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ケネディ大使とトン公使へのお礼状 [上杉鷹山]

昨日の読売新聞山形版に記事が掲載されました。作谷沢の石屋さんまで足を運んだり、いちばん時間をかけた取材でした。
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3月11日メッセージいただいた後、菓子折りを添えてケネディ大使とトン公使に宛てて御礼状をさしあげました。

実はまだお会いしたことがないのですが、川西町小松に本社のある錦屋菓子店の社長さんから、会が動き出して間もない頃、鷹山公への思いをこめた文章を添えて協賛金を送っていただいていたのでした。HPを拝見すると、「一、店の損得より、お客様を第一に行動する 一、店はお客様のために、工場はお店のためにある」を鷹山公精神に通ずる経営理念を掲げておられます。今に生きる鷹山公の精神です。全く暗中模索の時期でしたから、お会いしたこともない方からの熱い思いは私たちにとって大きな励みになったものでした。そのことを思い出して錦屋さんの上生菓子を送ることにしたのです。形を崩さず大使のもとに届いたかどうか心配ですが。

以下、お二人への出した御礼状です。

   *   *   *   *   *

キャロライン・ケネディ駐日米大使 様


謹啓

 私どもの山形もまもなく一年でいちばんうれしい春の訪れを迎えようとしています。大使におかれましては、多くの課題を抱える中、日米友好、世界の安定平和に向けてご尽力なされておられることに対して、敬意を込めて心より感謝申し上げます。

 さて、カート・トン駐日アメリカ首席公使様を通してお願いしておりました、513日に除幕いたします「伝国の辞」碑とともに建立する副碑に刻ませていただきます大使からのメッセージを、昨日ありがたく拝受いたしました。ただちに除幕に間に合いますよう石材店の方に手配したところです。お忙しい中ほんとうにありがとうございました。

 上杉鷹山公にとって大切だったことは何よりも、「民」のくらしであり、「民」の思いでした。このことを督と次期藩主に伝えたのが「伝国の辞」でした。寄せていただきましたケネディ大統領の言葉から、「国家があっての国民ではなく、国民あってこその国家です!」との意をくみとることができました。「伝国の辞」が為政者への戒めとすれば、大統領ご就任時におけるケネディ大統領の言葉は、その戒めを踏まえての為政者から民に対する呼びかけ、「国家の意志よりも何よりも、まずもって国民みなさんひとりひとりの意志こそが大切なのです!」という宣言と理解しました。鷹山公の思いをまっすぐに享けとめて、こんどは民の方を振り向いて民の自覚をうながしたのがケネディ大統領の言葉だったのですね。鷹山公とケネディ大統領、すぐれた為政者同士の思いが、海を越え、時代を超えぴったり重なったことにあらためて気づかされました。偉大なる二人の為政者の思いは、相呼応することでさらに輝きを増しつつ世界に発信され、一人一人の民生民心に立脚したところの世界の平和と安定へと働きかけていかれるにちがいありません。ほんとうにありがたくうれしく、また運動を進めて参りました者として誇らしく思います。ありがとうございました。 

 奇しくも今日は、つらく悲しい東北大震災3年目の日です。津波や放射能の直撃に合った方々から見ればいささかではありますが、停電の中、少ない暖房に身を寄せあって一夜を過ごしたあの日のことが、つい昨日のように生々しく思い起こされます。と同時に、世界中の方々からさしのべられた善意の手を忘れることができません。日本人みな等しく抱かされた思いのはずです。あの時感じた世界中の温かい思いがつくる温かい世の中に向けて、「伝国の辞」の碑が、ケネディ大使のお力添えを得たことでさらに意義を増してくれることを願ってやみません。ほんとうにありがとうございました。

 すべてにわたってご苦労の多い中、くれぐれもご自愛の上、日米融和世界安定に向けてご尽力あらんことを衷心よりお祈り申し上げて、御礼のご挨拶とさせていただきます。

敬具

 

   平成262014)年311

     


白鷹山に上杉鷹山公「伝国の辞」碑をつくる会

   会長  齊 藤 喜 一


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アメリカ大使館御中

カート・トン駐日アメリカ首席公使様


謹啓

 立春の節、山形にも日ごとに春の気配が感じられるうれしい季節がめぐってこようとしております。

 カート・トン公使におかれましては、アメリカと日本との健全なる友好関係のための並々ならぬご尽力に対し、深い敬意をこめて厚く感謝申し上げます。

 さて、私たちは領主領民相互の固い絆を土台に米沢藩を再生させた郷土の偉人上杉鷹山公の思いが世界中の人々に伝わることを切に願い、白鷹山に「伝国の辞」碑建立の呼びかけを進めてまいりました。鷹山公の御人徳のしからしめるところ、当初の予想を超えた共感を得て、今年513日の除幕に向け順調に準備が進んでいるところであります。

 こうした中、昨年11月、キャロライン・ケネディ大使がスピーチの中で鷹山公について言及されたことは、私どもにとってどんなにうれしくありがたいことであったことか。その思いにつきましては、ケネディ大使に宛てた第二信1212日付のお手紙でお伝えしたところでした。そしてこのたび、あらためてお願いがあってお手紙差し上げる次第です。

 私どもの願いは、キャロライン・ケネディ大使のお名前をなんとか碑に刻ませてはいただけないかということです。できることならば、大使直筆のサインをいただきたい。そしてさらにできることならば、メッセージをいただくことはできないだろうか、この切実な願いをもってお手紙差し上げる次第です。

 碑が建ちます白鷹山山頂白鷹虚空蔵尊のお堂には、上杉鷹山公自らご揮毫された「白鷹山」の扁額が掲げられております。その同じ土地にケネディ大使のサインがメッセージと共に記されるならば、「伝国の辞」の碑は世界中に向けて未来永劫にわたり、輝かしい光を発し続けてくれるにちがいないと確信するのです。その大きな光の発信のために、なんとか私どもの願いを叶えてはいただけないでしょうか。公務御多忙の中大変恐縮ではありますが、何卒よろしく伏してお願い申し上げます。

 ご理解とご尽力賜りますことを心より願い、お願いの手紙とさせていただきます。

 よろしくお願い申し上げます。

敬具


     平成262014)年23


白鷹山に上杉鷹山公「伝国の辞」碑をつくる会

   会長  齊 藤 喜 一

 

 

   *   *   *   *   *


特に大使宛の方は、ケネディ大統領の就任演説の言葉と鷹山公の「伝国の辞」をどう結びつけるかにいちばん意を用いた文面になっています。大使にうまく通じたでしょうか。


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