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人事評価を賞与に反映するかどうか [こども園]

昨日は官公庁の賞与支給日。「南陽市は2.25ヶ月、平均75万円」の報道に家内が「エーッ!」と声を上げていたが、「生きてる世界が違うんだから・・・」と心で思うしかない。稼ぎが悪くてごめんなさい。一生働きます。こども園も「10日に支給お願いします」と言われていて、今年は早いなと思っていたが,官公庁に合わせていたのかとその時気づく。

さてこのたびの賞与支給、人事評価を賞与に反映するかどうかが理事会で議論された。職員間の話し合いでは、金額的にはわずか(上下の差2,000円)ではあるが反映してほしいという事で理事会に諮られた。議論の末、「反映しない」という結論になった。理事会のどういう考え方に基づいてそういう結論になったのかを理解してもらわねばならないということで、以下の文章になりました。

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理事会の考え方


 12月4日の理事会において、人事評価を賞与の業績分に反映するという提案は見送られることになりました。その結論が、理事会のどのような考え方に基づくものかを記しておきます。

①子育て機関であり、教育機関であるこども園において、数値利益を目指す企業と同様な業績評価は基本的になじまない。(学校において一時導入が図られたが、最近はむしろ見直しの方向にある)
②職務に取組む姿勢、結果として子ども達がどう育っているかの評価は当然問われねばならない。それは管理の職にある者にとって責任を伴う重要な役割であり、それは職務配置等に反映されるべきである。
③当然なすべきことができない職員に対しては、個別の指導をもってあたることとする。

 以上が理事会での議論の集約ですが、その背景にある考え方は、わずかな金額の差で職場環境全体に悪影響を及ぼすことの危険はあえて避けた方がいい、それよりも、みんなが気持ちよく働ける職場であってほしい、ということです。「私はこんなにがんばっているのに・・・」という思いを持つ人もあるかもしれませんが、その感覚はできるだけ封印してしまった方が、人間の生き方としてずっといいです。豊かな生き方ができます。断言します。
 一方、自分の弱さ、だめさ、いたらなさをを自覚できるということが、人間の成長にとっていちばん大切な条件です。自信を持ったりなくしたり、その行ったり来たりで成長し、世界が広がってゆくのです。がんばりが足りないと思う人はがんばって下さい。日々接する子どもたちがなによりの栄養剤のはずです。

 「みんなが気持ちよく働ける職場であってほしい」と書きました。そのためには職員同士の関係、子ども達との関係、保護者との関係がいい関係であることです。人間関係について思っていることを書いておきます。
 私が学生時代大きな影響を受けた人に吉本隆明という人がいます。その人の言葉に「関係の絶対性」というのがあって、その言葉を知って半世紀、それをどう理解するか、いつも頭にひっかかっています。(吉本隆明が「関係の絶対性」と言い出したのは『マチウ書試論』という、マタイ伝について書いたエッセーの中でです。外に在ってはいろんな奇跡を起こして救世主あつかいされていても、生まれ故郷に帰れば「大工の息子」(マタイ伝13章)、そんな文脈の中で出てきた言葉でした。)ここまで生きてきて思うのは、自分でああしよう、こうしようと生きている以前に、「関係」の中で生かされてきたということです。いま理事長をやっているのも「関係」の中での成り行きですし、7日、8日の「青苧フェスティバル&創作紬展」もそうです。「生かされている」と思ったとき、「私」の意識は薄められ、神さまが身近かになります。「関係の絶対性」を思うことで、「自我意識」が消え、「神さま」につながります。その意味で、キリスト教保育の環境というのは恵まれた環境です。宮内幼稚園以来のこの園の伝統とも関係あるのかもしれません。
 「関係を大切にする」ということで、これまたいつも心にひっかかっている言葉があります。それは「人を不快にさせただけで人間失格」という意味の言葉でした。30年ぐらい前だったか、友人の家で見た日めくりカレンダーにあった言葉です。言っていた人の名前は思い出せませんが、「にんげんだもの」の相田みつをや「念ずれば花開く」の坂村真民的な人だったと思います。あたりほとりを無視して突っ走りかねない頃だったので、ガツンときました。その時、恐ろしい言葉に思えました。ただ、この言葉を知ったことで、その後の人生だいぶ変わったような気がします。年がら年中「人間失格」ばかりですが、心がけとしてはありがたい言葉でした。
 
 要するに、理事会の判断は、いい職場環境であるにはどうすればいいかという立場からの判断であったことを理解して下さい。いい子ども達が育つのは、いい職場環境からであることはまちがいありません。笑顔を忘れないで下さい。

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そのあと、③当然なすべきことができない職員に対しては、個別の指導をもってあたることとする。》ということで、園長とともにその任に当たったが、「家に持ち帰っての仕事をしなければならない問題をどう考えたらいいのか」という課題を突き付けられた。「それがあたりまえ」とは言っておれない時代になっている、きっと。



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