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「から・ころセンター」のこと [教育]

26日(日)、置賜地区青少年育成推進員研修会で「ひきこもりの理解と対応」という講話を聴いてきた。宛職で関わらせられたこの組織、昨年県大会まで行って、あとは最低限の関わりにしておこうと思ったのだが、今回のテーマはどうしても聴きたかった。ギリギリの時間に駆け込んだらいちばん前、正面の席が用意されていて戸惑った。ほとんどネクタイを締めている人ばかり、ジャンバーで来なくてよかった。講師は、特定非営利活動法人「から・ころセンター」の若者自立支援相談員佐藤祐治さん。

今から20年ぐらい前、米沢駅前のクリーニング屋さんが不登校の子どものお世話をしていることを知って行ってみようと思ったことがあったが、当時の子どもの成長につれて、いわゆるニートの人たちを対象に居場所をつくって就労支援まで行うようになったようだ。(1991年「登校拒否の子を持つ親の会」サークルあすなろ、2003年体と心のセンター「から・ころセンター」、2006年特定非営利活動法人に。米沢には不登校の子どもを対象にした「With優」という組織が別にある。)
外観equipment01.jpg団欒室equipment04.jpg食堂equipment06.jpg 

平成28年度の「居場所利用者」年代別内訳によると、広場解放日198日で延べ1029人(実人数 男性25人 女性11人)で、10代14.3%、20代31.7%、30代45.3%、40代15.5%、50代0.55%、30代が半数近い。20年前からの不登校児がそのままニートにという場合も多いのかもしれない。居場所は一戸建てのごくふつうの民家、月(火)水(木)金が開所日。( )は自主運営ということで、利用者が勝手に来て勝手に過してゆく、それもありの気軽な場所なのだろう。午後1時から5時半まで、一回の利用料500円。ただしB型登録者は無料。(A型事業の対象は「通常の事業所で雇用されることは困難だが,雇用契約に基づく就労が可能な方」であり,B型事業の対象は「通常の事業所で雇用されることは困難で,雇用契約に基づく就労も困難な方」http://www.s-agata.com/category10/

kitchen03.jpg「居場所」の他に2014年から山形県地域福祉課「地域の絆つくり担い手育成事業」の委託による「キッチンから・ころ」をオープンし、地域の単身高齢者向けの弁当の宅配とレストランを運営しているという。

利用者の8割ぐらいがいわゆる「発達障害」に区分けされる人。あくまでそれはそう区分される個性であって病気ではないことが強調された。「発達障害」の有名人として、黒柳徹子、イチロー、さかなくん(学校から見放されたが、母親が「好きなことを続けてくれればいい」と守ってくれて今がある)、加藤一二三、スティーブ・ジョブズ、ビルゲイツ・・・!

発達障害とされる利用者に関わってみて気づいたこととして、次の9点あげられた。よく思い当たる。
①相手の立場がわかり難い(忖度できない)
②耳で得た情報は伝わりにくい(なんでもメモをとる)
③曖昧な表現は伝わらない(「一を聞いて十を知る」がムリ)
④話が止まらない、逆も有り(自己ペース)
⑤音に敏感(鈍感)
⑥温度調節が苦手(冬でも半袖)
⑦偏食が多い
⑧こだわりが強い
⑨突発的な行動をとる


「最後に」ということで、
100人の相談があったら当法人と繋がるのはわずか1人〜2人です。少ないからこそ上手くいった事例が良く見えますが、残りの98人にスポットライトが浴びていないのがこの業界の課題です。補助金を出して頂いている国、県、市町村は実績を求めます。当然の事と理解していますが、この業界の何が実績で何が成功かは人それぞれです。広く大きな心で御協力頂き継続していきたいと考えています。》

それにしても100人相談を受けてそのうち利用者になるのが1〜2人というのは、この分野でのノウハウがまだまだ手さぐり状態であることを示しています。今後、いろんな形での大きなニーズが見込まれる「業界」と思わされたことでした。


 

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めい

《大きなニーズが見込まれる》と思ったら、もうこういう問題が起きている「業界」のようです。

●トラブル続出 ひきこもり “自立支援”ビジネスhttps://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3977/

《子どもが長年ひきこもっている。イライラを募らせ家庭内暴力をふるう。こうした悩みを抱える家族に対し、「問題を解決し、子どもの自立を支援する」とうたう施設によるトラブルが相次いでいる。「就労支援プログラムを受けられなかったのに500万円を請求された」、「アパートに監禁され、殴る蹴るの暴行を受けた」などと訴える声。人々に寄り添うはずの“自立支援”ビジネスの実態と、トラブル防止に必要な方策に迫る》という『クローズアップ現代』です。

by めい (2017-11-28 06:19) 

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