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夏目祭子著『あなたが目覚める愛と性のギフト』を読む [イハトビラキ]

愛と性のギフト.jpg暮れに夏目さんからの昨年の年賀状を見て、2018年2月刊『あなたが目覚める愛と性のギフト』を求めて読んだ。

「性」問題についての原理的思考―夏目祭子さんと題してだれにとっても身近で切実な「性」問題の本質について、世の中との関わりをもしっかり視野に置きつつ真正面から論じることのできる夏目祭子さんは、まだまだ注目されていい人だ。》と書いたのは、このブログ始めて間もない13年前のことだった。その4年前、平成14年に夏目さんに講演をお願いした。「新しい歴史教科書をつくる会山形県支部」が暗礁に乗り上げて立ち上げた「これからの子育てを考える会」田下昌明先生講演会に次ぐ2回目の講演会だった。思いがけなくその時の事がエピローグに書いてあって、定宿だった千歳館の座敷での懇親会、その時の雰囲気がそのまま懐かしく思い起こされた。

夏目さん講演会チラシ裏.jpg夏目さんチラシ表-2.jpg《(人前で性について教える仕事を始める)事の起こりは2002年、私が評論誌に寄稿した、援助交際にまつわる提言エッセイに、山形県の非営利団体の事務局艮さんが目を留めて下さり、「性の大切さに ついて、本音の講演をして下さい」と、私にとっては人生初の壇上に引き上げて下さったのが、その始まりでした。/ 無事、お役目を果たした後の懇親会では、「こんなに何度も『セックス』という言葉を使って、性の話をしているのに、全然イヤらしくない」といった驚きを語る感想が、何人もの男性の口から繰り返され、ある議員の方は、「これからウチのかあちゃんと仲良くしようと思います」と、晴れやかな表情で意気を上げました。/ 何やら皆が「童心に還っている」のにも似た、清々しい明るさが会場のお座敷を満たしていました。きっと、「大切なことを、照れや気兼ねでごまかさずに、素直に大切と言えることの爽快さ」を、皆が昧わっていたからではないでしょうか。/ この晴れやかさ・清々しい明るさは、今も続けている全国各地でのセミナーの場で、参加者の皆さんと性にまつわる本音のシェア会を持った時にも、一貫して流れているものです。/ イヤらしくなるどころか、私たちは、性の話を通じて「童心になれる」のです。/ そして、そうなった時の私たちの姿は、もしかすると縄文人のあり方に近づいているのかもしれません。》(300-301p)

この時の講演は、家内も高校生だった娘も一緒に聴いた。「これからの子育てを考える会」のHPに文字に起こして今も残る
 さて、本の感想。

今朝のニュース、NHKの調査によると 「必ずしも結婚する必要ない」が7割近くになったという。いったいこれからどうなるのだろうと思う。夏目さんは言う。

《きっと、今の日本人の現状は、過去数千年間続いてきた愛と性にまつわる価値観が、大きく方向転換する兆しを示しているのです。つまり、セックスレス・カップルの急増は、暴力や恥の意識で歪められた、古いセックスのあり方をいったんリセットするため。そして、おひとり様の急増は、所有欲やコントロール意識で縛り合う、古い男女関係をいったんリセットするための現象ではないかと惑じます。》(280p)

陰極まって陽生ず。この著の副題は「至福の男女関係をつくる[6つの封印解除]」。性にまつわるさまざまなしがらみ、タブーから解放されることで本来「至福」の男女関係が取り戻される。その転換期が今。夏目さんは、具体的、懇切丁寧に封印ののひとつひとつを解いてゆくのだが、飯山師の死を悼む中にあった、明石原人さんの言葉がうかんだ。すなわち、「自灯明」。いわく≪「自灯明は自分の体に頼ること、自分で気持ちがいいなと思うことをお灯明にするんやな。」「気持ちがいいと思えることは、自分しかわからんやろ。」「それをお灯明にするんや。」≫飯山師推奨甲田療法、甲田光男氏の言葉という。自らの内なる感覚、内なる力を信じて、あせらずじっくり少しずつ道を切り開いてゆく、その先にはたしかに光がありますよ、この本もそういう時代になってきたことを告げているような気がしました。イハトビラキ。


【追記 31.1.9】

夏目さんの初講演、いま、「性」をどう教えるか http://www.geocities.co.jp/SweetHome-Ivory/4291/seithink.htmを読み返してみました。17年前の講演ですが、全然古くなっていません。夏目さんの夏目さんらしさ満載、一気に読ませます。ぜひ読んでみてください。渾身の講演でした。最後の締めは、《食べることについて、セックスについて、自分が心の底から快いと思えるやり方で、自分にとって必要なものだけを選び取る、という生き方をぜひ、今これから試してみて下さい。 私たちが、自分ではそんなつもりは全然なかったのに、気がついたら自分の手で人生の可能性を破壊してしまった、ということにならないように。 どうか、どうしても必要なものと、そうでないものとを見極める目を育てて下さい。》でした。 

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めい

↑ 追記しました。
by めい (2019-01-09 06:30) 

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