mespesadoさんによる1億人のための経済談義(86)二つの設問とその答え [mespesadoさんによる1億人のための経済講]
◉MMT(現代貨幣理論)が嫌われる理由は?
①《「財政赤字を拡大してよい」「政府債務は増やしても心配ない」》という表現に対しての「赤字、債務は悪」という先入観。
②《どんなに正しくても、それが少数意見である限り、 多くの人々は受け入れようとはしない》
◉日本は、どれぐらい「供給過剰」か?
《今の「累積赤字」額くらいの生産余剰力は楽勝で持っている》さらに《「累積赤字相当額のオカネを刷って累積赤字を返済して、これに更に同額のオカネを追加で刷ってバラ撒いてもインフレにならない」》
* * * * *
MMT(現代貨幣理論)が嫌われる理由
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190606-00010341-besttimes-pol
またまた中野剛志さんの記事です。今回は単なる事実に過ぎないMMTをなぜ批判する人がワラワラわいてくるのかに対する心理学的考察です。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190606-00010341-besttimes-pol
またまた中野剛志さんの記事です。今回は単なる事実に過ぎないMMTをなぜ批判する人がワラワラわいてくるのかに対する心理学的考察です。
> 一つ目の理由は、言葉の表現の問題です。心理学には、メタファー
> (比喩)が人々の思考に及ぼす影響についての研究があります。
【中略】
> MMTは、「財政赤字を拡大してよい」「政府債務は増やしても心配ない」
> ということを論理的に説明しています。
>
> しかし、問題は「赤字」とか「債務」とかいった言葉の表現です。
>
> 一般に、人々は、「赤字」という表現から「減らした方がいいもの」、
> 「債務」という表現から「返済しなければならないもの」という考えを
> 連想します。
つまり「言葉が悪い」というわけですね。次の理由は、中野さんのおかげで有名になった「センメルヴェイス反射」の話です。
> 「センメルヴェイス反射」とは、「通説にそぐわない見解を拒否する傾
> 向」のことを言います。「センメルヴェイス」とは、イグナーツ・セン
> メルヴェイスという医師の名に由来します。
>
> 1847年、ウィーン総合病院に勤務していた医師イグナーツ・センメル
> ヴェイスは、出産した母親が産褥熱という病気にかかって死亡する現象
> を観察して、分娩を担当する医師の汚れた手が原因ではないかと考えま
> した。そこで、分娩を担当する医師の手を消毒することにしたところ、
> 産褥熱による死亡が劇的に減少しました。
> センメルヴェイスは、この大発見を上司の医師に報告しましたが、医
> 師たちは誰も、この大発見を受け入れようとはしませんでした。
> この発見が事実だとすると、医師たちは「長年、医師が素手で大勢の
> 母子を殺してきた」ということになってしまいます。主流派の医師たち
> にとって、そんな事実は、とうてい受け入れられるものではありません
> でした。
>
> こうして、主流派の医師たちは、センメルヴェイスの発見を一蹴し、
> 無視し続けたのです。結局、1850年、センメルヴェイスはウィーン総合
> 病院を解任されました。
> その後もセンメルヴェイスは、自らの主張を唱え続けましたが、1865
> 年、彼はついに精神科病院に送られてしまいました。センメルヴェイス
> は、精神病院から逃亡しようとしましたが、守衛たちに取り押さえられ、
> 暴行を受けました。そして、そのときのケガがもとで、死亡したのです。
何とも悲しいストーリーですが、確かに従来説に拘る経済学者も財務省の官僚どもも、このセンメルヴェイス反射で説明がつきますね。ところが、更に怖いことに、
> 最近の神経科学によれば、この「センメルヴェイス反射」は、脳の働
> きによるものであるようです。
>
> ある研究によれば、人間の脳には、多数派の見解に逆らおうとすると、
> それを修正して、多数派の意見に同調しようとする機能があることが分
> かっています。また、別の研究では、脳は、多数派の意見に同調するた
> めに、実際の知覚すら変えてしまうという結果が出たとのことです(ク
> リス・クリアフィールド、アンドラーシュ・ティルシック『巨大システ
> ム失敗の本質』(東洋経済新報社)第七章)。
ということだそうです。我々にも他人事ではありません。
> もし、そうだとすると、これは大変に困ったことです。
>
> なぜなら、MMTがどんなに正しくても、それが少数意見である限り、
> 多くの人々は受け入れようとはしないということになるからです。
>
> これでは、MMTは採用されず、日本経済はいつまでたっても停滞から
> 抜け出すことができないということになってしまいます。
>
> そこで皆さん、ここは一つ、あえて自分の脳の機能に逆らって、MMT
> という少数意見に耳を傾けてみませんか。閉塞感を突破するには、少
> 数意見を尊重し、発想を大胆に転換することが大事なのです。
これは誰かを説得するときにも、更には自分がドグマに洗脳されていないかどうかのチェックにも役に立つ情報かもしれませんね。
> (比喩)が人々の思考に及ぼす影響についての研究があります。
【中略】
> MMTは、「財政赤字を拡大してよい」「政府債務は増やしても心配ない」
> ということを論理的に説明しています。
>
> しかし、問題は「赤字」とか「債務」とかいった言葉の表現です。
>
> 一般に、人々は、「赤字」という表現から「減らした方がいいもの」、
> 「債務」という表現から「返済しなければならないもの」という考えを
> 連想します。
つまり「言葉が悪い」というわけですね。次の理由は、中野さんのおかげで有名になった「センメルヴェイス反射」の話です。
> 「センメルヴェイス反射」とは、「通説にそぐわない見解を拒否する傾
> 向」のことを言います。「センメルヴェイス」とは、イグナーツ・セン
> メルヴェイスという医師の名に由来します。
>
> 1847年、ウィーン総合病院に勤務していた医師イグナーツ・センメル
> ヴェイスは、出産した母親が産褥熱という病気にかかって死亡する現象
> を観察して、分娩を担当する医師の汚れた手が原因ではないかと考えま
> した。そこで、分娩を担当する医師の手を消毒することにしたところ、
> 産褥熱による死亡が劇的に減少しました。
> センメルヴェイスは、この大発見を上司の医師に報告しましたが、医
> 師たちは誰も、この大発見を受け入れようとはしませんでした。
> この発見が事実だとすると、医師たちは「長年、医師が素手で大勢の
> 母子を殺してきた」ということになってしまいます。主流派の医師たち
> にとって、そんな事実は、とうてい受け入れられるものではありません
> でした。
>
> こうして、主流派の医師たちは、センメルヴェイスの発見を一蹴し、
> 無視し続けたのです。結局、1850年、センメルヴェイスはウィーン総合
> 病院を解任されました。
> その後もセンメルヴェイスは、自らの主張を唱え続けましたが、1865
> 年、彼はついに精神科病院に送られてしまいました。センメルヴェイス
> は、精神病院から逃亡しようとしましたが、守衛たちに取り押さえられ、
> 暴行を受けました。そして、そのときのケガがもとで、死亡したのです。
何とも悲しいストーリーですが、確かに従来説に拘る経済学者も財務省の官僚どもも、このセンメルヴェイス反射で説明がつきますね。ところが、更に怖いことに、
> 最近の神経科学によれば、この「センメルヴェイス反射」は、脳の働
> きによるものであるようです。
>
> ある研究によれば、人間の脳には、多数派の見解に逆らおうとすると、
> それを修正して、多数派の意見に同調しようとする機能があることが分
> かっています。また、別の研究では、脳は、多数派の意見に同調するた
> めに、実際の知覚すら変えてしまうという結果が出たとのことです(ク
> リス・クリアフィールド、アンドラーシュ・ティルシック『巨大システ
> ム失敗の本質』(東洋経済新報社)第七章)。
ということだそうです。我々にも他人事ではありません。
> もし、そうだとすると、これは大変に困ったことです。
>
> なぜなら、MMTがどんなに正しくても、それが少数意見である限り、
> 多くの人々は受け入れようとはしないということになるからです。
>
> これでは、MMTは採用されず、日本経済はいつまでたっても停滞から
> 抜け出すことができないということになってしまいます。
>
> そこで皆さん、ここは一つ、あえて自分の脳の機能に逆らって、MMT
> という少数意見に耳を傾けてみませんか。閉塞感を突破するには、少
> 数意見を尊重し、発想を大胆に転換することが大事なのです。
これは誰かを説得するときにも、更には自分がドグマに洗脳されていないかどうかのチェックにも役に立つ情報かもしれませんね。
今の日本は供給過剰であるというのは定性的には明らかですが、実際にどれくらいの金額の余裕があるのか、についての情報が登場したツイッターのスレです↓
なごみ@nagoming123
> デフレの時の公共投資の優先順位
>
> 最善策 →意義のある公共投資
> 次善の策 →意味のない公共投資
> 無策 →公共投資を増やさない
> 最悪 →公共投資の削減
>
> ...でずっと最悪を辿ってるんだ
↓ ↓ ↓
まる りっけん @marseille1945
> その通りではあります。
> ただし、デフレ期だからといって国債をいくら発行してもいいってわけ
> ではないんですよね。
> いくらMMTでも限度はあるはずなので。
> その限度額がいまいちよくわからないのが怖いところです。
↓ ↓ ↓
なごみ@nagoming123
> MMT的には限度はインフレ率ですが、実際には国会で予算を決めます。
> まあ、追加で10兆くらいなら目くじらたても良いみたいです。もう一歩
> 15兆いけば緩やかなインフレいけるかも!?とか、積極財政派でも色々
> あるみたいですね。私は試算とかできないので受け売りですよんw
↓ ↓ ↓
まる りっけん @marseille1945
> 15兆円は先日玉木さんが出してた数字ですね。
>
> ただ、限度額の見積もりはほんとは難しいはず。
> インフレ懸念(期待)という心理学的要素が絡むので。
↓ ↓ ↓
国にお金が無いなら刷れば良いと思う人@XOPieFszaUHXlgN
> 日本の長年貯まりに貯まった「デフレギャップ」を見れば400兆円でも
> インフレにはならないと思いますよ。
> 本来日本には一千兆円近く生産出来るだけの生産力が有るのですが、
> 実際に稼働しているのは半分の500兆円です。
>
> その間の差額を公共事業とか社会福祉、教育、軍事などで埋め合わせれ
> ば良いのです
>
> https://pbs.twimg.com/media/D7mj95cUEAAVfXq.jpg:large
なごみ@nagoming123
> デフレの時の公共投資の優先順位
>
> 最善策 →意義のある公共投資
> 次善の策 →意味のない公共投資
> 無策 →公共投資を増やさない
> 最悪 →公共投資の削減
>
> ...でずっと最悪を辿ってるんだ
↓ ↓ ↓
まる りっけん @marseille1945
> その通りではあります。
> ただし、デフレ期だからといって国債をいくら発行してもいいってわけ
> ではないんですよね。
> いくらMMTでも限度はあるはずなので。
> その限度額がいまいちよくわからないのが怖いところです。
↓ ↓ ↓
なごみ@nagoming123
> MMT的には限度はインフレ率ですが、実際には国会で予算を決めます。
> まあ、追加で10兆くらいなら目くじらたても良いみたいです。もう一歩
> 15兆いけば緩やかなインフレいけるかも!?とか、積極財政派でも色々
> あるみたいですね。私は試算とかできないので受け売りですよんw
↓ ↓ ↓
まる りっけん @marseille1945
> 15兆円は先日玉木さんが出してた数字ですね。
>
> ただ、限度額の見積もりはほんとは難しいはず。
> インフレ懸念(期待)という心理学的要素が絡むので。
↓ ↓ ↓
国にお金が無いなら刷れば良いと思う人@XOPieFszaUHXlgN
> 日本の長年貯まりに貯まった「デフレギャップ」を見れば400兆円でも
> インフレにはならないと思いますよ。
> 本来日本には一千兆円近く生産出来るだけの生産力が有るのですが、
> 実際に稼働しているのは半分の500兆円です。
>
> その間の差額を公共事業とか社会福祉、教育、軍事などで埋め合わせれ
> ば良いのです
>
> https://pbs.twimg.com/media/D7mj95cUEAAVfXq.jpg:large
↓ ↓ ↓
なごみ@nagoming123
> おお!
> ナイスグラフありがとです!
> 日本の供給力の数値化が別件で話題になっていたのですが、既にあった
> のですね!
> しかし、もったいないおバケ出そうな現実ですね
↓ ↓ ↓
国にお金が無いなら刷れば良いと思う人@XOPieFszaUHXlgN
> 十年前に故・丹羽春喜氏が作ったグラフですね。
> 90年代からずっと丹羽氏は大規模なデフレギャップの存在を訴え、
> これを財源にした財政出動を訴えてきました。
>
> 公共事業もそうですし、教育の充実とか研究投資とかもそうです。
> 福祉もそうだし医療費もそうであれば防衛費もそうですが、
> 全部出来ると。
↓ ↓ ↓
国にお金が無いなら刷れば良いと思う人@XOPieFszaUHXlgN
> 見れば解る通り、バブルの絶頂期の頃ですら既にデフレギャップが発
> 生しており、
> 日本は昔からインフレを異常すぎるほどに忌み嫌う国なのが解ります。
>
> 石油危機辺りの狂乱物価がトラウマだったのかも知れませんが…
>
> それと野党がしつこく批判していた毎年のインフレ。
↓ ↓ ↓
なごみ@nagoming123
> なんであんなにインフレ嫌うんだか意味不明です
> デフレでこんなに人が死んでるのに
毎年のデフレギャップを累積していったら400兆円以上になっていた、というわけですが、そもそもデフレギャップというのは、毎年その時点で存在する設備や労働力や資本をフル稼働した場合のGDPと実際のGDPの差のことですから、これは「日本の製造業が新たな投資をしない場合」の数字ということですよね。もしも需要が急増したら、企業は既存の設備だけでなく、新たな設備投資や、人手不足をカバーする自動化の技術革新を行い、更に生産性を向上させるはずですから、本当の意味での供給過剰度合いはもっと増えるでしょう。この試算には、おそらく「全要素生産性の伸びの最大値」を使った試算が必要だと思いますが、多分1000兆円は楽に超えるでしょうね。つまり今の「累積赤字」額くらいの生産余剰力は楽勝で持っている、ということになりますね。
P.S. これ、「累積赤字」と余剰生産力が同じ1000兆円という数字だからと言って、これらの赤字をすべてオカネを刷って解消してもインフレにならないピッタリの数字だ!と勘違いしてはいけません。前にも説明したとおり、この累積赤字をすべてオカネを刷って解消してもMBが増えるだけでMSは増えませんから、仮にこの1000兆円の余剰生産力が無くたってインフレにはなりません。つまり「累積赤字相当額のオカネを刷って累積赤字を返済して、これに更に同額のオカネを追加で刷ってバラ撒いてもインフレにならない」と解釈す べきものです。すげーインフレ耐性だ!
2019-06-11 05:11
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