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「いじめ」問題、山形県認知件数全国第3位 [教育]

いじめ 15年度文科省調査.jpgいじめ 問題行動調査.jpg

今朝の山形新聞一面、「三笠宮さま逝去」の記事に並んで「いじめ最多22.4万件」の見出し。都道府県別のいじめ認知件数グラフを見ると山形県は京都、宮城に次いで第3位。しかし25面関連記事の中に「本県のいじめの認知件数は5888件で3年連続で過去最高となった。独自アンケートを通じ積極的な掘り起こしに努めていることが要因。」とある。おそらくそういうことだろう。概ね同意する。実はこのところ「いじめ」に関心が向いていたところだった。


青野さん全国へ.jpg

25日の山形新聞で「少年の主張 青野さん(南陽・沖郷中3年)全国へ」の記事を見てうれしかった。102日(日)の山形新聞で青野さんのメッセージを読み感動して、こども園のみんなにも読んでもらいたくて翌朝の朝礼にコピーを持っていった。12日、赤湯小での「”いじめ・非行をなくそう”山形県民運動標語募集」の入賞者表彰伝達式でも青野さんの最優秀賞が話題になった。青野さんは910日の「小中学生議会」での登壇者のひとりだ。「市報なんよう」101日号に載っている。

青野瑞希小中議会.jpg



「めでたし、めでたし」なのかというと決してそうではない。このメッセージにグサッとくる人もあるはずなのだから。「スクールカースト」に学校現場の異様な空気を感じた。あえて「異様」と思いたいと思った。良い方向に向かう出発点は、異様を異様と思えるところにある。青野さんのメッセージをハッピーエンドで終わらせてはならない。大きな問題提起として受けとめるべきと思う。青野さんのメッセージ評価は青野さんの周囲に少なからず波紋を起こしていることと思う。そこを予期して青野さんを送り出した沖郷中を評価する。波紋への対応に注目したい。

 

「”いじめ・非行をなくそう”山形県民運動」と銘打った標語募集が全県的に行われている。地区長連絡協議会長の宛職のひとつで、南陽市青少年育成会議の会長の役が廻って来て、南陽市小中学校全員から集めた標語の中から副会長と半分ずつ手分けして、いいと思うものを選んでくれとの依頼があった。以下、私が選んだもの。()内数字は当該校の提出数。その数の中から1点選ぶ作業だった。別に規準もなく選んだのだが、選んだのを見るとそれぞれ体験の裏打ちを感じさせられる。宮内小はどっちも捨てきれず2点選ばせていただいた。

 

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ごめんねは 早めに言おう 自分から   赤湯小2ねん2くみ さいとうりさ(163

はーいとありがとう いじめをなくすおまじない  漆山小2年 うめつかいと(47

ごめんなさい けんかしても なかなおり  荻小1年 たんそうへい(9

やめようよ といえたときこそ おともだち  沖郷小21組 とがしみお((207

いじめといじわるおなじだよ  中川小3年 大沼ゆうき(20

「おはよう」と 元気にあいさつ いじめなし  梨郷小2年 金子奈生(26

いじめても いじめられても こころがいたい  宮内小21組 髙橋洋仁(172

自分がされて気づいたよ、わたしはしないぜったいに!!  宮内小32組 こん野もか(172

やる人も 見ている人も 皆いじめ  赤湯中22組 川崎優希(306

偽りの笑顔は いじめのメッセージ  宮内中23組 樋口遼也(249

 

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青野瑞希最優秀メッセージ.jpg

青野さんのメッセージ、そっくり載せさせていただきます。

 

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「『伝える』ことで、つながる心」

青野瑞希

南陽市沖郷中3年


 私は無理やりにでも、多くの人に好かれたかった。でも、そのことにばかり執着したために、私のきてしまう、地位の差。

 私は中学生になり、スクールカーストの最低ランク、いわゆる「3軍」になることを極端に恐れ、友人と一緒になって3軍とされている人への嫌がらせを、繰り返していた。みんなに嫌われたくないから、誰か1人を嫌う。でも・・・。いつのまにか、孤立していたのは私の方だった。ある日、みんなやっているからと学校の約束を破ったため、部の先生から厳しくしかられ、私が反省するまではと、私に話しかけないようにという指示が、部員に出されていた。それから1人でいるようになった私を、面白がってみていたクラスメートの言葉が、耳に入ってきた。「あいつ、もう3軍じやん」。以前そ友人に「3軍はいじめの対象だ」と言われたのが、よみがえってきた。本当に怖かった。今まで仲良くしていた友人が、ほんの一瞬で離れていく感覚が・・・。それから、教室に入るのすら怖くなり、

2ヵ月間、別室登校が続いた。どうにか教室に戻ってこられても、その友人たちとの会話は無かった。私は思い知った。人を見下すことで芽生えた仮初めの仲間意識は、こんなにももろかったのだと。何を信じればよくて、誰に助けを求めればいいのか、わからなかった。

 本当の友人とは、なんなんだろう。そんな思いのまま冬が過ぎ、2年生のクラス替えを迎えた。そこで出会ったのは、表現豊かな人だった。たくさんの気持ちを、私に伝えてくれた。その中で、この人をもっと知りたいと思うようになった。秋の生徒会役員選挙でその友人が委員長に立候補するため、私に責任者をしてほしいと言ってくれた。私のことを頼ってくれる、信用してくれている。そのことが、本当にうれしかった。そして知った。私は、人に好意を伝えていなかった。好きだとか、信じてるとか、伝えることを後まわしにして、とにかく「友達の数を増やす」ことしか考えていなかった。友情や信頼なんて、うわべだけのものだと思っていたけれど、実際は、私がそれをつくっていこうとしなかったのだ。彼女のような心から信頼できる友人に出会ってからは、スクールカーストなんてどうでもよくなった。スクールカーストができてしまうのは、心許せる友人がいない焦りや孤独感から生まれる「ひとりぼっちになりたくない」という気持ちからなのかもしれない。

 3年生になって私は、学校のボランティアサークルに入り、小学生に算数を教えたり、盲導犬の募金活動をしたりしている。一つ一つがとても楽しくて、自分がやりたくてやったことは、こんなにも充実感があるのだと、初めて気づいた。

 みなさんの中に、ただまわりに合わせて、自分の気持ちを隠している人はいないだろうか。本当に心許せる友人は、自分の思いをちゃんと相手に伝えることでできるもの。そしてそれが、スクールカーストを断ちきる第一歩だ。私はこれからも、自分の言葉で、行動で、思いを伝えていく。心と心をつなげるために。


 


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めい

今朝(10月29日)の山形新聞「談話室」です。

   *   *   *   *   *

▼▽「あいつ、もう3軍じゃん」。3軍はいじめの対象を意味する、″スクールカースト″を題材にした中学生の弁論を聞いて衝撃を受けた。スクールカーストは生徒間の序列を表す造語。県少年の主張大会での一こまだ。
▼▽全国の学校が昨年度に把握したいじめ件数は、過去最多の22万4千件。文部科学省の問題行動調査で分かった。内容は「冷やかしや悪口」が63・5%で最も多かった。千人当たりの件数で山形県は48・4件で、都道府県別にみると京都府と宮城県に次いで全国3番目の多さ。
▼▽件数増加について文科省は、学校が積極的にいじめを把握した結果と受け止めている。以前より調査の精度が上がり実態に近づいたということか。言うまでもなく大事なのはその先だ。水面下の深刻ないじめをどう掘り起こし声なき声をすくい上げていくか、正念場は続く。
▼▽冒頭の弁論は南陽市沖郷中3年青野瑞希さん。スクールカーストを断ち切ること、上辺でなく本当の友人関係を築くことの大切さを訴える。体験者だけに説得力がある。青野さんは全国大会出場が決まった。3軍、スクールカースト。そんな差別は一掃しなければならない。

by めい (2016-10-29 06:14) 

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