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mespesadoさんによる経済談義(133)「広く会議を興し万機公論に決す べし」 [mespesadoさんによる1億人のための経済講]

《「ベキ論」にばかり拘る学者的発想ではムリで、マキャベリズムを解する一流の政治家こそが得意とするところのハズです。どうか、こういう強欲の裏をかくようなウマい制度設計を、政治家の皆さんには考えてもらいたい。》

◎西田昌司議員の発言から

金融と財政、これ一体となってですね、経済を良くしていくことも考えなきゃならないんだけれども、そこの話が全く出ない》自分たちの話してる領域の外側に解決の解があったり、問題の本質があったりすることは沢山あるわけです。だからこそ、いろんな形でオープンな議論というのがものすごく必要》《財政再建というのは、言葉としては正しいように見えるけれども、実態は全く現実はそれと逆さま》自分の頭で考えてみろ》西洋人てのは・・・・・彼らについてですね、さすがだなと思うのは、異論を封じ込めず、きちんとオープンな議論をさしていく》「広く会議を興し万機公論に決すべし」》

*   *   *   *   *
573:mespesado :2019/10/06 (Sun) 09:58:15
>>570
 ままりんさん、お久です。
 いつぞやは貴方のことをディスったような流れになってしまいまして、その節は気分を害されただろうと思われますが、別に貴方の意見に何も反対しているわけではないにもかかわらず、不愉快な思いをさせてしまったことをここに改めてお詫びしたいと思います。
 さて、

> 愛知の交付金をバッサリ切った萩生田大臣(Twitterで行われた調査によ
> ると94%が支持。
> あたくしも溜飲が下がりました)、河野大臣、菅原大臣、茂木大臣、高
> 市大臣、とにかくみなさま、お姿見てて安心。「日本と日本人を守るぞ!」
> というのが、ヒシヒシと伝わってきます

 私も今の内閣の布陣を見てそう思いました。ただ、安倍総理の方針からすると、難しい問題が一つあります。その方針とは、「大臣に就任した政治家は、当該省庁の事務方と喧嘩してはならない」という(別にそう宣言したわけではないけれど)不文律です。
 かつて、小泉純一郎さんが郵政大臣になったとき、事務方がやろうとしていた政策を、小泉さんの自分の持論に基づく「鶴の一声」で廃止させられることになり、これを恨んだ郵政官僚たちに徹底的にハブられ、蚊帳の外に置かれてしまった、という「事件」がありました。
 このように、省庁の官僚というのは、それ自体省の伝統というか、イデオロギーを持ってしまっていますから、いくらこれを国民のためにならないから正そうという有能な政治家が当該省庁の大臣に就任しても、事務方に喧嘩を売ったら必ず官僚側はヘソを曲げて言うことを聞かなくなります。
 このことをよ~くわかっているのが現在の麻生財務相ですね。麻生さんは自民党の下野時代に現代貨幣の本当の姿を正しく国民に伝えていました。それによれば、緊縮財政などナンセンスだとすぐにわかるような内容でした。
 ところが財務大臣になってからは、そういう所見は一切封印し、財務省の思惑に従っている(海外での消費税増税宣言とか)ように見える。これを見て、一部の政治ウォッチャーの中は「麻生さんは裏切った」とか言う人がいるんですが、軽薄な意見です。財務省の事務方は強大な権力を握っている。もし麻生大臣が事務方を裏切って「消費税増税廃止」をぶち上げていたら、当然事務方の恨みを買い、そのしっぺがえしは小泉郵政大臣のときの比ではない。麻生さんは即座に事務方によって巧みに仕組まれたスキャンダルで完全に失脚するに決まっています。麻生さんはそれをわかっているからこそ、面従腹背でしのいでいるわけですね。このバランスのとり方はまさに職人芸が要るところであり、実力のない政治家にはとても任せられません。事務方の気分を害して失脚(だけで済めばよいが、安倍内閣全体を失脚させられる可能性が大。財務官僚の力を見くびってはならない)するか、さもなければ事務方に媚びを売って迎合し、早々と次の消費税増税を確約させられてしまうかもしれません(民主党政権下で鳩山内閣が失脚させられたのにビビって消費税増税を突然主張した菅政権の例があります)。だからこその麻生さんの留任だったのでしょう。安倍さんもそこのところはよくわかっています。
 さて、こんな中で、サヨク思想に染まった文科省をどう手なづけるのかな、
と思っていていたら、今回の萩生田大臣の交付金切りは見事ですね。機を見るに敏、というか、国民の圧倒的支持を武器に実行しているので、事務方は非難のしようがありませんから。こういうタイミングや世論を味方に付ける巧みな処“政”術が必要になるわけです。
 で、次の楽しみは高市総務大臣のNHKの「放送業界の正常化」ですね。N国の「NHKのスクランブル化」も、もしそれが実現できれば最初の重要な一里塚にはなるけれど、何せNHKに対する国民の目は、厳しくなったとはいえ、未だ大多数の国民により信頼されている、というか、空気のように当然の存在になっている。これをいきなり「スクランブル化する」と主張しても大多数の世論の支持を得られるかどうかわかりません。今後どのようなやり方で成果を上げるのか、私も興味深くヲチしていきたいと思います。

574:mespesado :2019/10/06 (Sun) 12:05:42
 今、アマゾンで今回だけ臨時で注文した『月刊日本』10月号の「ある記事」を読んだところです。
 『月刊日本』というと、亀さんがいつも言っているように、昔は気骨のある雑誌だったが、今は軽薄なサヨク思想に乗っ取られて見るも無残な姿になっていることは、以下のような、10月号の記事のタイトルを見ただけでわかります↓
----------------------------------------------------
 韓国を敵にする愚かしさ  山崎拓
 メディアは「嫌韓」を売り物にするな  青木理
 【糾弾】トランプに押しつけられたカジノ 本誌編集部
 歴史修正主義が招く日本の孤立  植草一秀 …
——————————————————————————
 じゃあ何でこんな雑誌を買ったのか?
 実は、自民党の数少ない反緊縮派である安藤裕議員による記事(インタビ
ュー記事)があったからです↓
----------------------------------------------------
 自民党の法人減税は間違いだ  安藤裕
----------------------------------------------------
 私は常々、法人税を引き上げたりして法人の負担を高めると、金持ち経営陣は従業員より力が強いから自分たちは痛くも痒くもなく、従業員にしわ寄せがいくだけだから意味が無い、という持論ですから、今回の安藤さんの主張には「おや?」と思ったのです。そもそも安藤さんが『月刊日本』に寄稿したということは安藤さん自身のツイッターで知りました↓
https://twitter.com/andouhiroshi/status/1176417011850592256

あんどう裕(ひろし)衆議院議員@andouhiroshi
> 今月の「月刊日本」にインタビュー記事が掲載されています。ぜひご覧
> ください!

 で、寄稿先があの『月刊日本』だし、大丈夫かな、と一抹の不安を感じたので、それならその雑誌を買って、直接読んでみよう、と思い立ったのです。
 で、その内容ですが、
--------------------------------------------------------------------
━━ この30年間、自民党政権が進めてきた「法人税を下げ、消費税を上
  げるという税制改革をどう評価していますか。

安藤 基本的には失敗だったと考えています。自民党の中にも、「法人税を
  下げれば、給与や設備投資に回る」という主張がありますが、私は根本
  的に間違っていると思います。
   企業経営者はできるだけ現金を手元に残しておこうとします。また、
  お金を使うならば将来に役に立つものに使おうとします。法人税が高け
  れば、節税したいというモチベーションが働きますので、決算賞与を出
  したり、設備投資減税をしたりすることによって節税しようとします。
  ところが、法人税を下げると、何もしなくても手元に現金が残るので、
  経営者は給与を上げる必要も、設備投資をする必要も感じません。した
  がって、法人税を下げれば、給与や設備投資に回るというのは誤解なの
  です。ところが、こうした誤解が国会議員の中にも蔓延しているのです。
   法人税を下げることによって、手元に残る現金が増えたとしても、そ
  れは配当に回るだけです。結局株主だけが恩恵を受け、社員は恩恵を受
  けません。私は株主資本主義自体を見直す時期に来ていると考えていま
  す。アメリカにおいても経営者団体が「株主中心主義を見直す必要があ
  る」と言い始めています。
--------------------------------------------------------------------
 なるほど、表現は微妙ですが、安藤さんは「法人税を下げるのは効果が無い」とか「法人税が高ければ従業員にメリットがある」ということは主張しているけれど、サヨク界隈で主張されているような「(消費税率を下げる見返りに)法人税を引き上げろ」と主張しているわけではないのですね。根本的なところでの安藤さんへの疑いは晴れましたw。それどころか、最後の段落にあるような、「株主資本主義自体を見直す時期に来ている」という意見は私も全面的に賛成です。
 小泉改革以前の日本では、企業は株主のものではなく、(経営陣を含む)従業員のモノでした。というよりも、従業員こそが主役であり、ただ「素手」でモノやサービスは生み出せないから道具が必要です。ちょうど大工さんがノミやカンナを道具として使うからこそ家が建てられるのと同じ。で、「会社」というのも実はこの「道具」の一つに過ぎない。従業員というモノやサービスを提供する主役が「会社」という「道具」を使って実際にモノやサービスを生み出す。そしてその生産物を消費者に提供し、その見返りに代金を戴く。だから、その代金は、あくまでモノやサービスを提供した主体である従業員が貰って(もちろん必要に応じて傾斜配分を付けて)仲良く分かち合う。だって「道具」は所詮「道具」であって、「道具」にも分配する必要なんてないじゃないですか。これが、高度成長期までの「日本の常識」でした。
 ただし、今にして思えば、この考え方が現実に実行され機能していたのは、まさに「高度成長期」だったからこそなんですよね。安藤さんが上記の引用部分で最初に言っているような

> 法人税が高ければ、節税したいというモチベーションが働きますので、
> 決算賞与を出したり、設備投資減税をしたりすることによって節税しよ
> うとします。

という仕組みは、高度成長期のように「来期は今期より必ず儲かる」ということが保障されていてこそ機能します。つまり来期は必ず今期より儲かるので、今期の儲けを来期のために持ち越す必要が無い。だから、今期の儲けを税金で取られるくらいなら、従業員同士での分け前をもっと増やして残余をゼロにしてしまえば税金で持ってかれずにすむ、と経営陣が考えるのは当然なのです。
 ところが、高度成長期が終わると将来の収益が不安定になり、途端に経営者は将来の減収や、最悪倒産が心配で、利益を溜め込むようになる。こうなると法人税で取られるのがシャクだから従業員に配ってしまおう、などという余裕こいた考え方はできなくなる。だから低成長期以降の日本では、法人税が高止まりしていたとしても、従業員優遇のカラクリが機能しないのです。
 もちろん安藤さんが続けて主張しているように、だったら逆に法人税を下げれば企業は従業員の待遇を上げるのかというとそういうことはない。なぜならいくら内部留保を積み上げても不安は消えないので、法人税が下がればもっけの幸いということで、法人税減税分は内部留保の積み上げに回るだけだからです。
 じゃあ、法人税は上げても下げてもダメなのか、というと、確かに法人税率「だけ」を弄っても、ニッチもサッチも行かないことは確かです。ではどうすればよいのか。
 それには相手の「特質」を利用する、ということを考えるべきではないか?
 今までの政治では、よかれと思って実施した新制度が逆効果になっている例が多く見られます。
 たとえば非正規社員が気の毒だからということで、派遣社員を5年続けたら正社員にしてあげようと思ってそういう法律を作ったら、コストアップを嫌う企業は5年経つ前にやめさせる、という対抗策に出た、とか、これはお隣の韓国の話ですが、最低賃金が安いから気の毒ということで待遇を改善しようとして最低賃金を引き上げたら、やまりコストアップを嫌う企業はコスト削減のために採用を絞り、失業率が増えちゃった、とか。
 では、法人税についてはどうすればよいのか?
 一つの方法として、法人税を下げる、ただし条件付きで。ということにして、例えば「企業収益を従業員に現状より更に還元するなら、その分の法人税を減額する」という形にするとか。
 つまり、企業も企業で与えられた法制度環境の中で生き残るための最善の方法を取るという前提の下で制度設計をしないと機能しないのです。囲碁や将棋でこうこうこうやれば優勢になる、と手を読むとき、勝手読みにならないように、相手の手番を読むときは、自分にとってではなく相手にとって最も有利になる手を読まなくては勝負に勝てない、といううのと同じで、タテマエだけ従業員優遇な制度にしたってうまく機能するわけがないのです。
 ですから、企業は(残念ながら)小泉改革以降、もともと弱肉強食で強欲なものだけが生き残ったDS外資も合流してそれまで従業員に優しかったはずの日本企業までが「朱に交わって強欲になっ」てしまった、という、嘆かわしいが事実だからしょうがない、という現実を受け入れ、それならばそういう彼らの行動原理を理解した上で、その行動原理を逆手に取って、こうこうこういう制度にすると、彼らは強欲を貫くためにこういう手段を講じざるを得ない、という方向に追い込んで、その行動が結果的に従業員にとってプラスになるようなカラクリにする、という工夫を凝らして新法人税制度を考えていかなければならない。こういう作業は「ベキ論」にばかり拘る学者的発想ではムリで、マキャベリズムを解する一流の政治家こそが得意とするところのハズです。どうか、こういう強欲の裏をかくようなウマい制度設計を、政治家の皆さんには考えてもらいたい。そういう点で、反緊縮を正しく理解している与党議員である安藤さんや西田さんには期待するところ大です。どうかよろしくお願いします。

575:mespesado :2019/10/06 (Sun) 20:06:14
【西田昌司】欧州中央銀行総裁の認識をも変え始めたMMT、今こそ日本も!
[桜R1/9/25]
https://www.youtube.com/watch?v=ZUvqOjfD1co&feature=youtu.be

 ↑13分と長いですが、最後の方で議論するしないに関する日本人の弱点と西洋人の良さについて触れたところがなかなか示唆に富んでいたので、文字起こししておきました。ご参考までに↓
--------------------------------------------------------------------
 こんにちは。参議院議員の西田昌司です。今日は9月25日の水曜日であ
ります。実はですね、今日公開されている、私の『週刊西田』、youtubeの
番組ですけれど、ここの、『今週のおまけ』というのでちょっと話をしてる
んですけれども、その中で話をしてるのは、ECB(ヨーロッパ中央銀行)
のですね、ドラギ総裁がですね、「MMTのような新しいアイデアについて
ですね、検証すべきだと、ECBは」と。ドラギ総裁がそういう発言をした
というのが、ブルームバーグという通信社からのニュースで出ているわけで
す。で、このことは私、大変驚きましてね、つまりECB(ヨーロッパ中央
銀行)というのは、要は、それぞれの加盟国、そこの、いわゆる通貨発行権
を制限をして、ユーロという通貨を発行してるのがECBなんですね。そし
て、そのユーロの中に加盟する条件としてですね、財政規律、ここの健全化
ということが条件で、といわれているわけです。で、その結果ですね、ヨー
ロッパの中では、それぞれの国力に応じて、本当でしたら、例えばギリシャ
がそうでありますけれども、ドラクマという通貨を使ってるとですね、もっ
とドラクマ自体は通貨安になるわけですね。通貨安になるということは、外
国にモノを輸出する、それによって外貨を獲得できる、そういう条件が通貨
安、変動相場制をとっていますから、できると。そして必要な予算について
はですね、自国建ての、ドラクマ建てでですね、国債を刷れば、破綻するこ
となしにできたわけですけれども、ユーロに入っていますから、国債の発行
も制限を受ける。そして国債の発行自体が、ユーロ建てでありますから、自
分達の国で調達できないわけですね。そして、結果的に財政出動もできない
と。ということで、国力にふさわしくない(ギリシャにとっては)ユーロ価
格のためにですね、輸出もままならないということで、国内の政治が非常に
乱れてしまう、という弊害があるわけですね。で、この中で得をしているの
はですね、いわゆるドイツのような、経済力があって、本来マルクでしたら
もっとマルク高になってるんだけれども、他の経済力の弱い国も入ってるか
ら、相対的にマルクよりも安い評価のユーロで外国と取引できる、つまりB
MWやベンツ、フォルクスワーゲンなどですね、たくさんの自動車をですね、
中国はじめいろんな国に売ることができて、ドイツが一人、恩恵を受けてる

んじゃないか、と言われているのが今のユーロで、そういうこともあるので、
イギリスはですね、ユーロから離脱すると、ブレグジットの一番の原因はそ
ういうところにあるわけですね。で、そこで、そういう国のヨーロッパ中央
銀行の総裁のドラギさんがですね、であるにもかかわらず、要するに財政政
策についてですね、もう少し検討すべきだということを言い出したのは、ヨ
ーロッパ中央銀行(ECB)もそうですけれども、ECBは財政政策出来な
いわけですね。金融政策、要するにこの、金利を決めたりですね、金融の緩
和、それから引き締めはじめ、金融政策しかできないわけです。しかし、金
融政策しかできないんですけども、その総裁が今度は財政政策の言及をして
いるわけですね。これ非常に驚いたことでありますけれども、しかし、逆に
言うとですね、そういうことが、自分たちECBの立場とは全く真逆の立場
を実はMMTというのは取っているわけですけれども、それもわかっている
上でですね、「財政政策についても検討すべきだ」と言うこと自体がですね、
私、なかなか慧眼だと思っています。例えば日本の場合どうかというとです
ね、日本の場合は主権国家で、日本の「円」というのはですね、自国建ての
通貨で、国債も発行しているわけであります。その中で、日銀は今、量的、
それから質的緩和ということで、金利も下げちゃう、そして量的にもどんど
んどんどん国債を買い入れることによって金融緩和を6年半やっているわけ
ですよね。で、そこまでやっているんだけれども、本当は日銀がそれだけ中
央銀行が国債を民間の銀行から買い入れると、民間銀行に代金としてお金を
供給しますからね、その分で、お金がズブズブに市場にあふれて、結果的に
インフレになるだろうと、こういう思惑、つまりマネタリズムを実践したわ
けですけれども、残念ながら結果的にはいくら日銀が買っても、銀行から市
場にお金が出なかった。これは当然の話で、いわゆる、銀行からお金を出す
のは、いくら自分たちのところに余剰資金があるからといってですね、結局
借り手がなければ貸せないわけなんですよね。そこで、今回アベノミクスの
行き詰まりが見えてきているわけであります。そうなってくるとですね、本
来金融政策でここまでやってるんだから、財政政策として、もう少しですね、
政府は、財務省は予算をもう少し出してもらった方がいいじゃないか、と普
通は思うわけです。で、もちろんですね、日銀の黒田さんは財務省の出身で
あります。で、そういうこと思ってるんじゃないかと私思いますけれども、
日銀の役員に訊きましてもね、私との間のいわゆる非公式の話の中ではそう
いう政策も大事だということはわかっているけれども、いざ国会の答弁とか
公式の記者会見とかでですね、財政政策については絶対に言いません。とい
うのは、彼らは自分達のテリトリーは金融と。で、財政というのは、これは
政府の仕事だから、政府の仕事について言うべきでないと、そういう暗黙の
ルールというか、非常にそこを厳密に守ってるわけですね。ですから、本当
はですね、金融と財政、これ一体となってですね、経済を良くしていくこと
も考えなきゃならないんだけれども、そこの話が全く出ないわけですよ。で、
財政については財務省。で財務省の考えは、要するに財政再建。これをやら
ないと日本はとんでもないことになるんだと、景気も大事だけれども財政も
再建ということをしなければならないということを頑なにずっと守り続けて
いるわけですね。ところが、ヨーロッパではですね、日本とは全く違う、い
わゆる主権国家の通貨発行権も否定して、ユーロに統一していた、ECBの
ドラギさんがですね、主権国の通貨発行権を否定している国にもかかわらず、
財政出動について議論すべきだということを言っているというのはですね、
まさに本当に驚きなんですね。だから、それくらい、結局ですね議論しなく
ちゃいけないわけなんですよ。で、日本の一番まずいのはですね、これは自
分とこの話だから、これはあなたのとこの話だからと、立場立場でですね、
そのあと蛸壷的な状態になって、本当に両者がですね、話をしてやっていこ
うとか、それからMMTという、新しい理論が出てきたと。それじゃこれ本
当にどうなのか、ということをですね、もう少し真剣にですね、勉強して、
やろうというのが全く出て来ないんですね。で、私、日本の一番まずいのは、
まさにこういう所です。つまり蛸壷的な、自分達の中での議論はするけれど
も、それを一歩離れたところは自分達のテリトリーじゃないから彼らに任せ
ておきましょう、できません。そりゃ確かにそういう形の方が、組織論とし
ては合ってるところはあります。しかし人間というのは、結局ですね、世の
中全体すべてのことを知り得ないわけでありまして、自分たちの話してる領
域の外側に解決の解があったり、問題の本質があったりすることは沢山ある
わけです。だからこそ、いろんな形でオープンな議論というのがものすごく
必要なんですね。ところが日本だけでそれが全くできてない。一旦こういう
方針だということを一つの部門が決めたら、それでずーっと最後まで行くわ
けですよ。そしてそれについて、おかしいじゃないかということを、外部か
らもなかなか言わない。そして最後はどうなるかといえば、破綻して終わり
と、こういうことなんですね。これ、かつての日本の、いわゆる大東亜戦争、
敗戦。軍部の独走だということも言われておりますけれども、まさにその戦
争についてもですね、同じことが言えるわけですね。で、軍部のことは軍部。
で、それについて総理大臣ですら、権限ないわけですよね。とんでもない話
です。今同じことが財務省の財政再建至上主義にも現れているわけで、「財
政再建」、これはその言葉としては確かにですね、借金を残して、孫の代に
借金を残していいのかと、そしてそのことによって予算が次の世代に使われ
ることが制限を受けるじゃないかと、そんなことを我々がしてよいのかとか、
というようなことをですね、言い募って、この20年、30年ずっと財政再
建中心主義を採用しているわけですけれども、しかし現実はですね、その彼
らが言っている次の世代の借金になっているのかと、もしくは次の世代の財
政を縛ってですね、予算を封じ込めて自由に予算を執行することが制限を受
けるのかと言えば、全く実は受けていないわけなんですよ。全くこれ、事実
と違うわけなんですね。ですから、財政再建というのは、言葉としては正し
いように見えるけれども、実態は全く現実はそれと逆さまになっているわけ
ですね。で、そのことを我々指摘してもですね、全くそのことについて反応
しません。それどころか、もう議論するまでもなく、財政再建はしなくちゃ
ならないんだ、という風に、頭から考えて思考停止になってる人が沢山いる
わけですよ。で、私、一番問題はですね、要するに自分の頭で考えてみろ
と。一冊でもいいから、このMMTでもね、本を読んで、その中で何を言っ
てるかということを分かった上で批判をするならいいわけですけれども、恐
らくですね、全く読んでないんですね。で、自分たちの知識の範囲の中で考
えていますから、新しいそういう理論体系、考え方を受け入れるつもりがな
い、というか、初めからそんなものは我々の価値の体系からすると、全く逆
さまなことで、考える必要すらない、とこういう形でですね、議論すらして
いない。これが日本の現状なんです。それに引き換え、冒頭から言ってまい
りましたECB、つまりこのヨーロッパ、またアメリカはじめですね、アメ
リカでもこのMMT議論が盛んに議論されていますけれども、西洋人てのは
ですね、やっぱりここが凄いなと思うわけですね。私は西洋かぶれであるつ
もりは全く無いんですけれども、しかし彼らについてですね、さすがだなと
思うのは、異論を封じ込めず、きちんとオープンな議論をさしていくと、こ
ういう伝統があるわけですよ。だから民主制というのがヨーロッパ、西洋で
近代というのが発展してきたわけですね。「広く会議を興し万機公論に決す
べし」と、これは五箇条の御誓文、明治維新の時の一番最初の言葉であるわ
けなんですけど、まさに我々今の時代の変換期に当たってはですね、もう一
度異論を異端のものとして排除するのではなくて、もう一度彼らが言ってい
ることが何であるのかということをですね、きっちりと広く会議を興して万
機公論に決す、パブリックな会議で、堂々とオープンな議論をしていく。こ
ういうことをやらなければならない。これを強く今回感じたわけであります。
是非とも皆さん方も注目いただいて、MMTについて注目をしていただきた
いと思います。ありがとうございました。
——————————————————————————————————


【追記 R1.1.10】

579:mespesado :2019/10/08 (Tue) 07:26:51
【NHK政治マガジン】新たな在留資格取得300人にとどまる
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/lastweek/23518.html

> 外国人材の受け入れを拡大する制度が始まって、1日で半年となります
> が、新たな在留資格の「特定技能」を取得したのは、300人にとどまって
> いて、出入国在留管理庁は、引き続き、制度の周知を図るとともに、受
> け入れの環境整備を進めることにしています。

↑例によって、NHKは「残念そう」に報じているが…
 安倍政権にとっては計画したとおりだろう。
 安倍内閣も、欧州や米国の移民奨励政策の失敗の轍を踏まないことは第一に考えているし、一方でDSの圧力だけでなく、地方の中小企業が人材不足で悲鳴を上げている以上、「対症療法」は必要、ということで発足した外国人受入新制度である。この施策にも安倍政権の方針がよく表れており、DS等の圧力があると、表面上はそれに従った対応を取るが、そのかわり実施しても悪影響が無いように細工をして実施する。今回の場合、受け入れの条件を実効があるように厳しくしたのが奏功したに違いない(もちろん中国などの経済発展に伴って日本が魅力ある出稼ぎ先でなくなりつつあるのも要因であろうが、それすら政権は見越していると思う)。
 要するに、対症療法である。本当は機械化、AI化を進めて無人化を進展させることが真の解決になる。今回の新制度はそれまでの時間稼ぎに過ぎない。しかしそれを拒むのが緊縮財政。これが原因なのは明らかだが、それに気付いた人も「緊縮財政が悪い。それさえ改めれば解決する」などというが甘いと思う。そうでなくて、もし積極財政になったらこうこうこういう手順でAI化を進めるという具体的な方針を考案して、皆が具体的なイメージが持てるようにすることが大切で、具体策があればそれが逆に積極財政推進の強力なインセンティブになると思う。
 安藤議員もこの問題について、ただボヤくだけじゃなくて、国会議員なのですから、そこのところ、ぜひよろしくお願いしますヨ↓

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