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長白山行(4)白頭山天池② 西坡山門コース [メモがわり]

https://oshosina.blog.ss-blog.jp/2019-08-09階段DSC_1718.jpgこれまでのイメージではひっそりとした登山を勝手に思い描いていた。登山に向かうバス乗り場に来て人の多さに驚いた。この日は夏休み中の土曜日、年間でも最も賑やかな時期なのだろう。どこにも行列ができている。ただ87歳の阿部さんを筆頭に79歳、76歳、72歳、71歳、上の二人は杖をついた老人グループとあって、どこへ行っても優先的に乗車させてもらえた。案内人艾(アイ)さんの交渉力に依るところも大きかったと思う。行列による時間ロスからの解放のありがたさは計り知れないものだった。老人代表の阿部さんと小野寺さんにあらためて感謝。

曲がりくねった道をバスで1時間ぐらい揺られて登山口到着。1400段の階段を登ることは前日初めて知らされた。主治医から「おくまんさまの階段も登るな」と言われている身、聞いていたら来ることはなかった。竹さんも案じてくれたが、とにかく前に進むしかない。自分のペースを守れば大丈夫という自信は、お祭りで体験している。前夜阿部さんから祝詞を託されていたが、朝目を通して感銘した。この祝詞を奉じる使命がある。
登山口DSC_1719.jpgバスの窓から空を眺め、龍の気配を感じていた。リックの中に雨具を入れていなかった不安がよぎった。登山列DSC_1715.jpg登りはじめるころ、案の定、下から霧が上ってきた。200段ぐらいにさしかかったころ雨が落ちだした。本降りになったのはそれから間もなくだった。雹まじりの冷たい雨だった。私はリックからジャンパーを出してまとったが 、竹さんは何もない。「どうする?」と顔を見合わせたが、「下りる」の選択肢は二人にはなかった。私は私のペースを守らねばならないので、竹さんには先を急いでもらった。古森さんはその先を行っている。阿部さんと小野寺さんは上らずに下で待っている。この時の艾さんがありがたかった。下の休憩所まで下りて雨具を買ってくると言って下って行った。300段ぐらいまで来ていたと思う。50段ごとにこれまでの段数が表示されている。心臓には「キモム(気を揉む)」のがいちばん悪い。先の見えぬ雨の降りっぷりにその兆候が出始めていた。無理すればとりかえしがつかなくなる。雨の中でじっとうずくまるしかなかった。「神さま、なんとかして」と天音八化(天音八化辟災要妙祕唱)を念じたと思う。女神様DSC_1720.jpgふと見上げると私に傘をさしかけてくれる妙齢の女性がいた。さらに中学生か高校生ぐらいの若い丸顔の女の子が心配して声をかけてくれた。夢中のうちに「ジャパニーズ・・・」とか言って「心配ない」ことを伝えた。気持ちを落ち着けたところで、女性の傘に頼りつつ上に進む。ありがたいことに500段ぐらいのところから50段ぶんぐらい屋根がある。そこまでたどり着いたところで女性の傘から出た。ほんとうにありがたかった。わかれぎわに名刺を渡して写真を撮らせてもらった。私には女神さまのように思えた女性だった。宿に戻ってからこの経緯を小野寺さんに語りつつ写真を見せたら、「齋藤(慶子)さんに似ている」と言われて「エッ」と思った。このころ東北の同志たちによって、御神事の無事斎行を念じての対応修法が行われていたのだった。
屋根の下で艾さんが調達してきてくれた雨具を身につけた。竹さんはずぶ濡れを覚悟、開き直っていた。しかし二人ともそれからの900段はほんとうに大変だった。50段進んでは座り込み、また50段進んでは座り込む、いつか1400段には必ずなる、それを支えに前進した。1000段DSC_1722.jpg1000段の表示を竹さんが指さした写真がある。のぼりはじめた時から50分が経過している。頂上の展望台までそれからさらに25分を要している。
山頂展望台DSC_1725.jpg10m×50mぐらいの板敷きの展望台は押すな押すなの賑わい。もう雨はすっかりあがっていた。目の前に白頭山天池があった。まさかここにこうして立つことになるとは思ってもいないことだった。それがいつのまにかこうなっていた。自分の意志とは思えない。その感慨はともかく、目的の神事にかからねばならないがこの場でいったいできるのか。(つづく
長白山天池1169839333_o.jpg長白山登山概念図index.jpg

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