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「日本古来の魂文化の復興を!」宮内七夕祭 [熊野大社]

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室町中期の作ともいわれる先代御獅子様を中心に40体が勢揃い


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市内の幼稚園児、宮内小児童から寄せられた短冊で飾られた笹竹


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ご提供者のお名前も記されました


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御神事が盛大に執り行われました


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御獅子様へ豊栄舞が奉納されました


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北野達宮司が、この日の「宮内七夕祭復活」への経過とその意義について熱く語られました。(中央赤い装束)


 

「日本古来の魂文化の復興を!」


87日に宮内熊野大社で行なわれた「宮内七夕祭」にはそういう思いがこめられていた


「祭り」とは本来御神事そのものを指す。大分前、「祭りの本義」と題した文を書いたことがある。


〈昭和十六年発行の広辞林によると、「祭」は「神に奉仕してその霊威を慰め又は祈祷、祓禳、報賽のために行う儀式の総称」とのみある。平成五年の新明解国語辞典ではどうか。「①神霊に奉仕して、霊を慰めたり祈ったりする儀式。また、その時に行う行事。②記念・祝賀などのために行う行事。〔広義では、商店がある時期に行う特売宣伝をも指す〕」

 ふるさとまつり、健康まつり、さくらまつり、菊まつり・・・これらから「神への奉仕云々」を連想するのはもはや不可能である。祭りから連想されるのは先ずもつて「賑わい」であり、したがって現代における祭りの成否は、ひとえに賑やかさの如何にかかっているといっても言い過ぎではない。そこでは祭りは、かつてそれ自体が目的であつた本来の意味は背景へと押しやられ、国語辞典の広義に挙げられるがごとく、往々にして経済効果を第一義とする手段にまでもおとしめられてしまったのである。すなわち、祖先への敬意もまたそれに連なる神霊への畏敬も、祭りを盛り上げる単なる道具立てのひとつに過ぎないとする本末転倒が時代を制しつつあるかに見える。いずれ将来、辞書においても第一義と第二義との交代がないとも限らない。〉

七夕よいえば竹飾り、竹飾りのみが注目されるようになった仙台七夕に代表される「七夕祭」は、本末転倒してしまったお祭りの象徴例である。(そもそも仙台七夕の歴史は伊達の時代に始まったもので、やはり旧暦7月6 夕から7日朝の行事で「ナヌカビ(7日浴び)」と言ったという。もとをたどれば置賜の風習がそのまま伝わったのかどうか興味深い。)

日本古来の「祭り」について、民俗芸能研究家西角井正大氏がいう。

〈日本は四季に恵まれ、その折おりにさまざまな祭りが行なわれている。四季と祭りが豊かな関係で結ばれているからである。

さて、その四季と祭りの関係は、鎮魂を目的とする冬の祭り、稲作を目的とする春・秋・冬の祭り、疫神払いを目的とする夏の祭りに要約される。・・・・・・・・・・・・

いったい季節を示すハル、ナツ、アキ、フユはすべて祭りに関係する語であるという。ハルは発る・張る・晴るなどで、フユの間に迎えられた神がその威力を発動し出す時ということである。ナツは穢れ(けがれ)や疫神を移して払う撫で物で身体を撫ずる行為を指す撫ずの時ということである。アキは願い果し満足をいう飽きの時ということである。冬は招魂・鎮魂というミタマフリ、ミタマノフユという語を起源として、神霊を招(ふ)ゆするという時ということである。〉(西角井正大「祭礼と風流」民俗民芸叢書P910

 

収穫に関わるハル、アキの祭りに対して、鎮魂のためのフユの祭り、穢れを祓うナツの祭りはともに魂に関わる祭りである。魂を鎮めて御先祖の霊につながる歳神(としがみ)様をお迎えするのがフユのお正月であり、半年の間に身についた穢れを祓って御先祖をお迎えするのがナツのお盆である。ナノカビに飾った笹竹を川に流し、その日には薬水が流れるという川に浸かって身を清めるのがナツの七夕の行事だった。そうしてはじめて御先祖の霊と向き合うことができたのだ。「魂鎮め」であり「魂清め」、いずれもまずもって「魂」のあり方が問題となる。ここに日本文化の本来を見ることができるのではないか。

 

旧暦では熊野大社のお祭りは615日だった。その前日、熊野の御獅子様は山上御神庫から出されて下の御旅所に安置され、15日の夕、南陽市民俗無形文化財の梵天ばよいにはじまる勇壮な獅子ばよい、定められた12の立場(タテバ)での舞を経て山上に納まるまでまる一日の間、人々の参拝をうける。

 

獅子については次の記述がある。

 

「動物たちの祭礼の場への登場は、なんらかの信仰的な要素を含むものであった。たとえば、獅子をとってみれば、その頭は御頭(おかしら)・権現(ごんげん)などと呼ばれて神同様に祀られ、その舞は悪霊を祓い、場を清める態(わざ)であるといった具合である。」(西角井正大「祭礼と風流」P183

 

ちなみにわが家の御獅子の箱にも「熊野大権現」と記されている。そういえば、御獅子様に願うのは一様に「健康」である。だれも金儲けを願ったりはしない。要するに御獅子様のお働きはまさに「清め」にある。

 

旧暦では615日のお祭りが終わると、630日の大祓えの行事がある。そうして86日、7日の七夕祭を迎える。宮内の七夕は、各家庭各地区で中央に熊野の御獅子様に似せてつくられた御獅子を正面に飾って行なわれた。宮内の七夕とは、まさに熊野の御獅子のお力をもお借りして行なわれた清めの行事だったのである。

 

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今から60年近く前までは、宮内のどの地区でも子供会の行事として、御獅子を飾った「七夕祭」が行なわれていた。さかのぼる70年以上前には、御獅子を所蔵するそれぞれの家庭で七夕祭が行なわれていた。この写真は当時を伝える貴重なものだ。中央の女の子は昭和6年生まれの村上ヒロさん、今年82歳。この度いろいろご協力いただいた。この写真に写っている3張の提灯と灯篭(左側)もお借りして飾った。

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最下段が70数年前の灯篭

 

このたびの宮内七夕祭の復活をだれよりも喜んでいるのは、670年来、暗いところでなかば忘れ去られていた御獅子達であるような気がしてならない。御獅子を御出動いただいた多くの家々の方々が御神事に参列された。何人から「ありがたい」という言葉をお聞きしたことか。それはまさに御獅子のお気持ちのように受け止めた。今年は総勢40体。宮内の家々に眠る御獅子のまだごく一部と思う。家々、地区地区での七夕祭が途絶えてしまったいま、産土神社に一堂に会しての七夕祭は、魂を揺さぶる日本本来の祭りとして大きく発展していくことを切に願う。


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石段両脇には竹ろうそくが点されました


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まだ人出は少ない御神事前です


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豊栄舞が奉納されています


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14日(木)のNCVニュースで5分間ほどの特集として放映されるそうです。


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めい

「魂清め 魂鎮め 魂振り」で検索して出あったブログ。
「久左衛門の居館」http://blogs.yahoo.co.jp/kyuhzaemon

お会いしたことはなかったが、小林美元先生は神道天行居にも御縁ある方と聞く。

   *   *   *   *   *
http://blogs.yahoo.co.jp/kyuhzaemon/50167144.html
神道の師の故小林美元先生に聞いた。

宮 司  「小林先生、霊感を高める秘術を教わりたい!」
小林美元師「それは、禊(みそぎ)ですね。身清め魂鎮(たましずめ)でしょうね、特に振魂(ふるたま)と鳥船(とりふね)が効果があると思いますね」
宮 司  「先生が口をすっぱくして教えてこられた四魂を活性化する神伝行法ですね。身清めは、荒魂(あらみたま)である身を清め、和魂(にぎみたま)・幸魂(さきみたま)・奇魂(くしみたま)を鎮魂するのですね」
小林美元師「一霊四魂により、直感力と霊力を向上させるのです。そして、限りなく、神に近い人間になることですね」
宮 司  「限りなく、神様に近付く法を教えて下さい」
小林美元師「「神様に恥ずかしくないように、人物を磨くことです」
宮 司  「人物を磨く為にはどうすればいいのですか?」
小林美元師「胆識を磨くことに尽きますね」
宮 司  「胆識を養うにはどうすればいいのですか?」
小林美元師「「素晴らしい師につきなさい、素晴らしい仲間に出会いなさい、素晴らしい書物を読みなさい」
宮 司   「何となくわかりました」
小林美元師「宇宙の波動に共振する、振魂と天(アメ)の鳥船の神伝の禊の行法が、霊感を高めます。一度や二度でなく継続が、力になるんですよ」
宮 司  「先生、振魂(ふるたま)の行事と天の鳥船は、どちらも呼吸法ですね、この時の振魂で大事な点は何ですか?」
小林美元師「振魂も天の鳥船も無心になり、身体が自然に揺れ動くまでして、ハラエドノオオカミ・ハラエドノオオカミ・ハラエドノオオカミと連唱することです」
宮 司  「振魂、天の鳥船は、どのような時にするのがいいのですか?」
小林美元師「「未明混沌の時と禊ぎの前ですね、それからね、宮司は、日拝行(毎朝日の出の太陽を手をおむすび型にして間から拝む)を継続しなさい」
宮 司   「はい!よく解かりました!ありがとうございました!」
小林美元師 「素心宮司・・・そんなに簡単にわかりました・・といってはいけないですよ・・まだ、私でもわからない部分があるのですから・・・」
宮 司   「はい!・・・・・・・」

と・・・・やさしく丁寧に、随神の道を説いて下さった、美元先生は、もう天から見ておられる・・・「神様に恥ずかしくない生き方をしよう!」

=注=
≪一霊四魂(いちれいしこん)≫
古神道では、宇宙創世の神である「天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)の働きが万物の生命にある一つの霊、直霊(なおひ)の働きと考えた。
その直霊が、荒御魂 和御魂 幸御魂 奇御魂として、四つの魂の働きとなり変遷し、魂は活性化するのです。

≪振魂≫
振魂(ふるたま)をしながら、「祓戸大神(はらえどのおおかみ)」を唱えつつ説明を受けます。
振魂(振魂は両手を臍下前方に右手を上にして掌を軽く組合はせ、連続して上下に振り動かす)を行ふ。

≪天の鳥船≫
鳥船-----神代にあったという船のこと。
     古代日本人の海上における雄飛を忍ぶとともに、
     心身を強化させる働きがある。


一段。 左足を斜めに踏み出し、両手を握って(親指を入れて)「イエーッ」と言いつつ突き出し、
次に両手を「エーイッ」と言いつつ胸のあたりに引き寄せる。
二段。 右足を斜め前に踏み出し、同様に「エイッ」「ホッ」と唱える。
三段。 再び左足を斜め前に踏み出し、同様に「エッ」「サッ」と唱える。

この間に和歌「朝夕に神のみ前に禊ぎして すめらが御世(みよ)に仕えまつらん」を三回唱えます。
一段から三段までを各1~2分ほど行いますと、体が火照ってきます。

おたけび雄健-----鳥船により奮い起こした気力や霊力の清明感を、
         神の御名を叫ぶことで、心を晴れ渡らせること。
         厳然とした姿勢で、神々しいを持つものとしての自覚の姿を現すこと。


 生魂  いくたま    高御産巣日神=創造・発展・完成の神
 足魂  たるたま    足産巣日神=不足を豊かに充実させる神
 玉留魂 たまたまるたま 玉留魂神=遊離した魂を再び静め、死者の魂を復帰させる神

以上の三人の神の名を、出来るだけ大声で三回唱えます。
その後、国常立命(くにとこたちのみこと)と自分が宇宙に常に立っているようになったつもりで唱えます。

おころび雄詰-----大声を発することで、気合を持って、
          周囲環境にある災害・凶事を引き起こす禍津神(まがつかみ)、
          いわゆる悪霊・物の怪を調伏し、さらにそれを最後に復活させ神格化させる方法


左手を腰に当てたまま右手は親指、薬指、小指を曲げ、人差し指、中指を伸ばし
(神道ではこれを天沼矛印--あめのぬぼこいん--という)
その印を眉間のあたりに構え左足を踏み出すと同時に「イエーィ」という気合もろともに
右手を左斜め下に切り下ろし、再び左足を戻し同じ動作を三回します。

いぶき気吹(伊吹)


手の平を上に向け、両手を広げて差し上げると同時にを深く吸い、
頭上で手を組み、組んだ手を静かに息を吐きながら丹田に向けて下げ、横隔膜を下げ一瞬息を止める。
神気、大気を体内に吸いこみ、自己の体内を浄化し、自己の魂の鎮魂を図る。これも三回行う。


≪「霊感」とは誰でも持っている「直感力」のこと≫

 霊感は、鋭く感じるか、鈍くしか感じられないかの個人的な差はあるにしろ、人間なら誰でもあります。霊感とは、言い換えれば“インスピレーション”あるいは“第六感”といわれるものです。もっとわかりやすくいえば、日常生活の中で折にふれて、何気なくフッと感じる、あの直感力のことです。

 何となく「今日は何かいいことがありそうだ」と感じたり、また「今日の旅行は気が進まないな」と思って取りやめたところ、自分が乗るはずだった列車が実際に衝突事故を起こしたりする。そういう、一種の動物的なカンのようなものだといえば、わかりやすいのではないでしょうか。
 「若いお母さんが家事に気を奪われているうちに、ふと子供のことがきになって、幼稚園に電話をしたら、ブランコから落ち、怪我をして手当てを受けていた」ということも聞く話ですが、そういう時には霊感が働いているのです。

 人間は本能的なカンが強く、危険から自ずと身を守ったものですが、残念ながら、科学の発達とともに多くの人はそういうカンが退化してしまっています。そして、霊感の強い人、弱い人の個人差が大きくなっているのです。

by めい (2013-08-10 11:14) 

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