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埼玉県白岡市の獅子博物館から [熊野大社]

獅子表紙.jpg3月30日のこと、獅子宿の渋谷さんが、埼玉県白岡市の獅子博物館の高橋裕一館長とフランス国立ケ・ブランリー美術館のジュリアン・ルソーさんと共に、熊野大社の獅子頭を見せて欲しいということでおいでになった。齊藤喜一頭取と鈴木信一総取締役と私とでご案内した。獅子博物館については10年以上前になるが、南陽市教育委員会の吉野一郎文化係長(当時)から聞いていた。ネパールに熊野大社の御獅子様のように頭に鏡が入ったものがあったということで、その写真をいただいたのだった。そこの館長さんということで、吉野さんのことを覚えておられ、私も初めてではないような親しみを感じた。その館長さんが作製された詳細な報告書が一昨日届いた。熊野大社についても多くのページが割かれてあり、貴重に思え転載させていただく。

「はじめに」で、今回の経緯がよくわかる。

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長井の黒獅子がフランスの国立ケ・ブランリー美術館に納められるまで

 高橋裕一が’14.6.1に開催した「第10回全国獅子舞シンポジウムin白岡」に出演した「小久喜ささら獅子舞jのYou Tube映像を見てフランスの写真家シャルル・フレジェ氏により'15.9.3この獅子の撮影が敢行され、同日「獅子博物館」も訪れた。写真贋は東京・銀座エルメスサロンの後、’16.7.フランス、アルルで開催され、写真集は「YOKAINOSHIMA」として刊行された。アルルの写真展を見たフランス国立ケ・ブランリー美術館アジア・コレクション担当学芸員ジュリアン・ルソー氏(37)は、フレジェ氏から高橋の「獅子博物館」を紹介され、’17.8.9ルソー氏は獅子博物館訪れた。ここで、渋谷正斗氏製作「長井の黒獅子」が同氏の目に止まった。
 パリのエッフェル塔の近くに位置するケ・プランリー美術館では18.4〜7にかけて開催予定の「妖怪と地獄」展で“悪霊退散”の一つの手法としての「獅子舞」として、「長井の黒獅子」を展示することとなり、要請に応えて、渋谷氏の黒獅子製作の見積もり提出を経て、’17.3.27.ルソー氏が来日。3.29渋谷正斗氏の「獅子宿」を訪ね、その展示の見学を始め、渋谷氏により、周辺の文化財、獅子頭、獅子舞練習などの見学案内があり、3.31には、本来の目的である、「長井の黒獅子」購入及びフランスヘの発送までを完了した。初日二日間は高橋裕一が同行し、当初、渋谷正斗氏への橋渡しを行った。全行程を通じて日仏国際交流の輪が広がった。
 この小冊子はその行程や高橋の記録等をまとめたものである。

2017.4.14
獅子博物館館長    高橋裕一

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↓以下は、熊野大社についての報告部分。(クリック拡大)

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獅子49-50.jpg獅子51-52.jpg獅子53-54.jpg獅子55-56.jpg

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山形新聞でも報道されている。
長井の獅子頭パリへ行く 新聞.jpg

長井の獅子頭、パリへ行く 渋谷さんの作品、美術館が買い上げ

2017年04月09日 10:14
フランスのケ・ブランリ美術館に展示される獅子頭。(右から)ジュリアン・ルソーさん、渋谷正斗さん=長井市上伊佐沢
フランスのケ・ブランリ美術館に展示される獅子頭。(右から)ジュリアン・ルソーさん、渋谷正斗さん=長井市上伊佐沢
 長井市で受け継がれてきた黒獅子舞の獅子頭が海を渡る―。フランス・パリのケ・ブランリ美術館は、獅子彫り工房「工芸舎獅子宿」(同市)の彫師・渋谷正斗さん(59)が手掛けた獅子頭を所蔵品として買い上げ、現地の企画展で展示することになった。渋谷さんは「これをきっかけに、伝統芸能の獅子舞に注目してもらいたい」と、海外からの評価が地域文化の振興につながることを期待している。

 同美術館は欧州以外の文明や文化を紹介するため、セーヌ川のほとりに2006年に開館。学芸員のジュリアン・ルソーさん(37)が、来年開催予定の企画展「Hell and ghost in Asia(ヘル・アンド・ゴースト・イン・アジア)」で展示する作品を求めて、去年夏に来日。埼玉県の獅子博物館を訪れ、約2千点ある展示作品の中から、渋谷さんが作った長井の獅子頭に“一目ぼれ”した。

 長井に伝わる獅子は、黒々とした本体に、白く長いたてがみをたくわえているのが特徴。丸い目や鼻は前に飛び出すように造形され、表情に迫力を持たせている。幕の模様は波頭。ルソーさんは「(長井の獅子の)デザインと、黒く塗られた顔と白いひげとのコントラストが好きだ。もちろん、文化的背景にも興味がある」と話す。

 その後、同博物館の高橋裕一館長から渋谷さんに「ジュリアンさんが獅子頭を購入したがっている」と連絡があった。そこから話が進み、先月下旬、ルソーさんが渋谷さんを訪ねてきた。渋谷さんのおいが通訳し、営むそばと餅の店「獅子宿燻亭(ししやどいぶしてい)」に展示してある獅子の中から、企画展の趣旨に合うものを選び、フランスへ送った。

 選ばれたのは奥行き約40センチ、高さ約30センチ、幅約35センチの獅子頭。左目が飛び出し、鼻筋が曲がっているなど黒獅子の源流・総宮神社(同市)の流れを受け継ぐ形をしている。

 企画展では日本と中国、東南アジアの作品500点ほどを展示予定。古代から現代までの鬼と幽霊などを紹介するという。来年4~7月に開催される。渋谷さんは「海外に長井の伝統の黒獅子を紹介できることは大変うれしい」と喜び、「展示をきっかけに、外国人旅行者が『ながい黒獅子まつり』に来てくれれば」と期待を口にした。


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