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mespesadoさんによる1億人のための経済談義(34)刷ったお金は「負債」じゃない [mespesadoさんによる1億人のための経済講]

思い起こせば、ここから始まったのでした。↓

「1000兆の国債は相殺すればゼロになる!」https://oshosina.blog.so-net.ne.jp/2017-04-03

*   *   *   *   *

987:mespesado :
2018/10/09 (Tue) 23:25:12

 こんなサイトがあります↓
統合政府という幻想
http://www.murc.jp/thinktank/rc/column/igarashi/column/igarashi170703

> ◆統合政府で見ると借金が消える?

> 2013年4月に始まった「異次元」の金融緩和政策の主たる手段として、日
> 銀は大量の国債を市場から買い続けてきた。今年5月末の時点で、日銀が
> 保有する国債の残高は427兆円、うち長期国債だけでも390兆円にもなる。
> 国債の発行残高総額は838兆円(今年3月末の見込み額)だから、今や発
> 行済み国債のおよそ半分は日銀が持っていることになる。

> そもそも日銀は公的な機関だから、そうであれば政府と日銀のバランスシ
> ートを合体させて統合政府として捉えればよいとする考え方がある。この
> 見方に立つと、国債は政府の債務だが、日銀にとっては資産である。した
> がって統合政府で考えれば、この資産と負債は相殺できる。国債の利子に
> ついても、政府が支払う利子は日銀の所得になって、それは納付金として
> 政府に還流する。結局、政府が発行した国債のうち日銀が保有している分
> は、実質的に償還も利払いも必要ないということになる。何と、借金であ
> るはずの国債の残高が半減するような話なのだ。

 ここまでは全くそのとおりです。ところがこの記事の筆者は、続いてこう述べます:
> ◆バランスシートで見た国債発行

> ずいぶんうまい話だが落とし穴はないのか。実はある。以下、順を追っ
> て説明しよう。

と言ってくどくどといろいろ説明したのち、結果として

>  結局、政府が借金して歳出を行うと、その分は必ず債務超過(民間部
> 門に対する負債)になるということだ。借金の証文である国債をいくら
> 日銀に買ってもらったとしても、債務超過は1円たりとも減りはしないの
> だ。

 え??だから何??
  統合政府の債務超過が減らないのはアタリマエ。なぜなら統合政府が仮に1兆円のオカネを刷ったとしましょう。すると、統合政府はホンモノの政府と日銀の会 計を合算したもので、しかも両者の資産と負債はバランスしているのですから、資産側には確かに1兆円増えますが、負債側にもそれと同額の1兆円が立つこと になります。そしてこの資産側の1兆円を市中に流せば資産がゼロになって負債の1兆円が確かに残ります。アタリマエです。ですが「だから何?」ってことで す。この負債の1兆円は誰かに返さなくてはならないオカネじゃないんですから、負債として永久に残ったってかまやしないじゃありませんか。
 これは国の会計と日銀の会計をそれぞれの習慣に基づいて作って合算したから一見不思議な形になるだけで、もし「統合政府」だけの財務表を作ってよいのなら、資産側に刷って作った1兆円だけ計上して、負債はゼロにすればよい。なぜなら、この刷ったオカネは誰に返す必要もないので本当は「負債」じゃないからです。あたかも金を1兆円分掘り出して所持しているのと同じです。ですから、このサイトのようなインチキ説明に騙されてはイケマセン。

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