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ケネディ大統領は上杉鷹山公を知っていたか [上杉鷹山]

知事、大使を招聘へ.jpg今朝(12/8)の山形新聞

 

私自身「都市伝説」説にすっかり呑み込まれていて、齊藤喜一会長の執拗な調査に対してもいささか斜に構えて聞いていたのだけれども、ここに来てあらためて齊藤会長の調査の経緯をたどっておかねばならないと思うようになった。ただ、「都市伝説」説の発信源が米沢であるとするならば、その根底には「われわれの鷹山公が名君であったことは確かなことにしても、ケネディ大統領が『いちばん尊敬する政治家』なんて言うはずもない。」というよく言えば謙虚あるいは遠慮深さ、要するに自己卑下の気持ちがあったということは、私自身を省みても否定できない。さらにその背景には、この地域は戦後の経済成長の波に必ずしも乗り切れない地域だったというマイナー意識があったかもしれない。

 

上杉鷹山の山形学 表紙.jpg

齊藤会長が掘り起こしてきたのは、平成10829日に山形市遊学館で開かれた「山形学」シンポジウム「上杉鷹山の山形学」報告書だった。フロアからの最初の発言で佐藤さんという方が、「ケネディが尊敬する人物に鷹山公をあげているということ、これはだいぶ前からいわれておます。・・・ところが、つい最近横山先生のような歴史家の著名な方が「いろいろ調べたが、この話はなかったみたいだ」とお話しされまして・・・もしウソだとすれば、この話はどこから出たのか。」と質問。それに対してパネラーの横山明男山形大名誉教授が、「結論的には解りません。・・・何かに載ったという証拠は私もつかんでいない。ですから言い伝えですね。ただいったとしても、どこが偉いというのかがわからなければ余り意味がないですね。」といの答え。「ただいったとしても」以下は蛇足としか思えず、いささか逃げ腰のように思える。それに対してフロアの佐藤さん、「その場面をテレビで見たんですけど・・・」と畳み掛ける。「橋本さんと机を並べて話しておられた時、大変日本の通でいらっしゃるケネディさんに、どなたかご存知の方とかお聞きになったらね、上杉鷹山っていうことおっしゃったんですよ、ケネディさんが。私米沢出身なもんですからその話聞いて嬉しくなって、夢ではなかったら、この中にもテレビをご覧になった方あるんでないでしょうか。」残念ながら会場にそのテレビを見たという人はなく、「夢ではなかったら」という発言者の頼りなさ、それに横山先生への配慮もあってか、この重要な指摘これ以上追求されることはなかった。当日講師として参加の上之郷氏が「私も新聞記者の端くれですので、戦後のどの連中がいったのかぐらい調べてみます。・・・実はなかったんじゃあないかと言った人も調べてみます。」と言われているが、その後どうなのだろうか。どうもそれっきりになっているように思える。齊藤会長は「佐藤さん」を探し出そうとしたが、まだ見つかってはいない。また、ケネディ大統領と同席の「橋本」とは誰なのか、橋本龍太郎ではまだ若すぎるし、その父の龍伍か、あるいはまた登美三郎かと、近郊図書館くまなく歩くことをいとわずいまも追究は続いている。

 

もうひとつが、先に「米沢日報」記事として紹介した高野実さんの説が掲載された、「上杉鷹山公と郷土の先人を顕彰する会」発行の『先人顕彰』201220号。その中に編集子による記事として高野氏が「ケネディ大統領は『鷹山公を尊敬している』と言ったか?」と題して書いておられる。その概要は先の通り。ただ、童門冬二氏による昭和57年当時の紹介(『経営革命の祖 上杉鷹山」)への言及があったのに、童門氏にその根拠を訊ねることがなかった。それどころか、童門氏の記事を「眉唾もの」「単なる作り話としても、少々お粗末(?)かなとも思われます。」と決めつけてしまったのは残念なことだった。やはりここにも、ケネディ大統領の時代「(日本は)戦後未だ十数年しか経ておらず、現在の様な経済大国にほど遠い、いわば三流国であった日本の記者団が、超大国アメリカ大統領との会見などは望むべくもなかったのではないか」とのへりくだりがある。私にもよくわかる「米沢人感覚」なのかもしれない。

 

このあと高野氏は、「鷹山公とケネディ」説発祥の由来について、昭和3911月、NHK米沢放送局による放送が端緒と結論。しかし、この放送が拠ったものが何なのか。その追究はなく、もうすっかり「ケネディさんが言うはずはない」との先入観に絡め取られてしまっている高野さんの独断的推量に終始してしまっている。米沢市長はじめ、私も含めて高野氏と五十歩百歩だったわけです。齊藤会長の追究にどうか手をお貸し下さい。その手だてとしての資料を以下にコピーしておきます。クリックで拡大なります。

上杉鷹山の山形学2.jpg上杉鷹山の山形学1.jpg上杉鷹山の山形学3.jpg高野説1.jpg高野実説2.jpg高野実説3.jpg





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めい

上杉鷹山をケネディが尊敬する政治家として挙げた話しの真偽
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n4963
ライター:besankouteiさん(最終更新日時:2014/1/5)
投稿日:2011/12/2

残念ながら、この話しには典拠がなく都市伝説のようなものである可能性が考えられます。

ケネディの議事録にそんな記録は残ってないようです。ケネディではなくルーズベルトやクリントンだという説もありますが、彼らの議事録にもそんな記録は、残ってないようです。
どうやら、米沢市の地元の歴史研究家の小野栄氏が劇作に作った話しがこの話しの典拠らしいんですよ。

それでも頑として「アメリカ大統領が上杉鷹山を尊敬している」といった記録はどこかにあると主張する人はいますが、
それは「悪魔の証明」という奴で「ない」側に証拠を求めずに「ある」という側が確固たる記録や証拠を提出してもらいたいものです。
一体、アメリカ大統領の誰がどこでなん時にそんなことを言ったというはっきりした記録を提出すべきです。
簡単な事でしょう。アメリカ大統領が「上杉鷹山を尊敬している」という具体的な信用できる記録を提出すればいいだけですからね。
ただ「私の記憶で確かに見たとか聞いた」という人の証言は、なんだかおかしいですね。
ケネディがそう言ったというのを具体的に見て覚えているわけもないのですからね。
多分、再現映像とかの類をテレビとかで見たという意味でしょうけど、
そんなものは単なる孫引きの作り物なので証拠にはなりません。

参考サイト
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/4289271.html
http://www.yawata88.com/jiji14801.htm
http://desktop2ch.jp/history/1261958794/

第二の問題点として百歩譲ってケネディやクリントンが仮にそういう類の話しをしたとしてもです。
それに本当に言われているほどの意味があったかという問題点があります。
むしろ、その方が問題です。

アメリカ大統領は何人ものスピーチライターやリサーチャーからなるブレイン集団を抱えてます。
彼らは訪問先で記者に受けそうな内容をあらかじめ調査して、それに沿って予習メモやスピーチを仕上げ、大統領はそれを使ったり、読んで予習したりするわけです。
仮に記者に「あなたの尊敬する日本人は?」と聞いて、
アメリカ大統領が「上杉鷹山」と答えたとしても深遠な意味というよりは残念ながらスピーチライターの入れ知恵を答えた可能性が高いのです。
笑点出演の落語家が、地方公演の際にご当地ヨイショするのと同じようなもので。真剣に受け止めるほうがおかしいです。

もう一つ言うと外国人に「あなたの尊敬する日本人は?」と聞いて答えた価値が本当にそれほどあるかという問題ですね。
例えば、そこらの人物に「あなたの尊敬する人は?」と尋ねとたとします。
そしてその人物が「徳川家康」と答えたとします。
インタビュアーがさらに突っ込んで「ではあなたの徳川家康のどの辺を尊敬しているのですか?」と尋ねたとして「それは・・・・・」と口ごもる可能性もあるわけです(私が学生時代に通ってた学校で先生にその手でやりこめられる生徒はたくさんいました)。
いや、アメリカ大統領ほどの人間が答えたのだから、きっとそんなことがあるわけがない。きっと「鷹山を尊敬する」と答えたなら凄い深遠な意味があるに違いない」なんてのも推測でしかありません。

仮に私が「あなたが一番尊敬するエチオピア人は?」と聞かれたら「アヘベ」と答えますし、「一番尊敬するウクライナ人は?」と聞かれたら「ブブカ」と答えますし「一番尊敬するフィンランド人は?」と聞かれたら「ツルネン・マルティ」と答えます。
実は彼らのことは尊敬どころか大して知らないですが、その国籍だと彼らくらいしか思いつかないし、インタビュアーへのリップサービスに適当にそう答えます。
「尊敬する○○人はいません」とか正直に答えたら相手国民に可哀想ですから。
アメリカにとっての日本はその程度です。アメリカは日本にとっては一番知ってる国でもアメリカにしてみれば数多い友達の一人にすぎないのです。

この逸話をやたら持ち上げる人は、えてして「ケネディは上杉鷹山に政治家の理想を見た」とか「ケネディは上杉鷹山を深く研究したうえで鷹山に心酔した」とか
大げさなことを言いますが、単に日本のインタビュアーにそんなことを聞かれて単に「上杉鷹山」と答えたというだけでは決してそんなことは言えないと思います。
そうだと主張するためには、この「ケネディやクリントンが尊敬する政治家として上杉鷹山を挙げた」という逸話の原典の記録を明確にし、
その発言を丹念に研究しない限りは そんな事はいえないはずです。
ただし「アメリカ大統領は鷹山のこんな部分を尊敬したのだろう」とかいう「研究家
」が勝手に推測した長文はゴロゴロありますが。

なお、20年くらい前にアメリカ人に「あなたの尊敬する日本人は?」というアンケート調査があって、
その結果が一位毛沢東、二位ブルース・リー、三位鄧小平だったとか。本当の日本人でトップが六位の「ヨーコ・オノ」だったそうです。
アメリカ人の日本人に対する認識なんてそんなものです。
私が思うに鷹山の逸話が本当だったとしたら、日本人のインタビュアーに対してケネディやクリントンに恥をかかせないように、スピーチライターたちが「鷹山」という名を吹き込んだ程度の話しではなかったかと思います。

最後 に
別に、上杉鷹山のこの逸話が本当で嘘であれ、上杉鷹山の偉大性にキズがつくなんてありえませんし、
そんなに気にすることでもないですよ。
なんだか、「上杉鷹山と大統領の逸話を否定するのは上杉鷹山に対する侮辱」みたいな意見がありますが、私はそんな気は特にありません。

豆知識
ちなみにアメリカでコメディアンの社会的地位が高いのは彼らが「ユーモア指南役」や「ジョークネタ立案係」として政財界の大物のブレインとして付いている事があるからです。
大統領が機転よくジョークやユーモアを披露して場をなごませることが出来るのは彼らあってこそです。
日本ではお笑い芸人はどちらかというと下衆な印象がありますが、
欧米では「ユーモアのセンスのない人物はダメ」とされており、高尚な世界ほど、コメディアンは珍重されます。

追加
この記事に反論してか、「上杉鷹山をアメリカ大統領が褒めたという英文記事がある」という主張も出てきましたが、英文記事というだけでは残念ながら決定打にはなりません。
その記事を読んでみると「都市伝説の輸出」の可能性が高いようです。
つまり日本人が「上杉鷹山をアメリカ大統領が尊敬した」という情報をすでに付加して鷹山をアメリカ人に紹介したり、アメリカ人記者に答えている可能性があるのです。
日本人があまりにも上杉鷹山を外国人に紹介する時に「アメリカ大統領が尊敬した」と付け加えるためにこの話が外国人にも流布した可能性が高いのです。

あと、日本大使に就任したケネディの娘が「父が尊敬した」とスピーチで言ったうんぬんも
スピーチライターが都市伝説を逆利用して作成したスピーチ文章を読み上げた程度の話と思われます。
ケネディの娘が父から直接そんな話を聞いたとも思えず、
ケネディ自身がそう言ったという録音テープなり議事録の記述なり決定的な証拠がないとちょっと厳しいです。
第二に本文に書いておいたように、仮にケネディがそんな発言をしたとしても、どの程度の意味があったかという問題もあります。

by めい (2014-03-12 06:52) 

おい

ケネディ大使(娘)の話の前に
大使館公使が件の発言を記録した文書の存在を証言してるよ
残念だったねバーカwww
by おい (2017-11-25 12:02) 

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