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都会では「保育所は迷惑施設」!? [こども園]

1月15日の山形新聞で「保育所は迷惑施設? 子どもの声、送迎に苦情」の記事を読んで心外の思いをしたところだった。私たちのこども園では「朝から子供たちの声が聞こえて若返ります」という、すぐそばのおばあちゃんの声を私も直に聞いている。そんな中での思っても見ない記事にほんとうに驚いた。そういう見方もあることは心得てはおかねばならないがそれにしても・・・という思いでいたところ、昨日の投書欄にうれしい投書が載った。しかも書かれたのが多勢久美子さん。ありがたかったので転載させていただきます。

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多勢久美子さん投書.jpg
幼児たち伸び伸び育って
 南陽市 多勢久美子 73歳

 子育て支援、少子化が叫ばれている。保育所や幼稚園の建設が難航しているとの記事を読んだ。何と傲岸(ごうがん)な高齢者だろう。次世代を担う子どもたちと、人間形成の一番大事な幼児期教育の場に対し、「子どもの声がうるさい」とは。そのような苦情を読み、情けなく思わずにはいられない。
 去年4月、被災地の宮城県石巻市で一人の住職が「子どもがいなくなったら町もなくなってしまう」と立ち上がり、多くの支複者とともに保育園を開設した。今はその子どもたちの声がこだまし、街全体も活気づいているという。都会と田舎の生活環境が違っても、教育は違ってはならないと思う。
 高齢社会を支えるために多くの母親たちが働いている。その現実を理解し、日本の未来をつくる子どもたちが伸び伸びと育まれることを願う。
 施設は一人一人の″おかげさま″と感謝の気持があれば開設できるのではないだろうか。わが子が幼い時、庭先でプール遊びしていると、隣のおばあちやんが「子どもの声っていいね」と言って見に来てくれたのを思い出した。

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以下、当該記事。ネットにありました。
http://www.47news.jp/feature/kurashi/eye/260697.html

保育所は迷惑施設? 子どもの声、送迎に苦情

庭に防音壁が設置されている東京都練馬区の認可保育所(画像の一部を加工しています)

庭に防音壁が設置されている東京都練馬区の認可保育所(画像の一部を加工しています)

保育所への風当たりが強まっている。「子どもの声がうるさい」「親の送迎マナーが悪い」などの苦情が目立ち、住民の反対で建設が難航するケースも。各自治体は待機児童解消に向けて整備を進めるが、関係者からは「迷惑施設なのか」とため息が漏れる。
 東京都練馬区の住宅街に2007年にオープンした保育所。窓は二重サッシで、庭の一角には約1千万円をかけた高さ3メートルの防音壁が取り付けられている。計画段階で周辺住民から“騒音”を心配する声が上がったのが理由だ。
 外遊びの時間も制限している。1クラスずつ交代で計1時間45分。砂いじりに集中し、比較的静かに遊ぶとされる砂場を住宅側に配置する念の入りようだ。それでもトラブルは収まらず、12年夏には住民が騒音の差し止めや慰謝料を求め、東京地裁に提訴した。
 この保育所を含め、全国で116カ所の認可保育所を運営する日本保育サービス(名古屋市)の山口洋代表は「できればのびのびと遊ばせてあげたいが、場所によっては『子どもがうるさい。殺すぞ』と、脅迫まがいの電話がかかってくることもある」と困惑する。
 そもそも子どもの声は騒音なのか。東京都が全62市区町村を対象にした調査では、4割が公立保育所への苦情があったと回答。都の環境確保条例は「何人も規制基準を超える騒音の発生をさせてはならない」としか定めておらず、行政としての対応を明確にするため、工場や建設工事の音と同列で扱わないようにすることを検討している。
 近隣住民の反対による認可保育所の建設断念は、さいたま市で10、13年に1件ずつ、福岡市でも13年に1件あった。福岡市の担当者は「必要のない人にとっては、保育所は迷惑施設なのかもしれない」とこぼす。子どもの声以外に、住民から「保護者の送迎の車で周辺が混雑するのではないか」と指摘され事業者が交通整理を申し出たが、折り合えなかったという。
 待機児童が最も多い東京都世田谷区の場合、区が保育所に適した土地を借りて事業者を選ぶことがあるが、近隣住民の了承を得るのに半年から1年以上かかることもある。どの自治体でも、長年住む高齢者らには「生活環境を壊されたくない」との意識が強いという。
 一方で、住民と良好な関係を築いた例もある。東京都町田市の「ききょう保育園」は約20年前に現在の場所に移転。最初は強い反対に遭ったが、町内会に入って餅つきの場所を提供し、夏祭りや食事会に住民を招待するなど、地域に溶け込む努力を重ねた。当時の園長だった山田静子さんは「保育園前を町内会がききょう通りと名付けてくれ、受け入れられたことを実感した」と振り返る。
 山下興一郎淑徳大准教授(地域福祉論)は「サザエさんのような大家族は減り、高齢者にとって子どもは人ごとになっている」と分析。「住民が立ち寄ったり、災害時に利用したりすることを提案するなど、多世代が交流できる施設として、関心を持ってもらうことが必要だ」と話している。


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めい

都会の情報としてメモしておきます。

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<私立保育園>「子供の声うるさい」開園断念 千葉・市川
毎日新聞 4月11日(月)20時52分配信]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160411-00000094-mai-soci

 千葉県市川市で4月に開園予定だった私立保育園が「子供の声でうるさくなる」などの近隣住民の反対を受け、開園を断念していたことが分かった。同市の待機児童は373人で全国市区町村で9番目に多い(昨年4月時点)。説明会に同席するなどして地域の理解を求めてきた市の担当者は「(住民の反対で)開園が延期したケースは東京都内などであるそうだが、断念は聞いたことがない。残念だ」と言う。

 市によると、同県松戸市の社会福祉法人が3月に木造2階建ての園舎を完成させた上で、4月1日に定員108人(0~5歳児)で開園する計画だった。予定地は市中心部に近い住宅街で、昨年8月に開園を伝える看板を立てたところ、反対運動が始まったという。

 住民側は市や社会福祉法人に対し、計画撤回の要望書を提出。社会福祉法人による説明会も複数回開催されたが、「子供の声が騒音になる」「保育園が面する道路は狭いので危険だ」などの意見が強く、建設に着手できなかった。市によると、これまでも市内で他の保育園開園への反対はあったが、最終的に合意を得られていたという。

 社会福祉法人は3月下旬の理事会で断念を決定。理事長は「保育園は地域の皆さんから見守ってもらえなければ成り立たない。無理だと判断した」と話している。【小林多美子】

 ◇全住民の理解難しい

 住民参加のまちづくりに詳しい千葉大大学院の木下勇教授(都市計画学)の話 子どもの声を騒音とするのは正しい社会のあり方ではないが、待機児童解消の目的だけで全ての住民の理解を得るのは難しい。行政は地域の未来やまちづくりに、保育園がどう必要なのかなどを住民と話し合い、今後を描いていく必要がある。

by めい (2016-04-12 05:21) 

めい

続報です。

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<保育園>「子供うるさい」開園断念…全国から意見殺到
毎日新聞 4月12日(火)22時15分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160412-00000103-mai-soci

保育園が建設される予定だった土地。更地のままで、今後の用途は決まっていない=千葉県市川市で2016年4月12日、小林多美子撮影

 ◇周辺住民「市川市は説明不足」

 千葉県市川市で4月に開園予定だった私立保育園が「子どもの声でうるさくなる」などと近隣住民から反対されて建設を断念したことが波紋を広げている。12日、抗議の声を中心に全国からメールや電話が約50件寄せられ、市は急きょ記者会見して経緯を説明した。一方、予定地周辺の住民からは「市や事業者は建設ありきだった。もっと意見を聞いて決めるべきだった」と批判の声が上がっている。【小林多美子】

 市川市の待機児童は昨年4月時点で373人と全国市区町村で9番目に多く、市や関係者も定員108人の保育園新設に期待していた。市によると、この日「断念に至る前に行政としてちゃんと関わっていたのか」「一部の住民の意見で中止になるのはおかしい」といった意見が北海道から沖縄まで全国から届いた。断念に異を唱える声が多かったという。

 建設予定地は幅約3メートルの道路に面していた。地元には保護者らの車や自転車の往来が激しくなり、危険が増すとの懸念がもともと強く、市の説明不足や対応の悪さを指摘する声も相次ぐ。

 周辺は一戸建てが中心の閑静な住宅街で、高齢世帯が多い。約30年前から住む男性(75)は「静かに暮らしたいと思ってここに家を買ったのに、いきなり保育園ができると言われて驚いたし、困った」と言う。事業者や市の説明については「建設ありきで話が始まった。市は待機児童を解消したくて、焦っていたのではないか。交通事情や周辺環境をもっと配慮すべきだった」と話した。

 50代女性は「定員数を減らすなどしてくれれば保育園自体には反対ではなかったが、市と話がかみ合わなかった」と振り返った。

 一方、会見したこども施設計画課の小西啓仁課長は「防音ガラスの設置や、交通整理員を配置することなどを提案したが、条件交渉まで至らなかった」と説明。「(対策が住民に)十分に伝わっていたか確認が足りなかった」とした上で「100%の理解を得るのは難しいと思うが、待機児童を減らすために市としてできることをやっていきたい」と述べた。

 ◇子供の声巡り各地でトラブル

 子供の声を巡るトラブルは各地で起きている。2014年には神戸市東灘区の保育園の近隣住民が、防音設備の設置や慰謝料100万円を求める訴えを神戸地裁に起こした。

 東京都目黒区でも、15年4月の予定だった保育園の開園が、住民の反対運動で今年6月まで延期された。目黒区では今年度中に国有地で着工し、17年4月に開園する予定だった保育園も、反対運動が起きた。区保育計画課によると「開園予定時期はお答えできない」としている。

 東京都の14年の調査では、保育園や公園などで遊ぶ子供の声について「うるさい」などの苦情を受けたことがある区市町村が7割に上ることが明らかになった。一方で「声を抑制するのは子供のストレスになる」といった指摘があり、15年3月の都議会で子供の声に騒音の規制基準を適用しないよう条例を改正した。【渡辺暢】

by めい (2016-04-13 06:03) 

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