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遠のいた?イハトビラキ [現状把握]

一昨々日(12日)、「豊かになるには働けばいい。そう思える社会」への転回 と題して叡智が活きる明るい未来が見えてくる!「イハトビラキ」か。そう思いたい。》と書きました。一昨日(13日)提出したこども園卒園文集原稿は、若い世代に期待を込めつつ「明るい時代へ」と題し、私とは同世代トランプ大統領の出現によって、思いがけないほど世の中が明るくなりそうな気がしています。「正義」とか「民主主義」とかのきれいな言葉の裏で「経済第一」金まみれ、陰謀渦巻いていた世界が、思いっきりあけっぴろげになってきつつあります。一体これまでの世界は何だったんだ。どんどん霧が晴れて太陽がくっきり現れてきます。》と書きました。ところが昨日(14日)午後の「フリン氏辞任」の報によってにわかに暗転です。混沌への逆戻り、まさに「一寸先は闇」を実感しています。

《アメリカという国家は… またもや,戦争屋ネオコンが支配する国家に戻ったのです./小沢・鳩山が,せっかく政権を奪取したのに… 気がついたら… まわりは,仙谷や前原や枝豆みたいなネオコンばかり! あのときと同じ状況なのです.今のアメリカは….》

今日の題、「遠のいた?イハトビラキ」。「?」に、今後の展開への微かな期待を込めました。

【(追記 29,2,16) 「光の子」の原稿、上記部分、下記のように修正しました。
大きく時代が動き出しています。明るい未来へ向かうのか、重苦しく閉ざされる方向に向かうのか。私は古代神話の岩戸開きを思い起こしつつ、明るい未来に賭けています。思いが先か世界が先か、ニワトリが先かタマゴが先かのようですが、私は断然思いが先です。思うから世界はそのようになるのです。若い世代の思いがけない思いが時代を切開いてくれると信じています。》

以下、放知技板です。

*   *   *   *   *

874:ひろきりん : 2017/02/14 (Tue) 13:45:57 host:*.au-net.ne.jp
なにやら フリン氏が 辞任とのニュースが…
auニュースで流れてます!

877:堺のおっさん : 2017/02/14 (Tue) 14:24:02 host:*.ocn.ne.jp
>>874 ひろきりんさん
確かに辞任のニュースが。
CNNなどから。

トランプのツィートを待ちましょう。

878:飯山一郎: 2017/02/14 (Tue) 15:26:53 host:121.188.207.6
>>877
堺のおっさん
おべっか専門の側近にホダされて…
フリンの辞任を了解してしまうぐらいなので…
トランプの判断力は,かなり劣化してます.

アメリカ大統領ってのは…
ホワイトハウスの中の情報担当官が…
適宜,取捨選択した情報しか入ってこない…
トランプには,今は,ナマの情報が入らないのです.

『国防情報局(DIA)』の長官だったフリンがいたからこそ…
トランプも,ナマの情報をナマのまま分析できたのですが…
フリンの辞任で…,
トランプのツィートも,ズッコケてくるでしょう.

880:飯山一郎: 2017/02/14 (Tue) 15:59:11 host:121.188.207.6
>>878
フリン米大統領補佐官の重要な職務は…
ティラーソン国務長官(外務大臣)就任後は…
アメリカ国内の治安と警護(いずれも暗殺対策)だった.
そういうフリンが辞任させられたということは…
ソロスによる治安撹乱と大統領の警護態勢に…
クラックが入ったことになる.
「予定」どおりに…
大統領が,トランプから,マイク・ペンスに変わる…
そういう可能性が高くなっていく…と,
予想する向きが増えているらしい.
それで,東京株式市場は暴落したのだが….
こう鳴門,一寸先は闇! カオスが渦巻き始めたか?

882:飯山一郎: 2017/02/14 (Tue) 16:24:44 host:121.188.207.6
>>881
堺のおっさん 
フリンは「詰腹」を切らされたというのが真相のようです.
警護(暗殺対策)のプロが「現場」を離れてはいけません.
「ロシア制裁解除」の件も…,
トランプに意思と知恵があれば,守りきれる小事です.
しかしトランプは,甘官にホダされて,守りきれなかった.

トランプは…
忠臣・范増の辞任を止められず…,破滅していった項羽?

劉邦は,「自分は張良・蕭何・韓信を使いこなせたが…
項羽は范増一人守れなかった.これが項羽の滅亡した
原因である」と,ズバリ指摘しましたが…
今のトランプは,范増に去られたあとの項羽に似てます.
新井信介氏も,先ほどの電話で同じことを言ってました.

887:いづろぅずにぁ~ : 2017/02/14 (Tue) 17:54:40host:101.102.202.86
フリンの辞任報道、当初(本日13時過ぎ)CNNが報じたと聞いた時は「あ~、又始まった、どうせFAKEだろう、これでCNNはまたまた評価を落とす事になるべ~」って、脳天気に思ってたけど、さに有らず。トランプ政権に暗雲漂う。か?
アベッチと蜜月演出したまでは良かったが、アベッチがあまりに大層な「お土産」どっさり持って来て呉れて、慢心しちまったか?トランプ危うし。

889:しで爺 : 2017/02/14 (Tue) 19:04:29 host:*.bbiq.jp
国内問題に専念するためにも、過去の政権の負の遺産であるISだけは、ロシア、イランと共同で片をつけるという、断固たる措置を打ち出す以外、フリンを守る手段はなかったかもしれない。
このままネオコン・マスコミに突き崩されるのか、持ちこたえるのか、政権発足早々 大きな山を迎えました。 

891:飯山一郎: 2017/02/14 (Tue) 19:16:49 host:121.188.207.6
>>885
堺のおっさん
たしかにワシは,12月8日に↓↓不吉な予言をしました. 
>このあと,フリン中将がマスコミから集中攻撃を受けることに  
>なった際,トランプがフリン中将を守りきれなかったら…,
>トランプの内閣はズタボロにされるだろう.
>    http://grnba.jp/more92.html#zz12083
 イヤな当たり方ですが…,
 こうなった以上,ワシは…,
 「成り行きを見守る」なんてことはしません.
 トランプは,大統領にまで成り上がったが…,
 Wハウスに入ったら,まわりのスタッフは,ほとんどネオコン.
 キース・ケロッグも,イラクを破壊しまくったネオコン軍人です.
 牛~トランプ政権は,見限ります.見切り千両です.
 今まで買った株は…,
 アメリカの鉄道株も含め,全~部を利確します.
 そ~して,今後は,噴き値売り!に,ドテンします.
 政治の世界も,相場の世界も,変わり身の速さが勝負です.
 トランプも,あれよあれよと言う間に,変わってしまいました.
 アメリカも,今後は…,
 トランプやフリンが先月まで描いていたような理想国家には…
 牛~ならない.
 プーチンも習近平も,今夜は,作戦変更検討会議を開くハズ.
 安倍晋三だけは,トランプにズブズブになってしまったので…
 最悪は,トランプという泥船と一緒に沈没でしょう.
 ただし,いま,世界は,何事も,一寸先は闇!
 闇の向こうの遠方に,かすかに光るものが見えるのですが…
 あの光は何でしょう?
 凄く太った青年が,打ち上げ花火に火をつけている感じです.

902:飯山一郎: 2017/02/14 (Tue) 22:44:35 host:121.188.207.6
>>900
トランプ政権は「合掌」という「死に体」状態ではないです.
ただ…,
フリンを辞任させた勢力(ネオコン)が国家権力の中枢部に
巣食ってしまい,反ネオコン的な国づくりが出来ない体制に
一夜にして変質してしまった!ということです.

ソロスは,相場での致命的な損失によって自滅状態ですが,
あとはメキシコの麻薬マフィアの超強力な民兵軍事機関が
トランプ暗殺を成功させることだけが(ソロスの)最後の頼みです.

906:飯山一郎: 2017/02/14 (Tue) 23:20:08 host:121.188.207.6  
●今夜のNY株式は,「変わらず」程度で寄り付くだろう,と.
東京の大幅下落の原因は,「東芝」と「フリン」が原因だと…
日経新聞なども報じていたが…,NY市場はケロリとしている.

>マイケル・フリンゆうたらトラの子分の中でも図抜けとる.
>ゆうたらトラの中の虎や、後は何百匹おってもネコや
>虎の子の子分守れん親が何処に居るwww 
> http://zjshkd.blog.fc2.com/blog-entry-2784.html

 こう↑↑金玉紋次郎氏は書いた.
 けだし名言だが….
 「義」とか「侠」という観念は,トランプにはないのだろう.
 それにしても…
 トランプ政権には,ネオコン野郎だけが残っていて…
 さらに増殖中だ.

907:飯山一郎: 2017/02/14 (Tue) 23:31:08 host:121.188.207.6
>>905
すで爺さん 
>あとはメキシコの麻薬マフィアの超強力な民兵軍事機関が
>トランプ暗殺を成功させることだけが最後の頼みです.
 この↑↑「最後の頼み」とは,ソロスにとっての「最後の頼み」です.

 ネオコンにとっての「最後の頼み」も…
 (トランプが暗殺されて…)
 マイク・ペンスが大統領になることです.

 もはや,「反ネオコンの戦い」など夢のまた夢…
 今後は…,
 戦争屋ネオコンに,反ネオコンの連中が…,
 どんどんツブされていきます.
 フリンが一瞬でツブされたように.

 アメリカという国家は…
 またもや,戦争屋ネオコンが支配する国家に戻ったのです.

 小沢・鳩山が,せっかく政権を奪取したのに…
 気がついたら…
 まわりは,仙谷や前原や枝豆みたいなネオコンばかり!

 あのときと同じ状況なのです.今のアメリカは….
 
909:飯山一郎: 2017/02/15 (Wed) 02:14:43 host:121.188.207.6
●フリンが解任・更迭されて…
トランプ政権はネオコンに占領された状態になったが…
ユダヤ系のゴロツキみたいな連中もゴロゴロゐる.
先ず,フリンを斬った黒幕,極右の白人至上主義者,スティーブ・バノン.この男は,トランプ政権の獅子身中の虫,てか癌…鴨.
あと…,
トランプの娘イバンカと亭主のジャレッド・クシュナーと父親のチャールズ.多額の選挙資金を寄付したカジノ経営者,シェルドン・アデルソン.
皆ユダヤ系だ.
女ラスプーチンのケリーアン・コンウェイ.この女も豚でもない黒幕だ.さらに,
台湾人の女黒幕,イレーン・ラン・チャオ(趙小蘭),現在,運輸長官だが…
この女は育ちはE~が,対中国政策に関してはゴロツキに変身する…
上記以外にもゴロゴロいるが…,
スティーブ・バノンの存在は恐ろしい.
「トランプ革命」を滅茶苦茶にする黒幕だからだ.
現に,フリンを斬った張本人はバノンで,狂犬マティスもバノンの言いなり.
気がつけば…,ネオコンとゴロツキだらけのトランプ政権.
次にヤラれるのは,親ロアシの筆頭,ティーラーソンだろう.
ネオコンは,親ロシアだけは,絶対に許さない!
だから…,親ロシアの御本尊=トランプも,最後には,ヤラれる.

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めい

田中宇氏の見立て。https://tanakanews.com/
《フリン更迭の原動力は、軍産の圧力よりもトランプの意志》
急速に冷えてゆく「トランプ革命」への期待。

   *   *   *   *   *

◆従属先を軍産からトランプに替えた日本
 【2017年2月14日】 「対軍産従属」の日本政府は、トランプ当選までクリントン=軍産複合体だけを応援していた。トランプ当選後、急いで方向転換してすり寄ってきた安倍に、トランプが提案したのは「俺が再選して軍産潰しを続けられるよう、経済で協力しろ、そうすれば対米従属を続けさせてやる」ということだ。安倍は、この提案を了承した。今後、米国の対日貿易赤字を減らすため、円高ドル安が容認される。日銀は、米金融システムを支えるQEを続けつつ、これまでQEの副産物としてあった円安効果を殺していく。日本車の米国内での生産比率の引き上げも求められる。TPPより日本に不利な2国間貿易協定も提案されてくる。日本がこれらを拒否すると、やくざなトランプが再び日本を脅す。

◆フリン辞任めぐるトランプの深謀
 【2017年2月16日】 軍産マスコミと対立し続けてきたトランプは喧嘩に強く、微罪で側近を辞めさせる必要などない。フリン更迭の原動力は、軍産の圧力よりもトランプの意志だ。トランプは、対露和解とイラン核協定破棄という、米エリート層が許容できない2つの姿勢の主導役としてフリンを高位に据えた。そしてトランプは今、フリンの追放と同時に、対露和解とイラン核協定破棄の両方を棚上げする方に動いている。

by めい (2017-02-17 06:58) 

めい

最先端大局観。

   *   *   *   *   *

256:飯山一郎: 2017/02/24 (Fri) 00:33:54 host:112.166.192.107
 
☆『米国株、買い優勢で始まる ダウ42ドル高、根強い減税期待など支え』
【NQNニューヨーク=横内理恵】23日の米株国株は買い優勢で始まった。
午前9時35分現在、ダウ工業株30種平均は前日比42ドル03セント高の2万0817ドル63セントと、過去最高値を上回って推移している。
『日経速報ニュース』 2017/2/23 23:54

飯山一郎です.きょうは2月24日,時刻は0時10分です.(副島センセ風の書き出しwww)

さて,今夜のNY株の過去最高値更新は,ムニューチン財務長官が「税制改革が最優先事項」と述べたことに反応している.

これでムニューチン財務長官は,「口先だけで株価を上げ下げできる!」という実感を味わう体験をしたワケだ.

国家権力を持つ者の強みをシッカリと実体験したムニューチン財務長官.いっぽう国家権力と対抗しているジョージ・ソロス.この二人の実力の差は大きい.

ただしソロスも…,

フリン氏の後任として大統領補佐官に就任したマクマスター氏が,マケインという米国上院の戦争屋のボス議員と親交があるので…,ソロスとしては,トランプの閣内に地雷を仕込んだ実感をもったであろう.

いずれにせよ…,トランプ政権内は,現在,勢力争いが激烈化しており…,ムニューチン財務長官も,当然,その激烈な権力闘争の渦中に入ることになる.

ティラーソン国務長官は,トランプ政権内での影響力を日々下げており…,ムニューチン財務長官が,もし万一ハジかれる事態になると…,ソロスの影響力が強大になってゆく….

トランプ政権内の激烈な権力闘争の行方は,一寸先が闇!

トランプ大統領自身が,「病気」や「病死」という事態に追いやられる可能性すらあるのだ.


生死をも賭けたホワイトハウス・リング上でのバトル・ロワイヤル!

こ~ゆ~劇場型政治では,下手に激情したプレイヤーは負ける! 例えばトランプの娘,イヴァンカは激情型だ.

こ~なって,あ~なると…,
どこまでも冷静なティラーソン国務長官のリング内復帰も,あるいは,ある?

今の飯山一郎には分かりません.

このバトル・ロワイヤルを,最も真剣に観戦しているのはプーチン露大統領ですが…,彼も身内の有能な外交官が何人も殺(ヤ)られているので,穏やかではないでしょう.

by めい (2017-02-24 04:09) 

めい

伊東乾氏の大局観。今をどう見るかだけでなく、普仏戦における兵站の重要性、富岡製糸工場の背景等、目からウロコ満載の文章ですのでメモしておきます。

   *   *   *   *   *

夏目漱石、トランプ、ルペンに欠ける大事な視点
ネットワークでつながった世界を鳥瞰できる目を持とう
2017.2.24(金) 伊東 乾
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49263

 英国のEU離脱、米国での共和党保守重商主義政権成立と、まさかの国益背反・逆ねじ投票結果が続くなか、フスの大統領選で右派マリーヌ・ルペン候補が当選した場合、フランスのEU離脱、いわば「フレグジット」が現実化する可能性が検討されています。

 前回も触れた通り、覇権主義反対、フランスの独立を掲げ、マーストリヒト体制脱退を標榜する国民戦線が政権を担った場合、グローバル通貨ユーロからのフランスの撤退と古くて新しい通貨「フランスフラン」の復活という可能性が、決して絵空事でなく考えられます。

 ユーロ分解・・・。考えたくないシナリオですが、仮にそのようなことになれば、間違いなくドイツの経済力を背景とするユーロそのものが安値となり、また「新フランスフラン」は少なくとも当初はユーロより低価値から出発するしかありません。全面的な「欧州安」です。

 結果的に円は浮上せざるを得ないでしょう。

 他方、米国が保護貿易を徹底させるなら、ドル安ベースの政策展開は大きな可能性の1つと言わねばなりません。実際「ドルが高すぎる、もっと円高を」という圧力は様々な形で顔をのぞかせています。

 今回はユーロ~フランスとドイツに焦点を合わせ「結果的に円高」という状況で、日本にどのような可能性、選択肢があり得るのか、あるいはかつてあり得たのか、といったケーススタディを検討してみましょう。

 前回も触れましたが、フランスは1870~71年の普仏戦争でプロイセンに破れてしまいます。

 小ドイツ主義の盟主、プロイセンはナポレオンⅢ世を捕虜とし、第2帝政は極めてみっともない形で崩壊、一応の第3共和制体制に移行しますが、敗戦国フランスに降ってきたのは多額の賠償金請求でした。

 なぜフランスは負けたのか?

 ナポレオン以来、騎馬にまたがって全欧を席捲した「諸国民解放の国民軍」は、ラ・マルセイエーズを高らかに歌い、ライフルを手に軽騎兵が疾走していました。

 そのフランス軍が、貨車に積んだガドリング連発機関砲や弾薬の兵站、食料から軍事医療まで、すべてが鉄道の物流網で銃後の支えが完璧だった、鉄血宰相ビスマルク率いるドイツの前に、全く歯が立ちませんでした。

 折しも明治4年、東アジアでは日本が近代国家の幼い産声を上げた直後に、「エスプリ」の気概だけは高らかで、その実は丸腰に近かったフランスは、ドイツ重工業近代装備の前にひとたまりもなく、ナポレオンⅢ世の退位=退場とともに、プロイセンを盟主とするドイツ帝国の成立という雪辱を目の当たりにします。

 ここで敗戦国フランスは何をしたか?

 戦争に負けても、賠償金を支払うために国も企業もビジネス展開せねばなりません。そんな中で打たれた策の1つが、東洋で長く国を閉ざしていた「黄金の国」からの富の搾取だったわけです。

 敗戦直後から第3共和制フランスは明治新政府の「顧問」として「様々なアドバイス」を行い、蒸気機関で動くフランス製「自動撚糸システム」を売りつけて東洋のカネをせしめ、官製の「模範工場」を設立、稼働させ始めます。

 言うまでもなく「富岡製糸場」のことです。「女工哀史」などと言っていますが、実はここで搾取されていた女工は、欧州で戦われ、敗戦で背負い込んだフランスの賠償金のために奴隷労働なみの重荷を背負わされていた。

 もちろん日本側にも買弁はいたわけですが、グローバルな経済システムの動きを見ずに。センチメンタルな「哀史」ばかり考えていても、近視眼すぎて2017年の参考にはなりません。

 江戸時代から上州や埼玉で産出されていた上質な生糸は、繭玉からいきなり、蒸気稼働の撚糸機械で西洋被服の糸として製品化され、時差なく欧州へと輸出されました。

 フランスはここでも「あつものに懲りて膾を吹」きます。

 富岡や高崎で作られた絹糸、生糸は日本最初の民間鉄道「高崎線」で熊谷~赤羽へと運ばれ、縁起が悪いために空き地になっていた荒川・隅田川の合流息「小塚っ原」に運ばれます。

 明治以前は200年来、首切り処刑が行われていた場所ですね。私のコラムの長い読者の方向けに補足すれば、実はこの話題は「江戸の三色不動」のシリーズに直結しています。

 またこの、刑場跡地付近を近代合理主義が容赦なく活用した「隅田川貨物駅」から、船で積荷されて横浜まで運ばれるタイムロスを待つ忍耐が、フランスの「エスプリ」にはありませんでした。

 中仙道を江戸市中に入る入り口、板橋宿から都市部に入らず、外周を山沿いに迂回して、青梅街道中野坂上、甲州街道内藤新宿、中原街道目黒五反田と南下して東海道北品川宿までバイパスを作れば、そこから横浜まで真っ直ぐ生糸を運べます。

 こうやって誕生したのが「山手線」という連載のシリーズと、ここで話がつながっているわけです。

 「まあるい緑の山手線」の背景には、ドイツでいち早く進んだ鉄血宰相の物流ネットワークと、それでボロ負けした反動によってフランスで沸騰した鉄道投機熱、そして敗戦賠償金を回収するため、ヒステリックに強行された「富岡製糸場」以下、日本の軽工業化による欧州経済下部への組み込みがあった。

 類似する構造をいくらでも21世紀に指摘できるわけですが、それは少し後に回して、ここでは「ネットワーク化」の本線を掘り下げてみます。

国民国家と近代軍備

 ドイツの諸領邦では欧州大陸側で1830年代から鉄道網を敷設し、いち早く兵站のネットワークを完備し始めていました。

 列車に水や食料、兵員と機関砲など重火器を乗せて多面展開。これに対して、ナポレオンよろしく騎馬に跨り、シャスポーライフルでエスプリ高く飛び込んでくるフランス兵はまともに立ち向かえるわけもなく、五月雨式に撃ち殺されてしまいます。

 実はこれと似たことが日本でも数年後に起きます。鉄道網こそ完備していませんでしたが、戊辰戦争を「チェストー」と叫んで気力で勝った薩摩や佐賀などの「志士」たちは、西南戦争に代表される不平士族反乱で、明治政府軍が導入した近代重火器の前に、あえなく倒れて死滅します。

 明治10=1877年、何とか国内の反乱勢力を抑え切った新政府は、財政的にはほぼ失敗国家状態から再出発(松方デフレ政策などで対抗)、明治22年(1889)には大日本帝国憲法が制定され、その20条として、

20 日本臣民ハ法律ノ定ムル所ニ従ヒ兵役ノ義務ヲ有ス

 として「国民皆兵」の義務が明記され、2年後の明治27(=1894)年には日清戦争を起こしてこれに勝利しています。

 軍事や戦史に全く詳しくありませんが、このときの陸上軍備は基本的に、西南戦争に勝利したのと同じレベルの火器が用いられ、やがて三十式、三八式と世代交代、八幡製鉄所の開業とともに本格的に重工業近代国家を目指して日露戦争、第1次世界大戦と進んで行くのがアウトラインと思います。

 と言うとき、この「大日本帝国憲法」の「臣民」が問題になるわけです。

 町方名主の家に末子として生まれた夏目金之助は「砂利でうがいする」と称して「漱石」を号にする偏屈者でした。

 しかし、「四民平等」は百姓農民も商人工員もみな「武士」と同列になり、そこで武器も手にして自衛し、精神的に一本立ちするもの、と当初は喜んだ。本人は「北海道平民夏目金之助」を選択とも伝えられます。

 がその実はどうだったか。

 自分で道具を手にして立ち上がるという内発的な動機がある米国の独立、フランスの革命などに比べ、日清・日露の戦争で海外に出張って戦争して金儲けする・・・。「内発的な動機はいったいどこにあるのか!」という怒りですね。

 国家のご都合で拡張する覇権主義に対して、漱石はあくまで警鐘を鳴らします。

 実はこれと共通するものが、2017年からの米国共和党右派・重商主義新政権の指針にも、フランスの右派大統領候補の公約案にも見て取れます。

 「世界の警察官」を自認していた米国が、カビの生えたモンロー主義など持ち出して引き篭もりになるのは、覇権にもお金がかかりますという台所事情から、フランスのFNも中東などグローバルな紛争への影響行使に消極的なのは財政基盤が主要な理由の1つでしょう。

 数度にわたる「国民軍」の変質を21世紀の文脈で直視するのが重要と思います。

私は別段右翼でも左翼でもなく、非戦は徹底してハト派の考えですが、アフリカ紛争地域で遺体の山なども見てしまい、紛争の前線がどういう現実かは一定の認識も持つようにしています。

 漱石が言う意味での「内発的な」国民軍が、覇権的な金儲けに走ることなく、治安維持など自衛に徹するべきだ、外で戦争で金儲けしている奴は、自分たちだけで利益を独占するな、というのが、米国やフランスで台頭する保守右派と、夏目金之助の主張の共通部分であるように思います。

 どうかご注意いただきたいのですが、私はここで「トランプ阿呆」「ルペン問題外」といった意味のない決めつけた議論をしていません。選挙の顔というのはあくまで集票のためのキャラに過ぎません。現実の政治はもっと冷徹な利害で動くと見るべきです。

 では、かつて「明治の体制批判型右派」であった夏目漱石にせよ、米仏昨今の傾向にせよ、何が欠けているのでしょうか?

 ローカルな安心立命(と言うか営利と言うか帳簿が合うと言うか)を露骨に全面に出して生活の厳しい層から多数の票を集め、グローバルなバランス(パワーバランスから地球温暖化のような自然現象まで)には徹底して無関心という「アンバランス」が、1つの特徴になっているように思います。

 夏目漱石という人は、文豪、日本近代知の端緒のように美化されやすい傾向がありますが、明治維新の年に生まれて大正初期に49歳で亡くなった人です。

 辛亥革命(1911-12)はかろうじて知っていてもロシア革命(1917)も第1次世界大戦の終結(1918)も、シベリア出兵も金融大恐慌もファシズムもホロコーストも原爆も、すべて知ることなく、早くにこの世を去っている。

 死んだ人のことですから、無理は言えません。と同時に、漱石の見た世界像で、1945年以降のグローバルバランスを考えようとしても、無理があるのも当然でしょう。

 トランプ大統領やルペン候補の言い分で、一定理解もできる部分があるとすれば、それは夏目漱石に通じる「小さな則天去私」と思うのが妥当でしょう。

 則天去私とは、小さな私心にとらわれることなく、天命に任せて生きるという、漱石が晩年に理想とした境地とされる言葉です。なるほど、美しく響きます。

 しかし、パイプラインを敷き直し、石油を燃やしまくって「則天去私」では、成立することとしないことがある。悪くすれば、「即天」は「思考停止」に、「去私」は「無責任」につながりかねないことも、意識しておかねばなりません。

 グローバルなバランスの維持と主体的な判断に対する「思考停止」と「無責任」こそが、現下の右傾化に対して2017年初頭時点で私が最も憂慮する側面であることを日付とともに記して、右傾化や軍備増強などの「選択肢」からも目を背けず、21世紀の現状を引き続き検討してみましょう。

(つづく)

by めい (2017-02-25 05:34) 

めい

《日本の政治も、ねじれから本格的な「殺し合い」の段階へ入った。》
堺のおっさん、現在の政治状況をわかりやすく整理してくれています。
http://grnba.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16034724

   *   *   *   *   *

334:堺のおっさん : 2017/02/26 (Sun) 02:48:57 host:*.ocn.ne.jp
ネオコン VS ネオコンと手を切った安倍

この構図は、これからの日本の政治を塗り替えていく。その結果…

①自民(安倍)のネオコン化を促進してきた維新が消滅する。

②ネオコンの補完勢力であった公明党=創価学会は様子見をしているが、政策的に統一がなくなり衰退する。

③本当はネオコン系であった小池一派は、いち早く、風を察知し、石原を「殺す」ことで、反ネオコンに鞍替え。(この女、したたか)

④民進党は本性をあらわに、ネオコンの別働隊としての手ごまとなる。
その結果、政策的統一が取れず、分裂、自滅する。

⑤小沢さんも、④の流れの中で最終的に影響力を失い過去の人に。

⑥共産党は若干伸びるが、古典政党化し支持者の高齢化でいずれ消滅。

⑥次の解散総選挙の争点は、改憲か護憲ではなく、トランプ安倍連合か
ネオコン(反トランプ安倍)かになる。

大阪で身近に維新を観察する機会に恵まれているので、私自身は維新が嫌いかと言われれば、「大嫌い」だ。

しかしその感情を抜きにして眺めてれば、誰も気づかないところで維新の崩壊が始まっている。

安倍が反ネオコンへ舵を切ったため、安倍から見れば便利な露払いであった維新も、「変な集団」でしかなくなくなった。

そんな背景から見事なタイミングで「森友学園事件」が「発生」した。
それを、>>265 で書かせていただいた。

日本の政治も、ねじれから本格的な「殺し合い」の段階へ入った。
しかし、いまだに安倍はネオコン的な政策で進むとみる向きが圧倒的。

したがって、反ネオコン政策を部分的にひっこめながらも打ち出すトランプのアメリカは株価が記録的に伸びていく。

一方、内心はトランプ=反ネオコンに鞍替えした安倍は、看板の付け替え
まではまだしておらず、そのために日本の株価は上がらない。

しかし、ネオコンの怖さも熟知する安倍は、いつ薬を盛られるか分らない
ので、その対策を済ますまでは「看板ネオコン」「内心反ネオコン」
という大石内蔵助を続けざるを得ない。   いじょ。

335:堺のおっさん : 2017/02/26 (Sun) 03:11:53 host:*.ocn.ne.jp
このまま安倍が健在であれば、次の解散総選挙では信じられないくらいの
議席を自民党は得る。へたすると7割くらい獲得するのではないか?

その条件は、保守の反ネオコン勢力を糾合すること。すでに、その準備に
入っているがまだまだ時間がかかる。特に官僚の入れ替えがポイント。

そのため解散は結構先(へたすると来年、2018年末)になるが、そこまでに準備を整えれば、反ネオコンの安倍は圧勝する。

その結果、日本のネオコン勢力や、なんちゃってネオコンも影響力を失う。本当のスタートはそこからだろう。

※日本の政治家で真からのネオコンは少数と思える。大半は「なんちゃって
ネオコン」と観察される。当然、こういう連中は「なんちゃって反ネオコン」
にいつの間にかなるね。(爆)

by めい (2017-02-26 05:50) 

めい

《国家は昆虫が脱皮をするように抱える国民を生かす方向へ変化する。》
今の日本がまさに「昆虫脱皮」の最中なのかもしれない。新しい世界が開けるかもしれない。誰も想像していなかったかたちで。それがイハトビラキ。

   *   *   *   *   *

371:飯山一郎: 2017/02/27 (Mon) 11:03:09 host:218.150.171.17
●週明けの東京株式市場は,大暴落である.この原因は何か?
それは…,
112円を切って111円台にまで円高が進みそうなドル・円相場の状況だけではない!
どうも,なにかしら…,政治・経済の流れが激変する!
このことを↑↑東京株式市場が感じ取っている,先取りしているのではないか?

「政治・経済の流れが激変する!」 とは何か?
ひとつは,日本の政治の流れの激変?である.
つまり…,日本の政治が,安倍晋三総理の主導で,「トランプと組んで,半ネオコン&景気重視型の政治にする!」という新路線が挫折させられるのではないか? という懸念である.
もう一度言う,
安倍晋三総理が主導してきた「半ネオコン&景気重視型の政治」という新路線への切り替えが,失敗させられる!
このことを↑↑東京株式市場が先取りしているのではないか?

トランプ大統領の「組閣」も,異常に停滞している.
『米海軍長官候補が指名辞退 トランプ政権の人事停滞』
http://www.nikkei.com/article/DGXLAS0040001_X20C17A2000000/
こんな↑↑「就任辞退」が相次いでいる事態.
明日28日のトランプ米大統領の議会演説!
これは↑↑非常に重要な演説になるだろう.米国と日本の近未来を占う上で….

398:堺のおっさん : 2017/02/28 (Tue) 00:42:54 host:*.ocn.ne.jp
>>371 御大。
さりげなく書き込んでいるが、とても明瞭な概念を書き込んでいます。
それは、「半ネオコン&景気重視型の政治」という概念です。
いくら革命とはいえ、いきなりすべてをリセットできるわけではない。
途中の駅というか、通過駅というか、目標達成までの中間点を明確に
出来ない革命は必ず挫折します。
日本が目指す、6番目の国家像は「反ネオコン国家」。
これに至る過程では、「半」ネオコン的スパッと割り切れない時代を
通過するしかない。
しかし、トップが「反ネオコン」である以上、そこに向かっていくことは
止めようがないと。反ネオコン国家の実現に向けて、国民にも何かできることは具体的にあるはずだ。この思考が歴史を作ると確信する。

399:堺のおっさん : 2017/02/28 (Tue) 01:27:04 host:*.ocn.ne.jp
草莽崛起(そうもうくっき)」という、吉田松陰が提唱したスローガンがある。
吉田松陰の怪しさはさておき、この言葉はものすごく意味を間違えて流布されている。
武士や、貴族という既存の支配階級では、世の中ひっくり返らないから、それ以外の身分の者から変革を起こす。
その通りなんだけど、実際は、武士や貴族の一部プラスそれ以外の身分の一部。
草莽の身分がすべてを起こしたわけではない。
これは歴史を理解するうえで重要なポイント。下からの突き上げでことが起こった訳ではない。むしろ、奇兵隊などの組織化があって草莽の民も参画しえたのが事実。
実際、山県有朋などごく一部の隊員を除き、維新後すべて処分されている。
このように歴史の転換は、残念ながら上から起こるのが普通だ。
マルクスの階級闘争論が歴史の見方をゆがめた。国家は昆虫が脱皮をするように抱える国民を生かす方向へ変化する。

by めい (2017-02-28 06:18) 

めい

日本の役割。
《安倍首相は、ロシアとの対話を前進させる一定の白紙委任を受け取った》《安倍首相にとってロシアとの関係における優先事項はクリル問題に限られてはいない・・・シリアやウクライナの紛争を含む世界の主要な問題を解決するためにプーチン大統領と対話をするというトランプ氏の意欲にも同調》

   *   *   *   *   *

安倍首相はロシアとの関係を密にすることについてトランプ大統領の支持を取り付けた。しかもそれだけではない
2017年02月27日 21:59(アップデート 2017年02月27日 22:02) 短縮 URL
タチヤナ フロニ
2824114
https://jp.sputniknews.com/opinion/201702273381258/

安倍首相は、トランプ米大統領の支持を受けて「クリル問題」を解決する。ジャパンタイムズは、最近行われた安倍首相とトランプ大統領の会談後、このような見解をとっている。

クリルでの共同経済活動計画の本質は?
ジャパンタイムズによると、これはトランプ大統領との初会談から戻った安倍首相が自ら語ったことだ。安倍首相は、長引く領土紛争を解決するためにロシアとの関係を密にすることについてトランプ大統領の支持を取り付けたとの旨を述べた。
トランプ大統領との会談前に同氏の今後の対ロシア外交方針で安倍首相を最も不安にさせたものは何か?ロシア科学アカデミー極東研究所日本研究センターのワレリー・キスタノフ所長は、「スプートニク」に次のような見方を表した-

「安倍首相は、トランプ氏がロシアとの関係を改善する方針をとった場合、プーチン首相が日本を必要とする根拠が少なくなることを非常に懸念していた。その場合ロシアは孤立から脱するためロシアには領土問題の解決策を模索するインセンティブが低下し、日本はこの問題で何らかの譲歩をしなければならなくなる。だがどうやら今これらの懸念は安倍首相の中で二義的なものになった。安倍首相はロシアとの対話におけるトランプ氏側からの障害を一切感じなかった。またトランプ氏は、以前オバマ大統領が安倍首相との会談でいつも述べていたようなことを一切言わなかった。オバマ大統領は日本の首相にロシアとの関係を密にするための適切な時期を選び、G7の対ロシア制裁措置に抵触しないよう粘り強く助言した。だがトランプ氏はそのようなことを一切言わなかった。そのため安倍首相は、ロシアとの対話を前進させる一定の白紙委任を受け取ったと述べることができたのだ。」

注目に値するのは、ロシアに関する安倍首相の計画は巨大だということだ。キスタノフ氏は、安倍首相は4月にロシアを訪問する意向であり、9月には恐らく昨年同様ウラジオストクの東方経済フォーラムに訪れるだろうと指摘し、次のように語っている-
「今日両国にとって最も重要な課題は効果的な解決策を見つけること、いかなる法的根拠に基づいてクリルでの共同経済活動を実現するかということだ。私が知る限り、ロシア側の提案はすでに準備が整っている。それらはトルトネフ氏(ロシア極東連邦管区大統領全権代表)によって提案され、すでにロシア首相のテーブルの上にある。日本側からは、共同経済活動関連協議会が設置された。したがってメカニズムはすでに始動し、作業が進められている。」

注目に値するのは、安倍首相にとってロシアとの関係における優先事項はクリル問題に限られてはいないということだ。米国から帰国した安倍首相はメディアに対し、シリアやウクライナの紛争を含む世界の主要な問題を解決するためにプーチン大統領と対話をするというトランプ氏の意欲にも同調していると伝えた。

by めい (2017-02-28 06:44) 

めい

《トランプ大統領は事実上おしまいだ。たとえ彼が大統領の座に留まることが許されても、陰の政府の大統領というおかざりにすぎない。トランプ大統領は既に軍安保複合体に同調している。》

   *   *   *   *   *

マスコミに載らない海外記事
2017年3月 2日 (木)

ハルマゲドン復活
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/03/post-c46a.html

Paul Craig Roberts
2017年2月27日

“トランプ大統領チームとロシアとの間の不適切なつながりがあると主張する、アメリカ諜報社会による異常な漏洩キャンペーンは、緊張緩和を阻止することで、儲かる新冷戦実現を狙うものだ” - ガレス・ポーター

陰の政府が、ドナルド・トランプ大統領を去勢し、クリントンや、ジョージ・W・ブッシュや、オバマ政権時代に作り出されたロシアとの大きな緊張は、トランプ大統領が終わりにするという公約の息の根を止めるのに、わずか24日しかかからなかった。
トランプの24日間の国家安全保障顧問フリン元中将、そして暗に、トランプ本人に対する申し立ては、偽ニュースが産み出したものであることをガレス・ポーターが疑う余地なく示している。(http://www.informationclearinghouse.info/46546.htm)

オバマのCIA長官ジョン・ブレナンが、“売女マスコミ”と呼ばれるCIAに従順で無節操なマスコミに、何の証拠もない偽報告書を押し込んだ。その報告書が、それを正当化するのに“ロシアの脅威”が是非とも必要な、1兆ドルという軍安保複合体年間予算に対する脅威への、CIAによる反撃であることを、CIAの売女マスコミは知っていた。しかし、売女マスコミ、特にニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、CNN、MSNBCその他もろもろは、核大国間の平和より、CIAという連中のご主人に貢献している。アメリカなりロシアなり、いずれの核備蓄の10パーセントで、地球上のあらゆる生命を終わらせるのに十分だという残酷な事実にもかかわらず、アメリカと欧米マスコミが、平和より、ロシアとの対立に本気になっているのは興味深いことではあるまいか。

パトリック・ローレンスはこういっている。“我々の上の明かりはうす暗くなりつつある。事実上、無関心なものに化し、あらゆることがらで、我々に何も情報を提供できないことが明らかになっているマスコミに、我々は見捨てられたのだ。示唆されている通り、マスコミは、新聞や放送である以前に、クリントン風リベラルか、あるいは我々のために仕えるより権力の召し使いであるかのどちらかなのだ” http://www.informationclearinghouse.info/46532.htm

我々に残されたものは代替メディアしかないとローレンスは言う。“単純簡潔に言えば、連中が何かに対する‘代替’ではないことを、連中も我々も学ばなければならない。私が再三主張しているように‘代替メディア’などというものは存在しない。存在しているのはメディアに過ぎず、大半が、取り返しがつかないほど酷くなっている。”

代替メディアは、インターネット・メディア、このサイトや、RT、Intercept、USAWatchdog、Alex Jones、Information Clearing House、Global Research、Unz Reviewなどのウェブサイトだ。これらの自立したニュース・サイトが攻撃されている。200の“ロシア工作員/傀儡”リストを覚えておられるだろうか? 陰の政府が画策した“ソ連の脅威”の後釜たる、陰の政府’による『マトリックス』作品“ロシアの脅威”に同意しないあらゆる情報源が、閉鎖対象に選定されているのだ。どうやら、Alex Jonesは既にGoogleとの間で問題を抱えているようだ。いくつかのウェブサイトは、200のリストから外れることに成功したが、そうしたものは、反対派メンバーとしては潰れているように見える。

ナチスが言った通り、恐怖さえあれば十分で、それで人は崩壊するのだ。

トランプ大統領は事実上おしまいだ。たとえ彼が大統領の座に留まることが許されても、陰の政府の大統領というおかざりにすぎない。トランプ大統領は既に軍安保複合体に同調している。彼はロシアはクリミアをウクライナに返還しなければならないと言ったが、実際は、クリミア自体がロシアに戻ったのだ。彼はロシアとの新たな戦略兵器削減条約 (START)を否定し、核兵器の対等ではなく優位を望むと語っている。http://www.strategic-culture.org/news/2017/02/27/president-trump-decries-new-start-treaty.html アメリカ核備蓄改良用のオバマの1兆ドルはトランプで更に弾みがつく可能性が高い。

在任一カ月で、目標はロシアとの緊張緩和から緊張激化に変わった。間もなく、より大きな緊張が我々に降りかかる。ロシアが、シリアの再統一を支援するのを防ぐため、シリアの一部をアメリカ軍兵士で占領する計画がある。http://www.globalresearch.ca/rand-corporations-plan-for-dicing-up-syria/5577009 シリアの一部はトルコが、一部はクルド人が、そしてワシントンも一部をとる。こうして、ワシントンは、混迷を永遠に続けられる。ロシア人はこの問題を自ら招いたのだ。ロシアと提携したISIS駆除を希望して、ISISに対するワシントンの協力をもてあそんでいたのだ。トランプが実際大統領になった場合、想定されていたより良い関係にむけて、トランプがロシアに協力するという見込みは妄想であることが明らかになった。

新トランプ政権が、ロシア嫌いである以上にイラン嫌いなのかどうか判断するのは困難だ。イラン核協定廃棄と対立再開に対するトランプ政権の意欲は、ロシアとの更なる対立を意味する。ワシントンがロシアと中国両国への挑発を継続していることが、ワシントンとのより良い関係というあらゆるロシアの消えやらぬ期待をぬぐい去るだろう。

リベラル-進歩派-左翼が、トランプに反対して、戦争屋と連携しているのを見るのは奇怪なことだ。ネオコンが、レーガンとゴルバチョフが埋めた墓から、核のハルマゲドンを引きずり出し、アメリカ左翼は、ロシアとのより良い関係が目標だった大統領の弾劾を要求しているのだ。かつては労働者階級を擁護していた左翼が、今やアイデンティティ政治を擁護している。労働者階級に雇用をもたらすというトランプの目標は、左翼には感銘を与えなかった。左翼は連中が“人種差別主義者、女嫌い、同性愛嫌い、銃マニア”だと表現する“あわれむべきトランプ支持者”を破壊したがっている。アイデンティティ政治では、抑圧者集団たるホモでない白人の男性以外のあらゆる集団が被害者だ。

そうなると、世界覇権に向かってアメリカ外交政策を動かしているネオコン・イデオロギーに対する反対派はどこにいるのだろう? 我々のような人々は僅かにいるが、我々は“プーチンの手先”とレッテルを貼られてしまう。言い換えれば、ワシントンは、ロシアや中国やイランにまで覇権を確立するつもりはないかもしれないが、核戦争を挑発しようとする可能性があるのを理解するだけ十分な知性がある人々は、売国奴として追いやられてしまうのだ。

核兵器が作られてから半世紀以上たっても、まだ地球上に生命がある理由は、アメリカ大統領とソ連指導部が協力して緊張を緩和したおかげだ。この数十年間、飛来するICBMの無数の間違い警報があった。しかしながら、両国の指導部が核戦争を避けるべく協力していたおかげで、ソ連人もアメリカ人も警報を信じなかった.

現在、状況は大きく変わっている。過去の三人のアメリカ大統領、そして今やどうやらトランプも、二つの核大国間の緊張を高めるために尽力してきた。しかもワシントンは全く信頼できないと、ロシア政府を確信させる形で行われてきたのだ。トランプや彼の仲間とロシアとのつながりに関して、続いている悪意あるウソは、見え見えでばかばかしいほどだが、非難がウソであるにもかかわらず、トランプの国家安全保障顧問が首になったのだから、ロシア人は、次はトランプ本人かも知れないと見ている。

言い換えれば、アメリカでは、事実は結果にとって重要でないのをロシア人は目にしているのだ。ロシア人は、プーチンやウクライナやジョージアやヨーロッパに対するロシアの意図に関するウソで、既に経験済みなのだ。アメリカ政治家、売女マスコミや今回大統領選挙の民主党候補者から、プーチンは決まったように“暴漢” “殺人者” “新ヒトラー”呼ばわりされている。アメリカ人幹部将官連中が、ロシアは“アメリカにとって主要な脅威”だと発言している。NATO司令官は、ロシア軍はバルト三国および/あるいはポーランドをいつ何どき占領しかねないと断言している。これらのばかばかしい非難や予言は、欧米が欧米国民をロシア攻撃に備えさせていることをロシア人に示唆している。

そのように事態が緊張した状態で、間違った警報は一体どう解釈されるだろう? プーチンとロシアは悪の権化だと説得されたアメリカ人は、今回はニセ警報を信じるだろうか? 攻撃対象に仕立て上げられていると思いこまされているロシア人は、今度は警報は本当だと思うだろうか?

これは、狂ったネオコン、愚かなリベラル-進歩派-左翼、強欲な軍安保複合体、攻撃的な将官たちが、地球上の生命を曝している重大なリスクだ。

しかも、このリスクを警告するわずかな声は“ロシアの手先”と片づけられてしまう。

Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/02/27/resurrection-armageddon-paul-craig-roberts/

by めい (2017-03-03 07:34) 

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