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mespesadoさんによる1億人のための経済談義(40)「安倍政権のしたたかさ」を見よ! [mespesadoさんによる1億人のための経済講]

アメリカの戦略を要約するとこうなります。まず民主化する、次に民営化する、そして最後にグローバル化する、という三段階のレジーム・チェンジ方式です。》戦後日本はまんまとその流れに乗せられ、嵌って今に至る。そこをしたたかにかいくぐって、絶望の彼方にしか望み得なかった「日本の独立」を着実に現実化しつつある安倍政権であることを、飯山一郎氏の「てげてげ」そして「放知技板」に拠って気づかされた。以来、未来は明るく開けてきた。イハトビラキ

*   *   *   *   *

450:mespesado:2018/12/15 (Sat) 11:55:31
>>413
 だいぶ間が空いてしまい、しかも間に >>418 が挟まってしまったので間が抜けてしまう感が否めませんが、馬渕さんの『世界を操る支配者の正体』の読後感想文の続きです。
 この本の145頁に、今ではポピュラーになった(金融ネオコン支配下の)アメリカによる“世界支配”の方法について述べられています:

> このアメリカの戦略を要約するとこうなります。まず民主化する、次に
民営化する、そして最後にグローバル化する、という三段階のレジーム
> ・チェンジ方式です。
>  民主化とは要するに複数政党制を実現し、選挙を実施させることです。
> そうすれば、アメリカにとって好ましくない候補が当選したとき、選挙
> が不正であったと言いがかりをつけてデモを扇動し、好ましい候補が勝
> つまで選挙のやり直しをさせることができます。
>  民主化あるいは民主政治とは、外部から干渉しやすくするための制度
> なのです。選挙には金がかかります。政治家が金を必要とするようにな
> れば、金を融資する勢力の影響力が増すことは小学生でもわかる論理で
> す。選挙民を誘導するにはメディア(情報)を握ることが必要です。情
> 報操作によって、世論を好ましい方向に誘導することができます。すな
> わち、アメリカの言う民主化とは、金と情報による支配を容易にすると
> いう意味なのです。

 ここで馬渕さんが言う「アメリカ」というのはむしろ「金融ネオコン」と読み替えた方が今の私たちにはわかりやすいです(この本が書かれた時点ではアメリカ政府が金融等のネオコンに支配されていた時代でしたから、どちらでも意味は一緒だから馬渕さんは「アメリカ」と書いたのでしょう)。
  ここで馬渕さんが述べている「民主化」「民主政治」の説明はまさに政治の世界の本質を見事に表現しています。「民主化」もそうですが、「人権」もまたポリ コレの最たるものであり、教科書ではこれらを認知するに至った経緯が何か人類の進歩であるかのように説明されていることが多いですが、そのウラにはこうし たポリコレ概念を「悪用」して「私腹を肥やす連中」がいる、という指摘は、政治を語るものにとって、今では必須の「政治学の常識」といってもいいのではないかと思います。
 そしてこの引用の最後での “政治には金がかかるから、金と情報を握ったものが政治を支配することができる” という指摘も非常に重要な政治学の常識の一つでしょう。
  我々日本人は特にそうですが、「政治とカネ」とか言って、昔から、政治家はその権力をカサに、「越後屋と悪代官」じゃないですが、金持ちからワイロを貰っ て悪徳政治を行う、というイメージが強く、そのためカネに対してクリーンなイメージを重んじます。しかしそのイメージは、「金儲けなんかに無関心」な人ほ ど善人だ、だからオカネの無い、庶民に近い人の方が誠実な政治家だ、などというイメージに繋がっていくわけですが、このようなイメージこそが大変危険なの である、と注意を促しているのが上記の馬渕さんの指摘なのです。そんな「清貧の」政治家など、「金を持っているディープステート」から見れば、まさに赤子の腕を捻るくらい簡単に「操作」できてしまいます。金で釣る。それでうまく行かなければスキャンダルで失脚させる、それでうまく行かなければカネでヒットマンを雇って暗殺する…、どうにでもコントロールできてしまいます。
 アメリカでそういったディープステートに真っ向から対立するトランプが大統領になり、一定の成果を着実にあげているのは、彼が「桁違いの大富豪」だから、というのも非常に重要な要素です。ディープステートの工作資金を上回る財力あってこそ、彼らに対抗できるわけですから。政治の世界にまで「清貧こそが善」などとトンチンカンな倫理を求める日本の知識人には猛省を促したいところです。
 そして最後が「情報」を握ったものが勝つ、という指摘。マスコミがディープステートの手先なのは、ディープステート側が情報を支配することの重要性をわかっているからこそマスコミを意図的に買収するわけですから、考えてみれば当たり前のことです。これもまた日本人の悪いところで、世界でマスコミを一番信用するのが日本人でしたよね。奴らにとって、こんなに操作のしやすい国は他に無いでしょう。             (続く)

452:mespesado:2018/12/15 (Sat) 13:50:00
>>450
 この本の感想文の最後は、超有名な経済学者であるケインズに対する馬渕さんの評価についてです。
 題して「人々を欺いたケインズの背徳」。
 その「背徳」の一つとして、彼が市場の発展のためにあらゆる規制を拒絶し、因習や旧来の価値観による道徳的な習慣を拒否したことを挙げています。
 そしてもう一つの背徳が、

> ケインズは有効需要による雇用の拡大の経済理論、すなわち政府が財政
> 支出を増やすことによって需要を喚起し雇用を増やして経済の回復を図
> る経済理論を構築し、それに従い政府が財政支出を増大させた結果、政
> 府が債務危機に陥ったことを見て、自ら背徳者と告白したのではないか
> と思います。つまり、ケインズが言う有効需要創出の経済政策は、資本
> 主義の生き残りの理論ではなく、社会主義への転換を促進する政策なの
> です。社会主義政策とは政府が国際銀行家たちから借金をして財政収入
> 以上の支出をするということですから、当然のこととして政府債務は上
> 昇して、いずれは債務危機に陥るという道筋が敷かれます。つまり、ケ
> インズは社会主義者の正体を隠して人々を欺いたことになります。

だというのです。
 このように主張して、ルーズベルト大統領のニューディール政策がこのケインズ理論に基づくものであり、蓋を開けてみれば、雇用はさほど増えず、かわりにアメリカの支出がうなぎのぼりに増加しただけだった、とその効果についてネガティブな評価をしています。
 あれれれれ???
 今まで経済記事を書き続けてきた私としては、ちょっとズッコケるところがありますね。政府が(財政支出ではなく金融緩和ではあるけれど)市中のお金を増やして雇用を創出して成功しているのが、今を時めくアベノミクスではありませんか?
  それじゃあ、馬渕さんはアベノミクスについてはどう評価しているのか調べてみましょう。私が読んだ2冊の本にはそれは書かれていませんでしたが、ネット上 にも馬渕さんがアベノミクスについて論評している記事はありませんでした。ただYoutubeにアップされていた討論会の模様の中に、馬渕さんがアベノミ クスについて言及している部分があったので、リンクを貼り、該当部分を文字起こししておきます:
https://www.youtube.com/watch?v=Xe02eV_yDY8&feature=youtu.be&t=26m46s

> アベノミクスは重要なんですが、アベノミクスは、あれはアメリカに対
> する面従腹背であろうと。でなければいけないと私は思っております。
> それは、一言でいえば、要するにアメリカは日本をどうしてもグロー
> バル化したいわけですね。アメリカの外資が自由に日本で活躍できるよ
> うにしたいと。そのためのトークなんですから。そんなのに日本が応じ
> る必要は毛頭ないわけですね。応じたら日本は外資に蹂躙される危険が
> あるわけで、安倍総理はもちろんそれは気づいておられますから、竹中
> さんなんかにやらせてはいるけれども、実際には安倍さんはそこまで乗
> り出さないと思いますし、それを待ったをかけられるのは「国民の健全
> なる経済意識」だという風に思っております。【26:45~27:36】

  う~む。アベノミクスはアメリカに対する面従腹背ですか。これはアベノミクスの「第3の矢」に関する論評ですね。第3の矢として列挙されている互いに脈絡 のない政策群は、見るからに各省庁が出してきた(自省の利権に資する)施策ををホチキスしただけのシロモノであることは明白ですから、これらを見て、中には外資に日本を蹂躙させるグローバリズムの手羽先政策が相当数含まれているから用心しろ、というわけなのでしょう。
 しかし肝心の第1の矢(金融緩和)については何のコメントもありません。
  さて、最初の引用部分に戻ると、馬渕さんは、「それに従い政府が財政支出を増大させた結果、政府が債務危機に陥ったことを見て、自ら背徳者と告白したのではないかと思います。」と述べていますが、この「政府が債務危機に陥った」という部分を見ると、馬渕さんも財務省の洗脳から解けてないのかな、と思ってしまいます。
  国がお金を刷りまくるというケインズ政策ですが、これにより債務が危機に陥るというのは、「本位通貨制度」を採用しているとか、自国に通貨発行権が無い EUのような場合には当てはまりますが、管理通貨制度のもとで自国で通貨を発行している場合には債務危機には陥るわけがない。多くの途上国で債務危機に陥るのは自国通貨の信用が弱く、かつ国内生産力が弱いため、国内の消費を賄うためには外貨で借金せざるを得ないからです。日本や米国のような通貨発行権を持 つ経済優良先進国では債務危機など起きるはずがありません。
  アメリカのニューディール政策が失敗したのは国による支出の増大に対する国内の批判(アメリカは他の先進国のように「自由主義」を国是とするのと違って 「資本主義」が国是の国ですから、対立概念である「社会主義」を嫌う人が多く、国による財政支出を含む管理財政を社会主義的だとして拒否感が強い)が大きく、財政緩和が中途半端に終わったために成功しなかった(対するナチスドイツは「全体主義」が取れたので緩和経済政策が貫徹できたので成功した)というの が一般的な評価になっているようです↓

https://america-info.site/new-deal
https://www.nagaitoshiya.com/ja/2002/new-deal-military-keynesianism/

  さて、それはとにかくとして、馬渕さんは「社会主義政策とは政府が国際銀行家たちから借金をして財政収入以上の支出をするということ」と述べていますが、 それは「中央銀行」を政府が子会社として保有していないアメリカの場合の話ですから、政府が日銀の50%以上の株を保有している日本の場合には当てはまりません。つまり日本の場合には金融緩和であれ再生出動であれ、それ自体を推進することは何ら国際銀行家の手羽先になるわけでも何でもないわけですから、アベノミクスがアメリカへの面従腹背というのは何か見当違いの論評だと思います。
  さて、Youtubeの文字起こしの部分を見てもわかることだと思いますが、馬渕さんの最大の欠点は、安倍総理がグローバリズムの本質を分かった上であえてそれを取り込んで、そのかわりその政策が持つ国家利益の収奪を無力化する仕組みを法案などの中に上手に潜り込ませて彼らの企みをうまく阻止するという手法で対応しようとしている、ということに気付いていないことです。彼らの世界における力はあまりにも強力なので、これを「グローバリズムは国を亡ぼすか ら」と、ただ拒否しているだけだと、福田康夫政権のように短命で政権自体が失脚させられて終わりです。だからこそ安倍政権はあえて火中の栗を拾いに行こうとしているわけで、馬渕さんはこの安倍政権の作戦の巧妙さには気づいていないようです。そして、安倍政権のこのしたたかさが見えているのが、私が以前に紹 介した弓月恵太さんのような人たちなのです。(おわり)

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