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宮内七夕の復興(4) 御獅子の集結 [熊野大社]

御獅子の集結

 

 獅子頭を集めることが課題だった。宮内の歴史を語る会では「百はある」との声があったが、三十体を目標にした。お願いの文書を持って獅子頭所蔵者、所蔵の可能性がある家々を回った。以下お願い文。

 

・・・来る八月七日()午後七時より、熊野大社で七夕祭をご斎行申し上げます。

御獅子を飾って行われた宮内地区の七夕祭は、日本古来の信仰の形を残すたいへん貴重なお祭りでした。お盆にご先祖様をはじめとする御魂(みたま)をお迎えするに先立ち、罪穢(けが)れを祓う大切な禊ぎ(みそぎ)の行事が宮内の七夕だったのです。どの御獅子も「おくまんさまのおしっさま」に似せてつくられていることから、熊野大社への信仰の姿がうかがえることもありがたいことでした。しかしこの行事も今ではすっかり姿を消し、かつては年に一度お顔を拝した多くの御獅子も、暗い所で眠ったまま忘れられてしまっているのが現状のようです。

 本年この現状を鑑み、各家庭で息をひそめている御獅子様にあらためて御出動を願い、熊野大社の拝殿前にて御祓いの上お祀りすることで、地区民生活の安寧を願いつつ、日本古来の信仰の形を残した宮内地区独自の七夕祭を復活いたしたく存じます。つきましては、この宮内七夕祭にご賛同いただき、御獅子御出動にぜひご協力賜わりたくお願いする次第です。何卒よろしくお願い申し上げます。

 

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 八月七日の午前段階で、熊野大社拝殿に三十三体が集結した。平成十五年に二代目に祭りの大役を譲って御隠居された神宝の御獅子様(六五〇年前、室町中期の作?)にも御出動いただいた。


 

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 長井市在住の獅子頭作家渋谷正斗氏に見ていただくことができた。分類すると大きく四類に分けられ、熊野大社本獅子系、熊野大社拝殿展示の一対の獅子系 長井系、その他宇津権九郎系で、長井系は八体。そのうち一体は竹田吉四郎作にまちがいないほか、小関久蔵、長谷部吉四郎の制作と考えられるものもあるとのことだった。「菊の宮内」の礎を成した菊人形師菊地熊吉作のものも数体あった。菊地熊吉はかなりの数の獅子頭を造っているといわれ、「百体は軽くある」説の根拠をなす。

 渋谷氏制作の獅子頭四体も出していただき、神社所蔵の三体も含め結局総勢四十体が集まった。今回所蔵が確認されたが出されなかったものも相当数あり、百体説もあながち大げさな数ではないことを確信させられたことだった。

 



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