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わかりやすいmespesadoさんの話(4)二種類の「価格低下」 [mespesadoさんによる1億人のための経済講]

130:mespesado:2019/08/11 (Sun) 12:16:39
 □□ 「価格低下」は善か、悪か? □□

 「価格低下」と言っても2種類ある。

① 技術が進歩して安くできるようになったことによる価格低下
② 消費者が金が無いから売れる価格に下げるための経費切詰めによるもの

 ①は、例えば工作機械の発達で人手が不要になることによる価格低下だが、このケースは大抵は一つの製品を作るのに手間がかかり過ぎて欲しい人全員に行き渡らなかったのが、技術の進歩で楽に作れるようになり、大量生産が可能になり、ついでに品質も向上する、というケースが多く、「善い価格低下」と言える。
 これに対し、②の方は、欲しい人全員に行き渡るだけの生産は既に可能なのに、消費者がオカネを持っていないために、仕方なく価格を下げざるを得ないが、そのためには経費をケチるしかなく、従って当然の結果として品質の低下を伴うことになるから「悪い価格低下」と言える。
 前者の価格低下は、高度成長期の白物家電が代表例だが、後者の例は、失われた20年の間に生じた「価格破壊」がその代表例であり、>>126 の例はその典型ともいえる話だ。
 前者の価格低下は資本主義の仕組みがうまく機能して、結果として技術の進歩を促すのに対し、後者の例は資本主義の仕組みが逆に足かせになって、製品の品質を低下させるという悪影響を齎す。そして、これは当初の資本主義が想定していなかった「全体のオカネの不足」が直截の原因で生じたものだ。
 インフレが善いか悪いか、デフレが善いか悪いかという議論には意味は無い。今の価格低下が悪影響を齎す②のメカニズムで生じているのが問題なのだ。これを回避するには、「減税」に加えて(増税など論外)、「ベーシックインカム」又は「負の消費税」の導入によって「内部留保と信用収縮で減っていくオカネを補う」以外に解消する手立てがない、と思う。

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