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平成31年度辞令交付式にあたって [こども園]

毎年4月1日の辞令交付式。今年は31日のアヤコ先生お別れ会参列で出雲まで行かねばならないので29日。幼稚園時代はゆっくり時間を取って1時間ぐらい語れたのだが、認定こども園になってからは始終保育中でみんな揃うことができない。そんなわけで文章にして渡すことにしている。今年は新採2名を迎えての辞令交付だった。

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平成31年度辞令交付式にあたって

 昨日(N子先生お別れ会)のN子先生の話、(言葉は私流に変形していますが)「いちばん力になったのは、なんといっても同僚同士の心の通い合い」。そのあとの懇親の場でも、「ほんとうにそうだよねぇ」という言葉が行き交っていたように思います。
 そのことを頭において、ちょっとトンデモ話から始めます。出典は、木内鶴彦著『「臨死体験」が教えてくれた宇宙の仕組み』です。
 お月さまは、もとは水を大量に含んだ彗星でした。今から1万5千年前、その彗星が太陽に接近したことで水分が水蒸気化、その水蒸気が地球の引力に引き寄せられて地球の水分が倍増した一方、水分が抜き取られた月は軽石のようになって地球の周りを回るようになったのだそうです。「ノアの方舟」のお話はこのときの洪水の記憶から始まっているのです。
 さて、水が大量に降ってきた地球は、その分重さが重くなります。地球の重力が大きくなることで、恐竜は自分の身体を支えきれなくなって滅びます。自転速度も25時間から24時間に変わります。人間の生体リズムが25時間なのはその名残りです。
《月 の出現というインパクトによって地球の環境はダイナミックに変わってしまいました。月の重力によって地軸が傾き、地球の一日は25時間から24時間になり ました。地球の三分の二は海に覆われてしまい、地球の重力も変化しました。/ さらに大洪水により、多くの生命が絶滅し、高度な文明を築いていた人間もほ とんど死んでしまいました。残された生き物は人間も含めて少なくなった食べ物をめぐって殺し合いを始めます。弱肉強食の時代が始まったのです。》
 弱肉強食の生存競争の世界は、「オレが」「オレが」の世界です。そうして「自我」が生まれます。その結果どうなったか。
 《こ のとき人間が失ったのはテレパシーの能力です。私は大洪水の前までは人間もお互いのミトコンドリアを通じて、情報を伝達し合えたと思います。私が見た 古代人たちは文字や言葉がなくても、一瞬で思いを共有し、正確に情報を伝え合っていました。彼らが高度な文明を築けたのも、一つにはテレパシーのおかげが あったと思います。/ しかし食べ物が少なくなると、自分だけが知っている食べ物の情報や隠し場所をほかの人に知られては困ります。そこで意図的に意識の 回線を遮断し、情報の共有を避けたのが、いまの人間たちではないでしょうか。/ その代償として、人間は厄介な「自我」を抱え込むことになります。自分さ えよければいい、自分を守りたいという「自我」は、損得の世界へと人間を追いやり、お互いに疑い合い、殺し合う殺伐とした世界をまねいてしまいました。テ レパシーの能力を自ら捨てた人間の代償といえましょう。/ テレパシーを失った人間は互いの情報を伝え合うために、言語や文字を発明します。しかし一瞬に してわかり合えるテレパシーと違って、言葉や文字では思いを伝えきれません。/ 人間は自分でも御しきれない厄介な「自我」と、思いを伝えきれない孤独の 中で、恐怖や不安、ねたみや猜疑心と戦いながら、生きていかなければならなくなったのです。》 
齊藤元章 発展グラフ.jpg  そしてそれから1万5千年、300年前の産業革命、70年前の情報通信革命、30年前のインターネットによる世界のネットワーク化を経て、「生産力」は驚 異的に発展しました。少なくとも日本では、モノの溢れかえる世の中になっています。まだ過渡期的なギクシャクはありますが、貧しさゆえの弱肉強食の世界か らは解放されつつあります。
 では、これからの課題は何か。それは、貧しさゆえに発達せざるを得なかった「自我」によって眠らされていた、人間本来の能力を目ざめさせることです。世の中は、心と心を通い合わせることのたいせつさに気づきどんどんその方向に向かっているように思います。たまたま「言葉を介さずに通じ合える」で検索して、《“言葉の壁”を越えていこう!ろう者・難聴者・聴者の協力で謎が解ける脱出ゲームが開催へ→「異言語」ラボhttp://igengo.com/ →「2019年3月30日(土)午後8時45分 〜 午後9時00分放送のNHK Eテレ「ろうを生きる 難聴を生きる」で 異言語脱出ゲームが紹介されます。》へと至りました。明日の放映です。見れる人は見て下さい。その中に「バベルの塔」について議論していてひとつのゲームが生まれることになったとありましたが、「バベルの塔」のお話も、かつて心通わせ合う時代があったのがいつのまにかそうでなくなってしまったことを象徴し ています。
 木内氏はこうつづけます。
 《生 まれたばかりの赤ちゃんや幼い幼児はまだテレパシーの回線が遮断されていません。「自我」を持っていないのです。この状態だと、さまざまなものと情報共有 している可能性があります。/  幼児が花や鳥と。会話しているように見えたら、それは本当にそうなのかもしれません。『お花が話している」とか「お星さまがしゃべった」などと子どもが いったら、その通りに受け止めてあげるべきなのです。/ ところが多くの親たちは「嘘をついちゃいけません」とか「お花が話すわけはないでしょ」などと否 定してしまいます。なかには「気味が悪い子だね」とわが子を排除する親もいます。子どもにとって親は絶対ですから、親に気に入られるために自らテレパシー の回線を閉じてしまうでしょう。そして「自我」に目覚めてしまうのです。》
 幼い子ども達は、私たちが失ってしまった、あるいは眠らせてしまった大切な能力をまだ十分持っているのかもしれない、そう思うことであらためて、保育に関わる仕事のかけがえのなさを思えるようになるかもしれません。
 一方、AI(人工知能)はAIで、心の通い合いを実現する方向に向かっています。
  AIの発達は、いずれ脳内の動きの解析が進むと、心で思っていることをデータとして取り出せるようになるのです。人間の脳がコンピューターにつながる BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)といいます。それがさらに人と人との間でつながると、人間の頭脳が巨大なネットワークを構成するBBI(ブ レイン・ブレ イン・インターフェース)となり、 言語を介さず個々人の感覚をそのまま共有する、新たなコミュニケーションが可能になるのです。
 私には、AIと人間力が競い合って、みんなの心が通じ合うという目標に向かって進んでいるのが今の世の中に思えます。そう思うと、未来はきっと明るいです。
 
 さて、もうひとつ言っておかねばならないことがあります。
  昨年11月に園の北側の市道整備が完成しましたが、こんどは青いシートで覆われた土地142.5坪 を園で購入することができました。さらにそれに伴って、その土地の奥、お墓の下まで園で使うことができるようになります。前の方は駐車場として整備します が、奥の方はどう使えばいいか。さくらんぼ畑も含めると結構広大な土地です。いちがいには無理かもしれませんが、どんな風にしていったらいいか、いろんな 構想を語り合って欲しいと思います。(今年はさくらんぼを管理してくれているSくんが、使わなくなった鳥除けのテントを譲り受けていちばん実のなる木にテ ントをかけてくれています。)
 6年前の創立60周年のとき、園創立の中心になった当時新庄教会の芦名直道牧師の息子さん、芦名定道京都大学教授に講演し ていただきました。すばらしい中味のある講演でした。ぜひ講演録を手元において、宮内認定こども園のそもそもについて思いを思いをめぐらしてください。詳しくは講演録をみていただきたいと思いますが、その中で賀川先生が残された「自然教案」(自然を教材にした幼児教育)について語られました。
《 1.身体感覚で自然に触れる。手で触って、目で見て・・・五感を使って・・・
→おどろき、よろこび。子どもたちは自然の中にいることが大好き。自然の中で遊ぶことで活力が与えられる。自然にふれあうことのできる空間。感動→芸術。
(体力低下←空間・時間・人間関係の不足)
2.自然の観察。自然の仕組みを知りたいと思う。→科学の発展
3.自然の中に不思議なものを発見する。
動物の飼育→兎の子どもが生まれる→親子関係。母が子を守る。
蟻の巣の観察→協力し合っている。でたらめに動いているのではない。女王蟻、兵隊蟻、食べ物を運ぶ蟻。分業。
親と子の愛情。ともに生きる。→社会性。
ひとりで生きている訳ではない。常に他人と支え合っている。子どもはこのことを学ぶ。
自然から社会性、道徳を学ぶ。》(講演資料より)
 自然とのかかわりの中で「人間力」をつけること。そのために、与えられた環境をどう整備したらいいか。宮内認定こども園ならではの特色が出せるような構想を期待します。
 もろもろ、明るく希望を持ってこれから一年、よろしくお願いします。

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