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mespesadoさんによる経済談義(114)金銭的インセンティブ [mespesadoさんによる1億人のための経済講]

私には、「金銭的インセンティブの相対化」というトレンドがどんどん広がりつつあるように思えるのですが・・・。

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178:mespesado:2019/08/20 (Tue) 08:51:16
へっぴりごしさんのとこで知ったニュース↓

株主最優先の方針「見直し」
https://jp.reuters.com/article/idJP2019082001001050

 MMTの登場でもそうですが、明らかに米国のトレンドは、従来のような金融界などの「虚業」が経済を牽引していく従来のビジネスモデルから、トランプの進めようとしている政策方針の方向に舵を切りつつあるように見えます。
 翻って我が日本ですが、東西冷戦/高度成長期には自民党の経世会を中心とした、まさに米国が今舵を切ろうとしている方向で世の中が動いていたのですが、高度成長が終わり、不動産信仰も終焉してから、実は誰も本当の経済がそれまでうまくいっていた理由を解明できず、経済がうまくいかなくなってからあわてて迷走し、間違った規制緩和、グローバリズムが跋扈し、先に「ジャパン・アズ・ナンバーワン」時代に製造業が衰えて虚業に活路を見出すことによる「DSが国を支配する体制」にいち早く転換してしまった米国の後を追うように、日本もそんな国になろうとしていました。
 ところがここへ来て、あまりの虚業の活躍で一般国民の生活が疲弊した米国の方が先にこうした流れの矛盾に気付き始め、方向転換し始めたのはよい傾向です。
 日本だって、今のような「株主優先」や「従業員への給与は単なるコスト扱い」は不本意で本来の姿じゃないはずです。
 そんな中で、米国で先行した反緊縮運動がようやく日本にも勃興し始めています↓

れいわが倍増、政党支持率 共産に並ぶ4.3%
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E3%82%8C%E3%81%84%E3%82%8F%E3%81%8C%E5%80%8D%E5%A2%97%E3%80%81%E6%94%BF%E5%85%9A%E6%94%AF%E6%8C%81%E7%8E%87-%E5%85%B1%E7%94%A3%E3%81%AB%E4%B8%A6%E3%81%B643percent/ar-AAFYfK2

 これは消費税を巡っての新勢力とも言えますが、若い世代を中心にその力が増しているのはよいことです。今後は「株主優先」や「従業員への給与は単なるコスト扱い」に疑問を持つトレンドが出てくると良いですね。
 私は今まで「株式会社」という形態それ自体が役割を終えたんじゃないか、と思っていました。しかし、18日の小野盛司さんの講演を聴くと、むしろ機械化により従業員が激減した後の企業は国が株を買い占めて国民を公務員化すれば、間接的に企業の富を国民に還元しやすくなる、という見方も出来、必ずしも株式会社制度をやめる必要はないかもしれません。というか、そもそも株主が世界中にこれだけ存在している中で株式制度を廃止するなんて現実には不可能ですから、小野さんのような方法で株式制度を逆に利用してやる、くらいの方法の方がよほど現実的かもしれませんね。
 日本人の特徴として、自国でどんな合理的なアイデアが出ても無視するくせに米国で話題になると飛びつくってのがありますが、まあMMTもそうなんですが、今回の「株主優先から従業員優先へ」もそうなる可能性はあります。ですが、更に欲を言えば、やはりMMTのときもそうですが、日本には日本古来からの特徴があるんですから、そのまんまの形で受け売りするんじゃなくて、上述の小野さんのアイデアみたいにひとひねりした導入の仕方を工夫できるとよいんですけどね。でも、そういう知恵者というか参謀が政治の要所にはたして居るんでしょうか。ここはどうも心もとないところですね。

179:堺のおっさん :2019/08/20 (Tue) 10:30:38
>>178 メッさん
公務員化のアイデアは
国家社会主義の範疇に入るものです。

181:mespesado:2019/08/20 (Tue) 10:48:10
>>179
> 国家社会主義の範疇に入る

 その意見には全く賛成で、実は今回の講演者の小野盛司さんは、もともと素粒子物理学者で、途中から政府の経済政策のアドバイザーみたいな世界に入った人なんですね。この素粒子物理学や純粋数学のような、純粋に「真理」を追求する行為が三度の飯より大好きで金銭的なインセンティブから一番無縁そうな人たちは、旧ソ連のような資本主義を否定した共産主義国でも世界的な成果を上げた人たちが多い、ということからもわかるように、資本主義・新自由主義のような「稼いだもの勝ち」「彼らの金儲けのインセンティブが社会を進歩させるんだ」的な考えからは一番遠い人たちですから、自然とこういった社会主義的なアイデアを出しやすい環境にあるのではないでしょうか。
 ただ、こうした意見の欠点は、自分が金銭的インセンティブが弱いからと言って皆もそうだろう、と思いがちなところで、確かに金銭的インセンティブを駆使して銭儲けに実際に成功している人たちは国民の一握りにしかすぎませんが、成果は無いけれど金銭的インセンティブが強い、というタイプの人は、実はもっとずっと多くて、というか、むしろ国民の大多数がそうである、とさえいえるのではないかと思うのです。なので、国家社会主義的政策を進めるにあたっては、人間というものは、そういう金儲けのインセンティブから逃れられないものだ、という本能をよく理解して、できればそういう本能を「利用」するような仕組みを取り入れる必要があるのではないでしょうか。

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