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新年度(LED防犯灯/辞令交付式講話「未来へ!」) [こども園]

3月31日の粡町町内会通常総会をもって2年間の地区長役を無事修了。前地区長時代からの懸案だった街路灯(防犯灯)のLED化工事ががぎりぎり27日に完了して総会に臨むことができた。25年前に私の父や髙橋俊信さんが苦労して(補助金をもらうため粡町商店街組織をつくり、さらに全戸から寄附集め)設置した街路灯を廃することにはためらいがあったが、11月22日の臨時総会で俊信さんの息子信彦くんからの「安くできるんだったら街路灯をやめて全部防犯灯に替えた方がいい」という意見でみんなふっきれた。結果的に水銀灯の街路灯をいずれ撤去することとして、電力柱7本、NTT柱2本に新設9灯(15W)、従来の防犯灯(蛍光灯)のLED化5灯(8W)、しめて工事費46万円、うち市からの補助28万円、持ち出し18万円で計14灯がLED防犯灯になった。市の試算では電気料は現在の12万円が5万ぐらいになるという。いい選択だったと思う。↓街路灯と防犯灯両方が点いている貴重な写真です。3年前、電気料倹約のため西側街路灯を消していましたが(21万円→12万円)、こんど街路灯は東側も消えて西側電柱のLED防犯灯だけになります。LEDの輝きが際立つのがわかります。


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4月1日が日曜で2日から新学期。こども園、午後から辞令交付式。幼稚園時代は1時間ぐらい講話の時間をもらったが、0歳児から保育のこども園になってからはその時間が取れない。文章にして読んでもらうことにしている。この際、ということで、「放知技」板で学ばせていただいたことなどを自分なりに整理してみることにして書いたのが以下。「◎若い人への期待」の項は卒園式後に書いた文章ほとんどそのまま。


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未来へ.jpg      「未来へ!」


世界は明るい未来に向かっている
 トランプ大統領出現以来、世の中は明るい方向に向かいだしました。トランプ大統領が言う「アメリカ・ファースト」が意味するのは、「正義をかざして戦争するのはもうやめようや」ということだったのです。"アメリカ政府は、自国のインフラを荒廃させておきながら、よその国の建設に何兆ドルも費やしてきた そんなことはやめさせる 再建の時が来たのである わが国の労働者たち、アメリカの根性、アメリカの自負心を使ってそれを行うのだ日本では、日本政府に大きな影響を及ぼし続けた「正義の戦争」派(ネオコン=新保守主義)の影響力がぐんと低下することになりました。憲法9条の改正が、1項2項をそのままにして3項に自衛隊を付け加えるだけにしようという案が出てきたのもその結果です。東アジアでは北朝鮮の金正恩最高指導者を軸に対韓国、対アメリカ、対中国、それぞれの関係が一挙に融和の方向に向かっています。(北朝鮮、金正恩に対する日本人の偏見を改めねばなりません。戦争の意味が急速に薄れています。本来だれも戦争したい人などいないのです。要するに、みんなで「戦争なんてやめようや」と言ってしまえば済むことなのです。「人殺しや破壊のための道具を作ってカネを稼ぐことの馬鹿らしさにもういいかげん気づこうや」とみんなわかってしまえば済むことなのです。(川西町小松生まれで終戦時に航空兵器総局長官だった遠藤三郎中将は、軍人としての自らを反省し、利益を第一に考える株式会社としての軍需産業を解体し国営化すべきと主張しました。戦争が起きるのは戦争で金儲けをする人がいるからだということを、身をもって体験していたのです。埼玉県狭山市の陸軍航空士官学校跡地に入植、農業に従事しつつ9条護持を訴え続けました。)



水面下で世界の流れを主導する日本
 政治の動きは表面だけの動きでは判断できません。マスコミは森友問題で大騒ぎですが、日本は国際的に大きな役割を果たしつつあります。北朝鮮とアメリカの水面下交渉(北朝鮮外務省で米国を担当するチェ・ガンイル副局長とスティーブンス元駐韓米国大使会談)の舞台は、フィンランドの日本大使館だったそうです。トランプ大統領が最も信頼を寄せるのが安倍首相です。安倍首相とプーチン大統領との間にも全幅の信頼関係が築かれています。河野太郎外務大臣も中東問題解決に大きな役割を担って動いています。(パレスチナ人280万人のヨルダン移住作戦。河野外相とヨルダン国王は大親友)


日本の政治は1000年単位(ミレニアム)の大変革期にある
 日本の将来を考える時、国の借金をめぐって対立する考え方があります。「GDPの2倍、毎年積みあがる1000兆円を超える国の借金、このままでは国が破産する!」という悲観論と「全然心配に及ばない」という楽観論の対立で、どちらをとるかで、国の進む方向が全く変わってしまいます。悲観論の方は、国の財政と家庭の家計を同じように考えて、「借金はいつか返さなければならない」という考えです。税収を上げて借金を返そうという財務省がその代表で、マスコミもほとんどそうです。もうひとつは国家財政と家計とは根本的に違う、なぜなら家計はお金は外から稼いで持って来なければならないが、国はお金を自分で発行できる。モノのないところでお金を刷りまくればハイパーインフレになるが、モノのありあまる(供給力が十分な)日本ではその心配はない。増税して国民からお金をしぼりとるのではなく、広く国民にお金を行き渡らせる方策の方が国のためになるという考えです。安倍首相は、広言はしませんが、実はこの立場です。財務省の手前、一応消費税の10%は言いますが、上げた分は教育無償化に向けると言って、借金を減らそうという気持ちは毛頭ありません。できることなら消費税を上げて消費を冷やすような愚策は避けたいというのがホンネです。森友問題に関わる佐川証人喚問の背景にあるのはこの二つの考え方のせめぎ合いです。 とりもなおさず、これは大化の改新・律令制度布告以来、千数百年にわたって続いた官僚支配、民衆の隷属化の終焉――真の民主化の始まり、ととらえてよいでしょうか?というネット上発言がありましたが、日本の政治は1000年単位(ミレニアム)の大変革期にあると言ってもいい。こうした思いを背景に、先日の寄付報告書にこう書きました。「金があるからやる」「金がないからできない」、きっとこういう発想は時代遅れです。「何が必要か」「どんな夢(ビジョン)を描いているか」がいちばん優先されるのです。 



若い人への期待


 3月16日に中学校、18日に小学校、そして21日はこども園と卒業(園)式に参列してきました。そして思うのは、今の教育環境の安定ということです。小中はきっちり「君が代」斉唱に始まります。(キリスト教保育のこども園は歌わないが、あえて国歌斉唱を求めようとは思わない。園歌→聖句「あなたがたは、以前には暗闇でしたが、今は主に結ばれて、光となっています。光の子として歩みなさい。」→おいのり→讃美歌「かみよわたしの」、この流れがきっちり心に沁みとおる。)中学校も小学校もそれぞれ感動があったが、その度合いは「中学校<小学校<こども園」だった。特に今年のこども園の子ども達の懸命さはただごとでなかった。式の終了後、来賓の方々はそのまま帰途に就かれるのが通例なのに、このたびはみんな一言言いたい風で、また控え室に戻って感動を伝えあった。小中の校長先生もおられる中で、園長に引き続き挨拶させていただいた。「3つの卒業式に参列させてもらったが、いずれも感動させていただきました。思うのは豊かな世の中になったんだなあということです。60年前のわれわれの頃とは大きくちがう。われわれが70年かかってやっとたどりついた感覚を、若い人がこともなげに身につけている。AIの進歩もあって世の中はさらに大きく変わってゆくことだろうが、これからの若い人、大丈夫おおいに期待できるし心配ないと思ったところでした。」こう言った背景には、1987年生まれという、まだ若い落合陽一氏の『日本再興戦略』が頭にありました。曰く、

《これからの日本に大事なのは、いろんなコミュニティがあって、複数のコミュニティに所属しつつ、そのコミュニティを自由に変えられることです。どのコミュニティを選ぶかは本当に人それぞれです。家族を基盤にしてもいいし、会社を基盤にしてもいいし、地域コミュニティを基盤にしてもいいし、趣味を基盤にしてもいい。ひとつのコミュニティに依存するのではなく、いろんなコミュニティに依存すればいい。そういうふうになれば、日本人の生活や仕事はもっと楽しくなるはずです。ですから、この感覚を共有できる地域経済をつくり出していかなくてはなりません。そのためのビジョンの共有と教育が必要なのです。》(44p)《教育を変えて日本人の意識を変え、地方自治を強化して、ローカルな問題を自分たちで解決できるようにすること。つまり、帰属意識と参加意識、自分の選択が意味を持っている実感を、それぞれの人々が感じ、相互に依存することから、日本再興は始まっていくのです。》(51p)

ここに、戦前回帰でもないし、戦後われわれが身に付けさせられた個人重視(「デカルト的主知主義」)でもない、共に相対化しつつさらに「止揚」したと言っていい到達点を見てブルッとするほど感じ入りました。落合氏はさらに「日本とは何か」を問います。その根源は、出雲と大和の確執、そして国津神(うしはく)から天津神(しらす)への移行。攻め滅ぼしたのではなく、納得づくの「国譲り」。(参照 北野達教授最終講義「古事記が目指したもの」(3) 本来日本の「政(まつりごと)」)そこから中臣鎌足の大化の改新を経て、「大宝律令」による統治構造の基盤づけ。《宗教的な立脚点は中央の天皇のほうに持ってきて、それ以外の法制や法律は官僚的人材が決めていくという官僚主導の管理経済型の仕組みができあがったのです。》(69p)この仕組みが今に至るまで1300年にわたって続いてきた。これが「日本とは何か」、その基本です。 こうした仕組みを前提に300年続いたのが徳川的世界。《インドのカーストに当たるのは日本の士農工商ですが、日本は本質的にカーストが向いている国だと思っています。》(75p)その理由。《僕がここで士農工商のモデルを支持するのは、日本人の幸福論を定義しやすくなると思うからです。我々は、幸福論を定義するときに、つい物質的価値を求めてしまいますが、実は、生業が保証されることこそが幸福につながります。「その生き方は将来にもあるだろう」という前提で末来を安心して考えられると生きやすくなるのです。生きるに業と書いて、『なりわい」と読みますが、生業が保証されて、それに打ち込めるだけで、人生のビジョンがほとんど決まります。それは、いつまで経っても自分探しをして、迷い続ける人が多い社会よりもよっぽど幸福ではないでしょうか。》(78-79p)!

落合氏の士農工商評価に、内村鑑三『代表的日本人』の鷹山公の章の序を思い起こしました。《徳がありさえすれば、制度は助けになるどころか、むしろ妨げになるのだ。・・・代議制は改善された警察機構のようなものだ。ごろつきやならず者はそれで充分に抑えられるが、警察官がどんなに大勢集まっても、一人の聖人、一人の英雄に代わることはできない》。投票箱に頼る立憲民主制でなく、徳ある君主を得た封建制に信を置く。「民主主義」や「平等」イデオロギーに馴らされた頭では納得するに手間取るが、落合氏の発想に通じます。内村は言う。《本質において、国は大きな家族だった。・・・封建制が完璧な形をとれば、これ以上理想的な政治形態はない・・・》落合氏も同感するのではないか。しかしそれを「戦前回帰」と短絡しない方がいい。アウフヘーベン(止揚)、螺旋状的進化なのです。われわれ年寄り世代が旧いイデオロギーに目くらまされて地べたを這いずり回っている間に、若い世代は自分の感覚を信じて大きく羽ばたきつつある、そんなふうに思わされた卒業(園)式参列の体験だったのでした。若い世代に期待します!


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めい

文明史的転換。イハトビラキ。
《今言えることは、巨大な世界史的な西洋と東洋の覇権の移行期にあたり、政治的・経済的な覇権の移行だけでなく、文明レベルの衝突が起こっていること。》

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818:堺のおっさん : 2018/04/06 (Fri) 01:03:38 host:*.ocn.ne.jp
>>808 飯山一郎御大
たかひろくん、私もプーチンの変調が気になって寝られへんわ(爆)

スプートニク日本という末端の極東支部まで管理が行き届かない?
それで説明がつくだけならいずれ修正されて終わりだが、どうやらそうでもない。
今言えることは、巨大な世界史的な西洋と東洋の覇権の移行期にあたり、
政治的・経済的な覇権の移行だけでなく、文明レベルの衝突が起こっていること。
西洋の王朝は、版図の国民を支配するための王朝であったが、
東洋の王朝は、国民を統治するための王朝という根本的な違いがあります。
掘り下げれば、もっと細かく分類もできるのですが西洋的であるか、
東洋的であるかは王と国民の関係にあると。
支配される国民側の権利確保のために民主主義が制度化されたのも西洋的です。
習近平が事実上の皇帝となり、金正恩が血統的皇帝を目指している。
ではプーチンはどうか?
ロシアという国は不思議な国で西洋的な要素と東洋的な要素が混ざり合っている。
かつてのロマノフ王朝もその二つを兼ね備えた王朝。
プーチンは今回の選挙でさらに支持率を伸ばし国内基盤は強化された。
それでいて、変調を起こしているとしたら、自身の西洋的な文明と
中国や北朝鮮の東洋的文明の相違に一種の困惑を覚えていることが原因鴨と。
西洋的覇権思想は版図を広げることで国力を示す帝国主義。
東洋的覇権思想は朝貢外交で影響力を広げる。
今、東洋的な王朝へと中国や北朝鮮が復古していく中で
ソビエト革命で跡形もなく壊されたロシアの国のあり方を
如何に再構築していくのか? ロシアもまた、変化していくのか?
それもプーチンの腹一つだ。

by めい (2018-04-06 06:22) 

めい

《これほどまでの急速な少子高齢化は、これまでにない事態であります。しかし、今一度、あらゆる人が存分に能力を発揮すれば、必ずこの壁も乗り越えることができる。》《皆さん。どうか大局的視野を持ってください。全体を俯瞰(ふかん)し、物事の本質に迫ってほしいと思います。組織の殻に閉じ籠もって、自分の思考に枠をはめるような、縦割りの発想に陥らない。自分の省庁だけを見て政策課題を解決できるような時代ではありません。この場にいる仲間との絆を大切に、オールジャパンで政策を考えてください。》《行政のプロとして、日本の未来に責任を持つ。高い誇りを持って、我が国の将来を大胆に構想し、批判を恐れず、大きく前に踏み出し、果敢に挑戦してほしい。/皆さん、お互いに力を合わせて、新たな国づくりに、全力を尽くしていこうではありませんか。》!

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平成30年4月4日
第52回 国家公務員合同初任研修開講式 安倍内閣総理大臣訓示
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2018/0404kunji.html

 国家国民のため、心を尽くし、身を尽くす。崇高な志を持って、国家公務員の道を歩み出す皆さんを、内閣総理大臣として、心から歓迎したいと思います。
 少々緊張した面持ちで、意欲と希望に満ちあふれる皆さんの、真剣なまなざしを見ると、日本の将来は、きっと良くなる。そう思います。
 本年は、明治維新から150年となります。技術優位の欧米諸国が迫る国難ともいうべき危機の中で、明治という新しい時代が育てたあまたの人材が、我が国が急速に近代化を遂げる原動力となりました。
 今また、日本は、少子高齢化という国難に直面しています。これほどまでの急速な少子高齢化は、これまでにない事態であります。しかし、今一度、あらゆる人が存分に能力を発揮すれば、必ずこの壁も乗り越えることができる。
 安倍内閣では、高齢者も若者も、女性も男性も、難病や障害を抱える人も、誰もが輝く一億総活躍社会をつくり、この困難を突破していく決意であります。
 若い感性、柔軟性、突破力。皆さんに大いに期待しています。明治時代、若い多くの官吏が奮闘し、近代国家日本の基礎をつくり上げました。先輩たちに負けないぐらいの気概を持って、これからの仕事に目いっぱい取り組んでください。
 明治の先人、民俗学を確立した柳田國男(やなぎた くにお)は、また、行政官でもありました。国家公務員としての20年、農業改革に粉骨砕身しました。
 幼い頃に自ら飢饉(ききん)を経験し、また、当時行われていた、間引きという現実を知り、衝撃を受けます。
 何ゆえに農民は貧なりや。日本を幸福にするためには、急いでこの問題を解決せねばならぬ。
 柳田は、農商務省へ進む決意をします。25歳、皆さんと同じくらいの年齢です。入省してすぐ、農村をつぶさに回り始めました。
 当時の農業政策の考え方は、少数地主と多数の小作農を前提に、技術を普及して米の生産量を増やすというものでした。しかし、農村の実情を知る柳田は、作り手不在の農業政策に異議を唱えます。
 自ら努力し、生産性を高める農家こそが農業の主役である。そのためには、小作農が経済的に自立できる土地を持つことができる構造改革こそが必要な政策だ。
 こうした考えは、当時としては、省内にも、学者にも、世間にも受け入れられませんでした。しかし、現場を知る柳田が、たじろぐことはなかった。改革は、柳田やその後に続く先輩たちの努力によって、徐々に実を結んでいくことになります。
 皆さん、現場に出て、現場の声に、じっくりと耳を傾けてください。頑張る人々の思いに接して、国民本位の政策を磨き上げてください。霞が関の中だけでつくられた、頭でっかちの理論が、世の中に受け入れられることはありません。
 もちろん、皆さんがこれまで培ってきた学問や理論体系は重要です。大いにいかさなければならない。それをいかすためにも現場を知らなければなりません。
 額に汗をし明日への努力を重ねる人が、未来に希望を持てる社会をつくる。そのための政策をつくることが皆さんに求められています。現場にあって、自分の目で見て、自分の頭で考え抜き、血の通った政策をつくり上げてください。
 柳田は、農産物の輸入を制限して、農家を保護するという政策にもくみしませんでした。貧しい国民が多かった時代、主食の米の価格が上がれば国民生活は困窮を極めるからです。既にこの頃から、日本の農業も海外と渡り合っていかなければ産業として立ち後れてしまうという危機感を持っていました。
 柳田は、弥縫(びほう)策ではない、真の問題解決を追求しました。目の前の農家の窮状だけに目をとらわれていたのでは、痛みを伴うような改革にまで踏み込むことはできなかったのではないでしょうか。
 皆さん。どうか大局的視野を持ってください。全体を俯瞰(ふかん)し、物事の本質に迫ってほしいと思います。組織の殻に閉じ籠もって、自分の思考に枠をはめるような、縦割りの発想に陥らない。自分の省庁だけを見て政策課題を解決できるような時代ではありません。この場にいる仲間との絆を大切に、オールジャパンで政策を考えてください。
 皆さんは、数年もすれば部下ができ、やがてはチームを率いるリーダーとなり、組織を率いていく立場になります。人を動かすためには人間力が必要です。
 安倍内閣は、働き方改革を進めています。ワーク・ライフ・バランスの下で、家族や友人との時間も大切にしてください。一人の人間として、幅広い教養を身に着け、自己研さんに努めてください。幹部候補生たる皆さんには、歴史を学び、グローバルな視野を養っていただきたいと思います。
 行政の現場にあって、未来を見据えた政策を立案する。しかし、これだけでは、目的を達成することはできません。何よりも大切なこと、それは、実行であります。
 皆さんは評論家ではありません。紙の上での提言、報告書の類いをつくることだけに満足してはなりません。むしろ、ここからがスタートです。自ら汗をかいて周りを説得し、実現にこぎ着ける。行政のプロフェッショナルとして、政策をやり抜くことが求められます。
 改革は、インパクトが大きいものであればあるほど、容易に実現しません。賛同してくれる人がおらず、孤独かもしれません。批判にさらされ、くじけそうになってしまうこともあるでしょう。それでもどうか、強い精神力を持って、歯を食いしばり、実現に向けて奔走してもらいたいと思います。
 5年前、私が2度目の内閣総理大臣となった頃、人口が減少する社会ではもう成長なんかできない。そういった悲観論があふれていました。もう成長なんかしなくたっていいんだという意見すらあった。最大の問題はこの諦めでもあったと思います。しかしその後、私たちは三本の矢の政策で挑戦し、名目GDPは11パーセント以上成長し、昨年GDPは過去最高を記録しました。生産年齢が450万人減少する中でも、雇用は250万人増えた。
 この間、経済再生、外交・安全保障の立て直しや、教育再生、社会保障改革、農業改革、電力自由化。様々な分野での改革を、信念を持って進めてきた結果であります。そうした過程では、批判のない改革は何一つありませんでした。
 例えば、平和安全法制。大きな批判にさらされました。しかし、この法律が今なかったら、緊迫する北朝鮮情勢にしっかりと対応することはできなかったと思います。お互いに助け合うことのできる同盟は、間違いなくその絆を強くします。
 未来は、不変のものではありません。私たちの、皆さんの手でつくり上げていくものであります。
 正に未来は、今私たちが何をするかにかかっている。これから皆さんが何をするかにかかっているんです。
 最後に、この言葉で締めくくりたいと思います。
 心は小ならんことを欲し、胆は大ならんことを欲す。
 心は細心に、そして、謙虚に。肝っ玉は、大胆に。国家公務員の仕事は、国の骨格をつくる仕事です。仕事の結果は国民全てに影響が及びます。我が国を代表して各国と交渉を重ねることもある。生易しいものではありません。
 だからこそ、これから国家公務員として歩む人生、全体を見渡し、あらゆることに思いを巡らし、国民の信頼を得、負託に応えるべく、高い倫理観の下、細心の心持ちで仕事に臨んでほしい。
 同時に、行政のプロとして、日本の未来に責任を持つ。高い誇りを持って、我が国の将来を大胆に構想し、批判を恐れず、大きく前に踏み出し、果敢に挑戦してほしい。
 皆さん、お互いに力を合わせて、新たな国づくりに、全力を尽くしていこうではありませんか。本日は皆さんおめでとうございました。

by めい (2018-04-07 07:16) 

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