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構成吟「宮内八景」(正) [詩吟]

2-DSCF7614.JPG3-DSCF7618.JPG宮内岳鷹会が20周年を迎え、今日(10/29)記念吟詠大会と祝賀会でした。現在18名会員の宮内岳鷹会、1年前から準備を始めての大事業でした。平岳謙・岳照両先生、吟道岳鷹会の宍戸会長はじめ役員、各支部会長、宮内岳鷹会元会長等15人の来賓、そのほか2名の元会員にも来ていただきました。総勢からすれば35名ですが、「大会」の名にふさわしい実に中味の濃い会でした。スライド付構成吟「南陽八景」、ぎりぎりまでどうなるか大変でしたが、證誠殿のW君のおかげが大きく、考えていたほぼベスト、みんなに心配していただきながらなんとか無事格好をつけることができました。

*   *   *   *   *

01-1 宮内八景.jpg 構成吟  宮内八景         

 02-2 四神相応.jpg北に丘陵、南に沃野、東に清流吉野川、そして西には会津日光を経て江戸から京に至る矢の目街道、古来宮内は風水的に最高の条件を備えた勝れた土地とされてきました。その要に位置する日本三熊野のひとつ宮内熊野大社。この周辺には縄文中期以降の遺跡が次々に発見され、五千年の昔から大きなむらが形づくられていたことがわかります。豊かな歴史に思いを寄せつつ、宮内から八つの場所景色を選び出して光をあててみたいと思います。

03-2あ 宮町通りから吾妻.jpg◎第一景 鳥居の場
 宮内のシンボルゾーンは鳥居の場です。平成一二年に石の大鳥居と熊野石畳通りが完成、電柱電線が姿を消して空が大きく広がりました。その感動が生んだ「宮内讃歌」、ちょうど十年前、宮内岳鷹会十周年を記念してつくられました。鹿又源風と高岡亮風が吟じます。

       宮内讃歌     宮内岳鷹会
 
  天広望熊森    天広やかにして熊森を望み
 
  地康懐四神    地康らかにして四神を懐く

   史悠千歳五    史悠かなり 千歳五つ

   菊馥潤宮民    菊馥りて宮民を潤す 

04-3 天広望熊森.jpg05-4 地康懐四神.jpg06-5 史悠千歳五.jpg07-6 菊馥潤宮民.jpg


08-7 夏祭り.jpg◎第二景 熊野大社と大銀杏
 杉の木立に囲まれた熊野大社、その時々、いろんな音が聞こえてきます。時を知らせる鐘の音、祈りの前の鈴の音、太々神楽にあわせた笙、ひちりき、太鼓の音、鳥のさえずりもさまざまです。梅雨の頃、カナカナ蝉が鳴き出すとお祭りが近づいています。鳥居の場の近くに住む舩山敏子さん、熊野の森で鳴き出したカナカナ蝉に夏の到来を感じとったのでしょうか。板垣喜風と髙橋紫山が吟じます。

       蜩(ひぐらし)        舩山敏子
   暮れなづむみ社の森に蜩の一つ鳴きをり梅雨の晴れ間に 

09-7あ 暮れなづむ.jpg10-8 一つ鳴きをり.jpg


11-8あ 大銀杏.jpg 日増しに寒さが募る中、毎朝見上げる大銀杏。大銀杏の葉が落ち終えると初雪、古くからの言い伝えです。宮内で文房具の店を営んでいた鈴木藤吉は、宮内の情景に自分の心情を託しつつ、多くのすぐれた歌を残しています。この歌もそのひとつ、菅野正風と山田しげ子が吟じます。

       今朝一葉なき         鈴木冬吉
   みづからを振ひ落とせしもののごと今朝一葉なき大公孫樹たり

12-9 みづからを.jpg13-10 今朝一葉なき.jpg


14-10あ 別所山.jpg◎第三景 別所山(お天神山)
 約百三十年前の明治十八年、別所のお天神山、その眺めのいい中腹で畑を開墾していた農夫がひとつの経筒を掘り当てました。保延六年、一一四〇年の銘から東北で一番古い経筒であることがわかりました。買い上げられて今は国立博物館に大切に保存されています。大石田から南陽に婿入りした金子阿岐夫は、父板垣家子夫を頼って大石田に疎開した斎藤茂吉の手ほどきで歌の道に入りました。歌の仲間とともに登って詠んだ歌を橋本櫻風と今野恵泉が吟じます。

       国見はるかす         金子阿岐夫
   この山に経を埋めしいにしへを思ひつつ置賜の国見はるかす 

15-11 この山に.jpg16-12 思ひつつ.jpg


17-13 秋葉山.jpg◎第四景 秋葉山
 置賜の春の風景にうたれて「置賜は国のまほろば」と詠った結城哀草果、私たちが歌った宮内中学校校歌にもその感動が込められています。二番は秋葉山ではじまります。東に在って宮内を見守る秋葉山、ゆったりとしたその稜線は、眺める人の心をいつも和ませてくれます。昨年は山形百名山の一つに選ばれました。「秋葉山かくもおほらか」、哀草果は秋葉山の姿に深く感動したのです。漆山中、吉野中と合併して、もう歌われることもなくなった哀草果作詞の宮内中学校校歌、力いっぱい歌ったあの頃を思い起こして宮内中学校卒業生が歌います。若い心に、置賜の、宮内の誇らしさを植え付けてくれた歌です。

18-14 宮中校歌 1.jpg       旧宮内中学校校歌   作詞 結城哀草果 作曲 久木原定助
   南に開く国原 吾妻嶺と呼び合う飯豊
   置賜は四季美しく 青空にいらかかがやき
   晴れやかにサイレン響く
   学校は知徳満ちみつ 来よ 来よ 来よ 共に学ばん


   
   19-15 宮中校歌 2.jpg秋葉山かくもおほらか 吉野川楽を奏でて
   宮内は四季おもしろく 青空にいらかかがやき
   高らかにサイレン響く
   学園は善と美が咲く 行け 行け 行け 共に遊ばん


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