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mespesadoさんによる1億人のための経済談義(17) 「貧困」は経済のルールの問題 [mespesadoさんによる1億人のための経済講]

《(「貧困の問題」は)「個別対応の問題」もありますが、そうでない場合も「政治の問題」というよりは、ことの本質は、究極、実は私がいつも言っている「経済のルールの問題」に行きつくのではないか》ということで、その具体的事例として「保育士給料安すぎる」問題へと考察の鉾先が向けられます。昨晩、こども園の理事会で夏期賞与をめぐって議論してきたところで、これからどういう展開になるのか、おおいに注目です。

*   *   *   *   *

974mespesado :2018/06/28 (Thu) 21:24:37host:*.itscom.jp


>>966
 さて、>>966 でリンクを貼ったサイト:
「貧困問題を政治利用するな」
http://nabe-party.hatenablog.com/entry/2016/12/22/233326
では、藤田さんのツイートに対して反論する人がいるとして、稲葉剛さんの

>「誰が貧困を拡大させているのか」という議論を恐れてはならない。


> カジノ法案や年金カット法案、生活保護基準の引き下げといった「政治
> 的」な課題に対して意見を述べると、自分たちの活動が色メガネで見ら
> れるようになり、支持が広がらなくなってしまうのではないか、と恐れ
> てしまう。「左派と見られるのが怖い」症候群とでも言うべき現象が広
> がりつつあるように、私には思えます。
> 政治が良くも悪くも貧困に対して現状維持の立場を取っているのであれ
> ば、国政の課題にはタッチせず、目の前のことに集中する、という姿勢
> も有効かもしれません。
> しかし残念ながら、今の政治が貧困を拡大させ続けているのは明白です。
> 一人ひとりの生活困窮者を支えていく現場の努力を踏みにじるがごとき
> 政治の動きに対して、内心、憤りを感じている関係者は多いのではない
> かと思います。
> そうであれば、貧困の現場を知っている者として、社会に発信をしてい
> くべきではないでしょうか。団体での発信は難しい場合もあるかもしれ
> ませんが、個々人がSNSなどで意見を述べるのは自由なはずです。
> 貧困問題を本気で解決したいのであれば、「誰が貧困を拡大させている
> のか」という議論を避けて通ることはできないのです。
> 現場レベルで貧困対策を少しでも進めることと、将来にわたる貧困の拡
> 大を防ぐために政治に物を申していくことは決して矛盾していません。

という記事が紹介されています。この中で「今の政治が貧困を拡大させ続けているのは明白です。」とか「一人ひとりの生活困窮者を支えていく現場の努力を踏みにじるがごとき政治の動き」という表現は、まさにサヨクの面目躍如で、まるで牢座敷の某2名のようなサヨクの典型的な考え方がよく表れています。また、>>966 で紹介した藤田さんの発言:

> 政治家や政党が貧困問題を利用するのは、百歩譲って理解する。しかし、
> 現場の実践者や支援者までも目的を忘れて、政治を変えることのために
> 貧困問題を利用するなら本末転倒である。思想・信条を押し付けず、真
> 剣に貧困問題を解決するために考えてほしい。

に対して、「安倍は人間じゃない。叩き斬ってやる」の発言で有名なw山口二郎法政大学教授の次のようなツイートも紹介しています:

山口二郎@260yamaguchi
> この発想に依拠するならば、貧困は為政者のお慈悲にすがって解決すべ
> き問題ということになる。

 あるいは

セイムリアになった不勉強@egeLA5SLQPV55jo
> 「左翼やリベラルは貧困を政治利用するな」ってツイートがTLで話題に
> なっていたのか。で例によって例の如く左翼やリベラルは貧困の解決に
> 何も尽力してこなかったという"お話"とセットになって。

> 今回のメーデーの件で、「護憲だ安保だ憲法だ戦争反対だ言って労働者
> の権利を考えないからお前らは支持されないんだよ」と言っていた連中
> が、待機児童問題の時や、ホームレスの炊き出しの時や、賃金上げろと
> いうデモに対して果たしてどういった発言や態度を取り続けてきたのか
> よーく覚えておこうな

ユリア@Yuriakatase
> 貧困問題ってそもそも政治にとってもっとも重要なテーマの一つじゃな
> いのかしら。国民の貧困層が増加すればそれはたちまち税収を直撃し消
> 費を抑制させさらには福祉に頼るしかない人たちの増加によって財政に
> も悪影響を及ぼすの、高校の現社や政経なら必ず学ぶことでしょう

> 議会制民主主義をとる限り与党が貧困問題に動かないなら野党がそれを
> 代弁することには何の問題もない。むしろ野党がやらない状態になって
> る国家は破滅に瀕していると言ってもいいでしょう。幸い複数の野党が
> ある日本は貧困問題に対処することを言明する複数の野党を選ぶ余地す
> らある

> この状況下においてまだ一応議会制民主主義が生きているんですから、
> まずは政党への支持を表明して貧困問題への対応を後押しすることにな
> んの問題があるんでしょうか。貧困問題を政治問題化するなというのは、
> 与党の怠慢を弁護するための方便ですか?むしろ与党が動くのが当然じ
> ゃないですか

 「貧困は為政者のお慈悲にすがって解決」とか「貧困問題を政治問題化するなというのは」とか、藤田さんが主張してもいない方向に持って行っていて、サヨク連中にかなり感情的に反発されている様子がわかります。
 さて、これらの発言を紹介して私は何を言いたいのか?
 それは、「ここで紹介されているような貧困の問題というのは、はたして『政治』の問題なんだろうか?」という問いです。
 人が「政治の問題」というとき、普通は何らかの対策としてプロジェクトを立ち上げるとか新しい法律を作ることで解決できるような場合を「政治的問題」と言い、それ以外のケースは「個別対応の問題」と呼ばれます。
 私の考えでは、もちろん「個別対応の問題」もありますが、そうでない場合も「政治の問題」というよりは、ことの本質は、究極、実は私がいつも言っている「経済のルールの問題」に行きつくのではないか、と思っています。
 長くなるので一旦ここで切ります。   (続く)


975:mespesado :2018/06/28 (Thu) 22:38:52host:*.itscom.jp
>>974
 さて、一口に「貧困問題」といっても分野が広すぎて抽象的になるので、具体的なテーマに限定して具体的に見ていこうと思います。
 同じ「鍋パーティーのブログ」の別のエントリー:
再分配や貧困・社会政策を文章にするということ・報じること
http://nabe-party.hatenablog.com/entry/2016/12/13/081053

の中で、例の「保育園落ちた日本タヒね」で一時ブームになった幼稚園・保育所にまつわる問題が取り上げられているので、以下この話題について考察してみたいと思います。著者は、同じ「鍋パーティー」ブログの別の著者による別の記事:

保育園・幼稚園は現代の「奴隷施設」だ
~保育施設の充実は所得再分配の論理から完全に逸脱している~
http://nabe-party.hatenablog.com/entry/2016/03/08/093000

を取り上げます: 

> (2016年)2月15日、状況は一変した。

>> 保育園落ちた日本タヒね!!!
>>
>> 何なんだよ日本。一億総活躍社会じゃねーのかよ。昨日見事に保育園
>> 落ちたわ。どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか。子供を産んで子
>> 育てして…

> 保育園に入れなかった親御さんの恨み節が大きな反響を呼んだのだ。そ
> れだけではない。「児童手当20万円にしろ」「不倫したり賄賂受け取っ
> たりウチワ作ってるやつ見繕って国会議員を半分位クビにすりゃ財源作
> れるだろ」と、まさに怒り狂っているのだ。

> 私は強い違和感をおぼえた。というのも、このエントリーでは既婚者側
> の一方的な主張だけが書き殴られていて、子供たちの面倒を見る側の保
> 育士に対する配慮が何ひとつ書かれていないからだ。前々から言われて
> いることだが、日本の保育士の給料はあまりにも安すぎるのが現状であ
> る。以下、保育士の給料や労働時間などを調査したサイトを紹介するが、
> 平均月収21万円、年収にして310万円しかもらえていない。しかも、所
> 得税や社会保険などを引かれたら、完全に年収300万円以下のワーキン
> グプアだ。「だったら、保育士の給料を上げればいいじゃないか」と反
> 論する輩がいるが、そもそも保育士に多額の給料を支払っても、それを
> 消費するだけのプライベートな時間がなかったら全く意味がないではな
> いか。このサイトには平均的な保育士の労働環境が示されているが、昨
> 今の悲惨な保育園事情を鑑みるに、実際の現場ではかなりのブラック労
> 働が蔓延していると予測できる。

> 断言しよう。保育士はれっきとした「奴隷」だ。そして、その「使用人」
> は、難関大学を経て一流企業に就職し、人生の勝ち組という名のレッド
> カーペットを我が物顔で闊歩している「エリート正社員」層なのだ。

…とまあ、最初の共働き世帯の子供が保育園に入れなかった話から保育士の給与待遇があまりに悪い話へと飛び火しています。そして「保育園落ちた。日本タヒね」と怒る親を勝手にエリート社員と決めつけ、

> これが日本の会社をガラパゴスにした元凶なのだ。「保育園が足りない」
> って叫ぶくらいなら、管理職に対して「育児休暇を認めろ」って要求し
> たほうが手っ取り早いんじゃないですか? 「恩恵」を十分に受けている
> 正社員なら、それぐらいの「労働者の権利」はいとも簡単に行使できま
> すよね?

と、今度は怒りの矛先を「日本タヒね」と叫んだ親の方に向けていきます。
 さて、この別著者の記事を引用した元の記事の著者は、これに対して

#保育園落ちたの私だ も育児休暇も根っこは同じなのだよ、大馬鹿者。
http://nabe-party.hatenablog.com/entry/2016/03/13/084803

という記事でこれに反論します。まず著者は、件の「親」が正社員であることは新聞記事で確認したうえで、しかし「エリート」正社員かどうかわからない、むしろ「エリート正社員」の多く住む都心部に於いてこそ待機児童数が殆ど無いか少なく、待機児童数を多く抱えているのは大都市近郊の住宅立地の多い自治体であるということを考えれば「エリート正社員」でない方が保育所に入れないという可能性が大きい、などと批判します。更に、育児休暇云々についても

> 現実の人事考課や処遇とかの影響で「労働者の権利」を行使しようにも
> 行使できなかったりするのが常なのだ。加えて正社員に比して身分が不
> 安定になりがちな非正規雇用だったら尚更困難なのは普通の常識の持ち
> 主なら理解できるだろう。

などと批判。更に「保育園や幼稚園など保育サービスの充実を目指す政策と育児休暇を別次元どころか対立した政策として扱っていることに、件のエントリの最大の問題がある。」とまで言い放つのです。
 ごちゃごちゃしてわかりにくいですが、第三者である私の目からは、「結局こいつらサヨクは、誰でもいいから不正義な『敵』を見つけて、その敵を攻撃することに生きがいを見出しているだけで、問題を解決する気など無いのだな」としか思えません。
 さすが、ルサンチマンのウルトラサヨクkojitaken氏が開催した共有ブログだけのことはありますw。問題解決ではなく憂さ晴らしをすることに目的があるのでは?と思われても仕方がないでしょう。
 それよりも、このエントリーの中で参照されていた(鍋パーティーとは無関係な)次のサイト:

保育士の給料が安すぎる!こんなに安い理由を探ってみた。
https://hatopi.com/hoikushi-okane

の方がはるかに有意義なことが書いてあるので、次にこのサイトの内容を取り上げることにします。  (続く)

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