「国家資本主義」 [現状把握]
放知技板で「国家資本主義」という言葉がクローズアップされています。日本の将来を見晴るかす(見霽かす)上で重要な議論です。
飯山一郎氏「てげてげ」の↓記事から始まります。
◆2017/07/17(月) 東京株式市場は「外資支配」から「政府支配」へ 日本企業の配当は政府が頂く! 外資より日本政府が儲ける↓東京株式市場
2016年8月29日
4社に1社、公的マネーが筆頭株主 東証1部
「公的マネー」による日本株保有が急拡大している。 日本経済新聞社が試算したところ、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人 (GPIF)と日銀を合わせた公的マネーが、東証1部上場企業の4社に1社の実質的な筆頭株 主となっていることが分かった。
GPIFは運用総額約130兆円の世界最大の年金基金。 2014年に日本株の保有比率の目安を12%から25%へと大幅に引き上げた。 日銀は金融緩和策の一環として上場投資信託(ETF)を買い入れている。 7月29日に年間購入額を3.3兆円から6兆円へと倍増した。 GPIFと日銀を合わせた公的マネーは、東証1部の約1970社のうち4社に1社にあたる474社の筆頭株主となっており、日本株は「官製相場」の色彩が強まっている。 TDK(17%)やアドバンテスト(16.5%)、日東電工(14.2%)などで保有比率が特に高く、コナミホールディングスやセコムなども10%を超える。企業側からは「長期に保有してもらいたい」(横河電機)などの声が出ている。 東証1部全体でみると株式保有比率は7%強。国内の民間株主では最大の日本生命保険(約2%)を大きく上回る。 政府の市場介入を嫌う風潮が強い米国では、公的部門の株式保有比率はほぼゼロ。国営だった企業が多く上場している欧州でも同比率は6%未満だ。 GPIFと日銀の株式保有額は3月末で約39兆円と5年前の11年3月末比で約25兆円増えた。 この間に日経平均株価は約7割上昇し、株価の押し上げ効果は大きい。日銀がETFを年間6兆円買うと、「日経平均を2000円程度押し上げる効果がある」(野村証券の松浦寿雄チーフストラテジスト) (記事)
(以上日経、以下飯山)
従来,日本企業の高額配当を受け取るのは「外資」だったが… 安倍政権になってからは,日本企業の利益配当金を受け取るのは日本政府!という流れに変わった. 色々な意見はあるだろうが,しかし,『国益』という観点からすれば,安倍政権の「株屋稼業」は合格!だろう. 問題は…,「大暴落」を外資に仕掛けられた場合の対処法であるが,安倍政権が健在であるかぎり,「秘策」はあるようだ. とにかく安倍政権と安倍一族の「株屋稼業」は,まこと,したたかで巧みなのだ ともかく,東京株式市場を「(ハゲタカ)外資支配」から「日本政府支配」へ変えた!ということは,厳然たる事実なのである. このことを↑評価するかどうかは,カラスの勝手. 52にどうぞ! (なお,GPIF関連の追加情報は次稿にて…) 飯山 一郎 (71) |
堺のおっさんがこの記事に反応して「国家資本主義」の言葉が出てきたのです。以下ピックアップしておきます。(太字 めい)
* * * * *
208:堺のおっさん?:?2017/07/17 (Mon) 21:12:59?host:*.ocn.ne.jp
日本は…
国家資本主義になった、鼠ことです。
露中もそうした体制で飛躍的に国富を増大させました。
日本も間違いなく、国富は増大します。
212:堺のおっさん?:?2017/07/18 (Tue) 18:11:01?host:*.spmode.ne.jp
ロシアは役立つ兵器と石油で儲け、
中国は国営企業をテコに儲け
日本は国家資本主義で儲ける。
216:堺のおっさん?:?2017/07/18 (Tue) 21:48:24?host:*.ocn.ne.jp
富とは偏在するものだ。
よくあるのが、企業に偏在する場合。
これも、多国籍企業に偏在するように仕向けるのがネオコンの手法。
政府に偏在する場合。
そして、広く国民に偏在する場合。
残念ながら国民に富が偏在する国家は歴史上皆無。
結局、富は政府か企業のどちらかに偏在する。
政府に偏在する国家は重税。
企業に偏在する国家は政府が膨大な借金を請け負う。
日本は後者だが、ワールドアベノノミクスは企業を毀損せず
政府の膨大な借金を薄め、企業が絶対にやらない
国民へのトリクルダウンを政府が直接行う可能性に道を開く。
国家社会主義ともいえるが、借金返済の原資をどのように調達するのかという
部分に焦点を当ててあえて「国家資本主義」と表現しました。
これが可能なら、歴史上初めてベーシックインカムを導入できるかも。
217:飯山一郎?:?2017/07/19 (Wed) 00:00:57?host:*.dion.ne.jp
>>216
「国家資本主義!!」
↑↑国家・政府が資本主義(その根幹である金融市場)を変えてゆく!
堺のおっさんは,政策=アベノミクスの本質をズバリ!と的確に表現する「造語・定義」の天才です.
それにしても…
「国家社会主義者」である安倍晋三が,日本国を「国家資本主義」を目指して着実に改造してゆく流れ…
これが↑↑成功すれば,その行き着く先は…,ベーシックインカム!
「先が見える!」=「先読みができる!」ってゆ~スレッドにしましょう! 『放知技』を.
>「国家社会主義者」である安倍晋三が,日本国を「国家資本主義」を目指して着実に改造してゆく…
このことが↑↑見えれば…,プーチンと安倍晋三の「同志関係」も見えてくるワケで…
プーチンの政治哲学の中核にも,じつは,「国家社会主義」があり…
プーチンは,すでにロシア国を「国家資本主義」に改造することに,ほぼ成功している!と.
そうしてプーチンは,いま,広大なシベリアの国土を,ダーチャ用地として,国民に無料で配っている.
ロシアの「ベーシックインカム」は,現金ではなく,ダーチャ用の土地!
これが,やがて↑↑値上がりや農作物の生産・販売でカネ(現金)を生むワケで…
「ディス ランド イズ マイランド!」という深い愛着心=愛国心をも生んでいます.
* * * * *
「国家社会主義」と言えば岸信介です。それを引き継ぐ「国家資本主義」。その先に見えてきたのが「ベーシックインカム」。「皇神(すめがみ)のみはるかします四方(よも)の国は・・・」(祈年祭祝詞)。まさに「見霽かす」です。
アベノミクスの正体を「国家資本主義」と見定めた論考がありました。4年前に書かれたもので、本来「安倍批判」の文章です。しかし、「国家資本主義」を評価する視点に立つと、ほとんど「安倍礼賛」の文章になります。
* * * * *
日本経済の憂鬱
【第1回】?2013年6月28日
http://diamond.jp/articles/-/37923
佐和隆光
アベノミクスが目論む国家資本主義の復活【前編】
「失われた20年」を経て、これほどまでアベノミクスが歓迎されたのはなぜか?安倍晋三首相の黒子参謀の作戦もさることながら(後編参照)、リベラル色が色あせ経済無策であった民主党が、有権者の声なき声に鈍感であった影響が色濃いーーと分析するのは、『日本経済の憂鬱デフレ不況の政治経済学』(6/27刊行)の著者・佐和隆光教授だ。同書におけるアベノミクス分析のエッセンスを、前後編でお届けする。(↓文中太字 めい)
正体不明のアベノミクス
6月27日、私にとっては3年半ぶりの書き下ろし『日本経済の憂鬱~デフレ不況の政治経済学』を上梓した。執筆が峠を越すかに思えた咋年12月、衆議院議員選挙で自由民主党が圧勝し、3年3ヵ月ぶりに政権が交代した。安倍晋三首相は、脱デフレの経済対策を最優先課題と位置づけ、アベノミクスという用語がマスコミをにぎわした。当初、私にとって正体不明だったアベノミクスの本性を政治経済学的に解き明かすことが、本書の目指したところである。
そのために、保守主義、リベラリズム、リバタリアニズム、社会民主主義、社会主義市場経済など、政治・経済体制を下支えする理念・思想を対比させ整理したうえで、1993年の細川内閣発足による「55年体制」の崩壊から今日に至るまでの、日本政治の20年史を振り返った。次いで、高度成長期、オイルショック克服、バブル経済の宴、それ以降の長期低迷といった日本経済の躍進と挫折の歴史を総括した。
そして、「失われた20年」を経たのちに登場した安倍政権のアベノミクスの正体を私なりに解き明かし、その本性を「国家資本主義」と見定めた。個人主義、自由主義、民主主義という(少なくとも私には)普遍的と思われる価値を脅かす憲法改正への「必要な経過点」として、アベノミクスを位置づけたのである。
繰り返しになるが、事の始まりは、昨年末の衆院選だった。自民党が圧勝、民主党は惨敗を喫した。そして12月26日、安倍内閣が「3本の矢」による脱デフレを金看板にかかげて登壇したのである。
インパクトがもっとも大きかったのは第1の矢「大胆な金融政策」だった。2%のインフレ目標が達成されるまで無制限の量的金融緩和(銀行からの国債買い上げ)、すなわち「異次元」金融緩和を推し進めるとの黒田東彦日銀総裁の声明を、株式・外国為替市場とも好感をもって受け止め、5月22日までは株高と円安が一本調子で進んだ。
続く第2の矢「機動的な財政政策」では、2012年度補正予算と13年度本予算で「国土強靭化」の名のもと公共事業費が大盤振る舞いされた。肝心の第3の矢「民間投資を喚起する成長戦略」は、第1弾、第2弾、第3弾と3段ロケットさながら放たれたのだが、その効果についての評価は割れている。
アベノミクスが歓迎された背景には、無理からぬ日本の事情がある。
1991年3月にバブル崩壊不況に陥って以来、実質経済成長率は平均年率0.9%、名目成長率はマイナス0.2%といった有り様。雇用者に占める非正規雇用者の比率は、1995年に20.8%だったのが、2013年には36.2%にまで膨れ上がった。この間、雇用者数そのものは、ほぼ一定数を保っている(労働力調査)。それも非正規雇用者のうち、5人に1人は正社員の仕事にありつけず仕方なく――好き好んでではなく――非正規の仕事に就いている潜在的失業者とのことだ。1999年度以降、2007年度をのぞき、賃金は下がり続けている。大学生の多くは就職難にあえぎ、低賃金労働に甘んじざるをえない中高年者も多い。
老若を問わず、生活苦、失業、事業不振、就職失敗など「経済・生活問題」に根ざす自殺者数が増加している。ゼロ成長と正規雇用の絞り込みがもたらす、人びとの「苦しみ」と「痛み」は極限にまで達していた。にもかかわらず、日本人はなぜか寡黙だ。逆に、政治家も経済学者も「声なき声」を聴くに足るだけの感性を欠いていた。
経済無策だった民主党政権
民主党が圧勝した2009年衆院選マニフェストはリベラル色が横溢(おういつ)した立派な出来だった。だが、過度に分配面に重きが置かれ、成長と雇用の具体的施策については、ほとんど言及されていなかった。
もともとリベラル派政権は、経済成長と雇用創出にもっとも重きを置き、累進課税などによる所得格差の是正、社会的弱者の救済、地球環境の保全などを政策綱領に掲げるのが尋常である。民主党政権が策定した「日本再生戦略~フロンティアを拓き、「共創の国」へ~」(2012年7月31日閣議決定)の成長戦略は、実のところアベノミクスの第3の矢で表明された成長戦略の内容と大差なかったのだが、消費税増税法案の審議の真っ最中、とても戦術を練る暇はなかったのだろう。
緊縮財政は保守派政権の専売特許だ。また歳入増を図るには、消費税増税ではなく富裕層増税を優先するのが、リベラル派政権の定石なのだ。にもかかわらず、自民党の保守派政権ですらためらい続けた消費税増税に、民主党政権の運命を賭して臨んだ野田佳彦首相(当時)は、リベラリズムとは一歩も二歩も距離を置く、保守派政治家以外の何者でもなかった。菅直人元首相もまた、消費税増税を掲げて2010年参院選を戦い、予想どおりの敗北を喫し、その後の民主党政権の足かせとなった痛恨の「衆参ねじれ」の元凶となった。民主党政権を当初率いた鳩山由紀夫は、正真正銘のリベラリストであると同時に理想主義者である。他方、菅と野田は、理念や思想とは無縁な現実主義者にほかならなかった。
2012年衆院選における民主党大敗の原因は2つある。1つは、リベラル派政権としてのアイデンティティを失ったこと。消費税増税はその証左である。もう1つは、成長と雇用への配慮を欠く「経済無策」に終始したこと。物いわぬ有権者の我慢も限界にきていた。
(以上前編、以下後編)
日本経済の憂鬱
【第2回】?2013年7月1日
http://diamond.jp/articles/-/37985
佐和隆光
アベノミクスが目論む国家資本主義の復活【後編】
アベノミクス効果はどこまで続くのか?株高・円安は5月22日まで順調に進んだ後、乱高下が続いている。『日本経済の憂鬱デフレ不況の政治経済学』(6/27刊行)の著者・佐和隆光教授によるアベノミクス分析の後編をお届けする。アベノミクスは小泉元首相が手がけた自由至上主義的な経済政策と一線を画するどころか、まったく対照的な国家資本主義と見てとれる。
中曽根・小泉と安倍の大いなる違い
自民党政権をになった過去の宰相のうち、中曽根康弘と小泉純一郎を私は高く評価する。ふたりとも、筋金入りの保守主義者だったからだ。
保守主義者とは、次の2つの条件を満たす人のことをいう。第1に、伝統を保守するという意味で国家主義者であること。第2に、経済政策の面では市場主義、すなわち自由で競争的な市場経済の機能に全幅の信頼を置き、官から民へ、規制改革、小さな政府をモットーとして掲げる。中曽根と小泉両元首相が、これら2つの主義を貫き通したことはあらためての説明を要しまい。
自他ともに許す自民党極右の安倍が、国家主義者であることに異論をはさむ余地はない。民主党政権の経済無策の虚につけこみ、アベノミクスの見取り図を描いた、機を見るに敏な安倍の黒子参謀には恐れ入る。
「経済を、取り戻そう」とのスローガンを掲げ、「デフレ・円高からの脱却を最優先に、名目3%以上の経済成長を達成します」と選挙公約で謳(うた)いあげた。「脱原発」を一大争点にしようとする他党の裏をかいてみせ、エネルギーに関しては「遅くとも10年以内には持続可能な『電源構成のベストミックス』を確立します」という曖昧な表現にとどめた。
参謀の企てたポピュリズム的戦略・戦術は、みごとに功を奏した。私が想像するに、脱原発を声高に唱えていた「衣食足らざる」無党派有権者のかなり多くが、これはこれ、それはそれ、「3%以上の経済成長」にいたく魅了され、自民党候補に票を投じ自民圧勝への道を切り拓いたのだ。
「3本の矢」からなるアベノミクスの正体が、時間の経過とともに透けて見えてきた。
アベノミクスは、中曽根や小泉の自由至上主義的な経済政策と一線を画するどころか、まったく対照的な国家資本主義にほかならないではないか。官民ファンドの創設、民間企業の設備投資を今後3年間で1割増やすこと、8つの国立大学に今後3年間で外国人教員1500人の採用義務づけ、日本版NIH(アメリカの国立衛生研究所)の創設、原発をはじめとするインフラ輸出の首相によるトップセールス等々、国家が主導する成長戦略の目白押しである。
小泉が壊したはずの旧(ふる)い自民党が、アベノミクスの成功を盾にして、「個人の自由」を踏みにじりかねない憲法改正へとまっしぐらに突き進む。有権者には、自らの思想・信条に照らして安倍政権の是非について判断を下してほしい。拙著『日本経済の憂鬱』がその道案内役を務められることを願う。
5月22日までは株高と円安が順調に進み、株で儲かった(つもりになった)資産家が高級品を購入する、個人消費支出も上向くなど、アベノミクス効果はジワリジワリと浸透しているかのようだった。安倍首相は、成功裏に進捗するアベノミクスに自信満々。2013年5月5日、東京ドームで長嶋茂雄と松井秀樹に国民栄誉賞を授与したのち、ピッチャー松井、バッター長嶋、キャッチャー原辰徳の始球式に、安倍は背番号「96」のユニフォーム姿で主審として登場した。憲法改正の手続きを規定する日本国憲法96条を先行改憲するという不敵な意思表示と見てとれた。
5月23日以降、株式市場と為替市場は乱高下、6月13日には、株価、円ドル為替レートがともに、黒田日銀総裁が「異次元金融緩和」を宣言した4月4日の水準に逆戻りした。元の木阿弥さながらに……。
アベノミクスは空前絶後の壮大な社会実験なのだ。実験の結果が予知不可能なのは当たり前である。目下のところ、安倍首相そして黒田日銀総裁の自信に敬意を払うしかなく、不安で憂鬱な日々を過ごす人が少なくあるまい。
放知技の議論のつづき。
《資本主義を「新自由主義」の方向に発展させるのは人類を金の亡者にする愚策だが、資本主義を「国家資本主義」の方向に発展させるのは人類を幸せにする画期的な方法かもしれません。》!
* * * * *
219:mespesado : 2017/07/19 (Wed) 00:46:13 host:*.itscom.jp
国家資本主義って…
「国家による株式の購入」 が 「補助金」 に相当し、
「国家による配当の受け取り」 が 「法人税」 に相当していますよね。
これを突き進めて行けば、基準が不透明な「補助金」とか企業を海外に逃がしてしまう原因である「法人税」を廃止することだって可能になりますね。
資本主義を「新自由主義」の方向に発展させるのは人類を金の亡者にする愚策だが、資本主義を「国家資本主義」の方向に発展させるのは人類を幸せにする画期的な方法かもしれません。
221:堺のおっさん : 2017/07/19 (Wed) 07:10:46 host:*.ocn.ne.jp
国家の機能に、税の再配分がある。
税を原資とし、福祉を通じて国民に再配分する。
その結果、日本は毎年1兆円を超える金額の上積みが発生。
累計1200兆円を超え、国家破産に至るかもしれないという。
従来の対策は、まず切り詰め。すなわち福祉を切り詰める。
そして増税。消費税の8%。結果はご存じのとおり。惨憺たるもの。
そこで、国家の新しい機能として再投資が登場。
それがアベノミクス。
誤解を恐れず言えば、税金で儲けて極力増税せずに借金返済に充て、
更には再配分の原資にできればよい。
ネオコンと戦争経済が支配する世界では、この構想は砂上の楼閣。
たった一発のミサイルで壊されてしまうが、今や、この杞憂は去り、
投資が成長を呼び、再投資がさらなる成長を呼ぶ世界の舞台ができつつある。
トランプの登場はそれほどネオコン世界を激変させる起爆剤だった。
国家が投資をすることは禁じ手ではない。
再配分原資を税金のみに限定してきただけで、成長できる環境では
むしろ巨額の投資を国家が行い成長を加速させることは合理的だ。
ほとんど独占的に利益をむしり取ってきたネオコンには…
ワールドアベノミクスは何とも、目障り。(爆)
by めい (2017-07-19 08:27)
さらに、放知技板。「国家資本主義」の定義。
◎mespesado さん
《国家資本主義 …… 国家が資本家の役割を果たす制度のこと。》
《今まで海外の大富豪が担っていた資本家の役割を日本政府が担うということであり、日本の富を海外に流出させない、実に巧みな制度》
◎堺のおっさん
《資本主義というものの本質;自己増殖性と独立性》
ということは、「国家資本主義」とは。国家自体が経済運営について自己増殖性と独立性を獲得したということ。おのずとベーシックインカムへの道も見えてくる。おっさん曰く、
《なんにせよ、目出度いこってす。(爆)》
* * * * *
231:mespesado : 2017/07/20 (Thu) 06:52:30 host:*.itscom.jp
~ 国家資本主義 ~
この言葉を検索すると、Wikipediaで項目が立っていました。それによると、
> 国家資本主義(こっかしほんしゅぎ、英:state capitalism)とは、学者
> や立場によって異なった色々な意味で使用されているが、通常は国家が資
> 本主義に介入し管理するもの(修正資本主義)、国家が資本主義を推進す
> るもの(開発独裁など)などを指す。1896年にヴィルヘルム・リープクネ
> ヒトが最初に述べ、特にウラジミール・レーニンがネップの正当化などに
> 積極的に用いたことで知られる。
何だかわかったような、わからないような。どのみちその定義は曖昧です。
しかし、定義は曖昧なれど、>>211 同じ空の下さんの
> 国家資本主義に向かう安部首相にどうしても違和感があります。
にしても、>>210 で私が紹介したブログ「移ろうままに」の最新のエントリー:
「国家資本主義」
http://oshosina.blog.so-net.ne.jp/2017-07-19#more
で引用されている佐和隆光さんの「日本経済の憂鬱」【第2回】
http://diamond.jp/articles/-/37985
の中の
> アベノミクスは、中曽根や小泉の自由至上主義的な経済政策と一線を画す
> るどころか、まったく対照的な国家資本主義にほかならないではないか。
> 官民ファンドの創設、民間企業の設備投資を今後3年間で1割増やすこと、
> 8つの国立大学に今後3年間で外国人教員1500人の採用義務づけ、日本版
> NIH(アメリカの国立衛生研究所)の創設、原発をはじめとするインフ
> ラ輸出の首相によるトップセールス等々、国家が主導する成長戦略の目白
> 押しである。
というくだりにしても、否定的なニュアンスとして「国家資本主義」という語が使われています。これはなぜでしょうか。
私はかつて、前々スレだったと思いますが、「資本主義」「社会主義」「自由主義」「共産主義」という4つの語を再定義したことがありました。ここでそれを復習すると、
資本主義 …… 消費者、生産者、(設備投資のために投資する)資本家のうち、資本家を最優遇する制度のこと。
社会主義 …… 消費者、生産者、資本家のうちで実質的な生産者であり、最大多数の消費者でもある労働者を最優遇する制度のこと。
自由主義 …… 起業、財産の形成などの経済活動は原則自由であるとする制度のこと。
共産主義 …… 経済活動を制限し、起業、財産の形成を禁止し、それらを国家が一元的に行う制度のこと。
このように再定義すると、資本主義と社会主義が対立概念であり、自由主義と共産主義が対立概念になることが明確になるのでした。
さて、上述の佐和隆光さんが絶賛していると思われる新自由主義とは、自由主義の極端な場合、すなわち経済活動を極限まで自由にした場合のことを指しますが、その結果はすさまじいまでの弱肉強食となり、ネオコンのようなカネの亡者が世界を支配する酷い世界となることがサッチャー、レーガン、小泉の実体験により実証済みです。(それなのに佐和隆光さんは
> 自民党政権をになった過去の宰相のうち、中曽根康弘と小泉純一郎を私は
> 高く評価する。ふたりとも、筋金入りの保守主義者だったからだ。
などと最大限のエールを送って憚りません。)
これに対して「国家資本主義」という言葉は、頭に「国家」と付いていることから、私の上記の「共産主義」の定義中にある「国家」を連想して、何やら共産主義に近いものであるかのようにイメージして否定的に捉えてしまうのかもしれません。しかし、それはイメージに過ぎません。それでは私なりに、上記の再定義になぞらえて、国家資本主義という語をきちんと再定義してみます。
国家資本主義 …… 国家が資本家の役割を果たす制度のこと。
これは、国家が生産者(企業家)の役割を果たす共産主義とは全く異なるものです。ですから当然共産主義の対立概念である自由主義とも矛盾せず、両立します。
そもそも資本主義というのはヨーロッパで発生しました。これは、大航海時代やら戦争経済やらで巨万の富を蓄えた大富豪達がカネの使い道も無く持て余していたところに丁度産業革命が起こり、生産のためのインフラに投資する人を募集していたことから、大富豪達がその投資する者としての資本家という役割を担ったのが資本主義の始まりなわけです。
しかし、日本では西洋ほどの度外れた大富豪というのは存在せず、それが現在まで尾を引いているため、西洋のように自前で資本家の役割に当てはまる人たちを見つけることができませんでした。その結果、日本で資本家の役割を果たしたのは海外の大富豪たちで、その結果配当を通じて日本の富が海外に流出していたのでした。
そこに登場したのが安倍政権による国家資本主義です。これは今まで海外の大富豪が担っていた資本家の役割を日本政府が担うということであり、日本の富を海外に流出させない、実に巧みな制度と言わなければなりません。つまり、こと日本に限って言えば、国益・国民の利益の観点からすれば、国家資本主義とは何ら否定的に捉えるべきではなく、肯定的に捉えるべき概念であることがわかります。
235:堺のおっさん : 2017/07/20 (Thu) 09:05:52 host:*.ocn.ne.jp
国家資本主義という言葉を使った人は過去にも腐るほどいます。
特に左巻きに多かった。なので、おっさんのオリジナルではない。
そんなことはどうでもよくて、資本主義というものの本質に迫ると…
自己増殖性があります。
自己増殖できない資本は資本の名に値しません。(理由省く)
次に、独立性を持っている事。
何かに寄生したしたり、補助金なしではやっていけないような資本は本来の資本ではない。
長い前振りですが、絶食青年さん!!!!
あなたは、てげてげの記事によると、独自ブランドというものを手に入れられた。
ここに、あなたを資本家の一員として認定いたします。
えっ? そんなに金もないし、実感が湧かない?
そりゃそうでしょう! SBの孫さんだって、おれって資本家なんだという実感を持ったのは、起業してからずいぶんと経ってからだと思いますよ。
なんにせよ、目出度いこってす。(爆)
by めい (2017-07-20 10:33)
《日本は制度疲労が目立つ「近代」のシステムに固執するのでなく、新しい枠組みを志向すべきなのではないでしょうか。》
「近代」の次の段階:《「定常経済」と言われる利潤や成長を求めない経済では、市場は、資本の利潤を生む場ではなく、単純に資本やモノを交換する機能だけでいいと思います。地域で得られる原材料や食材などをもとにした生産品や、地域の労働力を使ったサービスをその地域で提供して、それで得た所得を地域で消費する循環型の経済を目指すことが重要なのです。》
* * * * *
2017.7.20
「世界は閉じた地域帝国に再編、経済成長は終わる」水野和夫氏に聞く
http://diamond.jp/articles/-/135740
ドイツで開かれた主要20ヵ国・地域首脳会合(G20サミット)は、自由貿易や気候変動(パリ協定)問題なので「内向き」に転じた米国と、他国との溝の深さが浮き彫りになった。また、ドイツやロシア、中国などの首脳も、個別に利害調整を図ろうとする姿勢が目立った。世界の潮流が変わり始めたのか。水野和夫・法政大教授は、近著「閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済」(集英社新書)で、国民(主権)国家と資本主義の時代が終わり、「生き残るのは、『閉じた経済圏』を確立した『帝国』だ」と予測する。国家、そして資本主義はどこに向かうのか、水野教授に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン特任編集委員 西井泰之)
■「拡張」の時代は終わり
「地域帝国」と「定常経済」に
──米国では「アメリカファースト」を掲げるトランプ大統領が誕生し、英国も国民投票で「EU離脱」を決めました。グローバリズムの旗振り役だったはずの英米の国民たちが、これまでの政治に疑問符を突き付けています。
国家が、世界に向かっての「拡張」から、世界に対して「閉じる」という選択をし始めていると見ています。こうした状況は今後も続く見通しで、これからは世界がいくつかの閉じた「地域帝国」に再編される一方、経済は閉じた世界を舞台に、ほとんど成長のない「定常経済」に落ち着いていくということです。
具体的に言いますと、地理的に近いいくつかの国民国家(主権国家)が塊になって、安保や外交、エネルギー確保など、国が主導権を持って取り組まなければならない問題については、「地域帝国」が共通の利害で動く。一方で、国民の生活に関わるような政策については、生産規模で言えば100兆円ぐらいのブロック(地域)が「地域政府」を形成し、その下で行政を行う。こうした「閉じた帝国」の“二重構造”を持った世界システムになると思います。
──転換の背景には何があるのですか。
資本主義経済が、グローバル化のもとで行き着くところまで行ってしまったということでしょう。資本主義というのは資本が自己増殖していく。常に利潤を求めて、植民地支配をしたり、消費者の欲望を刺激して新商品を売ったりといったことをしながら新たな市場を開拓してきた。「実物投資空間」(実物経済)での「拡大」が難しくなると、90年代からはITや金融というバーチャルな「電子・金融空間」へと向かってきた。しかし、それも「リーマンショック」によって限界が見えました。
つまり、「生産」を基本にした「産業資本主義」から、カネや情報を高速で移動させて収益を得る構造に変わってきたわけですが、こうした経済は従来ほど雇用を生み出すわけではありません。ごく一部の層や、企業だけが“富”を独り占めする経済になってしまった。しかも「ゼロ金利」に象徴されるように、利潤を生み出せなくなっているだけでなく、かえって経済を不安定にし、格差を拡大させて社会の分裂を引き起こしています。つまり国民国家の存立基盤まで揺るがしているわけです。
■国民国家と資本主義の
システムは制度疲労
──資本主義が行き詰まり、国民国家との関係も変わったということですか。
近代では、国家と資本主義、そして民主主義と資本主義は相互に依存し、分かち難い関係で来ました。産業資本主義の下では、経営者などのいわゆる資本家は、勤勉で高い技能を身につけた国民が産業に従事する方がいい。なかんずく中流層は労働者と同時に消費者でもあるので、両面で大事な存在であるわけです。
こうした層を、義務教育で育て所得再分配政策で支えるのが国家でした。
つまり資本主義にとっては、民主主義が進むことは生産効率を上げるのに適しているし、一方で民主主義を維持するには中流層が一定の豊かさを享受することが条件。そのためには資本主義が発達し、国民経済を大きくする必要があったのです。
だが、資本は国境を超えて自由に移動するようになった。先進国では雇用が減少、賃金も抑えられて労働分配率は下がり続けてきました。
もはや資本と家計(労働者)は、国家という「同じ船」に乗っていないし、国家も資本主義がもたらす不安定や格差を制御できなくなっています。
歴史的に位置づければ、国家というものの下で、民主主義と資本主義をベースに成り立っていた「近代」システムが制度疲労を起こし、次の段階に入り始めたということでしょう。
■日本はASEAN諸国などと
“東の地中海”圏を作る可能性
──それが「閉じた帝国」が複数、並び立つ世界システムということですか。
これまでは、オランダや英国、米国と、その時期に最も生産力のある国が覇権国になり、「影の帝国」として世界秩序を維持してきました。そうした国は、独の政治哲学者、カール・シュミットの言う「海の国」でした。
米国を除くと、国内市場はそう大きくないものの、周囲を海に囲まれているため外に向かって進出し、海外に市場を拡げていった。いわば「海の国」による「拡張」の歴史だったと言えるでしょう。
しかし、今後、「地域帝国」が形成されるとすれば、今度はいわゆる「陸の国」であるユーラシア大陸の国が中心になると思われます。ドイツの他、ロシア、トルコを中心としたイスラム諸国、それに「シルクロード経済圏(一帯一路)」構想を掲げる中国なども可能性があるでしょう。
現代において、「地域帝国」のイメージにもっとも近いのはEU(欧州連合)です。EUは、加盟国それぞれが主権を欧州政府に移そうとしているし、通貨を共通化し、金融政策も一本化している。うまくいっていない面も多々ありますが、まさにEUはポスト近代に向けた「実験」だったのです。
EUはミニグローバリゼーションだという見方もあるが、「拡張」一辺倒ではありません。加盟国が多くなり過ぎたため、見直しの動きも出てくるでしょうし、英国の離脱を機にドイツを中心とした統合の深化を進めることになっていくでしょう。
──日本はどうなりますか。
「閉じる」という意味で日本は、日本海から南シナ海に至る海の部分を、周辺の日本やASEAN諸国、オセアニア諸国で取り囲むようにして「地域帝国」を形成することになるのではないでしょうか。
かつて、地中海を囲むようにイタリア、スペイン、北アフリカなどが一大経済・文明圏を作ったように、“東の地中海圏”を作るイメージです。
そうなった場合、日本の首都も東京ではなく、地理的に近い九州に移すほうがいいかもしれません。領土問題や歴史認識問題などがあり、今は多くの人が夢物語のように感じるかもしれませんが、中世から近代への移行も200年かけて進んだわけですし、これから百年先まで今の状況が続くとは思えません。
日本の将来を考えたとき、少なくともそうした未来像を描きながら準備しておく必要があるのではないでしょうか。
■「金利ゼロ」は“成熟”の証し
「ポスト近代」の先頭にいる日本
──この20年余り、ほとんどゼロ成長で、超低金利の状態が続いている日本の現状に鑑みれば、「定常経済」への移行は現実味があります。
金利がゼロという状況は、常に利潤を得て資本を増やさなければならない事業家や企業経営者、そして投資家などにとってはゆゆしき事態です。しかし、無限に財産を増やす必要はない一般の人々の生活には支障はない。むしろ、金利がゼロというのは、欲しい商品やサービスがもうなくなったというぐらいに、みんなの欲望が満たされた状態と考えてもいいのではないでしょうか。
金利の歴史で、複数年に渡って2.0%の水準を切ったのは過去1回だけ。歴史家のフェナン・ブローデルが「長い16世紀」(1450年~1650年)と呼んだ、近代に向かう大転換期に、イタリア・ジェノバであっただけなのです。
中世の封建体制の下、陸に囲まれた地中海貿易で繁栄した商業資本主義の時代が行き着くところまで行き、一方で貴族と貧民の二極化などで、社会が変わらざるを得なくなった段階だった。それを考えると、まさに今の状況とかぶるわけで、歴史上の転換期にあるのは自然なことと言えます。
今の日本はどちらかというと、まだグローバル化や自由貿易、成長戦略といった「拡張」を志向する層が多い。それで頑張るのはいいのですが、現実は拡張を志向すればするほど悪くなっています。
財政は巨額の赤字を積み上げ、日銀は「異次元緩和」と称して、資本主義経済の基本である資本市場の機能を殺してしまっています。企業も、無理して利益を上げようと頑張って、おかしなことになっている。東芝がその象徴ですが、見せかけの利益を上げるために、粉飾したり無謀な買収に走ったりして、墓穴を掘ってしまっています。
「定常経済」と言われる利潤や成長を求めない経済では、市場は、資本の利潤を生む場ではなく、単純に資本やモノを交換する機能だけでいいと思います。地域で得られる原材料や食材などをもとにした生産品や、地域の労働力を使ったサービスをその地域で提供して、それで得た所得を地域で消費する循環型の経済を目指すことが重要なのです。
「マイナス金利」を経験しているのは世界でも日本とドイツだけですが、そういう意味では両国が新たな時代の先端にいるといってもいい。つまり、「近代」の次の段階に最も移行しやすいということ。そう考えますと、日本は制度疲労が目立つ「近代」のシステムに固執するのでなく、新しい枠組みを志向すべきなのではないでしょうか。その基盤となるのが、「閉じた帝国」という経済圏なのです。
by めい (2017-07-21 04:25)
《国営時代の郵貯や簡保は機関投資家であり、すなわちこれは「国
家が資本家の役割をしていた」、言い換えると国家資本主義を実行し
ていた》!
これで「国家資本主義」がよくわかります。
《公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と日銀を合わせた公的マネーが、東証1部上場企業の4社に1社の実質的な筆頭株主となっている》(日経)ことの意味の重大さも。
それが「皇神のみはるかします四方の国」に重なるとしたらすごい!(「確信」までにはまだ検証が必要ですが)
* * * * *
262:mespesado : 2017/07/21 (Fri) 23:11:13 host:*.itscom.jp
・・・・・・・・・・
国家資本主義に関する >>231
の論考について若干の補足をしておきたいと思います。そこでは日
本の資本家の歴史として
> しかし、日本では西洋ほどの度外れた大富豪というのは存在せ
> ず、それが現在まで尾を引いているため、西洋のように自前で資
> 本家の役割に当てはまる人たちを見つけることができませんでし
> た。
と書きましたが、これは今世紀に入ってからの話ですね。それ以前の
日本では、日本の会社間で「株の持ち合い」というのをやっていまし
た。これは、日本では西洋のような大株主になれるような大富豪がい
ないので、かわりに金を持っている大企業がお互いに株主になり合う
ことで資本主義を維持していたわけです。ところが日本の富を簒奪し
ようと企む外資は、この株の持ち合い制度を何かかんか言いがかりを
つけてやめさせ、それと同時に株の配当率をもっと高めるように横槍
を入れてきたのです(前スレ #725 参照)。これで外資はめでたく日
本の株にアクセスすることができ、日本の富をチューチューと吸い尽
くすことができるようになったのです。つまりまんまとネオコンにし
てやられたわけです。
もう一つ、ネオコンにまんまとやられた大きな事件がありました。
小泉内閣のときの「郵政民営化」です。
小泉は「民にできることは民にまかせよ」のスローガンで大衆を洗
脳し、まんまと郵政を国営から民営に転換することに成功しました。
この「官から民へ」というスローガンは、確かに「国が生産者の立場
にある」場合は有効です。なぜなら国が経営すると、殿様商売になり
がちだから、経営のセンスのある民間人が生産活動を行った方が合理
的だからです。
ところが「生産者」と言っても、業種が製造業や運輸業などならい
いんですが(そういう意味では郵政の中でも郵便事業は民営化すると
効率的になる要素は多分にありました)、こと「金融業」については
注意が必要です。なぜなら金融業(特に銀行業や保険事業)では、お
客さんの預けたお金を市場で運用するという必要があります。つまり
金融業は大規模な「機関投資家」としての側面が強いわけです。つま
り、国営時代の郵貯や簡保は機関投資家であり、すなわちこれは「国
家が資本家の役割をしていた」、言い換えると国家資本主義を実行し
ていた、ということに他なりません。つまり国営の製造業なら「国家
が生産者の役割をする」という共産主義のような立場ですから、これ
をやめて民営化するのはよいことですが、郵政民営化は逆に「国家資
本主義」という望ましい制度をやめて民間(それも金を持っている外
資)に役割を移し、しかもそれまで貯めていた資産まるごと外資に差
し出す、というわけですからとんでもないことだったのです。しかし
当時は国民がコロッと騙されたわけです。
このように、ネオコンは、本当は「国家が資本家の役割を果たして
いる」ものを「国家が生産者の役割を果たしている」場合とわざと混
同させて見事に国民を騙すと言う戦術を使うのです。ゆめゆめネオコ
ンの表面的な議論に騙されてはいけません(といっても加計問題の捏
造報道で簡単に騙される民衆を見てると民度はそのころからあまり変
わっていないようです。残念なことですが)。
by めい (2017-07-22 05:50)
mespesadoさんによる水野和夫さん(↑コメント)へのコメントがありました。水野氏の発言については『資本主義の終焉と歴史の危機』以来注目しています。今回の「日本は制度疲労が目立つ『近代』のシステム」に替わる「定定経済」が「置賜自給圏構想」的感覚に重なりました。↓で書いた感覚です。
プラチナ構想ネットワークinおきたま シンポジウムhttp://oshosina.blog.so-net.ne.jp/2017-07-06
↓放知技板でのmespesadoさんの発言です。
http://grnba.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16155707
* * * * *
264:mespesado : 2017/07/22 (Sat) 01:01:29 host:*.itscom.jp
亀さんとこhttp://toneri2672.blog.fc2.com/blog-entry-1464.htmlと、先日紹介しためいさんとこ(移ろうままに)で共に経済学者水野和夫さんのインタビュー記事が取り上げられていますが、私も水野さんの本は2冊買って読みました。感想は大筋で亀さんと同じで、確かに見事なまでにネオコンの介入のような「現実の政治」の視点が欠落していますね。それ以外にも思うところがありますが、また別途取り上げて論じたいと思います。とりあえず今夜はここまで。
by めい (2017-07-22 06:11)
mespesadoさんの議論に納得です。「政治制度」と「経済制度」の原理的なちがいを根底に、日本の現状が見事に解き明かされています。
* * * * *
:mespesado : 2017/07/23 (Sun) 14:16:35 host:*.itscom.jp
水野和夫さんの本を読んで自分なりにいろいろ考えてわかったこと
があります。それは
~「政治制度」はある日突然、人工的に激変させて、それが定着す
ることがありうるが、「経済制度」については人工的な激変が
定着することは無く、必ず失敗する。~
という原理です。
政治制度の激変というのは、大きなスケールのもので言えば、古代
における王朝の交代、近代における封建主義から民主主義への移行の
ような、主権者の変更や、議会政治、政党政治の導入、選挙制度の変
更(中選挙区から小選挙区への変更など)のような細かなものまであ
りますが、いずれもある日突然、人工的に変更したものがそのまま定
着しています。
これに対し、経済制度の変更というのは資本主義の貧富の格差を解
消しようとして導入した共産主義とか、高度成長が行き詰ってそれを
既得権益者のせいだとみなして徹底的なな規制緩和による新自由主義
を採用するなどの変更のことです。これらはいずれも「予期しなかっ
た」副作用があまりにも強すぎたために世界の趨勢からは失敗とみな
され、流行らなくなってしまいました。
これは、政治制度の変更の場合は、見かけ上の激変にもかかわらず、
「国家の長」が必ずいて、実際に政治をやっているのは「国家の長」
の周りにいる「政治の専門家達」すなわち「政権」であり、国民の要
望は、それが「政権」がそれを尤もなものと判断すれば、その意見が
聞き入れられて、その結果が政治に反映する、という点では、古代王
政であろうが専制政治であろうが立憲君主制であろうが民主主義であ
ろうが実態としてはほとんど変わらないからです。
ところが経済制度の変更というのはカネまわりの欲望に関する人間
の心理というか、人間の性(さが)というようなものに引っ張られ、
学者が考えているように都合よく世の中が回ることはまずないからで
す。
水野さんが、最近のインタビュー記事:
「世界は閉じた地域帝国に再編、経済成長は終わる」水野和夫氏に聞く
http://diamond.jp/articles/-/135740
において、
> 資本主義経済が、グローバル化のもとで行き着くところまで行って
> しまったということでしょう。資本主義というのは資本が自己増殖
> していく。常に利潤を求めて、植民地支配をしたり、消費者の欲望
> を刺激して新商品を売ったりといったことをしながら新たな市場を
> 開拓してきた。「実物投資空間」(実物経済)での「拡大」が難し
> くなると、90年代からはITや金融というバーチャルな「電子・金
> 融空間」へと向かってきた。しかし、それも「リーマンショック」
> によって限界が見えました。
> 金利がゼロという状況は、常に利潤を得て資本を増やさなければ
> ならない事業家や企業経営者、そして投資家などにとってはゆゆし
> き事態です。しかし、無限に財産を増やす必要はない一般の人々の
> 生活には支障はない。むしろ、金利がゼロというのは、欲しい商品
> やサービスがもうなくなったというぐらいに、みんなの欲望が満た
> された状態と考えてもいいのではないでしょうか。
> 今の日本はどちらかというと、まだグローバル化や自由貿易、成
> 長戦略といった「拡張」を志向する層が多い。それで頑張るのはい
> いのですが、現実は拡張を志向すればするほど悪くなっています。
と述べているのは、現状分析と理論的な考察からすれば、確かに全く正
しい分析だと思います。そして、冒頭付近の
> ほとんど成長のない「定常経済」に落ち着いていくということです。
という結論も必然的に出てくることになります。ところが、ここから
> 「定常経済」と言われる利潤や成長を求めない経済では、市場は、
> 資本の利潤を生む場ではなく、単純に資本やモノを交換する機能だ
> けでいいと思います。地域で得られる原材料や食材などをもとにし
> た生産品や、地域の労働力を使ったサービスをその地域で提供して、
> それで得た所得を地域で消費する循環型の経済を目指すことが重要
> なのです。
と述べているのは「新しい経済システムへの変更の提案」ですが、それ
を人為的に行おうとしても、先述引用部分にあるとおり
> 今の日本はどちらかというと、まだグローバル化や自由貿易、成
> 長戦略といった「拡張」を志向する層が多い。
というのが日本人(だけでないと思いますが)の人間心理だと思うので、
それに反したことを目指そうとしても、うまくいくはずがないと思いま
す。ではどうするか。
現在の政権は年金ファンドを株に突っ込んでいますが、そもそもこれ
は株価が経済の指標だから、その株価を維持するためのPKO(Price
Keeping Operation)のつもりでカネを突っ込んだだけだったはずです
が、結果として多くの企業の大株主になり、期せずして「国家資本主義」
を実施できてしまったわけです。まさに「瓢箪から駒」です。
しかも、そもそも「株価が経済の指標である」というのは高度成長の
供給不足の時代の話であって、今のような供給過剰な時代には株自体が
本来のインフラの構築に必要なものとしての意味を失いつつあるわけで
すから、本来の「経済の指標」ではありえない。つまり二重の意味で偶
然うまく行っている、というのが安倍政権における経済施策なのではな
いでしょうか。
私は、現政権での経済政策がこのような期せずして偶然うまく行って
しまうのは、やはり根底に何らかの「必然」があるからだ、と思ってい
ます。
それは、今の政権が、清和会のメンバーであってかつ愛国保守の政権
であるがゆえに「すべての政策の選択は、(拡大志向という人間の本能
に基づいた企画立案能力が日本人より優れている)米国ネオコンの要求
に基づいたものであり、かつその要求を最大限日本の国益に適うように
改変して実施している」からこそ「うまくいく」のだと思っています。
こういった経済政策は、経済学者を含む理想主義者にとっては現実と
の妥協が激しすぎて受け入れ難いとは思いますが、現実の政治でうまく
行くのは、むしろこういった人間の本性に基づいたものなのではないか、
と今では思うようになりました。そして日本人の「企画立案能力」の低
さとそれを米国に依存している残念さも改めて思い知るようになりまし
た。
* * * * *
《現在の政権は年金ファンドを株に突っ込んでいますが、そもそもこれ
は株価が経済の指標だから、その株価を維持するためのPKO(Price
Keeping Operation)のつもりでカネを突っ込んだだけだったはずです
が、結果として多くの企業の大株主になり、期せずして「国家資本主義」
を実施できてしまったわけです。まさに「瓢箪から駒」です。》
「瓢箪から駒」なのでだれも気づかない。「てげてげ」「放知技板」以外は。実は安倍さん自身も気づいていない。
↓ 今朝の「てげてげ」です。
* * * * *
◆2017/07/23(日) 世界も日本も大きく変わる! が…
99%は大変化が見えない
トヨタがエンジンやデフを↓作らなくなる日
クルマの概念が↓様変わりし,世界を変える
中国のEV(電気自動車)化は↓世界を変える
日本は,いま,国家として,巨大な変貌を(安倍晋三の主導で)遂げつつある.
①米国戦争屋を官邸から追い出し ②官僚支配を官邸主導型の政治構造に切り替え ③「フのホ」をロシアと協同で鎮圧する協定を結び ④ロシアおよびEUと緊密な経済協定を結んで巨大な経済圏(アベノ・フロンティア)の成立を目指し ⑤アメリカの内需復興とインフラ整備にも資本参加を開始した ⑥日本経済もアベノミクスによって順調に拡大の一途だ.
ところが,これほどの↑大変化なのに,キチンと論じているのは『てげてげ』と『放知技』と『亀さんのブログ』ぐらい.
ブログの大半は,「安倍晋三憎し!」を書きまくるだけの狂気.
世の中.99%は大変化が見えないのだ.
今回,中国政府はEVなど環境負荷が低い車を「新エネルギー車」と定義し,18年以降に自動車メーカーに一定規模の生産を義務付ける方針を示した.
中国主導のEV化により,クルマからエンジン,ミッション,デファレンシャルが消える.これで産業構造は大変化する.
街からガソリンスタンドが消えるだけではない.中東の油田が消える可能性もあるのだ.
暖房は,太陽熱とロシアの天然ガスだけで充分だからだ.
とにかく今後,世界は大きく変ってゆく! 間違いない.
世界の大変化を大きくリードするのは,先ずは日本だ!
クルマのEV化,ロボット,AI(人工知能),IoT(モノのインターネット,Internet of Things),緻密で丁寧な製造技術…,どれも日本の独壇場だ.
だっから,ハッキリ言っておく.日本の未来は明るい!と.
ただし,向上心がなく,いつも不満タラタラの人間は,負け組.
あ,向上心=自己研鑽のほかに,明るさと元気は,絶対必要!
飯山の爺さんみたいに無駄に元気なのも良し悪しだが脳www
飯山 一郎 (71)
by めい (2017-07-24 05:04)