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プラチナ構想ネットワークinおきたま シンポジウム [置賜自給圏構想]

Microsoft Word - プラチナ構想シンポジウムチラシ.jpgやすえちゃんを国会に送り出してからはすっかり影を潜めていた「置賜自給圏推進機構」が一瞬息を吹き返したかに見えた4日のシンポジウムだった。題して「プラチナ構想ネットワークinおきたま シンポジウム」。半月ほど前だったろうか、届いた案内を見てすぐ参加することに決め、手帳に記した。10時開始の15分ほど前に会場に着くと、添川しらさぎ荘のバスから、大きな荷物を抱えた遠来らしい一行がゾロゾロ降りてきた。これはただごとではない。全国レベルのシンポジウムらしい。会場に入るとタコ爺こと織田洋典さんを見つけてその後ろに坐った。タコ爺、「ぜひ出てきて」と乞われての参加で、前日日程からフル参加とのこと。87歳、置賜自給圏の看板爺さんと言っていい、小宮山会長も講話の中で何度か織田さんの名前を出された。私の後ろが毎日新聞の佐藤良一記者で、その記事がネットで見れた。概要がわかる。

 

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プラチナ構想シンポ

置賜地方の課題議論 飯豊 /山形

毎日新聞201775日 地方版

プラチナ構想シンポ6.jpg 

発言する小宮山宏・三菱総研理事長(中央)と、(右へ)中川勝・米沢市長、原田俊二・川西町長、後藤幸平・飯豊町長ら=飯豊町椿の町民総合センターで

 

 シンポジウム「プラチナ構想ネットワークinおきたま」が4日、飯豊町の町民総合センター「あ~す」で開かれた。プラチナ構想とは環境と調和する社会を目指した全国的な取り組み。住民と産学官の連携による自立した地域社会の実現について、置賜地方での課題が議論された。

 三菱総合研究所(東京)と一般社団法人「置賜自給圏推進機構」の共催。三菱総研はプラチナ構想に基づいたネットワーク作りを全国的に進めており、同構想ネットワークの会員企業、県、置賜地方の自治体関係者、住民など約130人が参加した。

 長井市のレインボープラン(生ゴミを有機堆肥(たいひ)にする事業)、飯豊町の木質バイオマス製造施設などの事前視察を踏まえ、同構想ネットワーク会長の小宮山宏・三菱総研理事長は「夢や希望を熱く聞けたが、若者にどのように伝えていくかが大きな課題だ」と指摘。置賜地方の取り組みを評価しつつ、「具体的に見える形で、ビジョンを早く示すべきだ」と強調した。

 置賜地方の自治体首長はそれぞれの取り組みを紹介。「定住自立圏の中心都市として、各市町と連携し交流人口を増やしたい」(中川勝・米沢市長)、「公立置賜総合病院の周辺をメディカルタウンとして開発し、地域医療を充実させる」(原田俊二・川西町長)、「大量生産・大量消費社会とは異なる循環型の新しいコミュニティーを目指す」(後藤幸平・飯豊町長)などの発言があった。【佐藤良一】

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プラチナシンポ名簿.jpg遠来のメンバーの顔ぶれがすごい。なんといっても天下の三菱総研との共催。置賜自給圏、買い被られ過ぎの感。おそらくメンバーのひとり松尾雅彦さんの力あっての実現なのだろうが、果たして期待に応えられるのかどうか。松尾さん、前日は居られたそうだがシンポジウムは不参加。

開会の挨拶から三首長の意見開陳まで終っていよいよパネラーからの意見。さすがグサッと衝いてくる。「拡大再生産性がみえてこない。」(永野広作(株)カネカ副社長)「せっかくのレインボープラン、どうして長井市以外で行われないのか。」(牧野義司メディアオフィス「時代刺激人」代表)、そしてとどめは「ビジョンが見えない。」(小宮山宏プラチナ構想ネットワーク会長/三菱総研理事長/元東大総長)

最初に拡大再生産性が問題になったところで、「この議論に巻き込まれてはダメ」と一瞬思った。このレベルでの議論になったら「置賜自給圏」は太刀打ちできない。指摘したのは永野広作(株)カネカ副社長で、カネカは旧鐘淵化学。永野氏は有機EL推進のトップリーダーらしい。(2011年のこんな発言があった。「市場では現在“有機ELは高価”という評価を受けているが、当社は生産コストを1ケタ下げている。従来の有機ELは、1平方m当たりの単価が200万円程度だったが、1年以内に20万円程度を目指す。2020年には10万円を切り、5万円以下を達成することを考えている。また、現在の生産能力は、年間で約1万平方mだが、2015年には年間約10万平方mとしたい」6年後の今、どうなっているのだろうか。)最初に出たこの意見をめぐるやりとりで思ったのが、そもそもプラチナ構想なるものと置賜自給圏構想とはどう噛み合うのだろうか。ひょっとしたらこのシンポ、最初からボタンのかけ違い?

私にとっての「置賜自給圏構想」は、いわゆる「経済」的発想(ゼニカネ感覚)からは縁を切ったところから始まる。そもそも『置賜自給圏構想を考える会』」設立総会に集まった人たちの期待感の中に「金儲け(拡大再生産)」的感覚なんてどれだけあったのだろうか。

この議論を聞きつつ思いうかんだのがわが家の日々の食卓だった。半分以上が貰いもので占められる。野菜、山菜はもちろん、どこかに行ってきたおみやげだったり、さくらんぼを送ったお返しだったり。それをすぐ「カネに換算」というのは「経済還元主義」で、カネにまみれた現代日本の悪弊。そこにある気持ちのやり取りこそが人間にとって根源的なのです。生きてゆくことの基本なのです。私にとっての「置賜自給圏構想」とは、それを基本にふまえた生活圏をつくりあげることなのです。小宮山会長の「ビジョンが必要」のご指摘、私なりの答えでした。(つづく)

 

 


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めい

mespesadoさんの記事を読んで、この集いでの議論(議論にならなかった議論)を思い出しました。金持ちのペースに貧乏人が巻き込まれてしまった。貧乏人には貧乏人なりのプライドがあることを示すべきだった。

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196:mespesado : 2017/07/16 (Sun) 21:54:25 host:*.itscom.jp
 最新のてげてげ読みました。
http://grnba.com/iiyama/index.html#aa07162
> 本日飯島(ママ)一郎さんのブログに「ビンボ~人」という、貧乏人をバカにした記載がありました。

 まさにポリティカル・コレクトネスの一つ、「弱者を差別してはならない」に従って脊髄反射したとしか思えない反応ですね。
 典型的なリベラル・サヨクな人は、みな同じような脊髄反射をする。ある人がある表現を用いてある主張をしたのを読んだとき、その表現により何を言わんとしていたのかが読み取れない、要するに「行間が読めない」わけです。いや、正確に言うと、本当は行間を読む能力を持っているのに、わざと行間を「読まない」のです。
 リベラル・サヨクな人というのは、「自分はこんなに頑張っているのにウダツが上がらない」と内心で思っている人が多いのではないか。
 でも、そのウダツが上がってるか上がってないかというのは自分の外の世界で決められた基準に従って判断した物に過ぎないのに、そんな外部の判断基準に支配されて、自分のウダツを計測して上がらないと決め付けているだけ。
 自分独自の価値基準をしっかり持っていれば、自分がウダツが上がらない、なんて思うはずがないんです。だって、人間っていうのは、自分で納得したことは、別に頭に鉢巻して歯を食いしばらなくたって、勝手に努力してしまい、その結果しかるべき成果を上げてしまうものだから。
 つまり、本当は、自分の内面の問題であるにもかかわらず、それを直視しないで外部に敵を探してそれを攻撃してしまう、というのがこういった人たちに共通する残念な特徴のような気がします。

P.S. てげてげの見出しの「絶好状」というのは「絶交状」の誤字とは思いますが、こうした気づきのための絶好のチャンス、という意味だとすれば、なかなか奥が深いタイトルですね。

by めい (2017-07-17 03:55) 

めい

堺のおっさんのいい発言がありました。ここにメモっておきます。
飯山氏のぽんぽこ笑店http://grnba.jp/index.html#aa07211をジャパネットたかた的とする批判に対しての発言です。(『紺碧なかまた』購入して夕べ寝酒に飲んでよかったので、今朝またもう一本注文したところです。)

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265:堺のおっさん : 2017/07/22 (Sat) 03:51:04 host:*.ocn.ne.jp
ジャパネットなんちゃら? ホンマにルサンチマンやな。
日本の農業に魅力がないのは、農家がもうからないから。
農家が儲からないのは、価値あるものが正当に評価されないから。
いくら丹精込めて作っても、薬漬けの野菜に市場で負けてしまう。
もっと規模を大きくした伊賀、売れなきゃできない相談。
そういう訳で、出口の販売が農家の鬼門。

志布志はシラス台地の土のおかげで乳酸菌農法と相性が最高である。
その大地で作られた農産物はもっと評価されて、もっと売られないといけない。
やってみればわかるが、有機だなんだといってつくってみたものの、
売れなきゃどうしようもない。この最後に売るという出口が農家の最難関。
そこで、出口の販売は農協に依存してきた。適当に作ったコメも良心的に
作ったコメもそこでは混ぜられる。だったら、楽に作ろうとますます薬漬け。

農協以外の販路を作るのは簡単ではない。
ポンポコの志布志農産物販売大作戦はまだまだ、緒に就いたばかり。
安全で価格も適正な志布志の農産物及びその加工品を売りまくる。
そうすると、志布志の農家は潤い、さらに生産に励むことができる。
目標総額をどれくらいにおけばいいのか? 直感では数百億規模。
それでも、日本の中では統計的に反映される規模ではない。
志布志をスタートとし、もっともっと、ポンポコには頑張ってほしい。
まともな農産物、および加工品をせめて数千億円規模で扱う気構えで
発信してほしい。
それが、日本の農業を担う若い人たちへの最高の応援だろう。
分ったかな?
 
by めい (2017-07-22 06:26) 

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