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天皇は日本だけの天皇ではない [日本の独立]

山本太郎議員の参院特別委員会質疑を聴いた。


イラク戦争に於けるアメリカ軍の暴挙の数々、ゲーム感覚での人殺し、民間人宅に侵入しての11人殺害、生々しいファルージャ攻撃の実相を語る山本議員の迫力。しかし安倍首相は「実態を承知しないのでコメントできない」と逃げまくる。「それでは総理、広島、長崎への原爆投下、東京大空襲、日本各地での空襲、民間人50万人以上の無差別殺戮、これは戦争犯罪ではないんですか、総理。」この追究に総理は答えず、岸田外相が答弁。


山本太郎議員「総理は宗主国に対して何も言えないんですね。」


70年経った敗戦国日本、敗戦の重みを日本人は巧みにすり抜けながら70年を過ごしてきたのではなかったか。経済の成長に酔い痴れつつ、「敗けてよかった」という言葉がいかにも賢(かしこ)げに語られた時代がずっとつづいていた。そうしていつのまにか、宗主国アメリカに首根っこをつかまれて、理の通せぬ国になってしまっていた。そのことをまざまざと見せつけられた今日の質疑であった。

 

与えられた短い質問時間(17分とか)にぐいぐいと問題の本質に入ってゆく迫力ある山本議員の質問の興奮を書き留めておきたくて、聴き終わってすぐ(6時の定時ニュースのため、イラク戦争検証のための第三者委員会の設置を求めたところで中断されたのだが)、強烈な記憶のままに書きはじめつつ、山本議員の果敢な姿勢に触発されたか、なんとか自分の中で決着つけておかねばと思っていることに踏み込むことにした。

 

実はこのところずっと、昭和天皇の「原爆投下はやむをえないことと、私は思ってます。」(1975年10月31日の記者会見発言について考えていた。

 

昭和天皇の原爆容認発言について、私の中で問題として意識されるようになったのは、「アルルの男」こと中田安彦氏の文章を読んでからだ。2007815日か。中田氏曰く、

 

《この会見の場で、「エ・・・・エ・・・・エ・・・・投下された、ことに対しては、エ・・・・・、エ・・・・こういう戦争中で、あることですから、どうも、エー、広島・・・・市民に対しては、気の毒で、あるが、やむをえないことと私は思っています」と昭和天皇はコメントし、いきなり話題を変えて、「テレビは観ておりますが、放送会社の競争が激しく・・・」という意味不明のコメントを発して、原爆コメントを吹っ飛ばしている。これは動画で観られるとおりである。この動画を観て、「なんだ、昭和天皇はこの程度だったのか」とガッカリした覚えがある。いわゆる「現代史家」が神格化している昭和天皇は偶像であると私自身が気が付いてしまったのだ。 ・・・私(アルル)も、天皇教信者だったようだが、「原爆しょうがない発言」でようやく、脱洗脳をしたと思っている。天皇は、あくまで普通の戦争指導者だったんだろうなあ、とこう思わないわけにいかない。そして、やはり昭和天皇は、戦争の責任によって退位するべきが当然で、それをさせなかったアメリカは問題をこじらせたから悪い、ということになる。日本は総括させてもらえなかったということになる。これが今の戦争責任問題をめぐる不毛な「勝った、負けた」の論破合戦になっていると思うのである。》

 

自分の中でどう決着をつけるか、ずーっと心にかかっていたが、そのもつれの糸口が、最近見えかけたような気がしていた。


昨年、長谷川三千子氏の『神やぶれたまはず』を読んでこう書いた。2014.1.4

 

日本人にとって、昭和20815日のあの一瞬ほど重大な「精神史」的体験はない。

《昭和208月のある一瞬――ほんの一瞬――日本国民全員の命と天皇陛下の命とは、あひ並んでホロコースト(供犠)のたきぎの上に横たはっていたのである。》(p.282

この瞬間こそまさに、「神人対晤」(三島由紀夫『英霊の聲』)の至高の瞬間であった。

《大東亜戦争敗北の瞬間において、われわれは本当の意味で、われわれの神を得たのである。》(p.282

その意味するところ、「イエスの死」に通ずる。すなわち、《「イエスの死の意味」とは、(単にイエスが起こしてみせた数々の「奇蹟」とは違って)まさにキリストが自らの命を差し出すことによって、神と人との直結する関係を作り出した、ということであった。》(p.278) キリスト教は、この一回限りの事件に「超越的」意味を付与することで「神学」を生み出した。とすると、われわれはあの一瞬の出来事に如何なる意味を与えることで「神学」を打ち樹てることができるのか。「あの瞬間」からどのような「超越的原理」を抽き出すことができるのだろうか。

 

こうも書いている。2014.1.10

 

昭和208月のある一瞬――ほんの一瞬――日本国民全員の命と天皇陛下の命とは、あひ並んでホロコースト(供犠)のたきぎの上に横たはっていたのである。》(p.282

国民は、その一瞬が過ぎるやたきぎの上からたちまち降り立ち明日から生きてゆくための行動を開始した。薪の上に載った一瞬などその時だけの一瞬に過ぎない。そんな記憶は時間と共にどんどん遠ざかってゆくだけだ。そうしてあっという間に68年が過ぎてしまった。

しかし、国民にとっては「ほんの一瞬」であった 「この一瞬」は、昭和天皇にとってはその後の生を通して背負い続けなければならなかった「永遠の一瞬」だった。

いまあらためてあの一瞬からいままでの時の流れをふりかえるとき、あの一瞬が夢だったのか、はたまたあの一瞬を忘れて過ぎ去った68年の時の流れが夢だったのか。長谷川氏の「神やぶれたまはず」を読んだいま、私には過ぎ去った68年の方が夢だったのかと思えてしまう。

昭和天皇はその間、われわれにとってたちまち過ぎたあの一瞬を夢ではない現実として、たきぎの上から降り立つことのないまま昭和を生きて、平成の御代へとバトンを引き継がれていったのではなかったか。薪の上に在りつづけた昭和天皇のお姿こそが夢ではない現実ではなかったのか。そのことを抉り出してみせてくれたのが、他ならぬ「神やぶれたまはず」であった。民よ、再び薪の上に戻れ。そこで「神人対晤」のかけがえのなさを知れ。確たる現実はそこからしか始まりようがない。さもなくば日本人の精神はとめどないメルトダウンに抗すべくもなし。あの一瞬に目を瞑っての日本再生は、かつて辿った道を遡る道に過ぎない。

 

そしていま思う、あの記者会見の天皇はまさに薪の上に在る天皇の姿ではなかったかと。敗戦前までの凛とした軍服姿と戦後の天皇のギャップ、それは祖父にもいえるし、あるいは高橋正二氏にもいえるかもしれない。薪から降りきれなかった人たち、その他にも思い浮かぶ人がいる。

 

しかし、中田氏が自らの「天皇教からの脱洗脳」を言う時、奥がある。

 

《ソヴィエトが参戦しようが、しまいが、原爆は確実に広島と長崎に落とされることになっていた。すべては、原爆で金を儲けようとする悪しき集団がなせる行為であった、……そのためにスティムソン陸軍長官が指揮をとり、大統領、国務長官、科学者、軍人たちを動かした。それだけでは原爆は製造しても投下できない。それゆえに、どうしても落とされる側の協力が必要であった。》(鬼塚英昭著『原爆の秘密 国外編』

 

その、「協力した落とされる側」に天皇も在ったという、天皇への悪意をこめた鬼塚氏の追究私も鬼塚氏デビュー当時、熱心な読者であった。「真実を知りたい」、その思いからだ。

 

それらもまるごとふまえた上で私は、「天皇の視点」に思いを致す。天皇は日本だけの天皇ではない。日本のみに閉じこもっていては決して視えない「天皇という存在」があるのではないか。この視点は落合莞爾氏の問題にもリンクする。 

 

このことはいま考えはじめたことに過ぎない。ただたしかに、燭光はほのみえる。

 


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めい

8/25参院特別委員会質疑記録です。

   *   *   *   *   *

2015.8.25安保特「原爆投下や空襲は戦争犯罪・国際法違反か?」の質問に、答弁回避の安倍総理  参議院議員 山本太郎
http://www.asyura2.com/15/senkyo191/msg/447.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 8 月 26 日 17:00:20: igsppGRN/E9PQ

https://www.taro-yamamoto.jp/national-diet/5106
2015年08月26日 参議院議員 山本太郎 国会活動

【速報】山本太郎8/25「総理との一騎打ち 」【全19分】

○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたちのお時間がやってまいりました。共同代表の山本太郎と申します。よろしくお願いいたします。
本日の質疑は十七分しかありません。中谷大臣、岸田大臣、御安心ください。本日は総理との一騎打ちであります。後ろの方、是非助太刀はおやめください。よろしくお願いいたします。(資料提示)

以前、7月30日、本委員会での私と安倍総理との質疑の中で、戦争にもルールがあるというお話になりました。民間人の殺害、軍事施設以外への攻撃、捕虜への拷問などの禁止、これは完全な国際法違反です。それらを禁止したものがジュネーブ諸条約、国際人道法などであり、日本はこれらの条約を批准しています。我が国はルール違反を許さない立場であります。
総理、我が国は、ジュネーブ諸条約、国際人道法など国際法に違反する他国への支援、協力は行わないということを総理のお言葉で確認していただけますか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自衛隊が活動をするに当たって、国際法を遵守し、国際法上違法な行為に対する支援を行わないことは当然なことであります。
ある国がジュネーブ諸条約を始めとする国際人道法に違反する行為を行っている場合、そのような行為に対して我が国が支援や協力を行うことはございません。

○山本太郎君 ありがとうございます。
続きまして、安倍総理、日本が支援、協力を決めた同盟国が民間人の殺害を繰り返すような戦争犯罪を起こし、自衛隊員がその共犯者になることがあってはならないと考えます。総理ももちろん同じ考えですよね。同じ考えであるかないかだけでお答えいただけますか。ありがとうございます。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 仮にある国が国際人道法上の原則に違反する行為を行った場合、我が国がそのような行為を支援することがないのは当然であって、自衛隊が御指摘のような共犯者になることはございません。

○山本太郎君 ありがとうございます。
総理、米軍がジュネーブ諸条約を始めとする国際人道法違反を行った場合は、たとえ米軍でも、米軍であっても、支援、協力はしないということでよろしいでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、自衛隊が活動するに当たっては国際法を遵守し国際人道法に違反する行為に対する支援を行わないことは当然のことでありまして、これは支援対象国のいかんにより変わることはありません。

○山本太郎君 ありがとうございます。
少し安心しました。ルールにのっとって物事を進めていくんだという安倍総理の理念、お聞きすることができたと思います。

では、何が戦争犯罪なのか、どこが国際法違反なのか、その線引き、どんな感覚で行われるのかという、幾つかのケースをもって最高責任者である安倍総理にお聞きしようと思います。

イラクの戦場にも足を運ばれましたフリージャーナリスト志葉玲さんの資料では、2006年3月15日、イラク中部のイシャキ村で起きた一家惨殺事件の例が挙げられています。ウィキリークスによって流出した米軍の内部文書、現地報道などによると、手錠を掛けられ無抵抗な状態で家にいた11人を米軍は銃殺。この事件、地元テレビでも報道され、その映像はBBC、CNNなど欧米メディアも伝えましたが、日本のメディアはこれらの映像を全く使わなかったそうです。

この事件について、米軍はメディアに対し、イラクのアルカイダネットワークの支援者を捕まえるために民家を攻撃したんだ、敵から銃撃を受け、兵士たちは応戦した、そのように主張しました。
そう聞くと、一瞬、ああ、なるほど、テロリストの掃討作戦だったのねって思っちゃいますよね。でも、米軍が踏み込んだのは、そして殺害に及んだのは、地元小学校の教師であった当時28歳、ファイズ・ハラットさんの家でした。米兵に殺された中には、生後5か月、3歳、5歳のファイズさんの子供たち、そして3歳のおいっ子、五歳のめいっ子も無慈悲にも殺害されました。被害者の中には、家を訪ねてきていた若い男女もいました。この二人は婚約者同士、次の週に結婚する予定だったそうです。
地元の警察の報告によれば、子供や女性たちも手首を縛られ、目隠しをされた状態で殺害されていた。また、米兵たちは、ファイズさんらを殺害後、家を爆破した上、家畜までも殺していったそうです。
総理、これ戦争犯罪ですよね。国際法違反ですよね。いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、山本議員から御紹介した事案について私は承知をしておりませんので、今ここで論評することは差し控えたいと思います。

○山本太郎君 当時、小泉内閣の官房長官であった安倍総理なんですけれども、これ一般論で答えてくださいよ。今のケースで分かるでしょう。後ろ手に縛られて無抵抗の状態です。頭にも布を掛けられていた。11人殺された。子供も含まれている。この状態、普通に言って戦争犯罪じゃないですか。国際法違反じゃないですか。いかがでしょう。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 実際そういう行為が行われていたかどうか、今私は、私自身確認のしようがございませんので、米軍の行為として今例として挙げられたわけでございますので、それについて確認しないでお答えすることは差し控えたいと思います。

○山本太郎君 なるほど。二つ考えられると思います。一つは逃げた。そしてもう一つは、本当にその事件を知らなかったから答えようがない。その二つのいずれかだということだと思います。
では、パネルお願いいたします。
本日この時点から使用するパネルの全ての写真は、デイズジャパン、フォトジャーナリスト広河隆一さんが撮影されたものです。

先ほどお伝えしたエピソード、イラクでは特別珍しいお話ではないそうです。イラク全土、罪のない子供や身内、友人を米軍に虐殺された人々が大勢いらっしゃいます。米軍は、イラク戦争、アフガン戦争、テロとの闘いという名の下に国際人道法に違反する数多くの戦争犯罪行為を行う戦争犯罪常習国です。

次のパネルをお願いします。

米軍による民間人が暮らす地域への空爆、市民への殺害など度重なる非人道的行為にイラクの人々は疑問を持ちます。モスク、礼拝場ですよね、モスクに対する攻撃、子供たちの学校を占拠し、その正面に戦車を置いて米兵が駐留したことに憤りを感じたファルージャのお父さん、お母さんたちは、学校の占拠はやめてくれとデモを行います。そのデモ隊に対し、治安の安定化と称し、米軍は鎮静化に動きます。米兵の威嚇発砲にデモ参加者が驚き、民家の中に逃げ込み、その後を数人の米兵が追いかけて、家の中でデモ参加者を射殺。民主的な行動で訴えを起こす人々に対して乱暴ろうぜきの限りを尽くす米軍への反発で日に日にデモの規模、膨れ上がっていきます。すると、米軍は直接参加者を銃で撃つようになっていったそうです。米軍は占拠した学校の屋上に土のうを積み上げ、住民を狙撃する拠点をつくったそうです。
そして、2004年4月に続き、米軍は大規模な作戦を展開。ファルージャ総攻撃、御存じですよね、皆さん。報道陣は町からシャットアウトされます。米軍は町を完全に包囲します。人々が町から出れないようにし、食料や医薬品も外から供給できない兵糧攻めの状態をつくりました。完全に遮断された状況にしびれを切らせた四十名を超えるイラク人、医療関係者が医薬品を持ってバグダッドから駆け付け、ファルージャ総合病院を目指しましたけれども、十七名の医療関係者は米軍に射殺されました。
2004年11月、完全包囲されたファルージャの町に激しい空爆、砲撃始まります。ファルージャ総合病院は米軍に占拠されました。市内にあった二つの診療所は米軍が空爆しました。米軍の空爆によって火事が起きた場所、そこで消火活動をしていた地元の消防士、警官までも米兵は攻撃しました。夜間外出禁止という理由からです。

この頃のイラク、米軍の上層部から各兵士に命令される交戦規定、戦場のルールですよね、交戦規定は毎日のように、下着を着替えるように、振り向くたびに、次々とこの交戦規定が変わっていったといいます。攻撃されていなくても不審な人物と思ったら発砲してよし。不安を感じたら発砲してよし。目が合えば発砲してよし。イスラム教徒の衣装の者は敵対しているとみなして撃ってよい。路上にいる者は全て敵の戦闘員とみなせ。息をしている者は全て撃て。

冬の兵士、良心の告白というDVDで証言するファルージャ攻撃に参加していた元海兵隊員は、空爆、砲撃が続いていたある時期、ファルージャの住民に対し、米軍は、14歳以上の男子を戦闘可能年齢とし、町から出ることは許さず、それ以外の子供や女性を外に出そうとしたといいます。男性の家族と別れるか、若しくは死を覚悟して一緒に残るか、究極の選択を米軍は迫りました。14歳以上の男子、戦闘可能年齢として避難をすることを米軍は許しません。米軍から確実に攻撃を受ける場所に中学生、高校生くらいの息子を置いて母親が避難できますか。少年や男性だけを残して避難できなかった、そんな人々がたくさんその場にとどまり、実際に町から出たのは僅かな老齢の女性たちだけでした。

2004年の最初のファルージャ攻撃では700人以上が殺害され、2回目の11月、ファルージャ総攻撃では行方不明者は3千人に及び、6千人もの住民が殺されたと言われます。中には白旗を握り締めたままで発見された少年の遺体もあったそうです。

次のパネルをお願いします。

このような一般市民に対する虐殺、イラクのあちこちで起こっていた現実。このパネル、子供専用墓地だそうです。戦争前から存在するものでしたけれども、戦争が始まってからは埋葬する場所もないぐらいになっているのが見て、御覧いただけると思います。
安倍総理、これ、米軍が行ったこと、紛れもない国際法違反、戦争犯罪ですよね。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま山本議員がるるお話をされたわけでございますが、私は今それが、その中身について検証する材料を持っていないわけでございますので、コメントは差し控えたいと思います。

○山本太郎君 総理の師匠筋に当たりますかね、小泉元総理、ファルージャ総攻撃に対して、2004年11月9日、首相官邸で、ファルージャ総攻撃に対して、成功させなきゃいけないとコメントされています。安倍総理、当時幹事長代理でしたか。当時、総理、反対しましたか、ファルージャ総攻撃。住民殺されまくっていますよ。米軍の戦争犯罪に対して異議唱えたんですか、お願いします。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいまの山本議員の述べられたこと自体がどの程度事実に基づいているかどうかということについて私も今承知をしていないわけでもございますし、当時はもちろんそういう事実を承知をしていなかったわけでございます。

○山本太郎君 なるほど、事実かどうかが分からないから、私が確認できていないから、それを判断するのは難しいと。確かにそういう部分もあるでしょう。でも、そのような事態があったとしたら、これは紛れもない国際法違反であり、戦争犯罪だと思います。
では、分かりました。じゃ、何が戦争犯罪かということをもっと分かりやすい例え、総理には必要だなということを今感じたので、お聞きしたいと思います。

米軍による爆撃、我が国も受けております。広島、長崎、それだけじゃない、東京大空襲、そして日本中が空爆、爆撃をされた。それによって50万人以上の方々が亡くなっていますよ。この50万人の中に、そのほとんどを占めるのが一般市民じゃないですか。子供、女性、民間人への無差別攻撃、アメリカによる広島、長崎の原爆投下、それだけじゃなく、東京大空襲を含む日本全国の空襲、民間人の大虐殺、これは戦争犯罪ですよね、国際法違反ですよね、いかがですか。

○国務大臣(岸田文雄君) 広島、長崎への原爆投下等が国際法違反かという御質問でありました。
これは、こうした行為は絶大な破壊力あるいは殺傷力ゆえに国際法の思想的基盤にあります人道主義の精神に合致しない、このように我が国は理解をしております。国際司法裁判所等においてもそうした議論が行われていると承知をしております。

○山本太郎君 本当に奥歯に何かが挟まったような物の言い方なんです
はっきりしているんですよ。当時はジュネーブ諸条約なんかなかったけれども、ハーグ陸戦条約があったじゃないですか。民間人への攻撃、無差別攻撃は禁止されていましたよ。これは完全なる国際法違反であり、戦争犯罪じゃないですか。これに対してどうしてはっきり言えないんですか、総理。総理、このことを知っているじゃないですか。それでも答えようとしないんですか、代わりに外務大臣に答えてもらって。おかしな話ですね。言えないんですね、宗主国様のことははっきりとは。過去の米軍の過ちを認められない者がどうやって戦争犯罪常習国である米国の行動をこの先ジャッジできるんですか。
この先、米軍が戦争犯罪を行った場合、総理が我が国の最高責任者として米軍の行動を止めるんですよね。自衛隊、撤退させられるんですよね。大丈夫ですか、総理。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど答弁を行ったように、自衛隊が活動をするに当たって、国際法を遵守し、国際人道法に違反する行為に対する支援は行わないことは当然のことであり、これは支援対象国いかんにより変わることはない、これはもう明確にしておきたいと思います。

○山本太郎君 総理、1776年にアメリカって建国されて239年近くたっているわけでしょう。そのうちの93%戦争し続けたという話があるぐらい戦争続いている国なんですよ。戦争で経済を回しているような国なんですよ。その国に対して一体化、いろんなものを運んであげるよって、このファルージャに運んだかもしれない、そのような米兵もいたかもしれない、武器弾薬もひょっとしたら届いていたかもしれない、中身チェックできないですもん。当時、石破さん、そんなコメントしていなかったですか、当時、イラク戦争のときに。

今回のルール改正、戦争法案では、自衛隊に死者が出るだけでなく、後方支援という名の一体化で米軍とともに加害者側になる可能性大なんですよ。イラク戦争時、政権中枢にいたばかりでなく総理までやっていらっしゃるんですよね。米軍の戦争犯罪である非戦闘員の虐殺、民間人大虐殺、化学兵器、そうですよ、化学兵器。先ほども出ていました、白燐弾も使った。大量破壊兵器を持っている、化学兵器を持っていると言いながらイラクに入っていったけれども、結局それは何も見付からなかった。当たり前です。700回、700回500か所、それを捜索したのに出てこなかった。これ、国連憲章違反ですよ、完全な。なのに、大量破壊兵器そして化学兵器を使ったのはアメリカ、イギリスじゃないですか。白燐弾、劣化ウラン弾、クラスター爆弾、大量破壊兵器を持っている、化学兵器を使っていると言いながら、自分たちがそれでイラクに住む人々を傷つけたわけですよね。これ、検証が必要だと思います。

総理に言いたいんですけれども、第三者の検証委員会をつくっていただきたいんです。アナン国連事務総長も言っていますよ。イラク戦争は違法であると、国連のトップが。それ、検証する必要があるでしょう、イギリスやオランダのように。公開性の高いものをつくっていただきたい、戦地へ行ったジャーナリスト、現地で支援をしているNGOを入れて。
この検証委員会、当たり前でしょう、自衛隊を外に出すのに、過去に出した、それに関しては検証なしですか。あり得ませんよね。第三者検証委員会の設立を求めます。総理、いかがでしょう。

○国務大臣(岸田文雄君) 我が国の支援、協力についての御質問ですが、我が国は、ジュネーブ諸条約、国際人道法に反する行為、これに支援、協力することは全くありません。そして、これからも、我が国が支援する行為の中にこうした国際法違反があったとしたならば、我々は支援することはありません。そして、直接支援していない行為以外の部分において仮に国際法違反がもし確認されたとしたならば、それが国家として組織的に行われているものなのか、あるいは一部の兵士の命令違反によって行われているものなのか、これを具体的に判断することによって我が国の対応を考えていく、これが基本的な方針であります。
これからもこうした方針をしっかり守っていくのが我が国の協力、支援のありようであります。

○山本太郎君 総理ってお願いしたんですよ。しかも過去、お手伝いしているじゃないですか、ちゃんと。(発言する者あり)時間じゃないですよ。求めた答弁者が出てこなかったんですから、当然じゃないですか。
はっきり言いますよ。自衛隊は米軍の二軍ではないんですよ。過去に出した自衛隊のその検証ができていないなら、自衛隊の活動を拡大させるわけにいかないんです。
第三者による検証委員会、立ち上げてください。
以上で質問を終わります。

by めい (2015-08-26 19:59) 

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