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『限界費用ゼロ社会』(3)「善いことをなす」ことを第一義として成り立つ社会 [置賜自給圏構想]

私自身「極右」と言われたこともあり、いわゆる「ウヨク」に括られる人が私のまわりには多い。数日前も思いがけない人が熱心な桜チャンネルファンで、西尾幹二さんやら、藤岡信勝さんやら、渡部昇一さんの講義を熱心に聴いていることを知って、その延長上は安倍政権支持であり、安保法制支持であり、憲法改正支持であろうと思い、どう言っていいのか、とりあえずは沈黙しかなかった。なぜいま私が憲法改正に反対するのか、私のその「ねじれ」については110日に「『憲法改正』をどう考えるか。真の『日本の独立』に向けて」に書いた。読んでわかってほしい人の顔が何人もうかぶ。


いま世界は大きなパラダイムシフトの最中にある。『限界費用ゼロ社会』は、利益第一の発想ではない「『善いことをなす』ことを第一義として成り立つ社会」の到来を予言する。そこでは「カネ」資本ではなく、「共感」を基礎にした社会関係資本こそが基本を成す。そのためには、これまでの枠組みから解放されねばならない。その引導渡しの役を引き受けているのがロシアであり、プーチン大統領ではないか。


スプートニクが122日、プーチン大統領は、科学及び教育に関する大統領評議会閉会にあたり、ソ連国家の創設者レーニンの考え方を批判した。》と報じた。「レーニンの考えはとどのつまりソ連邦の崩壊をもたらした。世界革命なども、我々には必要ではなかった。」というのだ。かつて日本が怖れた共産主義とは今のロシアは無縁であることの宣言である。飯山一郎氏はこの記事を受けて25日、プーチン大統領が、(レーニンの黒幕である)ユダヤ金融勢力の影響から脱した新しいロシアであることを表明した記事であると評した。いわく、《ロシア革命は,プロレタリアート革命という大義名分(看板)を掲げた,ユダ金のインテリゲンチャによる権力奪取だった。/そのようにしてロシアの大地はユダ金(ハザール・ユダヤ)に乗っ取られてしまった。その「ロシア乗っ取りの執行吏」のボスが,国際金融勢力から送り込まれたレーニンだったのである。/上の事実をプーチンは熟知している。/であるが故に,プーチンはレーニンを否定したのである。》

 

「マスコミに載らない海外記事」は122日、「もはや機能しないロシアの赤の恐怖」と題するスプートニクの119日付Finian Cunninghamによる論評を紹介している。

《アメリカとイギリス政府は、クレムリンがヨーロッパの政党やマスコミに工作員を潜入させているという大げさな主張で、ロシアを悪魔化する更なるマスコミ・キャンペーンを開始した。卑劣なロシアの狙いは、欧州連合を破壊することだと我々は教えられたのだ。/ウクライナと"新ヒトラー、プーチン"に関するこの脅し作戦の別バージョンを我々は見てきた。だが、このあくびを誘うような行動は、かつて支配者たちが持っていた欧米の大衆に対する魔法が、もはや機能しないことを実証している。欧米プロパガンダという阿片は、効力を失ったのだ。/ロシアは気にすることなどない。ワシントンの無謀な政策への意気地のない追随ゆえに、EUは、その現在のストレスや緊張を、自分以外の誰にも責める相手はいないのだ。/冷戦終結とソ連解体から25年後、ワシントンとロンドンの忠実な助手は、自国民を、恐ろしい物語で支配することができていた"古き良き時代"に、時計を必死に逆転させようとしている。/欧米当局が、自国民を、恐怖心と、"ロシア人がやってくる"という不安から動員した"潜入している共産主義者""赤の脅威""悪の帝国"等々、人を脅すために使い古された悪い子をさらう鬼のお話を想起願いたい。/今振り返ると、そうした脅し戦術をしたのに、この欧米の洗脳作戦がまんまと逃げきれたのは驚くべきことだ。しかも当時は、それがかなり機能したのだ。それでアメリカと、NATO同盟諸国が、地球を何度も絶滅できる膨大な核兵器蓄積を構築することが可能になった。この洗脳が、全て、"悪のロシア"に対して、"自由世界"を守るという口実で、アメリカが、特に世界中の何十もの国々に軍事的に干渉し、政権を打倒し、残酷な独裁制を据えつけることを可能にしたのだ。》

「自国民を、恐怖心と、"ロシア人がやってくる"という不安から動員した"潜入している共産主義者""赤の脅威""悪の帝国"等々、人を脅すために使い古された悪い子をさらう鬼のお話」に惑わされてはならないというのだ。

 

これらに先立って副島隆彦氏が17日、「重たい掲示板」《安倍晋三たちの 精神と思考の中心にあるものは、何なのだろうか、と私、副島隆彦はずっと考えてきた。そして分かったことは、彼らの信念に中心にあるのは、反共産(はんきょうさん)主義というものだ。そして、この反共という思想は、それ自体が、共産主義の否定、撲滅、破壊を求める、という アンチテーゼ(命題への反措定)ということであって、自分たち自身のそれ以上の信念や思想はない。私は、この問題を、今、真剣に考えて本を書いている。/ということは、同じく、安倍晋三たちに反対する、日本のリベラル派や左翼勢力の恥部(ちぶ)である、「共産主義とは何か。それに対して、自分は、どういう態度を取るのか、への発言を避けること」に、私、副島隆彦は正面から、逃げないで答えなければいけない、ということだ。》と書いた。いわゆる「右」陣営vs「左」陣営、ウヨク対サヨクの思考の枠組みを真っ向から叩き壊そうという意志の表明と見た。期待したい。

 

さらに「田中宇の国際ニュース解説」の123日、「★見えてきた日本の新たな姿」で、《安倍は、ロシアを評価する一方で、中国の領海的な野心を非難している。だが、中国政府の経済政策は賞賛しており、対立点を軍事安保面に限定している。安倍はまた、アジア太平洋地域の将来像を米国と中国の2大国だけで決めるのはダメだとも述べている。要するに、米中だけでなく日本も、アジア太平洋の地政学的な将来像の決定過程に入れてくれ、と言っている。これは、従来の対米従属の日本の姿勢から、かなり逸脱している。》と書いた。官邸内における「対米追随派」に対する「独立派=中露重視派」の台頭が指摘されている。

 

そしてマドモアゼル愛さん123日、「自分とは体か、それとも意識が自分か」をテーマに語られたことが上記と見事にシンクロした、と私には受けとめられた。

《老齢になれば体のあちらこちらが痛いとか、悪くなるのは確かにありますが、自分を肉体だと思っている人と、自分は意識体だと思っている人とでは、そのつらさもかなり違いが出るように感じます。/肉体意識が強い人は、おそらく衰えにシフトしやすく、体をつらく感じるケースが多くなると思うのです。/試しに、自分は肉体ではなく、自分は意識であるとの思いを優先させて、体を動かしてみてください。/どうでしょうか。立つのが億劫とか、体を動かすのがつらい、、、という怠慢な体感が見事に消えはしないでしょうか。/自分とは意識だと思ってさっと立つと、体がそこにはないのですから、かなり楽に立てると思います。/本当にそんなもんではないのでしょうか。私たちはもしかしたら、壮大な嘘に翻弄されて生きてきた可能性すらあると思うのです。

・・・・・・

寒いようですが、自分は意識体だと思って、体は嘘の部類が多いと思ってぜひいらしてみてください。/寒さの感じ方もおそらく違っているかも。2000年の長きにわたる壮大な嘘のうお座時代は終わろうとしています。/宗教も嘘、、、学問も嘘、、、、常識も嘘、、、形ある物は嘘で、、、、無に力の源泉が、、すべてが逆転する時代の中で、個を存在足らしめる鍵が、自分は体ではなく意識である、、、ということ。/その意識でないと見えないものが、だんだんと自分が意識であるとなれば見えてくる、、、それが新しい時代を開くカギになるのだと思います。》

「2000年の長きにわたる壮大な嘘のうお座時代は終わろうとしている」というのです。魚座が象徴する宗教や政治、物質による『支配の時代』から、水瓶座が象徴する個人や精神性、自己理解などの『解放の時代』へと移行するのだそうです。

《「水瓶座の時代はクリスタルのように透明な時代で、真実でしか生きられません。/一人一人が自立して、自分の人生を自分で選び、本当の自分を生き、その責任を自分でとることができる時代です。」》


とりあえずは「ウヨク」的「サヨク」的「お仲間意識」から脱け出すことから始まります。

(つづく)

 





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めい

《社会においていかにして汚職へのネガティブな態度を形成するかということが依然として最優先課題のひとつ》
プーチン大統領が、使命感に燃えて徳洲会を率いていた頃の徳田虎雄氏と重なりました。

「徳洲会が煙たがられる最大の理由」
http://oshosina.blog.so-net.ne.jp/2013-09-23

   *   *   *   *   *

プーチン大統領、外国での収賄対策を呼びかけ
http://jp.sputniknews.com/russia/20160127/1497492.html
2016年01月27日 02:01

ロシアおよび外国の役人への企業収賄の試みは遮断されねばならない。プーチン大統領は汚職対策評議会で演説したなかでこう語った。

「商業的ストラクチャーからロシアおよび外国の役人に対して、外国の領域で賄賂を渡す試みを封じなければならない。」プーチン大統領はこのためには外国のパートナーらとの協力が不可欠と語っている。

大統領はこれに合致した法修正が下院(国家会議)ですでに採択されていることを指摘している。
今日の会議で大統領は、「非合法的あるいは疑惑にみちた資金」で購入された国家資本および財産のために没収するメカニズムを完成せねばならないことを明らかにしている。このほか、利益の軋轢を除去するため、予算配分を行なう機関に対し、作業へのコントロールを強化する必要性についても指摘された。

大統領は、社会においていかにして汚職へのネガティブな態度を形成するかということが依然として最優先課題のひとつとして残り続けていると語り、「学校でも大学でも中等教育機関でももちろん職場でも家族でもこのことは常に覚えておかねばならない」 との警句を発している。

by めい (2016-01-27 04:55) 

めい

日中衝突のシミュレーション
《【1日目】/ 日本の右翼活動家たちが、尖閣諸島の魚釣島に上陸し、日本の国旗を掲揚し、YouTubeで中国を挑発。日本政府が対応に追われる間、中国はただちに海警を送り込み、全員を逮捕・拘束する。》
ここから始まります。次の指摘が重要です。
《日米中におけるナショナリズムは事態を悪化させ、政策決定者の選択肢を奪うという意味において非常に強力であり、致命的な存在である。》
「ナショナリズムからの自由」「ナショナリズムの相対化」が課題です。

「文殊菩薩」http://iiyama16.blog.fc2.com/blog-entry-8137.html

   *   *   *   *   *

ランド研究所が警告を発したように,今や,中国とロシアの軍事力と軍事技術はアメリカを圧倒しており,アメリカは手も足も出ない!というのが現実。この現実を世界を観察する思考の基礎に置かないと,間違う!ということ。断言しておく。

世界の軍事バランスが大変容したというのに…

下の記事には「軍事問題におけるリアリズムの観点からの分析で知られる米ランド研究所」とあるが,そのとおりだ。
ランド研究所という米国のシンクタンクが発表する論文の(謀略性を排除した)客観性とリアリズムは,評価に値するし,信頼に足る。
それにしても…,
「中国は5日で日本に勝利!」という衝撃のシミュレーションと,「米国は尖閣に関わるな」というランド研の警告は衝撃的だ。
たしかに,ランド研究所が警告を発したように,今や,中国とロシアの軍事力と軍事技術はアメリカを圧倒しており,アメリカは手も足も出ない!というのが現実。この現実を世界を観察する思考の基礎に置かないと,間違う!ということ。断言しておく。
(飯山一郎)
   
『JBpress』 2016.1.27(水) http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45849

衝撃のシミュレーション 「中国は5日で日本に勝利」
米ランド研が警告、米国は尖閣に関わるな

軍事問題におけるリアリズムの観点からの分析で知られる米ランド研究所。彼らがシミュレーションを実施したところ、日本は尖閣諸島をめぐる中国との戦いにおいて5日間で敗北し、手も足も出なくなるというのです。

 そして、彼らの出した結論は、「不毛の島」を巡る日中の争いは最終的に米中戦争を引き起こす可能性が高いので、米国は無視するべきというものでした。

 このシミュレーションを取り仕切ったのは、ランド研究所の上級アナリスト、デヴィッド・シラパク氏です。彼は中国の軍事問題やウォーシミュレーションの権威として知られています。

 シラパク氏は30年以上も米国の将校と外交官のために精緻なシミュレーションを作成してきました。昨年発表した、中国のアジア各地の米空軍基地への攻撃能力の増大についての彼も関与した報告書は、日本の安保研究者の間でも高い評価を受けています。

5日目に中国は尖閣諸島を確保

 彼はつい先日、外交専門誌「フォーリンポリシー」の記者たちを招いて、尖閣諸島における「5日間戦争」をシミュレートし、彼らに概略を公開させました。その内容を簡単に紹介しましょう。
【1日目】

 日本の右翼活動家たちが、尖閣諸島の魚釣島に上陸し、日本の国旗を掲揚し、YouTubeで中国を挑発。日本政府が対応に追われる間、中国はただちに海警を送り込み、全員を逮捕・拘束する。

【2日目】

 日本は周辺海域に護衛艦や戦闘機を展開。中国側も海軍艦艇を展開し、一瞬即発の状況になる。日本は、米国に防衛義務を果たすように要請し、米国は受諾。日本側の要請に応じて、米駆逐艦を日本海にも展開し、尖閣諸島周辺には攻撃型潜水艦を送り込む。ただし、空母は横須賀から西太平洋に避難させる。

【3日目】

 中国の海警が尖閣諸島周辺の日本の漁船と衝突し、沈没させたことで事態はエスカレート。海上保安庁は、放水等で対抗する。中国のフリゲート艦は30ミリ機関砲を空自機に対して発砲、これに日本側も応戦。その結果、中国側が航空機と対艦ミサイルで反撃し、2隻の日本側の艦船が撃沈し、500人が戦死。

 もはや、日中間の外交チャンネルは一切機能しなくなり、日本政府は米国に、より多くの支援を要請。日中それぞれに存在する米大使館は、現地の市民によって包囲され、米国の保守メディアは自国政府の弱腰を批判し、上院議員たちは激論を交わす。

 しかし米政府は、『日本の要請にゼロ回答だと他の同盟諸国が離反しかねない。だが、要請に完全に応じれば、同盟諸国の不信よりも多くの国益を失う米中全面戦争になりかねない』というジレンマに陥る。そこで、米兵のリスクが少ない、米潜水艦による中国軍艦艇への魚雷攻撃を選択。これは中国への警告のためであり、米中戦争を引き起こすためではなかった。その結果、中国軍の駆逐艦2隻を撃沈し、今度は中国軍の水兵数百人が戦死する。

【4日目】

 中国指導部は事態の展開に驚愕する。ここで、中国側も米中の本格的な戦争を避けつつ、米国に痛みを与えることを決断。今や中国には何億人ものネット市民が存在し、彼らの報復を求める声を無視することはできないからである。

 中国側は、米国の送電システムに埋め込まれている破壊工作ソフトウエアを起動し、ロサンゼルスとサンフランシスコを停電に追い込む。そして、証券取引所の自動取引システムを操作し、何百億ドルもの損害を与える。極めつけは米国債の売却をほのめかし、急激なドル安へと追い込む。

【5日目】

 中国軍は尖閣諸島周辺の海自艦艇に対して、弾道・巡航ミサイル中心の攻撃を継続する。そして、24時間で海上自衛隊は戦力の20%を喪失。同時に中国は日本経済への攻撃を開始する。日本の脆弱な送電システムを作動不能に追い込み、重要なジェット燃料の精製所を爆破する。

 ここにきて、日本は再び米国に支援を嘆願する。具体的には、西太平洋に展開する空母打撃群の参戦、中国軍艦艇へのさらなる攻撃、中国本土の対艦ミサイル基地の破壊などである。

 しかし米側は全てを拒否する。その代わりに、米軍の潜水艦と航空機を増派し、海自の撤退を支援。米中総力戦を回避しつつ、日本の海自と経済の壊滅を回避できるという考えに基づく行動だった。この海自部隊の撤退を以てゲームは終了。中国は尖閣諸島を確保する。

 こうして中国は“短期的な”勝利者となる。ただし、日本やアジア諸国は中国に対抗するための軍拡と経済連携を加速させる公算が高く、「割に合わない勝利」と評するべきかもしれない──。

米国は尖閣諸島をめぐる紛争を「無視するべき」

 以上が日中5日間戦争のシミュレーションです。

 シラパク氏は、もし米国が日本の要請に応じ、空母打撃群を尖閣諸島周辺に派遣し、中国本土の対艦ミサイル基地を叩いていたらどうなっていたかについても検討を加えました。その場合のシラパク氏によるシミュレーションは次の通りです。

 中国の弾道ミサイル攻撃により嘉手納基地が壊滅し、米空母も対艦弾道ミサイルによって撃沈し、死者は数千人単位に及ぶことになる。米側はこれに対し、中国海軍の重要な基地を攻撃するか、中国軍唯一の空母を撃沈するか、中国経済を窒息させるために南シナ海の封鎖を継続するか、のいずれかができる。しかし、米軍は日本の島嶼や海自の防衛には協力しない。その結果、中国側は無制限の損害を日本に与えることができることになる──。

そして、彼らは5つの結論を導き出します。


 第1に、同盟には「巻き込まれる」という危険な面もある。

 第2に、対日防衛義務の多くは履行するのは難しい。ミサイル防衛は不可能ではないが、中国の膨大なミサイル保有量を考えれば難しく、日本は脆弱である。

 第3に、中国の大軍拡および彼らの新しい戦争方法は全てを変えた。今の中国には現代的な海軍、多数の強力な弾道及び巡航ミサイル、効果的な空軍、洗練された無人機がある。10年前の日本ならば単独で尖閣諸島を防衛できただろうが、今や時代は変わった。

 第4に、今や米空母は中国の対艦ミサイルに対して脆弱な存在である。

 第5に、日米中におけるナショナリズムは事態を悪化させ、政策決定者の選択肢を奪うという意味において非常に強力であり、致命的な存在である。

 そして、シラパク氏は「米国が日中間の尖閣諸島をめぐる戦いに関与することは、特大の戦略的な失敗でしかない。尖閣諸島における危機管理の最高の手段は、無視することなのかもしれない」と結語します。

自衛隊の体制の抜本的な改革を

 以上の内容は日本にとってどのような意味を持つのでしょうか。

 それは第1に、米国をどのように日本の戦争に引きずり込むか、そのための軍事的、政治的、経済的、文化的な手段を組み立てておく必要があるということです。ランド研究所を代表するリアリストまでが、尖閣諸島問題に関わるべきではないと公言する時代になってしまったのです。少なくとも、平和安全法制のような、米国の善意に期待するもの“だけ”では不足でしょう。

 第2に、このシミュレーションは自衛隊の体制の抜本的な改革の必要性を示唆しているということです。

 中国のサイバー攻撃および大量の弾道・巡航ミサイル等による奇襲能力、すなわちA2/AD戦力が、有事における米軍の活動および来援を困難にするレベルに達しているというのは、米国の議論ではすでに前提となっています。米軍ですらそうなのですから、自衛隊がより困難な状況にあることは言うまでもありません。

 しかも、現在の自衛隊の戦力構成は、中国の対地・対艦弾道ミサイル攻撃等、そして、サイバー攻撃やゲリラコマンド攻撃に対して非常に脆弱と言わざるを得ません。

 海自のいずも型ヘリ空母は弾道・巡航ミサイル攻撃の前には無力です。中国の対艦弾道ミサイルDF-21は1ユニット6~12億円、いずもは1隻1200億円であり、100発撃ち込んでもお釣りがくる計算です。海自の対潜能力は最高水準ですが、対ミサイルには関係なく、そもそもミサイル保有数も限定的です。空自の基地にける戦闘機用の掩体壕(えんたいごう)は少数であり、ミサイル弾薬のほとんどが高蔵寺弾薬庫に集中しています。陸自はそもそも輸送力が決定的に不足しており、国内の有事の輸送は日本通運、通信はNTTが頼りです。

 中国は、こうした自衛隊の脆弱な面に特化して軍拡をしてきたと言っても過言ではありません。

 どのようにすれば継戦能力を有事に維持することができ、中国のA2/AD能力を無効化・緩和できるのか、どうすればたった5日間で尖閣諸島を奪われるという屈辱的な事態に至らないで済むのか、自衛隊のあるべき戦力構成や作戦構想について真剣に議論すべき時が来ています。

by めい (2016-01-30 05:13) 

めい

前のコメントの記事を受けての発言です。

   *   *   *   *   *

◆2016/01/30(金)  アメリカの時代は完全に終った。
http://grnba.com/iiyama/index.html#zz01301

露中が主導する新しい世界

「アメリカと中国との軍事衝突が起こった場合,嘉手納基地は2周間で壊滅!(F22ラプターは使い物にならないし…)」という米ランド研究所の分析が米国の認識になっている。

1991年のソ連崩壊によって冷戦は終結した。「冷戦の勝者」になったアメリカは世界最強の帝国になり,「世界の警察」として世界に君臨するようになった。
勢い余ったアメリカは,思うままに世界を支配しようとした。
米国の支配に従わない国家は,「石器時代に戻すぞ!」と,「核」で脅された。実際にロシアと中国は「核攻撃」の対象になった。

アメリカ帝国の「核攻撃」に殲滅させられぬよう、中国とロシアは(分裂と停滞によって最貧国に堕したが)平身低頭しつつ国富を少量づつ積み上げ,武力・軍事力を徹底的に技術革新した。

こうして中露は,貧乏と停滞と恥辱のドン底から這い上がってきた! まさに『悪魔に鍛えられた露中』だ。

かくして現在,財力と決意が備わったロシアと中国は、自国の軍事能力を急速に強化しアメリカを圧倒するようになった。
「アメリカと中国との軍事衝突が起こった場合,嘉手納基地は2週間で壊滅!」 という分析結果を発表したのは,RAND研究所だ。この分析論文は英文だが,熟読に値する。(その論文のPDF)
アメリカの国防総省系シンクタンク 『ランド研究所』が発表する論文の(ナイやアーミテージのレポートに見られる謀略目的性を排除した)客観性とリアリズムは評価に値するし,信頼に足る。

そのランド研究所が,驚天動地の警告を発した!

ランド研究所がシミュレーションを実施したところ、日本は尖閣諸島をめぐる中国との戦いにおいて5日間で敗北し、手も足も出なくなるというのだ。

そして、ランド研究所の出した結論は、「不毛の島」を巡る日中の争いは最終的に米中戦争を引き起こす可能性が高いので、米国は無視するべき!というものだ。

「中国は5日間で日本に勝利!」という衝撃のシミュレーションと,「米国は尖閣に関わるな」というランド研の警告に,妥当性と信頼性があるかどうか? 異論もあるだろう。

しかし,アメリカの国家機構の各セクションは,今回のランド研究所のシミュレーションと警告は影響が大きく,無視は出来ないということだ。

むしろ,外野席から発される異論が無視されるだろう。

驚愕の『ランド論文』についての詳説はココにある。← クリック。
是非とも熟読願いたい。

ランド研究所が警告を発したように,今や,中国とロシアの軍事力と軍事技術はアメリカを圧倒している。

アメリカは,ロシアと中国には手も足も出ない! 出せない! この現実を,日本の統治者・識者は永久に理解できないだろう。

大きく変容した「世界の今」を理解できないまま,この国は,やることなすことの全てが大きく誤ってしまい…,やがて必ず滅びる。

いや,すでに滅びている!と言うべきか?!
飯山 一郎

by めい (2016-01-30 05:14) 

めい

《かつては西側のジャーナリズムも客観的だった時代もあった。西側のジャーナリズムといえば抜きん出た調査力と暴露性を誇っていた。だが20年ほど前、西側のマスコミはこぞってプロパガンダの手段となり始めたのだ。これを驚くことに西側の俗物らはテレビ画面や新聞の紙面が吹き込むどんな馬鹿げたことでもさっさと信じ込んでしまったのだ。》
「西側」よりロシアの方がずっとまともな国になっているということがわかる記事です。

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西側の対ロシア情報戦争、そろそろ負け戦に突入
http://jp.sputniknews.com/politics/20160129/1514097.html
2016年01月29日 21:11
アンドレイ イワノフ

ロシア連邦保安庁のリトヴィネンコ元職員の放射性物質ポロニウムによる毒殺について、またプーチン大統領の富について、最近、英国が表した声明はロシア国民には西側がロシアへの情報戦争を活性化させた兆しと受け止められた。この情報戦争で西側が勝利する見込みはない。なぜなら西側の「暴露的なマテリアル」に感銘を受けるのは非常に情報に暗く、ロジカルに思考ができない大ばか者だけだからだ。

モスクワ国際関係大学国際問題研究所の上級学術専門家、アンドレイ・イヴァノフ氏の考察をご紹介しよう。

いっておくがロシアにはそういう輩(大ばか者)はそう多くない。西側マスメディアやロシアのリベラルな反体制派代表らが繰り返し「プーチンの嘘のプロパガンダ」を呪ったところで、ロシア人は自国で、そして世界での出来事について様々な見解を知りうる可能性を「自由な」西側の住人よりも格段に多く有している。ロシアのTVで放映されるおびただしい数のトークショーはロシアの反体制派にも、ウクライナ軍によるドンバスの一般市民の殺害を正当化する「統一ウクライナ」の支持者らにも、米国人専門家らにも発言の場を与えている。このためロシア人には様々な見解を比較する可能性があるのだ。西側の討論の場ではほとんどの場合、こうした可能性は排除されている。かつては西側のジャーナリズムも客観的だった時代もあった。西側のジャーナリズムといえば抜きん出た調査力と暴露性を誇っていた。だが20年ほど前、西側のマスコミはこぞってプロパガンダの手段となり始めたのだ。これを驚くことに西側の俗物らはテレビ画面や新聞の紙面が吹き込むどんな馬鹿げたことでもさっさと信じ込んでしまったのだ。
そのいい例がウクライナ上空での「親ロシア分離主義者」らによるマレーシア航空機ボーイングの撃墜報道だ。仮に、西側のいう「分離主義者」の手元に射撃可能な「ブーク」があったとしても、彼らが一体誰を相手にこれを使えたというのだ?

これが今、シリアで米国も持っていないようなナビゲーションシステムを搭載して飛んでいるロシアの飛行機 なら、誤差2-3メートルの範囲で到達不可能な「ダーイシュ」の携帯式防空ミサイルシステムに通常の爆弾を5-6キロ上空から落とすことが出来る。ところがウクライナにはこんな手段はない。だからドンバスでの戦争開始当時はキエフ側は低い高度から爆撃せざるを得ず、これがゆえにドンバス義勇軍の携帯式防空ミサイルシステムには簡単に餌食になったのだ。そこでキエフ側は空軍力が枯渇してしまうのを避けるため、すぐさま航空隊の使用を禁じた。このため、ドンバスの義勇軍が中低高度防空ミサイル「ブーク」を使う必要性は全くなかった。だが世界は、マレーシア機を撃墜したのは他でもない、あの「無慈悲なプーチン」の命令を遂行したドンバス義勇軍だ、という途方もない嘘を信じてしまった。

リトヴィネンコ毒殺事件の状況も似たようなものだ。西側には今、元KGBやロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)の投稿者らが実に快適な生活を送っている。この人間たちはリトヴィネンコ氏などよりずっと地位も高く、かなりの情報を握っている。だがこの者らに指を触れようとする人間はいない。百歩譲って、もしリトヴィネンコ氏がプーチン大統領にとってそんなに危険な人物だったとしても(まぁ、危険であればそもそも国外には出されなかったはずだか)、これを排除するのにはおそらくもっとスマートかつシンプルな方法が取られたはずだ。このためリトヴィネンコ氏の毒殺事件の原因は逃亡し、ロンドンに居を構えたロシア人オリガルヒ(新興財閥)の筋で探すほうが理にかなっているのだ。リトヴィネンコ氏はおそらくその富の出所について少なからず知っており、それを使って強請りをかけていた可能性もないとは言えない。それがゆえにリトヴィネンコ氏は消され、その罪がロシアに擦り付けられたというわけだ。

ロシア1のオリガルヒであり、プーチン氏の政敵だったボリス・ベレゾフスキー氏も数年の間、ロンドンで悠々自適生活を送っていたが、その後、わけの分からぬ理由で「自殺した。」ちょうどロシアに戻ろうとしていたときだった。だがここでも西側はベレゾフスキー氏の殺人の罪をプーチン氏に着せるほうが好都合だった。そんなわけで情報分析をする脳みそのスイッチの入れ方を忘れた西側の俗人らは、そうだ、そうだ、そうに違いないとマスコミを信じてしまった。

だが、この西側マスコミが西側のオーディエンスをペテンにかけるシステムも、今や故障をきたし始めている。蒙古襲来のような「移民」の欧州侵攻の事態に直面して、西側の俗人らも目を覚まし、酔いを醒まし、頭を働かせざるをえなくなったからだ。知恵を働かせる過程でおそらくロシアは西側と敵対したがってはいないことがわかるだろう。単にロシアにはロシアの国益があり、ロシアはそれを考慮してもらいたいと望んでいるだけのことなのだ。

by めい (2016-01-30 05:35) 

めい

なぜ今頃石原慎太郎が田中角栄かと思っていたが、納得です。

   *   *   *   *   *

622:堺のおっさん : 2016/01/31 (Sun) 09:31:09 host:*.ocn.ne.jp
http://grnba.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=15608854

出勤途上、フジの新報道2001という番組で、石原慎太郎が田中角栄を題材にした「天才」という本を出版したと。

結論から言うと、アメリカのヘリテ―ジ財団での講演で尖閣問題に火をつけた石原本人が、この男の身上でもある変わり身の早さを発揮して、日中友好の元祖である田中を持ちあげ、こっそりと親中派にポジションを変えたということだ。

右翼には2種類ある、とは山崎行太郎氏の物言い。ネット右翼に代表される、一貫した嫌中・嫌韓右翼。それと、時の権力におもねるだけのナンチャッテ右翼。石原は、その後者。あまりの角栄びいきに、同席していた右翼の金美齢など、反発していたのがおかしかった。まあ、そのうちこそっり立場を変えると思うが。

アメリカべったりのアキノ大統領が天皇皇后両陛下慰霊の訪問に、これまた異例の対応をするなど、中東に続き、極東でも風向きが確実に変わってきた。世界の軍事バランスとアメリカ国内でのバランスは激変したということだ。日本はこのままドンキ・ホーテを続けるのだろうか。

by めい (2016-01-31 12:04) 

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