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3Dプリンター革命(4) [染物]

「筒描→スクリーン印刷→デジタルプリント」の流れを見てきたが、「筒描→デジタルプリント」となったのが、鯉のぼりだ。祖父の時代、戦前から筒描で鯉のぼりを染めていた。尾びれに名前と生年月日を入れていた。向いの山﨑染屋さんとはいいライバル関係だったと思う。祖父の曾祖父の時代に婿に入ったり嫁に行ったりの深い関係がある。山﨑鯉は青系、高岡鯉は黄系で、宮内の皐月の空のあちこちに、男の子の名前のはいった鯉のぼりが泳いでいたのだ。筒描ならではの仕事だった。私も大分染めた。下絵→糊付け→染め→水元→乾燥→金入れ→縫製→口輪付け、時間も手間もかかるし場所もとる。だからといってそうそう高くはもらえない。大変な仕事ではあった。

昭和27年製鯉のぼり.jpg

祖父が宮内幼稚園創立時(昭和27年)に染めた鯉のぼり、撮影は昭和33年ぐらい。


世間はスクリーン染の鯉のぼりがほとんどだった。筒描から少しずつ遠ざかり、だからといってスクリーンで名入れの鯉のぼりはわが家の設備ではありえない。そんんなことで10年以上私の鯉のぼりづくりは途絶えていたのだが、昇華転写を取入れて2年たった平成16年、川西町の十印さんから「なんとか名入れの鯉のぼりをつくってもらえないか」との依頼が飛び込んだのだ。十印の社長さん(昭和8年生)は同じ町内藤屋菓子店さん(移転して今は「アリス」)からのお婿さんで私も小さいときからよく知っている。その長男誕生の時、山﨑染屋さんで名入鯉をつくって、今も大事にとっておられた。そしてそのご長男に男の子が誕生、ぜひまた名前を入れた鯉のぼりが欲しい、とのこと。この注文がきっかけとなって、染物の仕事はやめておられる山﨑さんのデザインも取入れながら「置賜鯉」として宣伝を始めることになる。

koinobori2big.jpg

十印さんの鯉のぼり。黒鯉が山﨑染店製。赤鯉が当店デジタルプリントのもの。

 

鯉のぼりをあげる家庭も少なくなっているが、年に何匹かは染めている。隠岐島や安曇野の空にも置賜鯉は泳いでいる。飯山健御名方富命彦神別(たけみなかたとみのみことひこかみわけ)神社7年に一度の御柱祭にもこれまで2度、私の代わりに鯉のぼりに参加してもらっている。(つづく)

飯山御柱祭220503.jpg

この7年前には黒鯉を送りました。



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