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mespesadoさんによる1億人のための経済談義(番外8) KYふたり(小泉&山崎)のKY性 [mespesadoさんによる1億人のための経済講]

大きく様変わりした時代についてゆけない古い世代の政治家として、小泉氏と山崎氏が浮き彫りになります。《「経済の仕組み」とか「外交の手練手管」とかの重要性》が理解できないKYふたりのKY性の指摘です。(もっとも小泉氏は《何らかの原発以外のエネルギー利権の代弁者だからわかっててああいう主張をしてるのかもしれ》ない)

われわれ世代までの感覚が、それ以降の若い世代になるにつれてどう変わっていったか、そのことを象徴する議論がありました。山崎氏の言い分に対するmesさんの批判です。

>  昔は学生運動が盛んだったが、今はないから。昔は自由主義だ資本主
> 義だ民主主義だ、共産主義だ社会主義だとそれぞれイデオロギーを信奉
> して学生運動にまい進した人が多かったのですよ。

>  今はイデオロギーがない。あなた(記者)は何主義ですか?って聞か
> れて答えられないでしょう。ありません、ただ生きているだけ。飯を食
> わなくてはいけないからこういう仕事をしています、と。

 わっはっは。この人、イデオロギーを持つ方がエライと未だに思ってるわけですな。イデオロギーを持つということはイコール特定の思想に洗脳されることだ、というのは、1980年代以降、世界で共産主義や新自由主義といったイデオロギーが次々に失敗するのを見ている今や若い人には常識。彼らは一つ一つの政治案件に、そんなイデオロギーによらないで、是々非々で判断しているだけでしょ。

昨日ちょうどそこを読んでたまらなく共感したハンナ・アーレントの考えに通じ、私なりのシンクロニシティ体験でした。

《アーレントは、複数の人びとか距離をもって共有する世界を媒介とせずに人びとか直接に結びつく同胞愛や親交の温かさのなかでは、人びとは論争を避け、可能なかぎり対立を避けると語る。彼女はこうした同胞愛や温かさが不必要だと宵っているのではない,それか政治的領域を支配してしまうとき、複数の視点から見るという世界の特徴が失われ、奇妙な非現実性か生まれると言うのである。複数の視点が存在する領域の外部にある真理は、善いものであろうと悪いものであろうと、非人間的なものだ、と彼女は言い切る。なぜなら、それは突如として人間を一枚岩の単一の意見にまとめ、単数の人間、一つの種族だけか地上に佐むかのような事態を生じさせる恐れがあるからである。世界喪失への危惧はこうしたところにも存在していた。》(179-180p)
ハンナ・アーレント - 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者 (中公新書)

ハンナ・アーレント - 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者 (中公新書)

  • 作者: 矢野 久美子
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2014/03/24
  • メディア: 新書
中公新書 2014)

*   *   *   *   *

291 名前:mespesado
2018/07/22 (Sun) 12:03:58
host:*.itscom.jp

 かつてYKKと呼ばれ、ブームになった山崎・小泉・加藤の3氏ですが、一昨年物故された加藤氏以外の2人が最近老害を振り撒いていますw
 まずは小泉氏

かつての政敵が30年ぶりに急接近。小泉元首相、小沢一郎・自由党代表に「原発ゼロ」で安倍政権打倒を助言!?
https://hbol.jp/170901

> 「原発ゼロ社会の実現」を訴えて全国講演行脚を続けている小泉純一郎
> 元首相は7月15日、自民党時代からの“宿敵”だった小沢一郎代表(自由党)
> の政治塾で講演をした。

ということらしいですが、


> 「まあ(安倍首相は)私の考えとは違うけれどね。彼は彼なりに一人の
> 政治家として(原発は必要と)思ってやっているのだから『私の言うと
> おりにやれ』と言っても『やる』という状況ではない。だから任せてい
> ます。余計なことは言わない。

>  でも残念にも思っているのは、総理が原発ゼロに舵を切れば、野党と
> 一緒に実現できるのに、できるチャンスを逃しているのは『惜しいな』
>『もったいないな』と。恵まれた立場の総理大臣が、やらなければいけ
> ないことをやらない。『残念だな』と思っています」

 さて、ここで小泉氏が言うには、安倍総理は原発推進に前向きであるとのことですが、そもそもその実態と理由はどうだったのでしょうか。これを知るのによい記事があります:

政府が原発推進に方針転換で注目の「次なる焦点」
http://ascii.jp/elem/000/001/605/1605566/

>  11月末に開かれた、エネルギー基本計画(エネ基)の見直しを議論す
> る経済産業省の有識者会議。地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協
> 定」で、政府が2050年までに温室効果ガスを13年比で80%削減する計画
> に向けて、「温暖化問題を真剣に議論する必要がある」との認識で一致
> した。関係者によれば、“認識の一致”は、CO2削減に貢献する原発の新
> 増設、リプレースを意味するというのだ。

>  もともと原発の新増設、リプレースに消極的だった政府が、なぜ方針
> を転換したのか。大きな転機となったのは、10月の衆議院解散総選挙だ。

>  衆院選では、小池百合子元代表率いる希望の党をはじめ、野党が「原
> 発ゼロ」を掲げた。しかし、大きな争点にならず、与党が大勝。政府が、
> 「原発ゼロ」政策は民意が得られなかったと判断したのだ。

 ここまでだけ読むと、???です。なぜならもともと安倍政権は原発の新設やリプレースに消極的だったのでしょ?だったら例え選挙で原発ゼロの野党が敗退したって、敢えて新設やリプレースに積極的になる必要まではないはずです。しかも、肝心の電力会社が原発の推進に音を上げている、というのです↓

>  原発の新増設、リプレースが悲願であるはずの電力業界が、なぜか悲鳴
> を上げている。

> 「事業の予見性を高めるような制度設計、環境整備をお願いしたい」。11
> 月30日に記者会見した東京電力ホールディングスの文挾誠一副社長は、原
> 発事業を支援する“救済策”を政府に求めた。

>  その背景にあるのは、東電が28.23%を出資する原発専業会社、日本原子
> 力発電が保有する東海第二原発(茨城県)の存在だ。

>  来秋に運転開始から40年を迎える東海第二原発について、日本原電は11
> 月、原子力規制委員会に40年超の運転延長を申請した。東電は東海第二原
> 発の発電量のうち、約8割の供給を受けてきた。

>  ただ、東海第二原発の再稼働に向けた工事費用は少なくとも約1800億円
> に上る。経済性を重視する東電内では東海第二原発からの受電をやめるこ
> とが議論されている。

>  東電が供給を受けないとなれば、東海第二原発は廃炉につながる可能性
> が高く、政府のエネルギー政策に与える影響も大きい。

>  文挾氏の発言は、東電が自力での判断において“匙を投げた”ことを示し
> ているといえる。エネ基で原発を「重要なベースロード電源」とするなら、
> 政府が政策で後押ししてほしいというのが電力業界の総意なのだ。

 それに、今回の猛暑で、数少ない原発を稼働している関西電力のエリアで電気が不足して他の原発を稼働していない電力会社から電気を買っているという体たらくを見れば、「電力不足に備えるために原発推進」などと主張しても鼻白むだけでしょう。
 じゃあどういうこと?というわけで、次のくだりを読めば、「ははン、なるほどそういうことだったのかか」と合点がいきます:

>  政府関係者によると、盤石の政権基盤を手にした安倍政権を追い風に、
> 経産省内では衆院選を境に「今やらないで、いつやるんだ」と原発の新
> 増設、リプレースに前向きな雰囲気ができているという。

 やっぱり。これも財務省や文科省と同様、経産省という官僚組織の利権の問題だったのですね。しかも安倍政権は岸田外相のとき以来、外務省の権力を削ぐために、経産省の利権を利用して海外へのセールス行脚に外務省関係者を外して経産省関係者を重用してきたといういきさつがあります。そして今、政府は官僚組織の親玉である財務省と戦っており、やたら官僚組織を同時に敵に回すのはリスクが大きすぎることから、経産省はとりあえず「味方につけておこう」という作戦に出ている可能性があります。
 そして、安倍政権のコアな支持層であるマッチョ保守系の人たちは、(チャンネル桜・虎ノ門ニュース等を見ればわかるように)露骨には明言しないが明らかに日本の潜在的核武装能力維持のために原発推進に積極的な言論ばかりです。
 このように、安倍政権は対抗勢力の攻勢を凌ぐためにも経産省やマッチョ保守を味方につけておく必要から、敢えて原発推進に方針転換したものと思われるのです。

 さて、ここで元の小泉氏関係の記事に戻ります:

>  この後、両氏は都内のホテルで会食した。そこでも、小泉元首相は
> 「参院選は野党が候補を一本化し、原発ゼロで戦えば絶対勝つ」と助言
> したという。

 なんという呆れた予測でしょうか。前回の衆院選挙で「原発ゼロ」が争点にならなかった、という結果が出ているのに、どうしてそういう発想になるのか。まあ、小泉氏が政治で最も争点になるのが経済で2番目が国防であり、その肝心の経済についてオンチだから、というのもあるかもしれませんが、何らかの原発以外のエネルギー利権の代弁者だからわかっててああいう主張をしてるのかもしれません。ただ、いずれにせよ、そんな程度の作戦で選挙に勝てると主張している点で、老害のオワコンであることは明白です。 (続く)



292 名前:mespesado
2018/07/22 (Sun) 14:12:29
host:*.itscom.jp

>>291

 次は山崎拓氏

山崎拓氏に独占取材 「安倍一強」支えるネット世論を斬る
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1807/20/news046.html

>  自民党総裁選を9月に控えた今、山崎氏にインタビューしたテーマは
> 「安倍政権とネット世論」。安倍一強の状況と新聞を読まないネットユ
> ーザーの関係について、長く自民の重鎮として君臨しつつも「ネットに
> はほとんど接していない」と語る山崎氏にあえて直撃した。

 ふむふむ。それで?

>  民主政治のもとではマスコミの影響は非常に大きい。私はネットの世
> 代ではないから、従来の新聞やテレビの報道を見て(政治について)判
> 断しています。それから政治家と関わり合いがあるので、彼らの議論を
> 直接見聞きして別の判断根拠も持っている。

 これってまるっきり「情弱宣言」じゃないですか。今時新聞やテレビで判断している、なんて自慢できる話じゃないのに。あ、でも若い世代でもそういう人がいましたね。例えば小泉Jrとか。

>  「新聞を読まない人が自民党を支持する」といった言葉を麻生太郎さ
> んが言っていると新聞で読みました。言い得て妙じゃないかな。新聞を
> 読む力と言うのは今の若い人には乏しいように思えますね。日本語をよ
> く勉強していない、国語力が弱いんじゃないかなと思う。

>  昔は読書量が教養の基礎でした。僕の知っている昔の政治家では中曽
> 根康弘さん、大平正芳さん、福田赳夫さん、非常に読書家でした。皆さ
> んよく本を読んで基礎的な教養を持っていた。

>  今はテレビ文化になっている。テロップなど視覚で物事を捉えてしま
> い、頭脳で考えない。それが若者の通弊で、政治とも関係している。

 おいおい、いつのまにか新聞を読まない話が読書の話になってるw
 新聞と読書って違うだろw
 しかもテレビ文化などという、これまた別のメディアの話にまで飛んじゃって…。今の若い人はテレビすら見ない人が多いっつの。

>  昔は学生運動が盛んだったが、今はないから。昔は自由主義だ資本主
> 義だ民主主義だ、共産主義だ社会主義だとそれぞれイデオロギーを信奉
> して学生運動にまい進した人が多かったのですよ。

>  今はイデオロギーがない。あなた(記者)は何主義ですか?って聞か
> れて答えられないでしょう。ありません、ただ生きているだけ。飯を食
> わなくてはいけないからこういう仕事をしています、と。

 わっはっは。この人、イデオロギーを持つ方がエライと未だに思ってるわけですな。イデオロギーを持つということはイコール特定の思想に洗脳されることだ、というのは、1980年代以降、世界で共産主義や新自由主義といったイデオロギーが次々に失敗するのを見ている今や若い人には常識。彼らは一つ一つの政治案件に、そんなイデオロギーによらないで、是々非々で判断しているだけでしょ。

>  今、ITが支配的な産業になっている。そういう業界に出ていったらメ
> カニズムの世界になる。スマートフォンやPCの操作のような、そちらの
> 知識が重要になる。政治学というのはそういう実学ではないので、興味
> を持たない人が多いと思う。政治を学ぼうという若い人は非常に少ない。

 政治を「そういう実学でない」ようなシロモノにしたのは、ほかでもない、政治をイデオロギーに依存するものにしてしまったあなたたちの世代の政治家ではないのですか?

>  だいたい、安倍さんも麻生さんも間違った言葉を使ったことがある。
> 政治家もレベルが落ちたし、有権者もレベルが落ちたのです。豊かには
> なったが。思想的にはまあ、社会に反抗する人は少なくなった。社会と
> いうのは体制とも言うべきです。

 そう言って「正しい言葉遣い」とか「思想」とか「体制」のことばかり重んじて、「経済の仕組み」とか「外交の手練手管」とかの重要性を見ないからこそ貴方たちは相手にされないんですけどね。これこそが老害の老害たるゆえんです。
 加藤さんがいなくなって、YKKはYKになっちゃいましたけど、KYに改名した方がいいかも、ですね。 (おしまい)

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