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「かなり前に朝出会った方」への返信 [現状把握]

今朝の記事に「かなり前に朝出会った方」さんからコメントいただきました。昔、正気煥発掲示板を主宰していた頃を思い起こして血の騒ぎを覚えます。


《いかがわしさの本質はこのような現象面にあるだけではありません。日本国憲法に内在するいかがわしさこそが本質だと考えています。》


「日本国憲法に内在するいかがわしさ」としての条文の論理的不整合のご指摘、よくわかりました。ただ、私にとっての「いかがわしさ」とはニュアンスが違うように思います。日本国憲法について言うならば、そもそも日本国憲法そのものが「いかがわしい」わけで、それは「市民憲章」を唱和させられる度に感じる「いかがわしさ」と似ています。心に響かぬ「とってつけた」感です。ただ、92項「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」、この条に込められた叫びを忘れてはならないと思うのです。その叫びの背景には途轍もなく量り知れない、この条文を生み出すことになったまさに文字通りの「犠牲」が在るわけです。熊野大社の招魂殿に参る度にそのことを思わされます。


NHKの朝ドラ「トト姉ちゃん」、私自身『暮しの手帖』は小さい頃からなじみの雑誌で、花山さん(花森安治)の登場でいよいよおもしろくなっています。花森安治は戦時中、欲しがりません勝つまでは」の有名なキャッチコピーに関わるような、戦争プロパガンダの最前線の仕事に従事していました。昨日(16日)の花山さんのセリフ、大事な言葉に思え再放送も見て録音していました。


トト姉ちゃん「花山さんがおっしゃっていたじゃあないですか。何よりも優先して守るべきものがまちがっていたと気づかされた、と。だから、もうまちがえないようにしませんか。」

花山さん「私は戦争中、男には毎日の暮らしよりも大事なものがあると思い込んできた。思い込まされてきた。しかしそんなものはなかったんだな。毎日の暮らしを犠牲にしてまで戦うものなど何もなかった。毎日の暮らしこそ守るべきものだった。」

トト「毎日の暮らし?」

花「人間の暮らしは何ものにも優先していちばん大事なものなんだ。それは何ものも侵してはならない。(力を込めて)たとえ戦争であっても。それがようやくわかった。もし、豊かな暮らしを取り戻すきっかけとなる雑誌をつくることができるなら・・・」

トト「私となら必ずできます。はじめましょう、新しい雑誌づくりを!」

こうして戦後の花山さんが始まります。

 

また、川西町出身の遠藤三郎中将を思い起こします。(最近貴重なお話をお聞きしました。詩吟の平謙雄先生(昭和5年生れ)に遠藤中将についてご存知かどうかお訊ねしたところ、ちょうど朝鮮戦争(昭和251950)の頃に遠藤元中将に会われた体験を思い起こして下さったのです。このことはあらためて書くことにします。)終戦時、軍需省航空兵器総局長官であった遠藤中将は、利を求める軍需産業の跋扈が戦争に結びつくことを痛切に反省し、かつての同僚からは「赤の将軍」と後ろ指を指されながら9条の意義を訴え、独自の護憲運動に取組みました。まもなく毎日新聞山形版が遠藤中将を取り上げてくれるとのことで期待しています。同じ置賜の人間として遠藤中将の遺志をなんとか顕彰したいとかねて切望するところです。

 

610日蓬萊院での宮内戦没者慰霊祭に、地区長会長の立場で参列する機会がありました。遺族会員も年々減少しているとのことで、お父さんが戦死された昭和20年生れの方が最年少でした。70歳を越えています。戦争の記憶はしだいにフェードアウト。そうした中での軍需産業に後押しされた安倍政権、一方には若者の失業・貧困の問題があり、その解決策として戦争ビジネスが脚光を浴びかねない現実もあります。(若者に死ねと言うのか?究極の貧困ビジネス「戦争民営化」の悲惨な現実≪名古屋さん新作≫世界が泣いた「戦場に駈けるネトウヨ」経済的徴兵制のイロハ(動画3分)武藤貴也議員へ「状況に切り結べ

 

私にとって憲法問題の本質はまずもって以上のようなところにあるのです。いずれ日本人に拠る日本人の為の憲法を、それは本心願うところです。しかしアメリカの属国下にあってアメリカの言うままにしかなれない政権下での憲法改正(悪)の行き着くところがほんとうに日本人のためになるとは到底思えるはずもありません。まずもって、まったく独立なんかしていなくて、基地権も自衛隊の指揮権も握られたまま、しかも稼ぎの多くが国債の購入や株価操作、為替操作で宗主国アメリカに貢がされている実態をしっかり認識するところからしか始まらない。その認識から「日本人としての共通意思」が育つはずだ、そう思わされて矢部宏治著「日本はなぜ、『戦争ができる国』になったのか」は日本人必読の書と思えたのでした。ご理解下さい。



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めい

花森安治さん / 「ぼくらの暮しと政府の考え方がぶつかったら政府を倒すということだ」
http://www.asyura2.com/16/senkyo210/msg/148.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 7 月 25 日 01:08:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
   
http://blog.goo.ne.jp/nrn54484/e/07bedd8179d0c4a1134e420ca1a0e40b
2016年07月25日 のんきに介護

雑誌「暮しの手帖」の創刊者、花森安治が随筆「見よ ぼくら 一銭五厘の旗」で書いた言葉です

(下記〔資料〕参照)。

貴様らの代りは、一銭五厘で来るぞ、と どなられながら
一銭五厘は戦場をくたくたになって歩いた へとへとになって眠った
一銭五厘は 死んだ
一銭五厘は けがをした 片わになった
一銭五厘を別の名で言ってみようか
<庶民>
ぼくらだ 君らだ
… … …

ある書店で、この花森安治の「一戔五厘の旗」から引用が次のごとく書き出されていたとのことです。

転載元:神村達也(base on shape)@baseonshapeさんのトリゴエ〔17:25 - 2016年7月24日 〕

〔資料〕

「見よぼくら一銭五厘の旗 花森安治」(宣言)
☆ http://www.toyamav.net/~fc9/sPDF/51-7.pdf

   *   *   *   *   *

見よぼくら一銭五厘の旗 花森安治

この作品は花森安治(はなもりやすじ・1911-1978)が 1970 年(昭和 45 年)10 月の『暮しの 手帖』第2世紀8号に掲げた“宣言”です。アジア・太平洋戦争の敗戦の日を迎えて読んでみると 心にしみるものがあります。花森は神戸市で生まれ、1948 年『暮しの手帖』を創刊し、編集者と して活躍しました。原作では表題と本文の「銭」は「戔」が使用されていますが、ここでは原義の 「銭」を用いました。なお、改行・送り仮名などは、雑誌初出時のママとしました。

【資料】
美しい夜であった もう二度と誰もあんな夜に会う ことはないのではないか 空はよくみがいたガラスのように 透きとおっていた 空気はなにかが焼けているような 香ばしいにおいがしていた どの家もどの建物も つけられるだけの電灯をつけていた それが焼け跡をとおして 一面にちりばめられていた 昭和20年8月15日
あの夜 もう空襲はなかった もう戦争はすんだ まるでうそみたいだった なんだかばかみたいだった へらへらとわらうと涙がでてきた どの夜も着のみ着のままで眠った 枕許には靴と雑のうと防空頭巾を 並べておいた 靴は底がへって雨がふると水がしみ こんだがほかに靴はなかった (......中略......) 戦争には敗けたしかし 戦争のないことはすばらしかった 軍隊というところはものごとを おそろしくはっきりさせるところだ 星一つの二等兵のころ教育掛りの軍曹 が突如としてどなった 貴様らの代りは一銭五厘で来る 軍馬はそうはいかんぞ 聞いたとたんあっ気にとられた しばらくしてむらむらと腹が立った そのころ葉書は一銭五厘だった 兵隊は一銭五厘の葉書でいくらでも 召集できるという意味だった (じっさいには一銭五厘もかからなか ったが......)
しかしいくら腹が立ってもどうする こともできなかった そうかぼくらは一銭五厘か そうだったのか 〈草莽(そうもう)の臣〉 〈陛下の赤子(せきし)〉 〈醜(しこ)の御楯(みたて)〉 つまりは
〈一銭五厘〉 ということだったのか そういえばどなっている軍曹も一銭 五厘なのだ一銭五厘が一銭五厘を どなったりなぐったりしている (......中略......) ぼくらの代りは一銭五厘のハガキで 来るのだそうだ よろしい一銭五厘が今は七円だ 七円のハガキに困まることをはっきり 書いて出す何通でもじぶんの言葉で はっきり書く お仕着せの言葉を口うつしにくり返し てゾロゾロ歩くのはもうけっこう ぼくらは下手でもまずい字でも じぶんの言葉で困まりますやめて下さいとはっきり書く 七円のハガキに何通でも書く ぽくらはぼくらの旗を立てる ぼくらの旗は借りてきた旗ではない ぼくらの旗のいろは 赤ではない黒ではないもちろん 白ではない黄でも緑でも青でもない ぼくらの旗はこじき旗だ ぼろ布端布(はぎれ)をつなぎ合せた暮しの旗だ ぼくらは家ごとにその旗を物干し 台や屋根に立てる 見よ 世界ではじめてのぼくら庶民の旗だ ぼくらこんどは後(あと)へひかない

by めい (2016-07-25 01:27) 

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