必ずや!この政治家は、世界の政治の流れを変える!

少なくとも、フランスを変える!


オランドが政治生命を懸けて掲げた「フランスの再生!」という公約を、オランドは誠実かつ乱暴に強行し、フランスは、75%という高率の累進課税制度が実現した。

 

これでフランスは、公平公正な社会正義を実現する国家に生まれ変わった!


以下に、オランドが大統領選挙に勝利した際の演説全文を載せる。


この演説文全文は…、

読む者をして、政治を見る感性と、政治観と、政治勘を向上させる!

かどうかは分からぬが、「本物の政治家の至誠の演説」であることは認めざるをえないだろう。

熟読されんことを心からお願いする次第。


(原典:「ああ、羨ましい!フランス大統領選挙で勝利したフランソワ・オランド氏の格調高い歴史的な勝利演説」)


どうか、是非是非!熟読されんことを乞い願い上げます。


(飯山一郎)


 


 


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