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mespesadoさんによる1億人のための経済談義(90)「福祉国家」北欧の現実 [mespesadoさんによる1億人のための経済講]

北欧諸国といえば何となく「高福祉高負担」のイメージ。それを一歩踏み込んでの理解。スウェーデンは「移民急増→需要急増→需要>供給→良性インフレ→信用創造過多→多すぎるオカネを税金で回収(高負担)」。ノルウェーとデンマークは「北海油田による外貨獲得→高福祉」。だいぶ前にNON-POOR CITY 置賜」構想に関連して北欧の貧困率の低さが際立っている。スウェーデン5.3%、フィンランド6.4%、ノルウエー6.3%、デンマーク4.3%等である。『日本の貧困研究』(橘木俊詔・浦川邦夫)によると強い共同体意識があるからという。参加型経営組織、連帯感と助け合い、民主主義の浸透、非格差社会、福祉国家観の啓蒙、公共機関への信頼、公正・平等を優先する心性などが挙げられていた。》と書いていたのを思い出した。フィンランドはどうなんだろう、と思いつつ学力世界一の国"フィンランド"と日本の教育方法の違いの記事を見つけて読んだ。そういえばおとといの酒席で「日本の教育のどこがおかしいんだろう」が話題になったばかり。記事に曰く《日本の子供は、情報や知識をただ受け取るのは得意ですが、それを元になにかを考えたり、自分の考えを生み出したりすることが苦手なようです。そのため、考えることが面倒なのでやり方だけを教えてもらいたいという生徒が多いそう。/テストは、教えられた知識をただ解答するだけで、点数がもらえるというシステムになってしまっていることからも、その現実が伺えるでしょう。/日本の教育は詰め込み教育と言われますが、生徒自ら考えて発する力が劣っていることが問題となっています。》財務省による洗脳浸透はその結果です。

*   *   *   *   *

709:mespesado:2019/06/17 (Mon) 21:31:20

 今回は「福祉国家」で有名な北欧の消費税と財政状況について書きたいと思います。
 まず消費税について。これは以下↓のサイトに詳しいです:

「高福祉・高負担」で有名な北欧三国の税事情から見る日本の現状と未来
https://www.leopalace21.jp/contents/hokuou-tax-hikaku.html

 この記事によると、

> 日本と北欧三国を比べると「国民負担率」に大きな差があることがわか
> ります。

> 国民負担率とは、「租税負担率(租税額の国民所得に対する負担率)」
> と「社会保障負担率(社会保険料の国民に対する負担率)」を合計した
> もので、国民がどの程度の税負担をしているのか分かる指標です。

> 上の図を見てみると、フィンランド・ノルウェー・スウェーデンの三国
> の国民負担率が55%を超えており、日本の負担率の約1.5倍程度にもなり
> ます。

> 消費税で比べても大きな差があります。日本の消費税は現在、一律8%と
> 定められています。一方スウェーデンとノルウェーの付加価値税の税率
> は25%、フィンランドは24%と、日本の3倍もの消費税を支払わなければ
> いけません。
【中略】
> スウェーデンの付加価値税率は先述のとおり25%ですが、軽減税率が導
> 入されていて、食料品は12%、書籍や新聞、公共交通機関の利用は6%と
> 定められています。生活必需品に関しては比較的安い税率で購入できま
> す。
【中略】
> 国連開発計画(UNDP)が発表している国民の豊かさ指数「人間開発指数
> (HDI)」で毎年トップにランクインされてきたノルウェー。付加価値税率
> は25%、食料品に関しては15%という高い税率で、世界一物価が高い国
> ランキングでも上位に選ばれています。
【中略】
> フィンランドの付加価値税率は24%ですが、軽減税率が導入されており、
> 食料品や外食は14%、本・医薬品・宿泊サービス・公共交通機関の利用
> は10%となっています。国民負担率は世界第3位という高負担の国です。

 なるほど、すごい高税率です。それに食料品などでは軽減税率が導入されているとは言え、それでもいずれも12%以上で、今の日本の消費税の1.5倍という高さです。
 そして、記事ではその理由を次のように述べています:

> 北欧三国に共通するのは、国が責任をもって国民の面倒を見るという
> 「大きな政府」のもとで政策が行われるという点。全人口に対する福祉
> や公共サービスに従事する公務員の割合が格段に高いのも、北欧三国の
> 特徴です。

> そんな北欧三国では「政府を監視する」という考え方が一般的で、国際
> 的な調査結果では政治家や公務員の汚職が少ないと評価されており、税
> 金の使途に関しても事細かに公開されます。

> 学費や医療費の無償化、各種手当など、わかりやすい形でサービスに還
> 元されており、国民がリターンを直接的に実感しやすくなっています。

 う~む。これ、いかにも優等生的な見解ですね。「高福祉高負担」だから、ということだそうです。
 さて、この事実に加えて北欧は累積赤字解消に向けて舵を切ったのに、日本は累積赤字を拡大させている、と批評する記事があります↓

日本が北欧のようになるのは、もう無理か
いつまで次世代にツケを回すのか
https://president.jp/articles/-/24977

> こうしたスウェーデンの「高福祉高負担モデル」は、戦後の高度成長期
> に確立されたものである。もっとも90年代に入って人口増加率がピーク
> に達し、また不動産バブルが弾けるなどして、スウェーデンの高福祉高
> 負担モデルは曲がり角に差し掛かった。90年代半ばには国の借金がGDPの
> 約9割にも達し、当時の日本(はまだこのレベルであった)と並ぶ借金大
> 国として、国際社会から否定的な評価が下されたこともある。

> しかしながら、その後のスウェーデンは果敢にも高福祉の見直しに取り
> 組んだ。具体的には年金制度改革(基礎年金の廃止と所得比例年金への
> 一元化や年金保険料率の固定化)や医療制度改革(社会的入院削減のた
> めの在宅ケア推進や医療費補助の見直し)などを通じて、高福祉高負担
> モデルの持続可能性を高めることに成功したのである。

> 一連の改革の結果、スウェーデンの国の借金はGDPの5割程度にまで減少
> した。社会保障制度の改革が手付かずのまま雪だるま式に借金だけが増
> えていった日本とは正に好対照である。

 日本に対する評価は、いかにも財務省の回し者みたいな内容です。しかしリンク先のグラフを見る限りでは、スウェーデンの公的債務残高が1990年代からゆるやかに減少しているのは事実です。
 でも、MMTを知った我々には、?が付きますよね。なぜならスウェーデンだって日本じゃないのでGDPは増え続けていますからオカネも経済活動に伴って当然増え続けていますが、オカネというのは誰かの借金によって増えるのであって、その借金は「家計」か「企業」か「政府」のいずれかの借金のはずですから、もしスウェーデンが公的債務すなわち「政府」の借金を減らしているなら、「家計」か「企業」の借金が増えているハズです。
 ではこのどちらでしょうか?
 「企業」が借金を増やすのは高度成長などで設備投資が必要な場合です。しかし今日のように、科学技術も進歩し、世界的に工業生産が頭打ちになった状況で、果たして「企業」が借金を増やし続けているのでしょうか?
 これらの疑問に対する答えらしきものが次のサイト↓で暴露されています。

北欧の不都合な真実を知ってもスウェーデンのようになりたいか?
https://innovatenation.net/blog/2018/04/25/489/

> しかし、経済成長するということは、誰かが借金をしていることを意味
> するのです。政府が借金を減らしているということは、民間が借金をし
> ていることになります。

> 日本語のソースは少ないのですが、英語ソースでは以下のものがみつか
> りました。

> Swedish household debt hits record high
>【 https://www.thelocal.se/20161005/swedish-household-debt-hits-record-high

> 2016年の記事ですが、スウェーデンの家計の借金が過去最高になってい
> るというのです。借金の総額は4220億ドルで、GDPの87%まで上昇してい
> ます。

 なんと、巨額の借金の“犯人”は「家計」だ、というのです。そして更に追及していくと、

> 約1000万のスウェーデンの人口のうち、約170万人が外国で生まれている
> (つまり移民)というのです。

> スウェーデンは欧州でも移民受け入れに寛容な国です。今では6人に1人
> が移民という移民大国になっているのです。

> 移民が犯罪率を高めるという明確なデータはありませんが、1980年代に
> は日本と同じ犯罪率だったのが、今ではスウェーデンの犯罪率は日本の
> 17倍というデータと移民増加を無関係とするのは無理があるのではない
> でしょうか?

> そして、スウェーデンの移民増加が経済成長の67%に寄与しているとも
> いいます。

スウェーデンの人口増加と経済成長は、移民が支えている一面もあるの
> です。

> スウェーデンの家計が借金をしてまで住宅投資するのも、移民の増加に
> より不動産の価格が高まっているからかもしれません。

> やはり、スウェーデンをはじめとする北欧の住宅バブルを指摘する記事
> も目立ち始めました。

> 儲かる住宅ローン、北欧マイナス金利の現状
>【 https://jp.wsj.com/articles/SB11640581799754933369104582006942730540380

 なるほど、住宅ローンバブル!
 しかも移民が急増して、その結果需要が急増して、その結果、需要>供給となり、高度成長期の再来のような経済環境になっているわけですね。これなら経済は「良性インフレ」ですから、信用創造過多になるので、多すぎるオカネを税金で回収しなければならないわけです。
 これでやっと日本との違いの最大の原因が腑に落ちました。
 さて、最後のリンク先の筆者も述べているとおり、

> 以上述べてきた北欧の現状を知った上でも、本当に日本は北欧を目指す
> べきといえるのでしょうか?

> そうであれば止めませんが、ぼくは御免被りたいです。

 私も筆者と全く同感です。

710:mespesado:2019/06/17 (Mon) 22:16:41

miffy@miffy41028586
> 高校政経
> 「景気によって税額が変動するため、財源が安定しない」のが、所得税
> の短所なんだって!
> そもそもこういう発想が税金の役割がよく分かっていない証拠。
税金というのは、景気によって変動させるものなんです!そうして、
> 気を安定化させる。
 ↓ ↓ ↓
無一文@経世済民@Economy4Nation
> 消費税の目的は
> ・捕捉率是正 964問題解決
> ・直間比率是正
> であって
> 財源の安定化ではないし、課税原則は応能負担原則であるという記述も
> 無い?

> 授業では
> ●水平的公平=
> 一律同率課税制度
> フラットタックス(人頭税)
> ●垂直的公平=
> 累進課税制度

> の是非についても
> 問題に挙げて頂きたい。
 ↓ ↓ ↓
miffy@miffy41028586
> そういえば、私の学校使用の教科書や資料集には、課税の原則が応能負
> 担であるという記述は、ないです
国税庁の租税教育の教材によると、
「税は公共サービスの対価」なんだそうですw

> https://www.nta.go.jp/taxes/kids/kyozai/koko/files/text-3.pdf
 ↓ ↓ ↓
無一文@経世済民@Economy4Nation
> (ペイアズゴー)
> 応益負担原則ですか…

> なるほど。勉強になります。
> ツイートありがとうございますm(_ _)m
 ↓ ↓ ↓
無一文@経世済民@Economy4Nation
> 財政学では応益負担原則が主流になりつつありますが

> 私が学んだ財政学では
> 応能負担原則が基本でした。

> 以下参考リンク
http://kraft.cside3.jp/steuerrecht04-2.html
 ↓ ↓ ↓
miffy@miffy41028586
> 25条と合わせて考えた時にやはり、応能負担的な考え方になるというこ
> とですね。ありがとうございます
> 応益主義を徹底させると、やはり、おかしいんですよ。生活保護とか受
> けられないことになりますから。
 ↓ ↓ ↓
池戸万作@mansaku_ikedo
> 応益負担(主に消費税)は、経済成長率を鈍化させます。お金を使いた
> い貧しい人からも税金を取ることは、経済成長戦略上も好ましくないと
> 言えます。経済成長させたいならば、お金が余って使い切れない人から、
> お金を使いたいけれども、お金がない人に渡すべきなのです。応能負担
> こそ経済成長戦略です。
 ↓ ↓ ↓
Hiro-Nog@FyCrrghWWKgOQED
消費税は消費=モノを買う事 へのペナルティだから、経済成長したいな
> ら課すべきでないのは自明の理。
 ↓ ↓ ↓
池戸万作@mansaku_ikedo
> 経済成長すれば、税収も自然に増加しますからね。良く「北欧は消費税
> 率が高いから、福祉国家が成り立っている」と言いますが、実はその北
> 欧も間違っているんじゃないかと疑っています。むしろ、北欧で福祉国
> 家が成り立っているのは、「北海油田」のおかげではないかと思ったり
> します。

 最後の方で例の池戸万作さんがリプ付けてますが、>>709 の関連話題として「北海油田」の話が出てきました。
 ノルウェーとデンマークは、やはりこの北海油田で「外貨」を稼いでるんですね↓

https://sonetaku.com/northern-europe/

 結局国家のビジネスモデルが産油国のそれなんですね。だから筆者は言います↓

> 日本がモデルとするならスウェーデン

 いや、だからそのスウェーデンは(以下略)
 そういうわけで、外国は全く参考になりませんね。いつまでも外国にモデルを見つけることばかり考えないで、せっかく日本は世界に冠たる超供給過多の国なんだから、とっととオカネ刷ってデフレから脱却すればいいのに。

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