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mespesadoさんによる経済談義(149)「マクロの問題を、個人の努力の問題にすり替えるな!」 [mespesadoさんによる1億人のための経済講]

《「マクロ経済の問題なのに、個人の努力の問題にすり替えるな!」》そもそも「個人の努力」を奨励するのは「供給不足の時代」だからこそ機能するのであって、今日のような正反対の「供給過多」の時代には「個人の努力」を奨励するのはむしろ逆効果》なのです。

《「株主が企業の所有者」という考えに支配》されている中でのBIは企業は間違いなく『BIがあるから生活できるだろう』と言ってBIの分だけ給料を下げようとする》。もっともです。BIを考える上での新視点、私も考えてみますが、mesさんの今後の展開が待たれます。

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834:mespesado :2019/10/28 (Mon) 07:16:38
 >>792 から始まり、>>806 >>808 >>809 >>810 と続くオカネの話の続き
https://twitter.com/Mentalist_DaiGo/status/1187555815684595712

メンタリストDaiGo@Mentalist_DaiGo
毎日ファーストフードで過ごす庶民の気持ちなんてDaiGoさんにはわから
> ないでしょうね、と言われたことがある

> ああ、全く理解できない。

> 僕もお金なかった時には、朝昼飯抜いて、そのお金で本買って勉強して
> たよ、未来のために。
> 努力不足を不公平のせいにするのは、庶民ではなくただの怠け者だ。

 一見正論に見えますが、どこか違和感を感じませんか?
 メンタリストDaiGoさんの↑に対する一つの反応がコレ↓
飯山陽『 イスラム2.0: SNSが変えた1400年の宗教観』 11月26日刊行予定@IiyamaAkari

> 私の場合、でっかいキャベツを買ってまずは浅漬けとコールスローを作
> り、その後は炒めたり煮たりしてやり過ごす、みたいなキャベツ大作戦
> をよくやっていた。ファストフードは節約に不向き。あと、貧乏時代も
> 本はいっぱい買ってたけど、「食費を削って本を買ったぜ!」みたく人
> に誇るのはなんか違う

 はい。その「なんか違う」が正解です。でも、その「なんか」をはっきり「見える化」してこそ真に納得できる議論になるので、そこを深掘りしてみましょう。
 この問題のキモは、やはり「ミクロ」と「マクロ」の混同にあります。
 確かに個々の個人に対するアドバイスとしては、「もっと努力した方が自分が向上する」というのは事実ではありますから、Daigoさんの言うとおりでしょう。
 でも、日本全体で考えたとき、「皆が食べるのに十分な食料が供給可能」であるにもかかわらず、「毎日ファーストフードで過ご」さなければならなかったり、「朝昼飯抜」かなければならない人が一定数存在する、という需要と供給のミスマッチが起きるという「経済的不合理」の話はまた別です。
 つまり、個々人の「努力不足」を叱咤激励する話と、デフレ経済を改めることによって潜在需要を十分賄えるほど供給力がある「財」を国民全員に行き渡らせるようにする、という国政を担当する側の責任は、全く別の話だ、ということです。
 政治が「個人の努力」の問題に口をはさむのは、本来は「越権」です。こんなことを許すのは、政治自身の怠慢を個人の「自己責任」に転嫁しているだけのことに過ぎません。まさにこのような風潮は、日本では「小泉改革」に始まる「新自由主義」が持つ最大の「実害」です。
 しかも、当時の小泉総理が「長岡藩の米百票」の逸話で示したように、仮に政治がこのタブーを犯して口を出すにしても、「個人の努力」を奨励するのは「供給不足の時代」だからこそ機能するのであって、今日のような正反対の「供給過多」の時代には「個人の努力」を奨励するのはむしろ逆効果になります。
 「じゃあお前は政治が怠けることを奨励しろというのか」とか言う人がいるかもしれませんが、そうじゃない。個人の努力とか怠惰に対して政府が口を挟むこと自体がそもそもマチガイであり、しかもこのケースでは、口を挟むにしても、ミクロとマクロを混同したために真逆の影響があること主張しているではないか、と言いたいのです。
 では何を主張すればいいのか、と言えば、実に簡単なことです。主張するも何も、政府は黙ってオカネをちゃんと追加発行すればよい。以上です。
 もう一度言います。「マクロ経済の問題なのに、個人の努力の問題にすり替えるな!」

837:mespesado :2019/10/28 (Mon) 08:04:13
>>834
> 政府は黙ってオカネをちゃんと追加発行すればよい。

 こう書いて、一昨日の安藤裕さんの勉強会でのベーシック・インカムに対する三橋さんの考えを思い出しました。
 三橋さんはBIには反対だそうです。その理由は「今のような企業人の考え方が蔓延する中でBIなど給付すれば、企業は間違いなく『BIがあるから生活できるだろう』と言ってBIの分だけ給料を下げようとするだろう」ということだそうです。
 消費税増税に賛成する経団連等の経営者サイドの姿を見ると、まさに三橋さんの言うとおりになるでしょうね。
 今の企業は、高度成長下の古き良き時代のように、「労働者が集まって、裸一貫では生産ができないから、『企業』という『生産の道具』を使って生産・供給し、消費者から貰った対価を役員と従業員で仲良く配分した」時代ではなくなり、欧米の階級社会の産物である「株主が企業の所有者」という考えに支配され、海外の強欲な株主の意向を受けて、企業の『従業員』の方が株主の利益を生み出すための『生産の道具』にされてしまって、給料も単なるコストとみなされ、ひたすら経費節減のためのカットの対象にされているわけですから、そりゃBIなど支給されれば、それを口実にして喜んで給与カットに走りますわな。

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