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山形新聞「談話室」子へ [現状把握]

山形新聞の「談話室」は、彩り豊かな文章で、いつも読ませられる。今朝は結城豊太郎翁が取り上げられた。宮内の人間からするとちょっと距離があるが、それでもうれしい。

 

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1-188 22-A 結城豊太郎.jpg▼▽幕末維新の志士がくぐっただろう旧薩摩藩江戸屋敷の重厚な門が、南陽市赤湯にある。蔵相や日銀総裁を歴任した結城豊太郎が戦前、自身の書屋を横浜から郷里に移して図書館「臨雲文庫」を開いた際に、表門とした。

▼▽元蔵相の故井上準之助邸にあった門を結城が譲り受け、「(故郷の若者に)無言の教育にもなろう」と恵示から移築したものだ。戦争へと向かっていた不穏な時代。国家経済安定に心血を注いだ金融人が、「古里は国の本なり」と人づくりにも力を尽くした一面が偲ばれる。

▼▽根幹にあったのが儒学の教え。己を修め人を治む「修己治人」だ。修養に励んで徳を積み、世を正しく治めることを自らに課し、言葉通りに実践した。町に上水道を敷設し、母校にドイツ製のピアノも寄贈した郷土の偉人を、赤湯の人々は親しみを込めて「結城翁」と呼ぶ。

▼▽現代の政官界に、なおくすぶる陸上自衛隊の日報隠蔽問題。防衛相ばかりか制服組トップ、さらに南陽市出身の事務方トップも辞任する事態に追い込まれたが、真相解明には程遠い。あす8月1日は結城翁の命日。志高く国を率いた先人の目には、どう映っているだろうか。

 

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結城翁、今の国会、マスコミを見て「なんて的外れなくだらないことに時間を費やしているか」と嘆いているにちがいない。

 

森友・加計問題については、高橋政弘氏の山形新聞への投書加計問題の報道に危機感が正論であることを指摘した。http://oshosina.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22

 

日報の情報公開問題については、次のような議論があることを知って欲しい。(文中太字転載者)

 

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陸自の「クーデター」を許すな
安倍首相と稲田大臣は民主主義の防波堤

2017.7.28(金)  部谷 直亮
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50629 


 稲田朋美防衛大臣が連続する防衛省内部からのリークによって揺さぶられ、ついには安倍政権の屋台骨まで揺るがされる事態になっている。リーク元は陸自幹部との説が濃厚だが、これは、まさしく“クーデター”である。
 今や、安倍首相と稲田大臣は民主主義の防波堤となっている。以下では文民統制の観点から、耐えがたきを耐え、忍び難きを忍び、稲田防衛大臣を続投させなければならない理由を述べてみたい。
 
■陸自のリークはクーデターを意味する
 
 稲田大臣は、今や安倍内閣の中で最も評判が悪い閣僚である。失言も多く、メディア出演・答弁・記者会見も頼りない。記者懇談会に出ないこともあってメディア等からの視線も厳しく、連日連夜、稲田大臣と彼女を支えている統幕・内局に不利な一部の陸自幹部からと思しきリーク情報が報道されている。マティス国防長官等と丁々発止の議論ができるのかという不安もある。
 
 そのことは十分承知の上で、私は稲田大臣は最低限でも次の内閣改造、できれば、今後の道筋がつくまで短期間留任すべきであると主張したい。なぜなら、それに今や日本の文民統制の今後がかかっているからである。
 
 もし今回の件で、稲田大臣が辞職すればどうなるのか。歴史的な事実として残るのは、制服組がリークによって大臣を辞職させ、首相の政治生命すら危うくさせたという前例である。
 
 これは極めて危険な事態である。なぜなら、今後の防衛大臣が陸自に対して“忖度”せざるを得なくなってしまうからだ。その結果、陸自の不祥事を追及できず、陸自も含めた防衛省改革が不可能になるおそれがある。要するに、今後、優秀かつ熱意あふれる防衛大臣が誕生し、改革を断行しようとしても、真偽不明の内部リークで潰されてしまう、もしくは断念してしまうのである。これは、昭和初期の515事件や226事件といった軍部のテロによって、その後の戦前戦中における政治指導者や軍高官が委縮したことを思えば想像に難くない。
 
 もちろん、今回のリークは武力によるクーデターでも文民統制からの逸脱でもなく、大臣のマネジメント能力の問題だという指摘もあるだろう。だが、問題を矮小化させるべきではない。近年の米国では、「文民統制をいかに確立するかではなく、すでに確立された文民統制をどのように運用していくか」が主要な論点となっている。現代的な文民統制とは、武力によるクーデターをいかに防ぐかという古典的論点ではなく、軍の正規の手続きに拠らない、政策決定への容喙(ようかい=横からの口出し)をどう防ぐかが課題なのだ。
 
■米国でもあった軍部のリーク問題
 
 米国では2000年代から軍部等のリークによる政策決定への介入が相次いだ。それに対し、ゲーツ国防長官は強硬な態度で批判し、論争が巻き起こった。ゲーツ長官は「かつてのマーシャル将軍は、内部では遠慮ない助言を政治指導者に行い、それが拒絶されたとしても、マスメディアにそれを漏洩したり、抗議の辞職をしたりするような行為をしなかった。現在の軍人も見習うべきだ」と指摘している。
 
 この論争について、ハンチントンに匹敵する政軍関係研究の巨魁、ピーター・フィーバー(デューク大学政治学部教授)は、「軍人にとっての一義的な“文民”(シビリアン)とは国民なのか、大統領や国防長官なのか」という前提の違いによるものとした。そして、前者の立場に立つ者を「専門職制至上主義者」、後者を「文民至上主義者」とした。
 
 専門職制至上主義者は、「文民とは国民である以上、軍は政治指導者の誤りを正すためにリークを含めて世論(国民)に積極的に呼び掛けるべきである」とする。
 
 他方、文民至上主義者は、「文民(大統領や国防長官)は指揮系統の上位者として、積極的に軍事作戦計画の立案などに介入すべき」と考える。その際、「軍はあくまでも政権内部における積極的な助言に徹するべきである。リークといった行動をするべきではない」とする。
 
 米国では、政策的にも学説的にも、後者の「文民至上主義者」の立場が主流である。つまり、軍のリークによる政策変更の試みを容認する意見は少なく、それを試みた軍人たちは処罰された。
 
■「国民に直接説明する」試みはなぜ危険なのか
 
 実は、こうした対立が見られるのは米国だけではない。
 
 エジプトでは、軍部がモルシ政権を打倒するプロセスにおいて、しきりに「軍と国民は一体である」という発言や行動を見せ、「クーデターではなく人民の革命だ」と述べた。これは、まさに「専門職制至上主義者」の立場である。
 
 わが国でも、田母神俊夫氏などの退役自衛官、情報漏えいを行った元海保職員の一色正春氏らの行動原理がこれにあたる。つまり、「国民こそが第一の文民であって、政治指導者などは副次的な文民でしかない」という立場である。
 
 今回の稲田大臣に対するリークも同様の立場である。陸自(軍)がリークによって国民に説明し、安倍首相や稲田大臣に政策変更を迫っているのだ。
 
 しかも、米軍人ですら実行しなかった国防大臣や首相の変更が、結果的に行われる可能性もある。武力を伴っていないだけで、やっていることはエジプトの軍事政権と変わりがない
 
 政治指導者の過ちをただし国民に直接説明するという姿勢は一見もっともらしいが、極めて危険である。なぜならば「国民」とは実際にはひとかたまりではなく、多種多様だからだ。「国民のため」という発想は、「天皇陛下の御為」「国民の為」を掲げた226事件がそうであったように、「自分と同じ考えの国民」という独善に容易に陥っていく。だからこそ、今回のリークはクーデターであり、重大なのである。この問題に関して、安倍首相、稲田大臣は間違いなく民主主義の防波堤の役割を担っていると言える。
 
 筆者はリークの全てを否定しない。例えばパワハラ等への内部告発はもっと行われるべきだ。だが、それはあくまでも文民統制に反しない限り、つまり政治的活動に関与しない範囲であるべきなのだ。
 
■今後のPKO活動にも悪影響
 
 また、今回のリーク騒動で稲田大臣が解任されれば、今後の自衛隊の海外での活動にも支障が出るだろう。
 
現在の野党は「日報」の存在を知り、大臣と政権の首を取れる文書だということに気がついた。将来の野党もそうだろう。今後は、海外に自衛隊が派遣されるたびに、毎日野党は日報の公開を要求してくるだろう。そうなると政権は政治問題化を避けるため、自衛隊の海外派遣を控えるようになる。また、仮に海外派遣を決断したとしても、部隊運用への執拗な政治介入を許し、プロフェッショナリズムを害され、満足な活動はできなくなるだろう。
 
 こうした事態を避けるため、今回の日報問題を踏まえた文書管理のあり方まで、方針を決めるべきである。それこそが、稲田大臣がとるべき責任であるし、それを稲田大臣にしっかりとやらせ、提案するのが議会の仕事ではないだろうか。
 
 最後に、日報の情報公開のあり方について一案提示して、本稿を締めくくりたい。
 
 部隊がどこいるか補給物資や弾がどれくらいあるかといった部隊の安全に関わる情報が満載された何十ページにも及ぶ日報が、その都度、情報公開請求されれば、部隊には大きな負担がかかる。
 
 今回のように、その都度情報公開の判断をさせれば、部隊の活動の政治問題化、部隊への政治介入が起こり、部隊にも隠蔽のインセンティブが働いてしまう。このままでは現場の部隊が上級部隊に何も報告できなくなるだろう。
 
 そこで今後は、活動が終わった直後、あるいは年1回、活動終了後3年といった公開時期を設定し、あらかじめ公開すべき内容と非公開にすべき内容を定め、特異な事象が発生した場合には即公開するといった基準を設けるべきである。
 
 そうすることによって初めて部隊の活動の政治問題化、部隊への過度の政治介入が避けられ、政治の自衛隊海外派遣へのトラウマを克服し、現場部隊の隠蔽へのインセンティブを減じることができるのである。
 
 今後の議論が稲田大臣個人の問題に矮小されることなく、文民統制や日報管理のあり方、そもそも一義的な文民とは国民なのか、政治指導者なのかが議論されることを願ってやまない。

 

*   *   *   *   *

 

↓もあわせてぜひ読んでいただきたい。

 

田中角栄を葬った愚をくり返してはならない!http://oshosina.blog.so-net.ne.jp/2017-07-05


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めい

↑記事中《結城翁、今の国会、マスコミを見て「なんて的外れなくだらないことに時間を費やしているか」と嘆いているにちがいない。》

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590:飯山一郎 : 2017/11/27 (Mon) 23:48:01 host:*.dion.ne.jp 
『モリカケ疑惑の捏造は,朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪である!』(小川榮太郎,http://amzn.to/2gqMMyF
朝日新聞の報道犯罪は,モリカケ疑惑のデッチ上げだけではない.
慰安婦問題の捏造は,文字どおり国賊!売国奴!といえる報道犯罪であった.
朝日新聞は,慰安婦が日本軍,あるいは日本の官憲によって無理やり「強制連行」されたものだと(英文でも)喧伝しまくり,世界中に広めた.

朝日新聞が火をつけた「慰安婦問題」とは…,日本軍,あるいは官憲が,女性を強制的に連行して慰安婦にしていったという「国家の犯罪」である.
その根拠となったのが,吉田清治の虚偽の証言(『吉田証言』)である.
朝日新聞は,吉田証言を検証もないまま長期間,記事にし続けた(後々になってに取り消したが…).
朝日新聞の一連の報道により,韓国の世論は沸騰し,慰安婦強制連行問題で,日本は幾度も窮地に追い込まれてきた.
ワシは日本国民として,朝日新聞だけは絶対に許したくない!(と,ワシが息巻いても詮方ないが…ww)

きょう,いたくガッカリしたのは…
朝日新聞の(虚偽の)主張に同調するかのような↓↓『櫻井ジャーナル』の記事である.
    https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201711270000/
『櫻井ジャーナル』のインチキ性は,亀さんが見抜いていたが…
ヤツは本当に勉強不足だ.それ以前に,思想的にもコンコンチキのキツネの屁みたいな野郎だ.
ヤツには,2万円か3万円をカンパしたが…,なしのツブテ.礼儀も知らぬ乞食野郎だった.
ま,朝日新聞と櫻井ジャーナルは,軽蔑敬遠だな.

591:飯山一郎 : 2017/11/28 (Tue) 00:17:13 host:*.dion.ne.jp
>>590
『森友・加計事件』(小川榮太郎,http://amzn.to/2gqMMyF)は…
アマゾンで,ズーッと『ベストセラー1位!』
このことは↑↑モリカケ疑惑をデッチ上げてきた朝日新聞,菅野完,籠池泰典,民進党などの犯罪性を熟知している方々が,ものすごい数になっている!鼠~ことだ.
ちなみに…
「森友学園」への国有地売却問題で,会計検査院が,約8億円の値引きの根拠となったゴミ撤去費について「十分な根拠が確認できない」とする報告書を国会に提出したが…
これは↑↑会計検査院の「陰謀」で…,バックにはネオコン官僚がゐる! と考えれば,ウラのウラが見えてくる.
「8億円もの値引き」というが…,実態は,「価値のない土地」を1億数千万で,国は森友学園に売っている!
森友の隣接地も,同じように「価値のない土地」だったが…
国は豊中市には,公園用地として,最終的には2千万円で売っている.これは14億円の値引き!
それより,「森友疑惑」ってのは,じつは,「辻本清美疑惑」だ!ってこと.
このことは↑↑ネットでは常識だが…,安倍総理が「素っ気ない丁寧さww」で答弁しているのは,武士の情けかな?
いや,証拠ひとつ挙げることなくロクでもない国会質問が続く国会なんてものは,無意味な通過儀礼の場でしかないと,国会そのものを見限っている感じがする.
E~ことだwww

592:飯山一郎 : 2017/11/28 (Tue) 00:43:19 host:*.dion.ne.jp
>>591
「モリカケ」の最大の問題点は何か?
それは…
国会が立法府という本来の機能を失って…
イチャモン・難癖をつけて倒閣運動をする政局議院に成り下がってしまったことだ.
とくに本年,国会がヤッてきたことは「政治」ではなく,「政局」.

いまや,日本の政治に対して,国会は何の影響力もないし,存在価値がない.
現在の日本国において,政治を行っているのは,内閣と一部の高級官僚だけ!

いまの国会は,盲腸みたいだと言う人がいるが…,
実態は,盲腸どころか,盲腸の中に溜まっている老廃物みたいなもんだ.
腸の中に溜まる老廃物ってのは,早い話,ウンコだ.
「国会なんてのはウンコだ!」と言うと,お上品な良識派から顰蹙を買うので誰も言わないが…
ま,そ~ゆ~ことだwww

593:ぎのご怪獣 : 2017/11/28 (Tue) 01:14:20 host:*.eonet.ne.jp
森友学園の設置趣意書に、朝日新聞が可能性を指摘していた
「安倍晋三記念小学校」の記載がなかったことに、
麻生太郎財務大臣「この話は極めて簡単で書いてなかったんですよ。
朝日は書いてあるって煽った口だろ?そうだったじゃねーか。素直に言えや」
https://twitter.com/YES777777777/status/934073900299718659

594:堺のおっさん : 2017/11/28 (Tue) 02:16:27 host:*.ocn.ne.jp
>>592 御大
国会を、暴露・煽動・宣伝の場として利用するというのは
レーニン以来の伝統です。
それを継承するネオコンにとって、まともな国会論戦など
百害あって一利なし。
いかに政権が汚い存在かを国民に植え付ける場として利用するか。
権力を失ったネオコンが、権力の再奪取をもくろんで
モリカケに集中する目的はこの一点です。
したがって、何年でもやり続けるでしょう。
失うものが何もないからです。
権力を再奪取するまでやり続けるでしょう。

ならば、石破や子鼠を利用する変化球もありかなと思慮したのですが、
意味がないですな。

by めい (2017-11-28 03:54) 

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