SSブログ

mespesadoさんによる1億人のための経済談義(38) 中間選挙総括と今後 [mespesadoさんによる1億人のための経済講]

アメリカ中間選挙、「共和党圧勝」そんな希望的観測でいたのですが、下院は民主党という結果。しかし、トランプ大統領がツイッターで曰く:

Tremendous success tonight. Thank you to all!
https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1060022696703070208
【とてつもなく大きな勝利を収める事が出来た。応援してくれた皆さんありがとう】

その真意について放知技板でいくつか発言がありましたが、mesさんによるまとめ記事。結論は《今回の結果を成功と述べたトランプが決して負け惜しみでないことは明らか》です。

さらにそのあとの補足記事で金子陽一元参院議員の主張を知りました。人手不足だから外国人労働者を入れるというのなら、その前に国が就職氷河期世代、ロスジェネ世代に就業・教育支援して働いてもらうべき。今までのように ほっておいたら老後は無年金で生活保護に陥るだろう。長い目でみれば国の予算も助かる。外国人にお金をかける前にまず日本人にお金をかけるべき。》https://twitter.com/Y_Kaneko/status/1059749830191341568

切実な問題のはず。全くの正論です。また金子氏の白川前日銀総裁に対する批判を読みましたhttps://gen-ron.com/archives/1410。これにも納得。このグラフ、説得力があります。


*   *   *   *   *

186:mespesado :2018/11/08 (Thu) 21:34:48
 BLOGOS にも今回の中間選挙についていくつか記事が配信されていますが、アンチトランプな人の記事が多い中、ちょっと面白い見解の記事があったので紹介します。
 まず最初は選挙直前に書かれた記事です:

2018年中間選挙、トランプ大統領がすでに事実上勝利していると言える、
えげつない理由 - 渡瀬 裕哉
https://blogos.com/article/336610/

 筆者は

>  2018年11月6日中間選挙投票日まで残すところ後1日となった。10月・
> 11月頭の急激な共和党の追い上げによって、上院は共和党の過半数維持
> が見えている状況となっている。上下両院多数党である共和党にとって
> の課題は下院での過半数維持である。

と、正確に上院での共和党勝利を予測していて、更に

>  しかし、トランプ大統領は上院議員選挙・州知事選挙にこだわりを見
> せるものの、下院議員選挙にはそれらと比べて関心を示していない。

>  実際、トランプ大統領自身が「米中間選挙、下院で負けても責任なし」
> と下院敗北の予防線を既に貼っており、「米中間選挙、「トランプ集会」
> に望み託す共和党」のように選挙区回りは上院・州知事選挙中心となっ
> ている。下院の激戦選挙区にトランプ大統領が訪問しても敵対陣営を刺
> 激するだけで意味がないという判断は妥当だと思う。

と、トランプが下院に関心が無いことと、その理由を述べています。それどころか

下院での敗北は、2020年の大統領選の有利に働く可能性

と題して、まず弾劾については

> 下院での敗北によって弾劾手続き開始の可能性もあるが、それらは上院
> で一蹴されるためさほど問題にはならない。

と軽くいなした上で、

> 今後予測される経済の鈍化を民主党による議会での抵抗のせいにするこ
> とができるからだ。

と、下院の敗北がトランプに有利と見做す理由を述べています。しかし私が感心したのは、その次に記されている、以下の部分です:

> また、景気刺激策として残されている巨額のインフラ投資は、公共事業
> などのバラマキ政策に反対する下院共和党の保守派が障害となって実行
> できていないため、同政策を実行しやすい環境を整えることで経済対策
> に強い大統領を演じることもできる。

 なるほど!
 確かに保守政党である共和党はバラマキ政策に批判的になるというのは、経済学のセオリーどおりのことが実際に起きているわけですが、最近の欧州のリベラルの間で流行っているリフレ政策を「共和党のトランプが」実行継続するためには、味方のはずの共和党による妨害を何とかしなければならないわけですが、下院が民主党優位になれば、本来味方であるはずの共和党の妨害を抑えやすくなる、というわけですね。この視点には全く気が付きませんでした。卓見です。
 そしてこう結論付けます:

>  トランプ大統領にとっては上院議員選挙及び州知事選挙の重要州で勝
> つことができれば、下院議員選挙の勝敗がギリギリのラインでどちらに
> 転んでも良いという状況だ。

 この記事が選挙日前に書かれていることからしても、今回の結果を成功と述べたトランプが決して負け惜しみでないことは明らかでしょう。こう理解していくと、もう一つのBLOGOSの記事(こちらは事後の配信):

アメリカ中間選挙、勝者は誰?
https://blogos.com/article/337300/

の冒頭にある

> 選挙とは普通、勝ち負けが明白に出るものです。しかし、今回、トラン
> プ大統領も民主党のペロシ下院院内総務(=下院における民主党のリー
> ダー)も勝利宣言をしています。ポジティブ シンキング アメリカらしい
> 展開となっています。

という部分もなるほどと納得できますね。

187:mespesado :2018/11/08 (Thu) 22:21:40
>>186
 補足です。
 >>186 の2番目にリンクを貼った記事の中に

> 下院の民主党ですが、思い出したのが都議会選の都民ファースト旋風で
> す。女性を中心として初当選が続出したあの時に似ています。そして構
> 図も似ています。それまでの自民都連との敵対関係を演出し、新風を吹
> き込む選挙戦戦略でした。が、「時の勢い」で当選した人たちはなかな
> か苦労するものです。議員の仕事は好きなことを吹聴しているだけでは
> なく、身を粉にし動き回り、人脈を駆使し、緻密な戦略をもって政策を
> 進めなくてはいけません。下院民主は内部調整でしばし苦労するように
> 思えます。

という記述がありました。ただ、日本の小池旋風と違うのは、日本の場合は都民ファーストが保守の集団だったのに対して米民主党の場合はポリコレを旗印にしたリベラルの集団であった、ということです。
  先進国を中心に、世界的に「ポリコレの横暴」が吹き荒れていますが、日本では欧米と違ってポリコレ=西洋価値観は所詮舶来品なので、欧米のようにポリコレ に染まる人は少ない上に、欧米ではリベラルが少なくとも経済に関しては「緩和政策」というまともな政策を主張し採用しているのに対し、日本ではリベラルが 経済に関しては緊縮財政を主張している点でどうしようもないという点です。同じリベラルでも、経済政策に関しては、現在落選充電中の金子洋一元参院議員の連ツイ↓

https://twitter.com/Y_Kaneko/status/1059749830191341568

が胸のすくような正論を述べていますが、国民が誤った緊縮財政教に染まってしまっているので、こういう経済の正論を述べるリベラルな人の支持者が少ないわけですね。こうした点で、日本のリベラルは、欧米のリベラルに比べて政治家も支持者も日本特有のかなり深刻な病に侵されていると思います。

nice!(0)  コメント(1) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 1

めい

《◎両院とも、1月には、トランプ支持議員がほとんどになる》!!

   *   *   *   *   *

189:muku :2018/11/09 (Fri) 14:20:10 host:*.bc9.ne.jp
これ、完全にトランプの勝利でしょう。
◎両院とも、1月には、トランプ支持議員がほとんどになるって。

 ヴォックス・ニューズ・サーヴィス
 >「共和党が下院か上院、あるいはその両方で負けようが、あるいはそのどちらでも勝とうが、
 > 一つだけはっきりしていることがある。
 > 2019年1月には、トランプ支持派でない議員は少なくなっているだろう。」 ←☆
 https://www.vox.com/midterm-elections/2018/11/6/18066648/midterms-2018-trump-republicans-losses-impeachment-congress

by めい (2018-11-10 05:33) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。